地価下落で「ワースト10」が成立ー台風被害の武蔵小杉の地価動向は?

JUGEMテーマ:マンション


★ 野村不動産アーバンネットでは四半期ごとに住宅地価格とマンション価格の動向を調査・公表しています。1月14日には、本年1月1日現在について、『2020.1.1時点の首都圏「住宅地価格」の動向』として公表されましたので、その内容をご紹介します。

 「住宅地価格」において、四半期比較で「値上がり」を示した地点が7.7%(前回5.4%)、「横ばい」が87.5%(前回94.0%)、「値下がり」が4.8%(前回0.6%)となり、値上がり地点と値下がり地点が増加し、横ばい地点が減少しています。エリア別の平均変動率では、東京都下・千葉・埼玉の3エリアが前回より上昇となりました。東京都区部・神奈川の2エリアは前回から横ばいでした。

 これを
年間ベースで見ると、「値上がり」を示した地点が13.1%(前回10.7%)、「横ばい」が76.2%(前回80.4%)、「値下がり」が10.7%(前回8.9%)となり、値上がり地点と値下がり地点が増加し、横ばい地点が減少しました。エリア別の平均変動率では、東京都下・千葉・埼玉の3エリアが前回より上昇、東京都区部・神奈川の2エリアが前回より低下となりました。

 住宅地価格変動率の最近の四半期ごとの上昇率の推移は、
▲0.0%、0.1%、0.1%、0.1%となりました。これで3回連続でわずかながらプラスとなりました。

 23区の「住宅地価格」でこれまでの年間変動率のベスト10及びワースト10の地点を挙げると、次の通りです。〔〕内は前回順位、()内は最寄駅です。

ベスト10

1〔1〕 目黒区鷹番1丁目(学芸大学) 6.3%
2〔2〕 文京区本駒込6丁目(駒込) 6.1%
3〔3〕 杉並区高井戸東2丁目(高井戸) 3.7% 
4〔4〕 北区赤羽西1丁目(赤羽) 3.4%
5〔5〕 大田区西蒲田4丁目(蒲田) 2.9%
6〔7〕 大田区田園調布3丁目(田園調布) 2.9%
7〔10〕 板橋区坂下3丁目(蓮根) 2.8%
8〔−〕 中央区明石町(新富町) 2.5%
9〔−〕 品川区上大崎2丁目(目黒) 2.2%
10〔−〕 港区白金台4丁目(白金台) 2.1%
10〔8〕 目黒区大岡山2丁目(大岡山) 2.1%
 

ワースト10

1〔−〕 足立区千住旭町(北千住) ▲6.3%
2〔−〕 葛飾区お花茶屋1丁目(お花茶屋) ▲5.0%
3〔−〕 大田区荻中2丁目(糀谷) ▲2.7%
4〔2〕 大田区久が原4丁目(千鳥町) ▲2.3%
5〔1〕 荒川区西尾久8丁目(荒川遊園地前) ▲2.1%
6〔3〕 台東区池之端4丁目(根津) ▲1.8%
7〔5〕 練馬区平和台2丁目(平和台) ▲1.2%
8〔−〕 世田谷区用賀1丁目(用賀) ▲0.9%
9〔6〕 豊島区目白4丁目(目白) ▲0.9%
10〔4〕 北区滝野川2丁目(王子) ▲0.8%


 今回のランキングの特徴は、下落地点が11地点で10地点超となり、2018年4月以来久しぶりに「ワースト10」が成立したことです。また、下落地点のエリアが23区の中で比較的地価相場の安いところに集まっています。「地価の上昇は都心から始まり、下落は周辺部から始まる」というのは経験値としてのセオリーで、やや危ない兆候にも見えます。

 また、昨年10月の台風で甚大な被害を受けた
武蔵小杉の住宅地価格ですが、今回調査では変動なしの0.0%でした。ただし、調査地がタワーマンションの所在地ではなく、昔からの代表的な住宅地の今井南町ですので、これで影響なしとも言えないところです。なお、神奈川県下で上昇地点はマンション分譲が活況だった海老名市の1地点のみで、神奈川全体では地価の退潮傾向が明らかになっています。

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| 市場動向 | 19:01 | comments(0) | - |
新築マンション販売不振ー都区部タワマンほど売れていないという事実

JUGEMテーマ:マンション


★ 昨年12月17日、不動産経済研究所は、『首都圏のマンション市場動向‐2019年11月度−』を発表しました。これによれば、11月の発売は3,293戸で、前年同月(3,461戸)、一昨年同月(3,366戸)をいずれも下回りました。

 ただし、
2019年の中では3月の3,337戸に次ぐ発売戸数の多さでした。前月が2,007戸の発売という10月としては記録的な少なさでしたので、幾分発売戸数が回復したとも言えます。最も2019年の発売戸数がこの数で2番目に多いというのは不振の表れともとれるでしょう。

 契約率は55.2%です。前年同月比では1.3ポイントアップですが、2019年では前月(42.6%)に次いで2番目に低い数値です。また、3か月続いて契約率が60%を下回ったのは、ここ3年ではなかった傾向です。

 エリア別にみると、11月の
都区部の契約率は37.9%と、これも記録的な低さになりました。11月の1,306戸の売り出しに対し、495戸が成約し、811戸が売れ残ったことになります。人気のある都区部の契約率が最も高くなるのが常なのですが、ここでも異変が生じています。

 首都圏の
一戸当たり価格は5,469万円で、前年同月比で548万円(9.1%)ダウン、平米単価も8.9万円(9.9%)ダウンし、2019年で最も安くなりました。これは、発売戸数が最も多い都区部の一戸当たり価格が6,868万円、平米単価が107.8万円で、それぞれ10.2%、12.9%ダウンしたことが響いています。もっとも、これはその月に売り出された物件の価格水準に大きく依存するので、これをもって価格トレンドが下落傾向とも言えません。

 販売在庫数は525戸増加の7,525戸となりました。1か月の増え方としては最近これほどの増加は見たことがなく、大幅増と言えます。

 タワーマンションは17物件637戸が売りに出され、前年同月比9.6%増ですが、契約率は25.3%しかなく、161戸が成約、476戸が売れ残りとなりました。今やタワマンの売れ行き不振が全体成績の足を引っ張っている状況です。

 タイプ別契約率は、
1K51.4%、1LDK40.2%、2LDK53.7%、3LDK56.1%、4LDK70.2%と、都区部以外の4LDKは好調、1LDKが落ち込みました。特に都区部の1LDKの契約率は30.1%にとどまっています。4LDKの強い需要については、ファミリー層が郊外型マンションの取得に移行しているのかもしれません。

 価格帯別戸数では、
3,500万円以下の契約率が68.7%なのに対し、7,000万円〜9,000万円の契約率が32.8%と振るいませんでした。それ以上の価格帯の住戸の契約率は55%超あることから、アッパーミドル層のマンション購入が鈍っているとも解釈できます。

 都区部・タワマンという従来の人気物件が逆に低迷しているのが最近の状況です。これが価格に反映されて新築マンションが安めに出てくるようになれば狙い目ですが、「狙い目」と意識されているうちはそんな価格下落は起こらないことでしょう。

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| 市場動向 | 19:47 | comments(2) | - |
新築マンション着工件数回復−明るい兆しか、あるいは崩壊の序曲か

JUGEMテーマ:マンション


★ みずほ信託銀行が発表した『不動産マーケットレポート2019年12月号』によれば、国土交通省が発表している「建設着工統計」によると、全国の住宅着工戸数の3割を占める東京圏では、貸家の着工戸数が減少しているのに対し、分譲住宅の着工戸数は増加基調で推移しています。特に今年は分譲マンションの着工戸数の増加が顕著で、地域別では東京23区や横浜・川崎エリアなどが好調です。

 まず、
貸家の減少傾向ですが、2017年半ば以降ほぼ一貫して減少しています。直近のピークは2017年8月の41.1万戸で、元年9月には32.8万戸となり、ピークからは25.3%も減少しました。不動産投資用の融資の締め付けが本格的に始まったのが2年前の9月でしたから、その影響は如実に表れていることがわかります。

 一方、
分譲住宅は、振れを伴いつつも2018年半ば以降は増加基調で、足元の着工戸数はほぼ拮抗しています。その内訳を見ると、一戸建てが緩やかな増加傾向であるのに対し、分譲マンションは、2017年後半から2018年前半にかけての減少基調が底を打ち、回復が目立ちます。

 統計を見ると、
分譲住宅の着工戸数の直近の谷は本年5月の24.2万戸ですが、6月26.2万戸、7月27.2万戸、8月27.7万戸、そして9月には29.5万戸までに増加しました。この数値は、リーマンショック以降の中期スパンで見ても結構高い水準です。

 2019年以降の地域別の分譲マンションの着工戸数を見ると、
東京23区の着工が、2018年後半から増加基調となっています。また、神奈川県も、2018年の着工戸数を上回る水準となりました。一方、その他の地域は、千葉県で大型着工があり増加しましたが、東京23区以外と埼玉県の着工戸数が低調で、全体で2018年と同水準にとどまっています。

 本年は、
都心エリア、湾岸エリア、城東エリア、横浜・川崎エリアの着工戸数が6千戸を超え、これら地域は2018年と比較しても1千戸以上増加しています。また、着工戸数4千戸前後の城北エリア、城南エリアも2018年の戸数を上回っています。一方、城西エリア、さいたまエリア、湘南エリアは2018年を下回っています。

 東京23区については、2019年は、
江東区は4千戸前後となり、これら湾岸エリアの区が、引き続き分譲マンション着工の中心的なエリアです。また、区の着工戸数も2018年から大きく増加し、3千戸を超えました。このほか、新宿区、台東区、大田区の3戸で2千戸を超えました。

 以上が上記レポートの内容です。
新築マンションの販売不振が伝えられて久しいのですが、足元では着工需要が旺盛なのが確認できました。在庫管理の観点からすれば、販売在庫が積みあがりつつある現在、新規の仕入れは控えるのがセオリーです。
 
 にもかかわらず、各デベロッパーとも(?)販売戸数を増やそうとしているのは
「ちょっと何をしているのかわからない」状態ではあります。マンション評論家は、マンション建設が引き続き活発な理由として、リーマンショックを経て分譲マンション業界が体力のある大手の寡占状態であること、大手デベロッパーはマンション専業ではなく販売不振でも影響が軽微であること、パワーカップルなど価格が高くてもついてこれる購入者層が出現していること、などを挙げています。

 つまり、
売り急ぐ必要は全くなく、買える方を相手に気長に売っていった方が、値崩れを起こしてマンション市場を崩壊させるよりよっぽどよい、と考えているのでしょう。観察していると、大手デベロッパーはそれぞれ競争相手というより、協業相手なのであり、マンション市場を高い価格で保つよう努力する協同組合(ギルド)なのだと考えた方がしっくりきます。

 それは、違う角度からは
巨艦タイタニックのようにも見えます。例え沈みゆくとわかっていても、日々の営みをやめることはできません。仕入がなければプランはできず、プランがなければ建築はできず、建築がなければ販売はできないのです。大手デベロッパーを頂点に業界皆がそれに依存して生きている構図では、売れようが売れまいが全員が共倒れするまでやり続けるしかない‐案外そんな心持ちなのかもしれません。

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| 市場動向 | 22:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
日本のマンション建築は異常なコスト高!−米国でより安くより高級なマンションが作れるワケ

JUGEMテーマ:マンション


★ 21日付の日経XTECHによれば、「建築単価ウオッチ」の2019年10月調査の結果、鉄筋コンクリート造(RC造)マンションは、コストの動きを示す指数が前月比で0.1%下落しました。躯体(くたい)の資材・工事費の下落が寄与しています。RC造の主要な資材のうち、鉄筋と型枠用合板の取引価格は主要3都市でそろって下落しました。

 東京における2019年10月のRC造マンションのプライス推計値は、中央値に相当する中位(50%値)が1m2当たり32万2,000円(最新2カ月分は暫定値)で、前月比が変わらず、前年同月比では0.6%の上昇です。

 同様に、四分位で
高位(75%値)のプライス推計値は34万8,000円で、前月比が変わらず、前月比では5.7%下落でした。低位(25%値)は29万4,000円で、前月比が変わらず、前年同月比が3.5%上昇でした。

 以上が日経XTECHの記事の概要です。
東京オリンピック等の建設需要が一段落してきたのでしょうか。これまで上昇一辺倒だったマンション建築費が月によっては下落するようになってきたようです。

 注目したのは高位のプライス推計値で、
1平米当たり単価が2016年度は平均31万円、2017年度は33.5万円、2018年度は37万円まで跳ね上がったものの、2019年度は34.5万円程度まで下落しています。「高位」とは、建物の規模、施工条件、設計、グレードなどが「高位」にある高級マンションの建築費を指すものと思われます。その価格が今年に入って下落しているのです。

 サトウファシリティーズコンサルタンツのレポート『建築コストを考える』によれば、
日本の建築コストは世界各国と比べて格段に高いということです。第2位の英国と比べても1.5倍、3位以下の米国などと比べると2〜6倍もの格差となります。

 また、日本と米国の建築費を比較してみると、
日本は米国に比較して躯体にコストがかかり、仕上にはコストがかかっていません。これには求められる耐震建築の度合いもよるのでしょうが、留意すべき相違点です。

 労務費は米国が日本の2倍以上にもなりますが、にもかかわらず米国の建築コストが安いのは労働生産性の高さが原因です。したがって、日本は、大量の安い労働力を使った従来の「発展途上国型」の建設から、米国型の労働生産性を追求した「先進国型」の建設に変わっていかなければならない、とされています。これは、米国型の合理化に配慮した設計を行うことで、コストダウンは十分に可能であると、このレポートは結論付けています。

 また、
米国では小規模・低層の建物と大規模・高層の建物で建築単価がそれ程変わらないのに、日本では高層建築になるにしたがって建築単価が上昇する傾向にあるのだそうです。米国が大規模・高層建築についてまわる量産性と反復性を享受しているのに比べ、日本は高層建築になるにしたがって、建物のグレード、防災面の規制などもアップするからだそうです。

 さらに、
日本は間接工事費が高く、流通過程が複雑で、デベロッパーが事業に伴うリスクを大きく負うなどのコスト増要因があります。

 これらのことから、
日本のマンション価格に占める建築コストは高止まりしていると言えます。オリンピック需要が一段落しつつある今、日本の建設業界も欧米にならったコスト改革を進め、工事従事者にも高い賃金を確保しながら施工の効率化を進展させることで、より低廉でありながら仕上げにも意匠をこらしたグレードの高いマンションを建築し、購入者にも手の届く価格水準にしながら利益率を高めるような未来にしてほしいものです。

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| 市場動向 | 19:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
10月は半世紀ぶりの歴史的な低い契約率−タワマンの契約率は25.4%のみ

JUGEMテーマ:マンション


★ 18日付日本経済新聞によれば、不動産経済研究所が同日発表した10月のマンション市場動向調査によると、首都圏の新築マンション発売戸数は前年同月比29.5%減の2,007戸でした。2カ月連続で大きく減り、10月としては調査を開始した1973年以来で最低となりました。台風19号の上陸で週末を中心に集客ができなかったことが響きました。

 月間契約率は42.6%と好不調の目安とされる70%を大きく下回りました。10月としては1974年(23.5%)以来、すべての月で比較しても1975年8月(42.0%)以来の低水準となりました。台風の影響で「1〜2週間ほど販売を後ろにずらした物件が複数みられた」(不動産経済研究所)といいます。販売在庫数は7,000戸と2カ月連続で増加しました。

 1戸あたりの平均価格は5,992万円と前年同月に比べ58万円(1.0%)上昇し、1平方メートルあたりの単価も91.4万円と同2.6万円(2.9%)上昇しました。用地費の上昇傾向や工事費の高止まりなどを背景に、3カ月連続で上昇しました。11月の発売戸数は「白金や豊洲などで予定されている大型物件がけん引する」(同)ことから、前年同月を上回る3,500戸と見込んでいます。

 近畿圏の10月の新築マンション発売戸数は28.4%減の1,271戸となり、3カ月連続で前年同月を下回りました。家族向け住戸を中心に価格の上昇基調が重荷となっています。1戸あたりの平均価格は3,476万円と一人暮らし向け住戸の販売が増えた影響で前年同月に比べ4.9%低下しましたが、1平方メートルあたりの単価は71.9万円と同4.7%上昇しました。


 近畿圏の月間契約率は73.8%と5カ月連続で70%を上回り、販売在庫数は1,858戸と前月より減少しました。価格上昇を背景に客足が鈍りがちななか、販売予定時期の後ろ倒しが散見されるといい、11月の発売戸数は1,500戸程度と前年同月を下回る見通しです。

 以上が日本経済新聞の記事の概要です。この記事は、不動産経済研究所のプレスリリース『首都圏のマンション市場動向‐2019年10月度‐』を基にしていますので、以下その内容をみていくこととします。

 まず、
10月の発売戸数2,007戸は、前年同月の2,845戸、一昨年同月の2,817戸に比べ約3割減と大幅に減少しています。さらに契約率が42.6%と、1975年8月以来44年ぶりの歴史的な低さとなりました。台風による販売先延ばしの影響が甚大で、各デベロッパーとも販売計画を見直す必要が出てくるインパクトだったと思われます。

 しかも、今回の台風は、多摩川をはじめとする首都圏の河川氾濫、冠水により、
フラットな低地に建つマンションの危険性、タワーマンション高層階の災害時の不便性を浮き彫りにしました。マンション購入を躊躇させるには十分な影響がありました。

 実際、
タワーマンションの10月の契約率は25.4%しかありませんでした。445戸の売り出しのうち332戸が売れ残った計算です。

 発売戸数が10月として1973年以来の少なさだったにもかかわらず、在庫数は220戸も増加し、ちょうど7,000戸となりました。地域別契約率をみると、発売戸数の過半を占める23区物件の契約率が35.0%で地域別ワーストとなり、足を引っ張っていることがわかります。

 ただ面白かったのは、
1億円以上の23区物件は契約率82.4%と、高額物件のみ売れ行きが台風や消費税増税に影響されなかったことです。「買いたいスグレモノものは周囲に左右されることなく買う」というスタンスなのか、妙に感心しました。

 本ブログでも11月13日の記事『首都圏既存マンション成約が2ケタ減!ー10月は消費税+台風で散々な月に』で、
10月の中古マンション市場の不調ぶりをレポートしたところでした。

 もっとも、
10月の数値の低さは原因がはっきりしていますので、ある意味では救われていると言えます。上記の日本経済新聞の記事にあるとおり、話題の大型物件『白金ザ・スカイ』や『ブランズタワー豊洲』が販売される11月の動向が勝負どころです。

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| 市場動向 | 19:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
新築マンション価格定点観測ー坪250万未満のリーズナブルな物件を再発見

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★ 不動産ポータルサイトや情報誌でありそうでないものが「価格一覧表」です。購入検討者にとって最も重要な情報が価格であり、だからこそ売主側はこの情報をなかなか公開したがりません。また、これを他の新築マンションを比較検討できる方法で提示するなど、販売側にとってはできればやってほしくないことです。

 その中で、駅のラックに置いている
suumoは、比較的価格公開に積極的です。ポータルサイトが優勢な中、情報誌が生き残っていくには必要な努力なのでしょう。各デベロッパーにお願いしてできるだけ価格情報を掲載しているものとお見受けしました。

 suumoの最新号である
11月12日号に掲載されている新築マンションの価格水準の例は、次の通りです。

ルフォン北綾瀬シエルフォート 「北綾瀬」駅徒歩9分 坪192万円〜226万円
リビオシティ西葛西親水公園 「西葛西」駅徒歩11分 坪199万円〜296万円
ブレイズ北千住 「北千住」駅徒歩13分 坪202万円〜248万円
TOKYOキラリスナPROJECT 「南砂町」駅徒歩13分 坪203万円〜253万円
シティテラス金町 「金町」駅徒歩10分 坪206万円〜250万円
ソライエ成増 「地下鉄成増」駅徒歩11分 坪210万円〜257万円
ザ・パークハウスオイコス赤羽志茂 「志茂」駅徒歩6分 坪217万円〜257万円
ルピアコート篠崎 「篠崎」駅徒歩8分 坪219万円〜264万円
グランドメゾン江古田の杜 「新江古田」駅徒歩10分 坪231万円〜295万円
センチュリー船堀 「船堀」駅徒歩11分 坪232万円〜260万円
エクセレントシティ竹ノ塚駅前 「竹ノ塚」駅徒歩3分 坪237万円〜302万円
ザ・ガーデンズ大田多摩川 「矢口渡」駅徒歩12分 坪241万円〜293万円
シティテラス東京三ノ輪 「三ノ輪」駅徒歩9分 坪245万円〜282万円
蘆花公園ザ・レジデンス 「千歳烏山」駅徒歩9分 坪294万円〜345万円
ブランズ元浅草 「田原町」駅徒歩7分 坪313万円〜334万円
バウス世田谷上町 「上町」駅徒歩5分 坪315万円〜353万円
プラウドシティ東雲キャナルマークス 「豊洲」駅徒歩10分 坪319万円〜352万円
クレヴィア日暮里THE RESIDENCE 「日暮里」駅徒歩10分 坪334万円〜351万円
クレヴィア池袋East 「池袋」駅徒歩10分 坪338万円〜431万円
ルピアシェリール森下 「菊川」駅徒歩2分 坪363万円〜393万円
クレヴィア日本橋浜町公園 「浜町」駅徒歩2分 坪389万円〜437万円
クレヴィア日本橋水天宮前 「水天宮」駅徒歩3分 坪432万円〜455万円
クレヴィア文京湯島 「湯島」駅徒歩1分 坪526万円
SHIROKANE The Sky(白金ザ・スカイ) 「白金高輪」駅徒歩3分 坪550万円〜1,245万円

 上記は、
suumoにおいて、見開きページで紹介されている23区所有権物件のうち、現在の販売期に応じて価格レンジが掲載されているものを全て挙げ、最も低い坪単価を示した順に並べたものです。これを見ると、23区でも最低価格水準が坪単価250万円を切っているものが13件あり、総掲載件数24件の54%を占めるなど、案外買いやすいものがあることを再発見しました。

 また、低価格水準物件のうち
駅距離が徒歩10分圏外であるものが6件あり、坪単価250万円未満の低価格物件の46%を占めています。逆に最低価格水準が坪単価250万超の物件には駅距離が徒歩10分超となるものが皆無であり、高額物件では駅距離徒歩10分超となると売りにくいことがわかります。

 したがって、
リーズナブルな物件を探そうと思えば、まずは駅徒歩距離10分超が狙い目となります。しかし、これは中古市場でも低価格で取引されることを示唆しており、一概にお得であるとも言えません人気駅徒歩3分内であったり、話題の大規模タワー物件であったりすると、価格があり得ないくらい高くなりますが、それはセカンダリーで高額で売れる可能性と裏腹でもあります。

 売主に安心感があり、価格もリーズナブルで、個人的にバランスが良い思っている物件は、『リビオシティ西葛西親水公園』、『シティテラス金町』、『ザ・パークハウスオイコス赤羽志茂』、『グランドメゾン江古田の杜』、『シティテラス東京三ノ輪』です。『蘆花公園ザ・レジデンス』より上は価格が一段と上がり、サラリーマンにとって現実的ではありません。

 上記に掲げたマンションは
都心へのアクセスも良好です。あまり背伸びをしなくてすむ快適なマンションとして、魅力は十分だと考えています。

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| 市場動向 | 20:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
首都圏既存マンション成約が2ケタ減!ー10月は消費税+台風で散々な月に

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★ 11日付R.E.portによれば、東日本不動産流通機構は同日、2019年10月度の首都圏不動産流通市場動向を発表しました。

 同月の首都圏中古(既存)マンション
成約数は2,771件(前年同月比10.5%減)の2ケタ減、5ヵ月ぶりに前年同期を下回りました。地域別では、東京都区部1,160件(同4.2%減)、東京都多摩261件(同15.3%減)、埼玉県339件(同10.6%減)、千葉県364件(同9.9%減)、神奈川県横浜市川崎市460件(同19.4%減)、神奈川県その他187件(同16.1%減)と、全面的に大幅減となりました。

 1平方メートル当たりの
成約単価は53万4,500円(同5.7%増)、平均成約価格は3,461万円(同5.7%増)と、共に9ヵ月連続の上昇です。新規登録件数は1万7,033件(同5.4%減)で2ヵ月連続の減少でした。在庫件数は4万7,805件(同1.8%増)となり、53ヵ月続けて前年同月を上回りました。

 既存戸建ての成約件数は928件(同13.0%減)で3ヵ月ぶりに減少に転じました。平均成約価格は3,150万円(同6.7%増)と、2ヵ月連続の増加でした。

 以上がR.E,portの記事の概要です。上記記事は、東日本不動産流通機構のプレスリリース『月例速報Market Watch−2019年10月度−』に基づいていますので、以下その内容を見ていくこととします。

 まず、
10月の首都圏中古マンションの成約数が前年同月比2ケタ減と、急減しました。成約数が前年同月で減となったのは5月以来5か月ぶりで、しかも2ケタ減はここ2年間でも経験したことのない減り方です。

 これはやはり
10月1日よりの消費税増税の影響と考えてよいでしょう。中古マンションは個人間取引が多く、その場合に物件価格に消費税はかからないのですが、仲介手数料等諸費用には消費税がかけられることと、高額商品全般に係る消費者心理の冷え込みが主要因と思われます。

 さらに、
10月は台風19号により首都圏にも甚大な被害がもたらされました。台風襲来が土日の週末にかかった点、また、武蔵小杉のタワーマンションをはじめとしてマンションにも大きな被害が及んだことも、少なからず影響していると考えられます。

 実際、台風の被害が大きかった川崎市が含まれる
横浜市・川崎市の成約件数は前年同月比で19.4%減と、首都圏で最も大きく落ち込みました。冠水した多摩川沿岸部を含む多摩地域も、成約件数が前年同月比15.3%減でこちらも振るいませんでした。

 横浜市・川崎市の不振は成約単価にも表れています。首都圏の各地域の成約単価が前年同月比で上昇している中で、
一人横浜市・川崎市だけが2.3%減となり、売り手の弱気が鮮明になっています。

 特に
川崎市の成約件数は、前年同月比で26.8%減となっています。新規登録件数も前年同月比で21.4%減、新規の売り出し額、単価とも前年同月比3%超の減です。

 まとめて言えば、
10月は不動産市場にとって「散々な月」でした。消費税増税+台風被害のダブルの影響から早期に回復できるのか、長引くのか、この年末にかけて重要な局面を迎えています。幸い株価が年初来高値を記録しており、これが不動産のような高額物件の購入にプラスの影響を与えてくれることを期待しましょう。

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| 市場動向 | 19:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
0%〜0.1%の価格変動率の少なさが常態化−昨今のマンション価格の硬直性

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★ 野村不動産アーバンネットでは四半期ごとに住宅地価格とマンション価格の動向を調査・公表しています。10月11日には、本年10月1日現在について、『2019.10.1時点の首都圏「住宅地価格」の動向』として公表されましたので、その内容をご紹介します。

 「住宅地価格」において、四半期比較で「値上がり」を示した地点が5.4%(前回7.1%)、「横ばい」が94.0%(前回91.1%)、「値下がり」が0.6%(前回1.8%)となり、横ばい地点が増加し、値上がり地点と値下がり地点が減少しています。エリア別の平均変動率では、東京都下、神奈川の2エリアが前回より上昇となりました。東京都区部、埼玉、千葉の2エリアは前回から横ばいでした。

 これを
年間ベースで見ると、「値上がり」を示した地点が10.7%(前回18.5%)、「横ばい」が80.4%(前回73.2%)、「値下がり」が8.9%(前回8.3%)となり、横ばい地点と値下がり地点が増加し、値上がり地点が減少しました。エリア別の平均変動率では、東京都下が前回より上昇、東京都区部、埼玉、千葉の3エリアが前回より低下となりました。神奈川は前回から横ばいでした。

 住宅地価格変動率の最近の四半期ごとの上昇率の推移は、
▲0.0%、▲0.0%、0.1%、0.1%となりました。これで2回連続でわずかながらプラスとなりました。

 23区の「住宅地価格」でこれまでの年間変動率のベスト10及びワースト8の地点を挙げると、次の通りです。〔〕内は前回順位、()内は最寄駅です。

ベスト10

1 目黒区鷹番1丁目(学芸大学) 6.3%
2 文京区本駒込6丁目(駒込) 6.2%
3 杉並区高井戸東2丁目(高井戸) 3.7% 
4 北区赤羽西1丁目(赤羽) 3.4%
5 大田区西蒲田4丁目(蒲田) 3.0%
6 渋谷区本町2丁目(初台) 2.9%
7 大田区田園調布3丁目(田園調布) 2.9%
8 目黒区大岡山2丁目(大岡山) 2.1%
9 中野区野方2丁目(野方) 1.2%
10 板橋区坂下3丁目(蓮根) 0.9%
 

ワースト8

1 荒川区西尾久8丁目(荒川遊園地前) ▲3.4%
2 大田区久が原4丁目(千鳥町) ▲2.3%
3 台東区池之端4丁目(根津) ▲1.8%
 世田谷区上野毛3丁目(上野毛) ▲2.2%
4 北区滝野川2丁目(王子) ▲1.5%
5 練馬区平和台2丁目(平和台) ▲1.2%
6 豊島区目白4丁目(目白) ▲0.9%
7 世田谷区用賀1丁目(用賀) ▲0.9%
8 板橋区南常盤台2丁目(ときわ台) ▲0.7%


 最近のランキングの特徴としては、値上がり幅が小さくなっていることで、1年前のランキングでは上位10位の値上がり幅7.0%〜3.4%だったところ、今回は6.3%〜0.9%と、特にランキング下位の値上がり幅がわずかになっています。値下がり地点も前回5地点から8地点に増加し、23区人気地でも交通利便性がやや劣るところが弱くなっている傾向にあります。

 比較的長いスパンで見ると、
価格変化率は2015年以来プラスもマイナスも1%内で、しかもその振幅幅が極めて小さくなってきていることに注目です。こう見てくると、東京オリンピック開催後がやはりひとつの注目点であることには変わりはなく、また、短期的には、10月の台風被害がタワーマンションをはじめマンション購入の動きを鈍らせるかどうかも目下の関心事項だと考えます。 

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| 市場動向 | 23:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
高くて売れない、売れなくても高い―マンション買い手不在の健全度

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★ 不動産経済研究所は10月17日、『首都圏のマンション市場動向−2019年9月度−』を発表しました。これによれば、9月の発売戸数は2,359戸で、前年同月(3,372戸)との比較で30.0%減少しました。一昨年9月の発売戸数が2,978戸でしたので、一昨年からも20.8%減少していることになり、9月としてはここ3年間で最少となりました。

 前年同月比を地域別にみると、
23区▲23.8%、都下▲9.8%、神奈川県▲30.8%、千葉県▲79.5%と減り方が大きく、埼玉県だけが△21.5%でした。

 契約率は56.8%しかなく、2019年では最も低い数値となりました。ここ3年間でも、2018年12月の49.4%、2018年11月の53.9%に次ぐ3番目に低い結果です。前年同月比の契約率を地域別にみると、23区54.4%、都下44.6%、神奈川県69.3%、埼玉県50.8%、千葉県76.7%と、23区、都下、埼玉県でふるいませんでした。

 9月は、8月の長い夏休みから心機一転、
秋商戦のはじまりとして盛り上がるのが例年です。また、本年は10月1日からの消費税率アップの駆け込み需要も見込めるかと思われましたが、その気配すらありませんでした。これは、家電製品、車や日用品などで結果的に消費が伸びて駆け込み需要が見られたのとは対照的な動きです。

 確かにこの夏は
大型話題物件『HARUMI FLAG』がよく売れ、その反動が来たともとらえられます。マンションというライフスタイルが見捨てられたわけではなく、価格と広さがニーズにマッチすれば、需要があるとの証左でもあります。

 1戸当たり価格は5,991万円で、前年同月比で16.6%アップしています。販売在庫数は6,780戸で、販売戸数が少なかったにもかかわらず、在庫は32戸増加しています。タワー物件の契約率は44.7%で、9月に売り出した戸数273戸の過半が売れなかったことになります。

 例えていうならば、
Tシャツが1枚3万円する銀座の高級ブランドショップの店頭にいる心持ち、といったところでしょうか。いつになったら売れるかわからないけれど、資本力があるのでつぶれることはなく、他の事業で稼いでいるので、値下げしてブランド価値を毀損するくらいならこのままディスプレイしておく方がよい、という判断です。まあ、いつかは売れるだろう、とゆったり構えているわけです。

 リーマンショック前の中小デベロッパーが多数競合した状態であれば、もっと売主が皆焦っていたに違いありません。競争が淘汰された今の「買い手不在でも売主平気」という状態は、資本主義経済としては不健全である気がします。

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| 市場動向 | 19:34 | comments(2) | trackbacks(0) |
今ドキ下落している住宅価格指数とは?−新たに見えてくる首都圏の不動産価値

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★ 24日付R.E.portによれば、日本不動産研究所は24日、2019年7月の「不動研住宅価格指数」(既存マンション)を公表しました。

 2000年1月を100とした場合の指数は、首都圏総合が91.29ポイント(前月比0.56%下落)と反転下落、前年比では0.88%上昇しています。

 地域別では、
東京都が100.34ポイント(同1.09%下落)です。神奈川県が85.20ポイント(同0.02%上昇)、千葉県が71.01ポイント(同0.94%上昇)で、いずれも2ヵ月連続の上昇です。埼玉県は75.28ポイント(同0.57%上昇)となりました。

 以上がR.E.portの記事の内容です。
「あれ、東京都の中古マンション価格は100.34ということは、2000年1月から中古マンション価格は上がっていないの?神奈川、千葉、埼玉は2000年より2〜3割安い?」と思ってしまいますが、この指数はそういう意味ではないようです。

 説明資料を見ると、不動研住宅価格指数は、
リピート・セールス法を用いて3ヶ月移動平均方式で計算したもので、リピート・セールス法では、同一物件が2度売買された時の価格のペアに基づいて既存マンションのそれぞれの価格水準を回帰計算によって指数化したものということです。

 従来、日本は不動産価格指数の計算に
ヘドニック法というものを用いており、米国で用いられているリピート・セールス法と異なる云々の興味深い議論はあるようですが、わかりやすく言えば、リピート・セールス法は同一マンションの2時点での売買価格で指数を作ることによって、複数マンションの属性の違い(例えば、グレード、売主、タワーか否か、などでしょうか)が指数に影響を与えることを避けることができると言われています。

 その代わり、リピート・セールス法では、
同一マンションの経年劣化の影響を考慮し、これを適切に取り除かなければなりません。しかし、その結果としても、折れ線グラフで表すと右肩下がりという結果になります。これを米国の各都市のグラフではいずれも右肩上がりで、対照的になっています。

 日本の場合、1990年代の不動産バブルから長期的トレンドはいまだに下り坂にあると評価することができます。最近、新築マンションの価格高騰ばかりに目が行きますが、これも「新築バイアス」を取り除けば、案外不動産としての「正味の価値」は引き続き漸減しているとも言えます。

 したがって、
東京都のみがかろうじてマンション価値を維持しているものの、東京都も含めて大きな視点では首都圏ですら不動産の価値は常に「下方圧力」がかかっていると考えられます。我が国の今後の不動産価値を考えていく場合、これは結構重要な視点かもしれません。

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