10月のマンション契約率は2016年1月以来の低さ−12月の大商いに期待

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★ 16日付suumoジャーナルによれば、不動産経済研究所は同月15日、2017年10月度・首都圏の「マンション市場動向」を発表しました。

 それによると、
10月の新規発売戸数は2,817戸で、対前年同月(2,903戸)比3.0%減、対前月(2,978戸)比5.4%減です。地域別発売戸数は東京都区部1,276戸(全体比45.3%)、都下357戸(同12.7%)、神奈川県623戸(同22.1%)、埼玉県412戸(同14.6%)、千葉県149戸(同5.3%)。東京都のシェアは58.0%でした。

 新規発売戸数に対する契約戸数は1,709戸で、
月間契約率は60.7%です。前月の64.9%に比べて4.2ポイントダウン、前年同月の61.6%に比べて0.9ポイントダウンとなりました。1戸当り平均価格、1平米当り単価は、5,586万円、81.1万円です。2017年9月は5,823万円、84.6万円でしたので、前月比総額では237万円(4.1%)のダウン、平米単価は3.5万円(4.1%)ダウンしています。

 地域別平均価格・1平米当り分譲単価は、東京都区部6,491万円・101.3万円、都下4,744万円・64.0万円、神奈川県5,529万円・74.9万円、埼玉県4,076万円・56.9万円、千葉県4,270万円・61.8万円でした。


 即日完売は79戸(全体の2.8%)で、フラット35登録物件戸数は2,647戸(同94.0%)でした。

 以上がsuumoジャーナルの記事の概要です。この記事は、不動産経済研究所のプレスリリース『首都圏のマンション市場動向 −2017年10月度−』を基にしていますので、以下その内容を見ていくこととします。

 まず、10月の発売戸数2,817戸は、前年同月2,903戸、一昨年同月2,921戸をわずかに下回っています。
契約率60.7%は2016年1月の契約率58.7%以来の低さで、本年7月の契約率71.9%以来、3か月連続で契約率が悪化しています。このような3か月連続の契約率の悪化は、ここ3年間では見られなかった傾向です。

 地域別の契約率を見ると、都区部68.3%、都下42.6%、神奈川県67.4%、埼玉県44.9%、千葉県53.7%で、相対的には
都区部と神奈川県で契約率が高く、都下と埼玉県で低いという結果になりました。

 価格は本年の中では最も低い月なのですが、前年比ではアップになっています。その意味では、価格は依然高止まりしていると言えます。不動産の場合は、価格が安いから売れるというより、売れるから価格が高いと言った方が正確で、10月も、契約率の比較的高い都区及び神奈川県で前年同月比アップ、契約率の比較的低い都下、埼玉県で前年同月比ダウンとなりました。

 即日完売物件は最近減少傾向ですが、10月は全体の2.8%にとどまりました。この中では、
『パークホームズ北千住 アドーア』が第1期69戸を即日完売、「北千住」駅徒歩5分の10年ぶり立地が人気を集めました。販売在庫数は6,122戸に再び増加(前月末比41戸増加)しています。

 10月のタワー物件の販売は12物件119戸で、前年同月(11物件153戸)比22.2%の減でした。契約率は前年同月が52.3%を振るいませんでしたが、本年10月も43.7%と極めて低い状態です。ちなみに首都圏の戸建てについても、本年10月の契約率は29.1%に沈みました。

 近年は11月下旬よりの販売、12月契約のパターンが1年間のピークとなっており、本年もそのシーズンが近づいています。駅直結大規模タワー『ザ・タワー横浜北仲』が12月3日に総販売戸数の3分の2に当たる750戸を販売するなどの動きが注目されます。相対的に低調だった今年のマンション販売ですが、12月の販売がぜひ来年のはずみになってほしいものです。

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| 市場動向 | 20:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
東京都の住宅価格指数がついに前年比マイナスに−その意味と価値を考える

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★ 10月31日付R.E.portによれば、日本不動産研究所(JREI)は同日、2017年8月の「不動研住宅価格指数」(既存マンション)を公表しました。

 2000年1月を100とした場合の指数は、首都圏総合が88.49(前月比0.28%下落)と、4ヵ月連続の下落です。5月以降徐々に上昇幅が縮小していた前年同月比は、0.54%の下落に転じています。

 地域別では、
東京都96.32(前月比0.20%下落)が4ヵ月連続で下落、神奈川県84.56(同0.33%下落)が2ヵ月連続で下落となりました。千葉県は70.42(同1.58%下落)、埼玉県は72.09(同0.61%上昇)となりました。

 以上がR.E.portの記事の概要です。上記記事は、日本不動産研究所の公表資料『「不動研住宅価格指数」8月値の公表について』を基にしています。

 まず、よくわからなかったのが、2000年1月を100とした場合に、現在の数値が88.4と下回っていることです。「不動研住宅価格指数」とは、
「首都圏既存マンション(中古マンション)の成約価格情報を活用し、同一物件の価格変化に基づいて算出された指数」とのことですから、各マンションで、価格が上昇したもの、下落したものなど、一切合切を総合化して指数としたものでしょう。

 ということは、
「指数が上昇している」ということは、中古市場で価格が上昇しているマンションが多い、ということで、「指数が下落している」ということは、中古市場で価格が下落しているマンションが多いということになると思われます。つまり、現在の状況は、2000年1月より、中古価格が下落しているマンションが多い、と捉えることになります。

 そして、前月比、前年比がプラスとなっていた、ということは、
前月、前年と比較して価格が上昇しているマンションが増えてきていた、ということです。しかし、本年5月からは、首都圏、東京都とも、前月比でマイナスとなり、8月にはついに前年同月比でマイナスとなりました。

 つまり、
本年5月からは、価格上昇の中古マンションがだんだんと減り始め、本年8月には、その数が前年同月を下回った、ということができます。それは私が住むマンションの中古市場の値動きを見ても実感しているところですので、それほど驚く傾向ではないかもしれません。

 本年4月の東京都の99.17という指数は、2000年2月以来の高い数値でした。それが落ちたとは言え、直近の本年8月でも東京都は96.32をマーク、高水準を維持しています。

 しかし、これは、
従来のマンション価格の安かった時代の物件が算定基礎に入っているためもあります。今後、ここ2,3年の高騰した価格水準のマンションが中古市場に出てきた場合には、より価格下落圧力が強まるのではないかと思われます。

 そういう意味では、本指標は、
今これから分譲マンションを購入しようという方にも参考になります。マンションを買えばその多数が価格上昇のキャピタルゲインを狙えた良き時代に陰りが見えてきたとも捉えられるからです。

 少なくとも、
マンション価格上昇期にありがちな「今マンションを買わなければマンション価格がますます上がるのでは」という心配は今やなくなりました。キャピタルゲインも今後は見込み薄の方向と割り切れば、自分が永住したいマンションをじっくりと探索する余裕が生まれてくるとも言えます。

 そう考えると、
中古マンションの価格下落も、「そう悪いことばかりではないな」と思い直したのでした。

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| 市場動向 | 22:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
不動産投資ローンが通らなくなっている−自主規制がもたらすバブル崩壊の序曲

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★ この土日は日本列島を台風が直撃しています。おかげで、私は予定していた「TO DO リスト」が全てできなくなってしまったので、かえって手持ち無沙汰になりました。こんな時にどうかとも思いましたが、ちょっと気になっていた土地や戸建てなどを不動産屋さんに案内してもらうことにしました。

「すみません、こんな時に」

 私が謝りながら挨拶すると、仲介業者のAさんは、にこやかに言いました。

Aさん
「いえいえ、いいんですよ。お勤めの方は土日しか休みがありませんからね」

 現地を実際に見ると、ネット上の情報以外にいろいろなものが見えてきます。駅からのルートが坂道だったり、車は通ると言われても道が狭くてものすごいテクニックが必要そうだったり、モノによっては駅距離も少しごまかしていたりして、「だからこの値段なのね」と思うことも少なくありません。結論は残念ながら「今ひとつかな」という印象でした。

Aさん
「そういえば、最近は融資が随分通りづらくなりまして」

私「え、そうなんですか。今までこんなに低金利で住宅を買う絶好の環境だったのに」

Aさん
「いえ、住宅ローンはいいんです。投資用ローンがこの9月からすっかり厳しくなりまして」

 確かに最近、ネットでは融資が通りづらくなっているとの情報を見かけていました。近年、低金利に苦しむ地方銀行などが、その活路をアパートローンに求め、採算性を度外視して融資を出し続け、結果としてアパートローンの融資残高が異様に膨れ上がっている状態となり、金融庁がこれに憂慮を示している、との内容でした。

Aさん
「この春から不動産投資に積極的に融資する銀行が徐々に減ってきてはいたのですが、どうも9月に金融庁からお達しが出たみたいで、そこからピタッと融資の流れが止まったんです。」

 Aさんによれば、それは金融庁のお達しが直接の命令だったというより、各金融機関がそれをおもんぱかって「自主規制を始めた」ということのようです。この点、いかにも日本の金融機関らしいところです。

Aさん
「いやあ、びっくりしましたよ。それまで百発百中で融資が通っていたのに、そこから十に一つか二つしか通らなくなったんですから」

「…ということは、収益物件が売りづらくなってきた、と」

Aさん「そうですねえ。例えば、今春に強気のバブル価格で出していた物件を、慌てて値下げする動きが出ています。まあ、初めの値段が高かったので、それでもお買い得感はないですけど」

 Aさんが見せてくれたチラシは、1億円近い値が付いていた投資物件が8千万円台前半まで、約1,500万円値下げされていました。

Aさん
「でもですね。このまま行くと、銀行の第4四半期の業績はがくっと落ちちゃうわけで、それは株主も許さないと思うんですよね。だから、9月〜10月は自粛していても、おそらく11月、12月には融資が戻る、と見ています。」

 「果たしてそうかな」と私は内心思いました。思い起こされるのは1990年台の不動産バブルを一気に破綻させた大蔵省の総量規制です。1990年3月、大蔵省は、行き過ぎた不動産価格の高騰を沈静化させるため、「不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑える」施策を採ったのでした。

 しかし、この政策は、
予想をはるかに超えた急激な景気後退の打撃(いわゆるバブル崩壊)を日本経済にもたらし、その後の「失われた20年」を日本に招来する要因の一つとなりました。もっとも、不動産バブルの崩壊は総量規制だけが原因ではないわけですが、そのきっかけの一つになったのは確かです。

 日本の金融機関は、お上に反抗するような風土ではなく、
自主規制を始めた以上は、それが業績を悪化させようが、そのまま歯を食いしばってしまう気がします。困るのは川上の銀行というより、川下の不動産業者、建築業者、仲介業者です。

 高値売却を目論んで不動産を所有したり、建築したりする行為は、その
大部分を短期融資で賄っています。これが思うように売れないと、現に自転車操業を行っている数多くの零細不動産業者は倒産するしかなく、そもそも銀行が融資をしてくれないと廃業するしかありません

 当時の総量規制も、
地価高騰へのハードランディングを意図したわけではないのに(当時もそういう評価ではありませんでした)、結果として日本経済に壊滅的なダメージを与えました。今回の「ソフトな自主規制」も、株価14連騰に湧く日本経済を崩壊に導く可能性がゼロとは言えないでしょう。

 現下の不動産バブルが、9月からの「融資の自主規制」により、裾野から徐々に綻びていくのか否か、注意深く見ていく必要がありそうです。

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| 市場動向 | 21:39 | comments(6) | trackbacks(0) |
売れるは富裕層の自己使用と投資物件ばかり−マンション販売をリセットしたい

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★ 10月18日付マイナビニュースによれば、不動産経済研究所は10月16日、「首都圏のマンション市場動向(2017年9月度)」を発表しました。調査対象となる物件は、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、茨城県南部にある民間業者による分譲物件のうち、原則10戸以上のものです。

 2017年9月のマンション新規発売戸数は2,978戸で、前年同月と比べて13.0%減少し、前月比では41.7%の増となりました。

 地域別では、東京都区部が1,167戸(全体比39.2%、前年同月比8.3%減)、都下が342戸(同11.5%、32.9%減)、神奈川県が876戸(同29.4%、6.8%減)、埼玉県が343戸(同11.5%、17.5%減)、千葉県が250戸(同8.4%、12.3%減)と、
東京都が約半数となる50.7%を占める結果となりました。

 新規発売戸数に対する契約戸数は1,933戸で、
月間契約率は64.9%になり、前月に比べて3.3pt、前年同月比では7.1ptダウンしました。なお、地域別の契約率は、都区部で65.9%(契約戸数769戸)、都下が38.6%(同132戸)、神奈川県が70.9%(同621戸)、埼玉県が58.9%(同202戸)、千葉県が83.6%(同209戸)でした。

 1戸当たりの平均価格は5,823万円と、前月比で29万円(0.5%)、前年同月比では246万円(4.4%)のアップとなりました。また、1平方メートル単価については、前月比で2.5万円(2.9%)ダウンしましたが、前年同月比では6.0万円(7.6%)のアップとなりました。

 地域別の平均価格をみると、
東京都区部(7,360万円/7.5%増)や都下(5,132万円/11.8%増)、埼玉県(4,554万円/10.4%増)、千葉県(4,207万円/0.1%増)で上昇しましたが、神奈川県(5,002万円/8.2%減)で下落しました。

 9月末現在の
販売在庫数は6,081戸と、前月末(6,107戸)から26戸減少しました。なお、2017年10月の発売戸数は3,500戸を見込んでいます。

 以上がマイナビニュースの記事の概要です。本記事は、『首都圏のマンション市場動向−2017年9月度−』が基になっていますので、以下その内容を見ていくこととします。

 9月の発売戸数については、前年同月より13.0%減少したものの、2015年9月と比較すると22.5%増加しており、最近のマンション販売動向の中では
まずまずの発売水準なのではないかと思います。ただ、契約率64.9%は、本年では1月(61.6%)に次ぐ低さではあります。特に都下38.6%が足を引っ張りました。

 1戸あたりの価格5,823万円は、前月より0.5%上昇しましたが、本年の中では中くらいの水準になっています。
前年12月に5,078万円で底を打った後は、緩やかな上昇曲線を描いているようにも見えます。都区部7,360万円は、他エリアが4〜5千万円台であるのに比べて引き続き突出しています。

 販売在庫数は前月と比べて26戸減少しましたが、ほぼ同水準と言ってよいでしょう。
タワー物件は、販売戸数340戸で前年同月比49.3%減となりほぼ半減、契約率も60.6%と振るわず、タワー販売については閑散期だったようです。ただし、9月は話題の大型物件が事前案内会やモデルルームを開催していてモデルルームは結構賑わっており、11月、12月のタワー物件販売は期待できます。

 都区部で最もよく売れた間取りは1Kで、価格帯別では3,300万円以下並びに2億円以上が最も契約率が高くなっています。要は売れ筋は投資家層向けと富裕層向けだったことがわかります。つまり、現在マンションに手を出しているのは富裕層が中心で、富裕層による自己保有用物件と投資用物件が伸びている印象です。

 マンション供給は当然、マンションニーズがある場所を目指します。考えてみれば、
出てくる物件は、都心コンパクトが都心高級マンションばかりで、従来の実需層の購入の中心であった世田谷区、杉並区2LDK〜3LDK物件の動きが鈍くなっています。

 小池都知事は、「日本をリセットする」と主張されていますが、
23区マンション販売もぜひリセットしてもらいたいと思います。

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| 市場動向 | 23:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
不動産価格は膠着状態−下落地点は2期連続増加に

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★ 野村不動産アーバンネットでは四半期ごとに住宅地価格とマンション価格の動向を調査・公表しています。10月10日には、本年10月1日現在について、『2017.10.1時点の首都圏「住宅地価格」と「中古マンション価格」の動向』として公表されましたので、その内容をご紹介します。

 まず、
「住宅地価格」です。四半期比較で「値上がり」を示した地点が7.6%(前回13.3%)、「横ばい」が82.9%(前回78.5%)、「値下がり」が9.5%(前回8.2%)となり、横ばい地点と値下がり地点が増加し、値上がり地点が減少しています。エリア別の平均変動率では、東京都区部で2四半期ぶりにプラス、東京都市部で4四半期連続プラス、神奈川と千葉で2四半期連続マイナス、埼玉で11四半期連続プラスとなりました。

 これを
年間ベースで見ると、「値上がり」を示した地点が29.1%(前回36.1%)、「横ばい」が50.0%(前回43.0%)、「値下がり」が20.9%(前回20.9%)となり、横ばい地点が増加し、値上がり地点が減少しました。エリア別の平均変動率では、東京都区部と東京都市部と埼玉で8四半期連続プラス、神奈川、千葉で8四半期ぶりにマイナスとなりました。

 次に、
「中古マンション価格」です。四半期比較で「値上がり」を示した地点が9.6%(前回15.5%)、「横ばい」が79.5%(前回74.9%)、「値下がり」が10.9%(前回9.6%)となり、横ばい地点と値下がり地点が増加し、値上がり地点が減少しています。エリア別の平均変動率では、東京都区部、埼玉で12四半期連続プラス、千葉では2四半期ぶりにプラス、東京都下、神奈川では3四半期連続マイナスとなりました。

 これを
年間ベースで見ると、「値上がり」を示した地点が25.9%(前回35.4%)、「横ばい」が54.8%(前回52.3%)、「値下がり」が19.2%(前回18.0%)となり、しました。エリア別の平均変動率では、東京都区部、東京都市部、埼玉が10四半期連続でプラス、神奈川、千葉が2四半期ぶりにプラスとなりました。

 住宅地価格変動率の最近の四半期ごとの上昇率の推移は、0.3%、0.2%、0.2%、0.0%のプラス、また中古マンション価格では、0.3%、0.1%、0.1%、0.0%のプラスで、
前四半期とほぼ変動なしとなりました。さらに、東京都区部では住宅地価格が0.2%、0.0%、▲0.0%、0.1%とわずかながら上昇に転じましたが、中古マンション価格は0.0%、0.0%、0.2%、0.1%と、狭いレンジで上昇率が縮小しています。

 23区の「住宅地価格」でこれまでの年間変動率のベスト10及びワースト10の地点を挙げると、次の通りです。〔〕内は前回順位、()内は最寄駅です。

ベスト10

1[2] 台東区池之端4丁目(根津) 9.8%
2[1] 目黒区鷹番1丁目(都立大学) 9.1%
3[−] 杉並区宮前4丁目(久我山) 6.9%  
4[4] 港区赤坂8丁目(青山一丁目) 6.8%
5[7] 新宿区中落合4丁目(落合南長崎) 5.0%
5[3] 品川区東五反田5丁目(五反田) 5.0%
7[−] 足立区千住旭町 4.6%
8[9] 杉並区高井戸東2丁目(高井戸) 3.8%
8[−] 練馬区高野台3丁目(石神井公園) 3.8% 
10[5] 練馬区大泉学園町4丁目(大泉学園) 3.7%
 

ワースト10

1[−] 文京区白山2丁目 ▲7.0% 
2[−] 文京区本駒込6丁目 ▲6.2% 
3[2] 世田谷区弦巻1丁目(松陰神社前) ▲4.8%
4[5] 世田谷区用賀1丁目(用賀) ▲4.3%
5[−] 世田谷区上野毛3丁目 ▲4.2%
6[1] 板橋区南常盤台2丁目(ときわ台) ▲3.6%
7[−] 葛飾区お花茶屋1丁目(お花茶屋) ▲2.91%
8[6] 世田谷区経堂3丁目(経堂) ▲2.94%
9[7] 港区芝浦2丁目(田町) ▲2.6%
9[7] 大田区大井7丁目 ▲2.6%


 続いて23区の「中古マンション価格」です。これまでの年間変動率のベスト10及びワースト10の地点を挙げると、次の通りです。[]内は前回順位、()内は最寄駅です。

ベスト10

1[1] JR埼京線「北赤羽」駅 10.0%
2[−] JR山手線「日暮里」駅 6.9% 
3[4] 東武東上線「北池袋」駅 4.9%
4[2] 東京メトロ有楽町線「氷川台」駅 4.73%
5[−] JR埼京線「板橋」駅 4.71% 
6[−] JR山手線「高田馬場」駅 4.5%
7[−] JR山手線「恵比寿」駅 4.4%
8[9] JR中央線「四谷」駅 4.3%
9[−] JR山手線「駒込」駅 3.8%
10[−] 都営新宿線「菊川」駅 3.7%
10[−] 東急目黒線「武蔵新田」駅 3.7%


ワースト10

1[1] 東京メトロ千代田線「赤坂」駅 ▲6.7%
2[−] 都営三田線「春日」駅 ▲6.3% 
3[2] 東京メトロ千代田線「赤坂」駅 ▲6.1%
4[3] 京王線「明大前」駅 ▲4.0%
5[−] JR山手線「秋葉原」駅 ▲2.94%
6[−] 都営三田線「春日」駅 ▲2.86%
7[4] JR山手線「恵比寿」駅 ▲2.7%
8[−] JR山手線「渋谷」駅 ▲2.6%
9[8] 小田急小田原線「千歳船橋」駅 ▲2.5%
10[9] JR横須賀線「西大井」駅 ▲2.4%


 今回は、前四半期に比べて、上昇幅・下落幅のレンジはほぼ変わりませんでした。しかし、全般に、上昇地点のベスト10は、わずかな上昇でも率が高くなる坪単価の安い地点が増えており、不動産価格上昇の勢いが弱まっています。

 また、
住宅地価格も中古マンション価格も、下落地点が2期連続で増加しています。これまでは一進一退を繰り返すトレンドでしたが、今期は下落圧力の強まりが感じられる結果でした。引き続き注意深くウォッチをしていく必要がある情勢だと考えます。

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| 市場動向 | 07:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
新築マンション、高値一層−時間とお金のループ現象

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★ 10月4日付日本経済新聞によれば、都心部を中心に新築マンションの高値が続いています。不動産経済研究所によると、2017年上半期の首都圏の平均価格は5,884万円とバブル経済末期の1991年以来の高値となり、足元でも高価格で推移しています。共働き世帯の増加で利便性の高い物件の需要が高まり、新たな上昇要因になっています。

 値上がりが本格化したのは2013年です。
震災復興や東京五輪の開催決定で建設資材や人件費が高騰したのに加え、金融緩和の影響で地価が上昇しました。相続税対策を兼ねた富裕層の購入や、台湾など海外投資家の投資需要拡大もマンションの高騰を後押ししました。

 一方、不動産会社が首都圏で発売するマンションの戸数は2016年に3万5,772戸と
1992年以来の低水準、今年も底ばいです。一般的な会社員の給与水準では買いにくい価格になり、発売した月の契約率は今年1〜6月に67.3%と下落基調で推移、好不調の境目とされる70%を下回っています。最近は通勤に不便な郊外物件の苦戦が目立っており、全国的に不動産価格の上昇が顕著だったバブル期とは様相が異なります。

 それでも新築マンションが高値を維持しているのは生活スタイルや働き方の変化が背景にあります。


 共働きの増加で高額な物件を買えるだけの資金的な余力がある世帯が増えています。ニッセイ基礎研究所によると、夫婦の年収がそれぞれ700万円を超える世帯は昨年、全国で25万と2013年に比べて2割(4万世帯)増えました。賃金は伸び悩んでいますが、女性の社会進出の拡大で妻の年収が上昇しています。

 仕事と子育てに追われているケースも多く「交通利便性が高いうえ、震災などいざという時に歩いて帰れる場所にある都心の高級マンションへのニーズが高い」ということです。通いやすい駅近くの物件の需要が高まり、価格上昇を支えています。

 駅から近い物件は資産性が高く、中古になっても価格が落ちにくくなっています。東京カンテイが昨年末に首都圏の築10年の中古マンション価格を調べたところ、最寄り駅から徒歩3分以内だと新築時より8%上昇、一方で10分超かかる場合は下落していました。

 購入者の意識も変化しています。最近は永住せずに将来の売却を視界に入れる人が増え、「利便性が高い新築マンションを高価格で販売できる環境」にあります。昨年に都内で分譲された
駅から徒歩3分以内の物件の平均価格は5年前に比べ5割高く、上昇率は全体の平均を大きく上回っています。

 もっとも、東京都心部の一部ではあまりの高値に需要が追いつかなくなり、
1年前より価格を下げて分譲を始める新築マンションも出てきています。働き方や購入者の意識変化が資産価値を押し上げる状況が続くのか、購入検討者はこれまで以上に冷静に見極める必要があります。

 以上が日本経済新聞の記事の概要です。上記記事で私が驚いたのは、
年収700万円超の共働き夫婦の数の急増で、わずか4年前の2013年から2割も増加しています。もう一つ驚いたのは駅近物件の値上がり率で、駅から徒歩3分以内の物件の平均価格が5割も上がった、ということです。

 共働き夫婦の急増と駅近物件の値上がり率の急上昇は相関関係があるのでしょう。
世帯として給与は2倍となりますが、世帯として自由な時間は2分の1に減っていそうで、まして育児などを考えれば、少しでも駅に近い場所に住みたい、という気持ちがよくわかります。

 つまり、
時間の短縮をお金で買っているようなものです。お金でセーブされた時間を労働に費やし、それによってお金を余計稼いで、そのお金でさらに時間をセーブする、現代はそのような時間とお金のループに陥っているように見えます。

 私は地方の支社で働いているとき、その支社での1990年代バブルの頃の労使交渉の記録を見たことがあります。その時の組合側の要求は、
賃金アップというより、「労働時間を減らし、人間らしい生活をさせてくれ」ということでした。勤務条件の改善のための最重要課題は、賃金ではなく時間だったのです。

 つまり、
お金を放棄する代わりに、時間をもらおうという闘いでした。住まいとの関係に引きつけて言えば、駅から多少遠くても夕方に帰れる仕事の方が、駅に近くても深夜にしか帰れない仕事よりもよい、ということなのでしょう。

 私たちは、「お金で時間を買っている」つもりでした。しかし実際は、「お金で時間が奪われている」のではないでしょうか。

 「モモ」(ミヒャエル・エンデ)の時間泥棒のように、私たちはますます時間をせっせと貯蓄していますが、それは決して引き出すことができないものなのです。その意味でも、駅近マンションの人気と価格の高騰は、誰かが仕組んだ悪意の罠のような気がしないでもありません。

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| 市場動向 | 08:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
唯一地価が下落した麻生区の理由−西島秀俊一家からの応援歌

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★ 9月29日付神奈川県タウンニュースによれば、神奈川県は19日、土地取引や公共事業用地取得の目安になる基準地価(7月1日時点)の調査結果を発表しました。住宅地の上昇率が、麻生区ではマイナス0.2%で2年連続の下落となり、川崎市内では唯一の下落す。川崎市では上昇率が1.1%と、前年の0.9%からやや上昇幅が拡大しました。丘陵地や比較的に利便性の低い地域で下落の傾向が続いています。

 麻生区では住宅地14地点、商業地2地点が対象となり、住宅地の最高値は前年と同じく「王禅寺西1丁目2620番32」の25万3,000円で価格は横ばいです。商業地の最高値は、小田急線新百合ヶ丘駅南口の「上麻生1丁目5番3」で107万円(新規調査地点)となっています。住宅地の平均価格と平均変動率は17万3,700円で前年比0.2%減でした。

 麻生区で昨年から続く住宅地の下落について、県の担当者は、
「昨今、駅からの道が平坦で利便性の高い住まいが選ばれる傾向にあるが、これに対し麻生区では、駅からの道に起伏のあるところが多く、需要が少なくなってきていることが要因の一つではないか」と分析しています。

 「新百合ヶ丘」駅前の大手不動産会社では
「2年連続の下落だが、駅前マンションなどの需要は高水準のまま。住み替えや世代の入れ替えが進めば、下げ止まりも期待できる」としています。

 一方、市全体では、「登戸」駅徒歩圏の地点が県で上昇率4位と5位、「溝の口」駅徒歩圏が同8位に入るなど、
麻生区以外の全ての区で上昇を示す結果となりました。

 以上が神奈川県タウンニュースの結果です。本ブログでも何回か話題に出していますが、
最近は歩きやすい平地が好まれ、丘陵地が敬遠される傾向にあります。これは、都心を中心とする東京圏がますます電車、地下鉄をはじめとする公共交通網に依存を強めていることの表れだと考えます。

 これは東京圏の生活の
豊かさの証なのでしょうか、それとも貧しさの証なのでしょうか。戦後日本は、マイカー、マイホームの所有がステイタスで、庶民の夢でもありました。ですから、豊かになるとまず車を買い、そして家を購入していきました。駐車場付きの一戸建てはまさに庶民の夢の集大成でした。

 このような住まい方であれば、どこへでも車で移動すればよいわけですから、
ごみごみした下町的な低地(ダウンタウン)よりも閑静で広々とした丘陵地(アップタウン)の方が住環境として好まれ、邸宅街と言えば丘の上にできるのが通常でした。渋谷では松濤、二子玉川では岡本、横浜では松が丘など、繁華性のある人気の駅から少し離れた奥まった高台が好まれたのです。

 しかし、日本の場合、都心の職場は駐車場スペースがなく、通勤はやはり電車を余儀なくされます。それでも従来であれば、
専業主婦である奥様が旦那さんを車で駅を送り迎えするなどして、それはそれでステイタスある光景でした。しかし、夫婦共働きで育児もしなければならない今のご家庭に、そんな余裕などあるはずがありません

 こうして東京圏には
マイカーを保有する文化が廃れていき、それに伴って駅近・平地を尊ぶ独特の文化が育っていきました。駅近競争も激しさを増し、私がマンションを探し始めた2000年頃の「駅近10分目安」が今や「駅徒歩5分でなければ駅近と言えない」風潮となりました。

 私が最近「おや」と思ってみているのが、東急線の車内で流れている
パナソニックの冷蔵庫のCM「おいしい7days」です。西島秀俊さんが4人家族の良きパパとなって一週間の料理を作り置きするのですが、家族で笑い合いながら家までの長い坂道の階段を登っていくシーンでCMが締めくくられています。上記記事で言えば、麻生区によくありそうな丘陵地に戸建のマイホームがある設定なのです。

 これは、
「毎日階段下のふもとのスーパーまで行くのが大変な共働き家族が一週間の食材をまとめて購入して夫が日曜日に一週間分作り置きをしてもおいしさが失われないパナソニック冷蔵庫」というアピールなのでしょうか。だとすれば、この冷蔵庫は、「東京圏の丘陵地仕様(特に車を持たない家族向け)」のようにも見えます。

 しかし、この急な階段坂を登っていく西島ファミリーは
とても幸せそうです。もしかすると、このCMは、他の平坦地と異なり東京圏でも地価が落ちている丘陵地に対する「精一杯の郷愁を込めた応援歌」なのかもしれません。

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| 市場動向 | 23:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
基準地価では荒川区・北区・足立区が躍進!−南千住のポテンシャルに注目

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★ 9月20日付日本経済新聞によれば、東京都内の住宅地は前年比で1.8%上昇しました。今回の調査では、都心3区(千代田、中央、港)の地点が都内の上昇率トップ10からほぼ外れたのが特徴です。価格が上昇しきった都心部の地価上昇が鈍化する一方、交通利便性が比較的高い周辺部の上昇が目立ちます。

 例えば、
都内住宅地の上昇率トップは荒川区南千住8丁目の6.3%です。「南千住」駅は東京メトロ・日比谷線など3路線が乗り入れ、大型のホームセンターが出店するなど利便性が高まっています。「価格水準が低く割安感があり、マンション立地として見直された」(調査会社、東京カンテイの井出武・上席主任研究員)とのことです。

 区全体でみると、
荒川区の住宅地の上昇率は5.3%と前年より2.1ポイント拡大しました。このほか足立区も3.4%と1.8ポイント拡大するなど周辺部の地価上昇が目立ちます。

 一方、都心3区から上昇率トップ10に入ったのは、千代田区三番町など2地点にとどまりました。
千代田区の住宅地の上昇率は5%と前年より5ポイント縮小しました。中央区や港区も縮小し、都心3区の上昇率は軒並み鈍化しました。

 東京カンテイの井出・上席主任研究員は
「都心3区などは物件が高くなり、住宅地としてはもう伸びない」と指摘しています。「これまでは中心部が地価をけん引していたが、今後は周辺部が引っ張る構図になるだろう」とみています。

 以上が日本経済新聞の記事の概要です。これは
国土交通省が発表した平成29年都道府県地価調査の結果です。東京23区に関して言えば、平成28年の上昇率が2.8%なのに対し、平成29年の上昇率は3.4%と、上昇率の拡大が見られます。しかし、さらに細かく見れば、上記の通り、都心部の上昇率の鈍化及び周辺部の上昇率の更なる伸びが観察されます。

 23区で上昇率トップの地点となった荒川区南千住8丁目(上昇率6.3%)は、
「南千住」駅から徒歩11分で、それほど駅近という場所ではありません。したがって、平米単価が51万円と低いのですが、平成28年の平米単価が48万円だったために、トップの上昇率となりました。

 トップ10の顔ぶれを見てみると、
荒川区が2地点(南千住、西日暮里)、北区が2地点(中里、上中里)、足立区(綾瀬)が1地点と、坪単価が低いエリアが半分を占めました。一方、都心5区の上層率は、昨年4.4%から本年4,0%に落ちています。堅調な伸びとは言え、頭打ち感は否めません。

 平成29年地価調査で、
上昇率が5.0%を超えた特別区は、千代田区・文京区・目黒区・荒川区の4区であり、上昇率が1.0%〜3.0%で低かったのは大田区、練馬区、葛飾区です。ここでもやはり、荒川区の躍進が目立ちます。

 特に
「南千住」駅は、地味な駅ながら、JR常磐線、東京メトロ日比谷線、つくばエクスプレスの3路線が乗り入れており、1日当たりの乗降客数は平成13年の12,838人から平成27年の35,428人へと、2.75倍も増えています。

 2年前、私は
『ウエリス南千住』のモデルルームを見学に行ったことがあります。「南千住」駅徒歩6分でありながら平均坪単価220万円台という安さに興味を抱いたからでした。

 「つくばエクスプレスもできましたし、都心には日比谷線で一本ですので、例えば都心にお勤めのビジネスマンのご主人、つくばにお勤めの研究者の奥様というカップルが、双方に便利な場所ということで、ご見学に来られています。」

 このようなモデルルームの担当者の説明を聞き、私も「なるほど、南千住は今後伸びるかも」と実感しました。「今後は城東・城北が狙い目」と解説するマンション評論家もあり、このエリアのポテンシャルに賭ける時代がようやくやってきたのかもしれません。

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| 市場動向 | 22:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
5千万円物件が売れずに8千万円物件が売れる理由−不動産市場の不都合な真実

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★ ニッセイ基礎研究所が9月7日に発表した『不動産クォータリー・レビュー2017年第2四半期』では、現下のマンション市況に関する指標についても随所に言及しています。以下にその概要を記します。

「全国の住宅着工戸数は、貸家が全体の着工戸数を下支えし、
年率換算で100万戸の高い水準で推移しています。首都圏分譲マンション価格は上昇が続き、契約率は好不調の目安である70%を下回ることが多くなっています。首都圏マンションの契約戸数を価格別にみると、2014年以降、5千万円未満では契約戸数が大幅に減少し、8千万円以上で増加傾向が見られます。」

「主要都市の賃貸マンション賃料指数は、東京や札幌、福岡をはじめとして、
概ね上昇基調にあります。ただし、首都圏の居住用賃貸物件の成約数は、アットホームによると16ヶ月連続で減少しており、必ずしも需要は強くありません。貸家着工の増加から、首都圏の賃貸マンションの空室率は上昇傾向にあります。」

「2017年第2四半期の
東証REIT指数(配当除き)は、3月末比▲4.6%下落し1年4カ月ぶりに1,700を下回りました。Jリート投信(上場ETFを除く)からの換金売りが続き需給環境が悪化しており、年初からの東証REIT指数の下落率は8.7%に拡大しました。REIT市場が調整色を強めるなか、エクイティ資金の調達を伴う大型取引が手控えられており第2四半期の取得額は大きく鈍化しました。
 足もとのファンダメンタルズは依然として良好です。賃貸市況の回復と金融コストの低下によって、市場全体の分配金利回りは4.0%に上昇しNAV倍率は1.1倍まで低下したため、
バリュエーションの魅力度が高まっています。」

「2017年4−6月の不動産売買高は8,227億円(前年比+29%増)となり、3四半期連続で前年同期の水準を上回りました。利回りの低下や不動産価格の上昇を背景に、
東京周辺部や地方圏における取引比率が高まっています。今年に入ってからは、横浜みなとみらい地区や天王洲、品川シーサイド、大阪などでの高額取引が目立ちます。海外投資家の売買が急増していることも、2017年に入ってからの特徴です。
 取引額の増加は、不動産投資市場がピークにあるとされる比率が2/3に達し、
売り時と判断する投資家が増えていることを背景にしています。」

 以上が同レポートにおける抜粋です。住宅着工戸数の増加は、目下の建築業の市況にはプラスなのでしょうが、
「作り過ぎではないか」と心配する声が多いのが昨今の状況です。総務省の調査によれば、昨年1年間の世帯数の増加は409,599戸に過ぎません。これに対し、住宅は年間100万戸増えているわけですから、単純に考えれば60万戸は余剰と言えます。この傾向が継続するならば、不動産市場にどのような未来が待っているかは明らかです。

 ここ2、3年で、団塊ジュニア世代が40歳代に突入しました。団塊世代の第一次ベビーブーム、その子どもたちである団塊ジュニア世代の第二次ベビーブームに続く
第三次ベビーブームの波はついに現れませんでした。今後は人口増加の見込みが全く立たなくなったという意味で、深刻な事態です。

 ただ、団塊ジュニア世代が就職した平成一桁の時代はまだ「勝ち組」と言える時代で、その次に来る平成二桁時代に就職期を迎えた世代は「就職氷河期」にぶち当たり、企業が体力温存に走って非正規雇用を大幅に増やしました。新自由主義が蔓延した社会の風潮もこれを後押しし、
現在30代となった彼らの平均年収は従来より低いレベルにとどまっています。

 上記のレポートでは、「5千万円未満では契約戸数が大幅に減少」とありますが、これは
住宅第一次取得者層のヤングファミリーのマンション購入が大幅に減っていることを意味すると思われます。それは、専業主婦と子どもがいて郊外にマンションを求める従来型の家族の購買力が大きく低下していると言えるのではないでしょうか。いや、そもそも結婚できるだけの収入力のある男性が急減しているのではないかとも思われます。

 かたやマンション契約が「8千万円以上で増加」しているのは、
夫婦共働きの2馬力の家庭が力を増していることの現れといえます。夫婦それぞれが年収700万円を得ていれば、2人で年収1,400万円となり、8千万円超のマンションを購入することは十分可能です。「女性活躍」「働き方改革」という目標からすれば好ましい傾向、と言えるのかもしれません。

 しかし、そのような
順風満帆な家庭はごく少数で、少数の「勝者」と多数の「敗者」の格差が広がっているような気がしています。少数の勝者の需要によって賃料も押し上げられているのでしょうが、全体に及ぶほどの力強さはなく、投機的な投資は行われてもその裏には逃げを打つ不動産オーナーの大量売却があって、市況の先行指標といえるREIT指数は2015年の水準をも下回っています。

 東京の人口も、今から10年にも満たない2025年にはピークを迎え、その後は減少の一途をたどり、かつ、高齢化は他の都市を上回るハイペースで進行していきます。私たちはこれらの「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」の存在をわかっていながら、それに目をつむることに慣れきってしまったようです。
 
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| 市場動向 | 22:16 | comments(2) | trackbacks(0) |
高値でバランスを保つ中古マンション価格−価格交渉は5%値引きが目標に

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★ 東京カンテイが8月23日に発表したところによれば、2017年7月の首都圏中古マンション価格は前月から横ばいの3,562万円となりました。前年同月比を見ても上昇率は縮小を続けており、年初からの価格推移は上昇局面であった2015年〜2016年とは一線を画しています。

 都県別で見ると、
東京都(+0,3%、4,826万円)や神奈川県(+0.1%、2,825万円)では僅かな上昇にとどまっており、ここ3ヶ月間では目立った動きはありません。また、埼玉県(+0.9%、2,149万円)や千葉県(+0.9%、1,950万円)では価格水準が高い行政区からの事例増加も影響し、ともに1%程度のプラスとなりました。

 首都圏主要都市の中古マンション価格は、
東京23区で前月比+0.3%の5,326万円と3ヶ月ぶりに強含みました。年明け以降は5,300万円台前半のレンジに収まっています。横浜市では築浅物件から事例が増えた影響もあって、+1.8%の3,058万円と上昇しました。一方、さいたま市(-0.4%、2,528万円)や千葉市(-2.3%、1,760万円)では築古物件から事例が増えたことで弱含みとなっており、千葉市に至っては5月の価格水準まで下げています。

 都心6区では前月比-0.4%の7,286万円と引き続き下落した一方で、周辺エリアはプラスとなりました。早々に調整局面入りした都心6区で行政区ごとの推移を見ると、2014年〜2015年のような力強い上昇度合いは既にありませんが高水準を保っており、明確な下落トレンドに転じたエリアはまだ見受けられません

 以上が東京カンテイのプレスリリースにおける首都圏中古マンション価格に関する内容です。同時に東京カンテイより発表された「中古マンション価格と各指標の推移」を見ると、
中古マンション価格は、ここ10年では2012年後半〜2013年前半を底に上昇に転じ、特に2014年後半から2015年末にかけて大幅に上昇しています。

 2012年後半〜2013年前半は、2011年3月に起こった東日本大震災から下がり始めた中古マンション価格が下がりきった時ですから、
大震災の影響は約2年続いたと言ってよいでしょう。そして、2016年に入ってからの中古マンション価格はほぼ高原状態となり、約1年半、高止まりした相場が続いています。

 このように
「凪いだ」状態は、東日本大震災前の2010年の1年間に相似しています。ということは、大災害や外国との関係、リーマンショックのような国際的な出来事など、ネガティブな事件が発生した場合には下降トレンドに陥りやすい状態になっていると言えます。また、その逆で、東京オリンピック決定のようなポジティブなインパクトがあれば、再び上昇気流に乗ることでしょう。

 流通戸数は、価格が底だった2012年と、価格が高止まりしている2016年後半以降に多くなっています。前者は「これ以上下がる前に売ろう」という動きですし、後者は「価格が高い今のうちに売ろう」という動きです。そしていずれも、中古マンション価格の先行きに対する不安から、思うようには売れず、相乗的に在庫が増加している状態です。

 価格改定シェア率については最近やや上がっていますが、値下げ率についてはむしろ縮小しており、
価格にそれほど妥協しない売り手の強気姿勢が継続しています。そうは言っても、値下げ率は常に5%を超えており、よほどの人気物件でない限り、「値引き交渉はアリ」と考えてよいかと思います。買う側としては、「5%の値引きを目標にがんばる」というスタンスが最もオーソドックスと言えそうです。

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| 市場動向 | 23:13 | comments(0) | trackbacks(0) |