免震と耐震では被害の差が歴然−わずかな初期コストが守る人命と資産

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★ 7月20日付Net IBニュースでは、『熊本地震・有識者の見解/人命だけでなく資産価値も守る免震構造』と題して、福岡大学工学部建築学科の高山峯夫教授へのインタビュー記事を掲載しています。上中下と3部に分かれた長い記事ですが、概要は次の通りです。

地震のエネルギーを耐震構造はどうやって吸収しているかというと、ある程度自分を壊すわけです。自分自身がある程度被害を受けることで、地震のエネルギーをできるだけ効率良く吸収しようとします。そのため、耐震設計の理想的な被害の受け方としては、特定の階に被害が集中しないように建物全体で地震のエネルギーを吸収することであり、そうした発想で耐震計算がなされているのが現状です。
 
 次に制震構造ですが、耐震構造は自分自身を傷つけることによってエネルギーを吸収するしかありませんが、
制震構造は自分自身を傷つけなくても、「制震ダンパー」という地震のエネルギーを吸収するものを中に入れておくことによって、少なくとも柱や梁は地震のエネルギーを吸収せずに済むという考え方です。

 これに対し、
免震構造は、地面と建物の間に絶縁する特殊な免震層をつくるのが特徴で、地面が激しく揺れたとしても、建物は緩やかにしか揺れないようにします。この免震層で地震のエネルギーをほとんど吸収し、上部構造―建物にはほとんど伝えないいう発想です。

 今回、熊本市内に免震マンションやホテルなどがありましたが、そこの住人たちは、地震発生時にはもちろん多少の揺れは感じたものの、落ち着いた後に、免震構造でない隣のマンションと比べてみると、その被害の状況は全然違っていたそうです。
耐震のマンションでは建物内がめちゃくちゃで、とても住めた状態ではない一方で、免震のマンションではまったく問題ありませんでした

 建物内部で家具や家電製品の転倒や破損が極力抑えられるのは、とても良いことです。阪神・淡路でも、今回の益城町でも、建物や家具の下敷きになって亡くなられています。


 免震構造のコストの問題がよく言われるのですが、大規模物件に免震を導入する際、そんなに値段は高くないとは思っています。得られる性能が2倍も3倍も高いわけですから、それがたった数%のコストアップで達成されるのであれば、コストパフォーマンスを考えるとむしろ安いと思います。ですが残念ながら、皆さんイニシャルコストのことしか頭にありません。ぜひとも「本当にイニシャルコストだけで性能を評価していいのか」ということを、皆さんに考えていただきたいと思っています。』

 以上がNet IBニュースの記事の概要です。
免震構造が耐震構造に比べて格段に優れているというのは、東日本大震災でも経験されていました。本ブログでも、2011年7月17日付の記事『免震はやっぱり効果があった!−豊島区における免震・非免震の揺れの違い』で取り上げているところです。

 それによれば、免震構造の本庁舎は、
「大きな船に乗っているように、建物がゆっくりと揺れた。室内にも被害はなく、地震後も仕事を続けられた」のですが、すぐ隣に建つ1954年竣工の非免震の分庁舎では、多くの職員が地震直後、危険を感じて屋外へ飛び出してしまいました。この分庁舎では壁などに亀裂が発生し、書棚から本が落ちたり、開いた引き出しの重みでキャビネットが倒れたりといった被害が相次いだということです。

 今、私が住んでいる武蔵小杉では、『パークシティ武蔵小杉ザ ガーデン』を好評分譲中ですが、セールスポイントの一つが、
『武蔵小杉最大の免震ツインタワー』です。『パークシティ武蔵小杉』は、先行した「ステーションフォレストタワー」「ミッドスカイタワー」は制震構造だったのですが、東日本大震災発生後に分譲された「ザ グランドウイングタワー」以降は免震構造が採用されています。

 地震保険においても、
免震構造の建物は地震保険料の割引率が50%にもなり、単なる耐震構造(耐震等級1)の割引率10%と大きく差があります。つまり、その効果は保険料に大きく影響するほど格差があり、免震マンションの住人は「地震保険料が安くて安全な」物件に住んでいるというわけです。

 東日本大震災を経験してわかったことは、
地震による被害が、「当初の設計・建築ミスによる不備のためか」それとも「純粋に地震により生じたものなのか」非常に分かりにくいということです。前者であれば分譲したデベロッパーの責任ですが、後者であれば自己負担もありうる保険の範囲内となり、その判定を巡ってはかなり紛糾し、当事者間で疲弊し、復旧までに数年を要したケースもあったようです。

 免震構造のマンションであれば、この類の紛糾もほとんどなく、正常時への復旧も迅速だったことでしょう。上記インタビュー記事の指摘の通り、免震マンションはもっと評価され、普及が推進されて然るべきだと考えます。

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| 地震・防災 | 22:41 | comments(4) | trackbacks(0) |
エレベーター停止、再び−タワー高層階の恐怖と不便
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★ 首都圏にお住まいの方なら皆ご経験されたことと思いますが、私の住んでいるマンションでも本日早朝、地震を感じました。初めに「ずどどどど」という地鳴りがして、「ん?くるな」と思ったときに、「どすん」と衝撃、そしてその後に「ずだだだだだ」と引きずるような余韻の揺れが続きました。

 朝方で皆寝ぼけた頭だったので、「きゃー」と騒いだ人は少なかったことでしょう。私も、「この『ん?くるな』という感覚は、幽霊を知覚したときに似ているものかな?」間抜けなことを考えていました。しかし、私の寝ているところは、梁の出っ張りで座ることもできない二段ベッドの2階ですので、もし梁が落ちてきたらあまり考える間もなくあの世に行ける場所で、まあ危険と言えば危険な状況でした。

 で、
「何だ、まだ朝が早いではないか」と、アラームセットを間違った感覚で、ほとんどの方が二度寝をしたのだと思いますが、私が次に起きた朝8時、仕事に行こうとしていた妻は、「あ、高層階のエレベーター、止まってるって。低層階は大丈夫だけど」と言い残して、出て行きました。

 「なぬ?」私は意外に感じました。確かに揺れは感じましたし、震度4の表示でしたから、小さい地震でもなかったのですが、この程度でエレベーターは止まるのか、と思ったからです。しかも、居住者の利便性を考えれば、低層階が止まるのならまだしも、階段利用がよりしにくい高層階用エレベーターが止まった、というのです。

 そして、この
高層階用エレベーターの停止は、思ったより長く、昼過ぎまで続きました。業者を呼んでいるものの、おそらく同じような事情で、業者もてんてこ舞いなのでしょう。午後1時過ぎに私がエレベーターを利用したところ、なかなか来ない上に、扉が開くと、今まで見たこともなかったような大勢の居住者が1台のエレベーター内にすし詰めでした。高層階の方々が低層階用エレベーターの最上階まで階段を下りて乗ってきているからだと思いますが、行きはよくても帰りは…と思うと、ご苦労が偲ばれました。

 いつも思うことですが、こと
災害に関しては、タワー高層階は多くの点でタワー低層階より不利です。今回の揺れについても、タワーマンションは建物の構造上、高層階が大きく揺れることで地震の衝撃を和らげる仕組みになっていることから、エレベーターにより負荷がかかるのは高層階で、その影響が今回も出た、ということでしょう。何かあった時に逃げられない、又は逃げるのに時間がかかるのも高層階となります。

 しかし、
タワーマンションの中で人気があり、価格が高いのは高層階です。眺望の抜け感やステイタス感が得られることなどが主たる理由で、かつ、そのために価格が維持ないし上昇しやすく、売却益が出やすい上に相続対策では低い評価ですむという、平時であればメリットが大きいのは明らかに高層階だからです。

 一方、
災害時においては、低層階と高層階では全く逆の評価となるわけです。昔の人なら「命あっての物種」という諺を事あるごとにかみしめて用心して暮らしたのでしょうが、利便性重視の今では「物種あっての命」となりかねない風潮です。9月は災害の多い月ですが、2〜3日前の豪雨といい、本日の地震といい、いろいろ考えさせられる昨今です。

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| 地震・防災 | 21:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
簡単に氾濫する東京の河川−地下住戸・半地下住戸は大丈夫なのか
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★ 本日17時53分配信のFNNニュースによれば、台風18号の大雨で、東京・世田谷区の多摩川の水位がかなり上昇しています。午後4時58分現在、雨は多摩川でも激しく降っていて、多摩川の水位はかなり上がり、濁流が流れています。また、その影響で、普段は中州までつながっている兵庫橋が冠水してしまったため、現在は通行止めになっています。

 近所の人によると、このエリアは、花火大会や朝の散歩などで、
多くの人が利用する場所だということですが、「ここまで浸水したのは、かなり久しぶりだ」と不安そうに話していました。また、区の職員によると、ごみなどが橋に引っかかり、橋ごと流されてしまうことを防ぐために、9日夜、橋の欄干を一度撤去して、水が引いてから再び設置するとのことです。

 しかし、復旧のめどは、雨の状況により水はけの具合が変わるため、現在もたっておらず、引き続き、
川の増水などに警戒が必要な状態が続いています。

 以上がFNNニュースの概要です。また、テレ朝ニュースでは、
善福寺川の様子につき、次のようにレポートしています。

「9日午後は雷も鳴って、大雨が降っています。
JR「荻窪」駅から南に車で5分ほどの所にある東京・杉並区善福寺川中流の辺りにある松見橋にいます。つい先ほどまでは、虹も出ていました。雨がやんで青空も見えていたほどでしたが、午後5時くらいから、また雨脚が強まってきて、今、かっぱに打ち付ける音で自分の声も聞こえないような状況です。

 川沿いは低い土地になっていて、雨がたまりやすい土地です。川の警戒水位は2.9m。9日朝は川底が見えるくらいでしたが、午後3時くらいから一気に川が増水し、午後4時には3mを記録しました。警戒水位を超えて川の増水を知らせる放送もありました。

 10年前には川が氾濫し、床上浸水など多くの被害も出たということもあって、近隣の住民は敏感になって、川の様子を心配して見にくる姿も見られました。また雨が強まっているように思えます。大気の状態は非常に不安定になっています。この後も一気に川が増水するような雨の降り方になる恐れもありますから、皆さん、十分にご注意下さい。」

 以上がテレ朝ニュースのレポートです。現状では、
多摩川と善福寺川で警戒が必要な状況になっているようです。確かに本日は強い雨が朝から断続的に降り続いていますが、一日で(もちろん最近雨が多かったのですが)すぐにこのような事態となる脆弱さに驚いています。

 冠水している
兵庫橋は、「二子玉川」駅方向と兵庫島公園を結ぶ橋で、私も渡ったことがありますが、確かに橋げたが短く、容易に水で溢れるだろうなあとは思います。これくらいならまだ大丈夫でしょうが、もし堤防が決壊したら、堤防近くまで迫っているマンションや戸建て群はひとたまりもないことでしょう。

 一方、善福寺川で警戒水域を超えた
松見橋界隈は、「荻窪」駅から南へ10分程度歩いた場所に立地します。この橋付近で川が蛇行し、川幅が狭くなっている関係で水が溢れやすいのだと思われます。そうだとすれば、川の氾濫には人災的な面もあるのではないかと思ってしまいます。

 実は、
23区ではこれ以外にも、目黒川、神田川、渋谷川、妙正寺川、石神井川などが2年前の9月の豪雨のときにも大雨で川が溢れそうになりました。海抜ゼロメートル地帯と言われるのは江戸川、荒川、隅田川周辺なのですが、これらの川が大河で河川敷が広いだけに、逆に豪雨時の河川の氾濫は起きにくいのかもしれません。むしろ、川幅の狭い上記の河川が、大雨が降るたびに緊張感が漂います。

 特に気をつけたいのが、言うまでもなく地下住戸、半地下住戸です。東京都下水道局は、文書で、『半地下家屋などでは浸水被害に十分なご注意を!』と呼びかけています。

 具体的には、半地下家屋、地下室では、
次の3点でリスクがあります。

1.道路面から家屋に雨水が流れ込みやすく、浸水するおそれ
2.流れ込んだ水圧によりドアが開きにくくなり危険


 これらの対策としては、

 /賛紊里それがあるときは、半地下部などへは入らない
◆/賛緞瓢澆里燭瓩療擇里Α⊃紊里Α∋濘緘弔覆匹鮟猗する


ということです。しかし、マンション半地下住戸で土のう等を準備することなど、想像ができません浸水被害のおそれがあるときは、半地下住戸、地下住戸を見捨てて逃げるしかなさそうです。

3.トイレや浴室などに下水が逆流するおそれ

 この対策としては、

・ 汚水用排水ポンプ槽などを設置し、下水が逆流しない構造にする

とありますが、通常のマンションがこのような措置を施しているとは思えません。水が引いて帰宅してみると、とんでもない事態が待ち受けていた、ともなりかねません。

 デベロッパーも地下住戸・半地下住戸の危険性を十分認識し、ハザードマップで危険なエリアでは地下又は半地下住戸を設定していないと信じていますが、最近の浸水被害では、従来危険個所とされていなかったエリアで河川の氾濫があったことも報告されており、予断を許しません地下住戸・半地下住戸をご検討の方は、その土地が十分に安全なのか、念には念を入れて調べた方が良さそうです。

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| 地震・防災 | 20:39 | comments(2) | trackbacks(0) |
中央区、江東区の9割超は液状化の可能性あり!−要注意は足立・葛飾・江戸川
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★ 5日早朝は久しぶりに大きな地震でした。初めは小刻みな揺れが長く続き、夢うつつで「うう、地震か…?」と思ったら、がたがたっと揺れが来ました。幸い私が住んでいる武蔵小杉は恐怖を感じるほどの揺れではなかったのですが、あらためて私達が不安定な地盤の上で生活していることを実感させられました。

 そこで気になるのが
液状化の問題です。浦安ではいまだに液状化被害の影響から完全に脱したとは言えず、地震後も長く残る課題として見過ごすわけにはいきません。分譲マンションについては液状化対策はしっかり施してあると思いますが、そのエリアがもともと液状化を起こしやすいところかどうかは、知っておく必要があると思います。

 本ブログでは
2011年の東日本大震災の半年後に、『23区で地価が下落しやすいエリアとは?−今後はブランド神話の崩壊も?』と題して、大震災の影響で進行していた地価下落の状況を記事にしていますが、その際「東京都では今後、液状化予測の見直し等を進めていく」と書いています。この見直しについては、昨年3月に、『東京の液状化予測』としてまとめられていますので、あらためて取り上げてみたいと思います。

 この予測では、
揺れの大きさを1923年の関東大地震並み、すなわち震度6弱を想定しています。液状化について、本報告書は、それ自体が直接人命にかかわることは極めてまれであるものの、上下水道・電気・ガスなどのライフラインへの被害木造住宅の傾斜・沈下など、「一般的には液状化による災害は財産に対するものや地震後の生活の不便さといったものと考える」としています。

 本報告書によれば、
東京低地には、有楽町層上部と有楽町層下部とよばれる軟弱な沖積層と、七号地層とよばれるややしまった沖積層が分布しており、液状化の発生する可能性があるのは、ゆるい砂層である有楽町層上部と、その上に人工的に盛られた表土層のうち砂でできている部分だということです。

 そして、
東京において、液状化の可能性を考えなければならない場所は、次の3つです。ただし、については、地形上その範囲は谷底に沿う形で狭く限られています。

1 荒川流域の東京低地
2 多摩川流域の多摩川低地
3 石神井川や神田川、大栗川、三沢川等の中小河川が台地・丘陵地を刻んでできた河谷底(谷底平野)


 そして、特に液状化が発生しやすい地形は、次のとおりです。

1 過去に水面であったところが陸になった「旧水面上の盛土地・埋土地、旧河道」や「干拓地」
2 現在の河川敷や湿地などが含まれる「頻水地形」


 これに対して、意外と液状化しにくいのは、昔の海岸線に沿ってできた砂礫質の微高地である「砂(礫)州・砂(礫)堆」です。ただし、同じ微高地でも自然堤防での液状化の程度は、一般の低地とそれほど変わらないということです。

 ややこしいのは、
人工的な盛土であっても、砂で盛土されていれば液状化しやすくなるのに対して、粘土やロームであれば液状化の発生を抑制するとされていることです。こうなると素人ではその地点が液状化しやすいのかしにくいのか、判断しがたいことになります。

 したがって、結局は
液状化予測図(マップ)を見て、自分が住んでいるエリアが液状化しやすい場所かどうか、確認することになります。地図では見事に液状化の可能性があるエリアが東西で分かたれていて、北から板橋区、北区、荒川区、台東区、千代田区、港区、品川区、大田区にその境界線があり、この境界線より東が液状化の可能性がある地域、西が液状化の可能性がない地域となります。液状化の可能性がある地域のうち、上記のとおり荒川水系と多摩川水系では、液状化の可能性が高い地域となっています。

 液状化の可能性が高い地域を挙げると、次のとおりになります。なお、ここに出てこない文京区、豊島区、新宿区、渋谷区、練馬区、目黒区、杉並区、世田谷区、中野区は、液状化の可能性が高い地域が存在しません

1 足立区 39.6%  2 葛飾区  38.5%  3 江戸川区 34.9%
4 大田区 20.5%  5 中央区  16.0%  6 江東区  13.1%
7 墨田区  8.8%  8 北区    6.5%  9 台東区   5.7%
10 荒川区  5.3%  11 港区    3.4%  12 品川区   2.4%
13 板橋区  1.2%  14 千代田区  0.6%


 これを液状化の可能性がある地域まで広げると、次のとおりになります(数値は液状化の可能清華が高い地域の割合を含みます。)。

1 墨田区  99.4%  2 葛飾区  99.1%  3 足立区 98.8%
3 江戸川区 98.8%  5 中央区  92.8%  6 江東区 92.3%
7 荒川区  91.0%  8 大田区  74.2%  9 台東区 73.0%
10 北区   55.1%  11 港区   35.3%  12 品川区 35.0%
13 板橋区  28.6%  14 千代田区 24.7%  15 文京区  2.0%
16 豊島区   1.9%  17 新宿区   1.2%  18 渋谷区  0.8%
19 練馬区   0.7%  20 目黒区   0.4%  21 杉並区  0.2%
22 世田谷区  0.1%  22 中野区   0.1%


 この2つを見比べると、液状化のレッドゾーンが足立区、葛飾区、江戸川区なのですが、墨田区、中央区、江東区、荒川区も、実に9割超の土地が液状化の可能性ありとしてカウントされています。大田区は面積が広いだけに、液状化の可能性が高い多摩川流域と、その心配がない池上以北がはっきりと分かれています。

 23区では液状化の可能性がない区はないのですが、
文京区、豊島区、新宿区、渋谷区、練馬区、目黒区、杉並区、世田谷区、中野区はその区域面積がごくわずかで、これはこれらの箇所が上記の「河谷底」に限られているからでしょう。

 あらためて液状化の可能性が高い要因を区ごとに見てみると、
葛飾区、江戸川区、江東区では、沖積層のうち、人工的な盛土層のすぐ下に分布する有楽町層上部とよばれる細砂やシルト質細砂を主体とするもろい地層が厚く堆積していることが挙げられます。墨田区や足立区南西部では、墨田区が大正期に、足立区南西部では昭和期都市化が始まって盛土のために土地を掘り下げて池ができ、その後にその土地を砂で埋め立てたためにもろい地層が人工的に造られてしまったと推測されます。

 現在、
タワーマンションがラッシュで注目されている豊洲、晴海、勝どき、月島、有明エリアも、そのほとんどの区域で液状化の可能性があり、局所的に液状化の可能性が高いスポットがあります。これらのエリアのタワーマンションは、建物自体は液状化対策で大丈夫でしょうが、上下水道、電気、ガスなどのライフラインについては復旧に時間がかかる可能性があることを認識しておいた方が良さそうです。

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| 地震・防災 | 20:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
一流マンションに次々と不具合発覚!−現場では一体何が起きているのか
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★ 4月2日付ケンプラッツによれば、川崎市は3月31日、同市内で建設中の超高層マンション「パークタワー新川崎」で、4階部分の柱と梁の一部にひびや剥離が見つかったことから、不具合のある部分などを解体・撤去し、再施工すると発表しました。

 販売主である三井不動産レジデンシャルの資料によると、同マンションは鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造で地下2階、地上47階建て、延べ面積は7万5,861.66平米で全670戸、事業主は、三井不動産や三井不動産レジデンシャル、近隣地権者らが出資する鹿島田駅西部地区再開発、設計・監理者は松田平田設計、施工者は清水建設です。2012年8月に着工し、4〜30階までは15年3月下旬、31〜47階は同年5月下旬の入居を予定していました。敷地は、鹿島田駅西部地区第一種市街地再開発事業の区域内にあります。

 川崎市の発表によると、同マンションに
不具合が見つかったのは3月12日です。4階の柱と梁の一部にひびと剥離が発生していました。プレキャスト工法を採用していましたが、4階部分の柱と柱の接合部に充填剤(高強度無収縮モルタル)を注入しないまま、5階と6階、7階の一部の施工を進めたので、4階柱の一部に許容を超えた荷重がかかったことが不具合の原因としています。

 4月中旬から、不具合が発生した部分を解体・撤去したうえで、再施工する予定です。三井不動産レジデンシャルは4月10日以降に契約者らに説明を行う予定だということです。4月1日時点では、公式ウェブサイトやモデルルームは閉鎖、販売の受け付けはしていません

 三井不動産広報部の担当者は日経アーキテクチュアの取材に対し、
「契約者など関係者には深くおわびする。今後、関係行政などと協議し、誠意をもって対応していく」と回答、清水建設コーポレート・コミュニケーション部の担当者は、「事業主とマンションの契約者には深くおわびする。今後、責任をもって対応していきたい」とコメントしています。

 以上がケンプラッツの記事の内容です。
最近、たて続けに大手3社の高級マンションに不具合が発生しました。

 第一に、昨年12月に内部告発で発覚した『ザ・パークハウスグラン南青山高樹町』です。原因は、雑誌報道によれば、「6,000のスリーブ(配管のために開ける穴)設計に対して600箇所でスリーブが開けられていなかったり、位置が間違っていた上に、調査をせずにコアボーリングをしたために鉄筋が切れてしまった箇所もあった」ということです。

 第二に、本年2月に施工会社の大成建設が気づき、売主の積水ハウスに報告した『グランドメゾン白金の杜ザ・タワー』で、計34本あるRC柱のうち19本で、主筋を固定する補強筋(拘束筋)の一部が設置されないままコンクリートが打設されていたというものです。

 そして
第三に、上記記事の『パークタワー新川崎』で、4階部分の柱と柱の接合部に充填剤を注入しないまま、5階と6階、7階の一部の施工を進めたので、4階柱の一部に許容を超えた荷重がかかり、4階の柱と梁の一部にひびと剥離が発生したとあります。

 上記3件は、
いずれも工事のやり直しとなっています。特に、『ザ・パークハウスグラン南青山高樹町』はほぼ完成していただけに全面解体・再建築となり、今後39.5ヶ月の工期が予定されています。本物件は、三菱地所レジデンスの高級マンションブランド「ザ・パークハウスグラン」シリーズ第一弾で、しかも発覚がネット上の内部告発というお粗末なものだったため、そのショックは極めて大きいものがありました。

 これら
不具合物件の共通点は、いずれもスーパーゼネコンが施工会社であるということです。すなわち、『ザ・パークハウスグラン南青山高樹町』が鹿島建設、『グランドメゾン白金の杜ザ・タワー』が大成建設、『パークタワー新川崎』が清水建設です。

 私達は
この事実から何を読み取ればいいのでしょうか。一つは、元請が大手であればあるほど、孫請の連鎖が発生し、目が届きにくくなるのではないか、という論点です。特に東日本大震災の復興需要、マンション建設ラッシュ等で現場の人材は払底し、工期も厳しくなって、無理な工事が続いているのではないかとも推察されますが、その杜撰さに気づくチェック機能が大手ほど働きにくくなっているのかもしれません。

 しかし、第二には、
大手だからこそ、不具合の発覚及び対応が迅速に行えた、とも言えます。『ザ・パークハウスグラン南青山高樹町』の顛末はあまりに衝撃的で、スーパーゼネコンほど自社施工物件に敏感になったと言えます。その結果見つかった第二、第三の不具合物件、という可能性もあります。

 逆に言えば、
第一物件が発覚しなければ、第二、第三物件は発見されなかったかもしれません。また、たとえ発見されたとしても、(そうは思いたくありませんし、ゼネコン各社も強く否定するでしょうが)公にされなかったかもしれません。

 そして、
スーパーゼネコンだからこそ、たとえ全面解体・再建築になったとしても耐えられるだけの体力(財力)があったわけで、これが中小ゼネコンであれば、あの姉歯物件で倒産したヒューザーのように、ひとたまりもなく姿を消したはずです。なぜなら、ゼネコン自身、多額の借金をして建設工事をしている場合があり、いったんこのような事態となったら、融資していた金融機関が一斉に融資を引き揚げる可能性が高いからです。

 したがって、
中小ゼネコンの物件であれば、施工ミスを見つけること自体が会社の存亡に関わることから、そのようなインセンティブが働かないのではないでしょうか。まさかとは思いますが、見つかっても「見て見ぬふり」をされる可能性はないでしょうか。

 あの
ヒューザー事件の後も、耐震性に欠陥がある物件が複数、たて続けに見つかりました。しかも、そのどれもがやはり、一流デベロッパーとスーパーゼネコンの組合せの大規模マンションで、いろいろ批判されながらもきちんとした対応がありました。今回とあまりにそっくりな「その後」の展開に、私は逆に「その他」の物件の安全性に危機感を覚えます。

 私は最近、
モデルルームのアンケートで、魅力を感じるポイントとして、「大手だから」という趣旨の選択肢に必ずマルをしています。それはブランド名にひかれていると言うよりも、何かトラブルがあった時の対応能力が大手と中小では全く異なるであろう点に着目しているからです。

 しかし、一方では、
大手が手掛けるタワー物件、大規模物件は、施工に技術を要するものが多く、末端の施工会社の技術能力・監理能力が結局どこの現場でもあまり変わらないとすれば、それだけミスが起きやすいとも言えます。逆に「よくある」地上10階建前後のペンシル型の小規模物件であれば、相対的に標準的かつシンプルな技術で小さな施工会社が直に請けても対応可能であり、そのために目がよく行き届くとも言えます。

 いずれにしても、
マンションの施工は、購入者がその良し悪しを判断することがほぼ不可能で、指摘も手直しの指示もできない部分です。ある意味、「運を天に任すしかない」という不条理な世界なのですが、それでもマンションは売れていくという現実が、その再発を防止できない大きな理由なのでしょう。

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| 地震・防災 | 20:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
大地震が来たらタワーマンションはどう崩れるか−実証された超高層の壊れ方
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★ 本日付のケンプラッツでは、『実験で分かった超高層の壊れ方』という興味深い記事をアップしています。以下にその概要を記します。

「実験は、2013年12月9日から11日にかけ、
防災科学技術研究所・兵庫耐震工学研究センターで実施されました。防災科研、京都大学、鹿島、清水建設、竹中工務店、小堀鐸二研究所の6者による共同研究です。

 試験体は2000年の改正で建築基準法が現行の性能規定に移行する以前、
1990年ごろに一般的だった設計・施工を再現したもので、鉄骨造ラーメン構造の18階建てです。試験台に載せるため3分の1に縮小しましたが、高さは25.3m、重さは420トンに達し、振動実験としては世界最大規模です。

 崩壊は、何度も繰り返し加振したことで、下層階の構造部材が塑性化したために起きました。柱と梁の接合部の破断、1階柱脚の局部座屈により下層階が大変形し、上層を支えきれなくなったのです。今回、実験で確認された崩壊現象について、小堀鐸二研究所の小鹿紀英副所長は『防護フレームがなければ、下層の5階分を上層部が押し潰す格好となっただろう』と解説しています。

 実験が確認したのは、
崩壊に至る一連の過程です。使われた地震波は、東海、東南海、南海地震の3震源域が連動したという想定で、マグニチュードは8.7です。入力は「東京・大阪・名古屋における平均レベル」で応答速度110cm/秒、「局地的な最大レベル」で同180cm/秒としました。建基法が「倒壊・崩壊してはならない」と規定する「極めてまれに発生する大地震」は、同80cm/秒に相当します。

 最大レベルとなる
同180cm/秒で揺らした際の試験体の屋上部分の最大水平変位は、実スケールに換算すると片側へ92.4cm動いたことになります。最大層間変形は57分の1で、設計要件の2倍近くに達しました。複数の梁の端部が塑性化し、亀裂が入った部位も出ました。

 長周期地震動に共振した建物が、大振幅で長時間揺れ続け、振り回されるように下層階が繰り返し変形を受け、徐々に上層階の荷重に耐えられなくなって圧壊する─これが、プロジェクトが想定した超高層の崩壊過程です。

 加振回数は3日間で計14回徐々に加振レベルを大きくしていきました。応答速度300cm/秒で揺らした場合の最大層間変形角は28分の1。応答速度420cm/秒まで増幅した波による3回目の加振で、崩壊しました。

 『ほぼ想定通りの結果。構造設計の際に想定していない倒壊に至るまでの余力について、定量的なデータを得られた』鹿島技術研究所の高橋元美・上席研究員はそう話します。今後、建物の健全度を即時評価するモニタリングシステムの開発も進めます。」

 以上がケンプラッツの記事の概要です。難しい言葉が並んでいますが、要は、
東海、東南海、南海地震の3地震が連動したとしても、それだけではタワーマンションは倒壊しない、ということのようです。

 つまり、その際の
マグニチュードは8.7で、建築基準法が「極めてまれに発生する大地震」を大きく超える応答速度180cm/秒で揺らしたとしても倒壊せず合計14回、徐々に加振レベルを大きくし、同420cm/秒で崩壊した、というのですから、1990年代の建物であってもそれこそ巨大地震を超える非現実的な揺れを何度も何度も加えないと崩れない、という結果です。

 ただ、
建物は確実に大きなダメージを受けます。上記記事のとおり、応答速度180cm/秒で揺らすと屋上部分は片側へ92.4cm動いたことになり、複数の梁の端部が塑性化、つまり変形したまま元に戻らなくなったうえに亀裂も入る、ということです。この修復には費用が相当かかることでしょう。

 これとの関連で、本実験で
大きな意味があるのは、構造設計の際には想定していない倒壊するまでの過程についてデータが得られた、ということです。倒壊過程やそれまでの余力まで解析が可能になれば、ビルが設計要件を超える大振幅で揺れた際でも、構造体がどの程度健全か、継続利用できるかなどが判明するわけです。

 個人的に興味深かったのは、
「高層ビルは下部から崩壊する」ということです。私は、タワーマンションは、途中からぽっきり折れて、中層階から高層階の住戸がまっさかさまに落ちていく様子を想像してしまっていたのですが、考えてみればそうなるためには猛烈に強い圧力が上空から来なければ不可能で、地面が揺れる地震からそのような力が起きるはずはないのでした。

 あの忌まわしき9.11テロで崩壊した
世界貿易センタービルも、下部から崩れ去っていきました。このように、タワーマンションを支える最も重要な部分は低層部にあり、そこに負荷がかからないように、免震装置は最下層で力を吸収し、高層階はできるだけしなやかに揺れてあげることで力を発散させています。

 その意味で、
タワーマンションは、実は地震のリスクに最も敏感で、各部が協力し合って全身で建物を守っている美しい建築物なのかもしれません。

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| 地震・防災 | 20:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
あなたのマンションの立地は低湿地帯?−大震災から2年、明治の古地図に学ぶ
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★ 3月8日付住宅新報によれば、国土交通省国土地理院はこのほど、湖沼や水田など『水』に関係する土地の区域を抽出した『明治前期の低湿地データ』を公表しました。液状化が発生する可能性を調べる際の、参考としてもらう狙いです。対象区域は、関東(東京・神奈川・埼玉・茨城の各一部と千葉県全域)と近畿(大阪・兵庫・京都・奈良・滋賀・和歌山の各一部)です。

 地理院では、
「各地方自治体が進めている液状化対策の見直し作業で活用してもらえれば」と話しています。また、同じく地理院が公表している、地形分類を示した『土地条件図』を不動産業者が閲覧するケースが多いとして、低湿地データに関してもその需要があるとみています。

 以上が住宅新報の記事の概要です。今は都会としてにぎわう街並みも、
人工的に手が加えられる前は、さまざまな地形をしていたことは想像に難くありません。私たちは表面上のにぎわいだけでその土地の価値を判断しがちですが、東日本大震災に代表されるように地震大国である日本では、私たち自身がその土地の由来をきちんと把握しておく必要があります。

 よく言われるように、
ヒントとなるのは地名です。地名に「水」「沼」「池」などや「さんずい」が付く場合には、湿地だった可能性がありますし、「谷」であれば低地だった可能性、逆に「山」「丘」であれば高台だった可能性があります

 東急線沿線で言えば、渋谷・多摩川・綱島・洗足・奥沢・洗足池・池上・蓮沼・沼部・矢口渡・二子玉川・高津・溝の口・鷺沼・長津田などは低地や水辺だったのでしょうし、逆に代官山・自由が丘・大倉山・武蔵小山・西小山・大岡山・旗の台・御獄山・緑が丘・尾山台・宮崎台・藤が丘・青葉台・すずかけ台などは、高台に位置するものが多かったのでしょう。

 上記のように、地名を沿線で追っていくと、
渋谷の次に代官山、西小山の次に洗足など、高地と低地が隣接して出てくることが分かります。「山あれば谷あり」というのは自然な地形であり、例えば東急目黒線や東急東横線に沿った中原街道を自転車で走ってみると、高地と低地が交互に出てくるさまがよくわかります(これが私のような50歳手前のサイクリストにはきついのですが)。

 したがって、
自分の住んでいる地点がどのような場所なのかは漠然とエリアでとらえることは正確ではなく、それこそ古地図で確認するのがもっとも確実かと思います。その意味で、今回の国土地理院のデータ公表は、時宜にかなったものと言うことができます。

 それでは試しに、
国土地理院の該当のサイト(http://www.gsi.go.jp/bousaichiri/lc_meiji.html)を開いてみることにします。データを見るには、電子国土Webシステム(プラグイン版)の稼動環境が必要ですので、まずこれをダウンロードします。

 その後に新しいブラウザを開いて使用開始となるのですが、私のPCでは動作が遅く、自由自在というわけにはいきませんでした。この
データは容量が結構ありそうですので、古いPCでは若干不自由するかもしれません。

 この地図を用いて、例えば人気の
港区を見てみると、湾岸部は山手線外側がきれいに海となっており、この一帯は明治初期以降、埋め立てられてできたことが一目瞭然です。また、西麻布1丁目及び2丁目、白金1丁目及び3丁目、赤坂8丁目南部あたりが水田又は田になっていますが、これら以外には低い土地が少ないと言えます。

 一方、
その南に広がる大崎、五反田、南品川は水田又は田の地帯が結構広がっています。そして、南大井から南は23区の一大低湿地帯と言っても過言ではない地形となっています。したがって、大田区は総じて低地であり、このことが昨年4月20日の本ブログ記事『首都直下地震で被害の大きい区、小さい区はどこ?−23区安全度ランキング!』大田区が震災被害の大きい区ワースト1となっている一因と考えられます。

 なお、大田区の一大低地帯は、
多摩川をはさんで対岸の川崎市にまで及んでおり、私が住んでいる武蔵小杉も元は水田又は田の地域であったことがわかりました。私はまったくそんな知識なしに武蔵小杉のマンションを購入しましたが、もし事前に知っていたら躊躇したかもしれません。

 そう思うと、今の住まいに満足している私は
「むしろ知らなくてよかったかな」などと不謹慎なことを考えてしまいますが、やはりそれは正しい姿勢ではなく、低湿地であればなおさら、そのマンションの防災対策や行政の取組に目を向けるべきだと思います。東日本大震災勃発から明日で2年、今一度自分の足元を見つめなおす機会としたいものです。

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| 地震・防災 | 21:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
港区のタワーマンションに津波の危険?−港区が津波被害想定を発表
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★ 本日付日経新聞によれば、東京都港区は巨大地震が起きた場合の津波被害想定を独自に試算しました。太平洋側を震源にマグニチュード8.2級の地震が起きて2.4メートルの津波が来た場合を想定しています。地震の規模は都の予測と同程度ですが、液状化や防潮施設の損傷などを加味して4つのパターンで浸水の規模などを予測しました。

 約300年前の江戸時代に実際に起きた地震をモデルに津波被害を試算しました。水門や防潮堤が壊れずに機能し、地盤も液状化や沈下しなければ、浸水の深さは最大で60センチメートルです。浸水面積は沿岸の一部の約8ヘクタールにとどまります。

 一方で
防潮堤などが損壊し、液状化で地盤が50センチメートル沈下した最悪の想定では、「浜松町」駅や「田町」駅の周辺で津波により浸水する恐れがあるとしました。浸水はJR山手線内側の芝公園一帯にも及びます。浸水の深さは新交通ゆりかもめ「日の出」駅周辺などでは1.5メートルに達し、浸水面積は143ヘクタールに広がるということです。

 港区は今後、予測を基に民間のビルを住民が一時的に逃げ込める
「津波避難ビル」に指定するなど防災対策に取り入れていく方針です。

 以上が日経新聞の記事の概要です。東日本大震災の発生を受けて、行政は
従来の被害想定を見直しており、国の見直し想定については、本年9月1日の本ブログ記事『南海トラフ巨大地震の死者は32万人!−23区で被害の大きい区はどこ?』でご紹介したところですが、各自治体とも、さらに詳しい地域の被害シミュレーション及びそれに対する対策の策定に取り組んでいます。

 港区は、国の想定でも最大津波高が3メートルに達する可能性があるとされ、相当な危機感があると考えられます。上記記事の内容は、今月19日に港区が独自の調査に基づいて発表した『【改定】港区地域防災計画と港区防災街づくり整備指針』をレポートしたものです。

 この中での注目は、『港区 津波・液状化シミュレーション』です。

 まず、
津波シミュレーションですが、防潮施設(防潮堤、水門、古川の護岸)の機能不全や液状化による地盤沈下、そして古川への津波の遡上をも考慮したところ、元禄型関東地震(M8.2)が発生した場合に、被害が甚大となるケース(防潮施設が損傷し機能しない、液状化により地盤沈下が50)では、区内の浸水面積が 143.5ha となり、一部の地域では最大1.5m程度の浸水深が予測されました。

 まず、有名なマンションエリアで心配になるのが
「芝浦アイランドは大丈夫か」ということですが、ここはしっかりと護岸工事がされているためか、浸水被害はほとんど想定されておらず、一安心です。一方、芝浦アイランドから北向かいの運河沿いは、浸水の度合いが深く、最悪の場合約1mに達しそうな箇所もあります。有名マンションで言えば、『パークタワー芝浦ベイワードオーシャンウイング』はやや影響を受けるかもしれません。

 最も浸水度が深い
「日の出」駅周辺は、ほとんどが事業所ビルなので、一般の居住者の方への影響はわずかだと思われます。他方、案外浸水度が高いのが「芝公園」駅周辺で、『パークハウス芝タワー』や最近完売した『パークタワー芝公園』近辺は最悪50cm程度の浸水があるように地図上では見えます。

 この程度の浸水深の場合、
きちんと注意していれば人命にかかわる被害が生じる可能性は小さいと思われますが、1階部分の浸水がもたらす物的被害には留意すべきでしょう。

 次に、
液状化シミュレーションですが、港区は、東部の海に面した地域が、概ね埋立により形成されているため、最悪の事態を想定し、港区にとって震度が最大となり液状化の危険度が最も高いと考えられる地震を対象として、独自の調査が行われています。

 その結果、
東京湾北部地震(M7.3)が発生した場合に、区内で液状化の可能性が高い地域は、おおむねJR線以東の海に面した地域や「新橋」駅周辺に分布するほか、内陸部の一部にも点在することが予測されました。

 これを見ると、
お台場は液状化に弱い地域となっており、『ザ・タワーズ台場』はその中にあります。ただし、同マンションがある港区台場2丁目は、東京都の他の調査では「安全な街」にランキングされており、この点の整合性はとってほしいところです。

 また、液状化の危険地域は幅広く、
芝浦アイランド『コスモポリス品川』『シティタワー品川』など港区港南の有名タワー群も、そして、「新橋」駅や「虎ノ門」駅周辺液状化の可能性の高いエリアに入ってきます。これに対し、青山、六本木、乃木坂、表参道、白金台、高輪台周辺は、台地部などの古い地盤のために液状化の可能性が低いとされています。

 もちろん、タワーマンションであれば、
液状化防止を含めた地盤対策はきちんとなされているものと考えられます(⇒コメント欄のご指摘の通り、港南三丁目のタワーマンション群は、同町の沖積低地の表層部から比較的浅い場所にある強固な東京礫層に杭を打ち込むことで、確たる地震対策が行われています(2015年5月22日付記))。その前提で、自分が住んでいる地域がどういうところで、いざ大地震が起きたときに、どのような状態になり得るのか、あらかじめ知っておくことは非常に大切なことだと思います。

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| 地震・防災 | 19:36 | comments(6) | trackbacks(0) |
23区で地震時に危険な密集地はどこ?−津波・倒壊・火災の三重苦と向き合う
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★ 今月12日付毎日新聞によれば、国土交通省は同日、地震などで大規模火災が起きたり避難するのが難しかったりする「著しく危険な密集市街地」が全国17都府県41市区町の197地区5,745ヘクタールに上ると発表しました。危険度の高い「木造密集市街地」(木密)の中で一層危ない地区を抽出したものです。国は、こうした地区を2020年度までにおおむね解消する目標を掲げ、自治体と共に建物の不燃化など対策を進めていますが、財政難や住民の高齢化といった事情もあり難航しています。

 調査は、東日本大震災発生後に全国の市区町村に調査票を配布する形式で実施し、今年3月1日時点のデータをまとめました。木密のうち、建物が不燃化されていないことなどによる
「延焼危険性」(燃え広がりやすさ)、道路の狭さや建物の倒壊を考慮した「避難困難性」(逃げにくさ)を指標に、より危険な地区を絞り込みました。

 その結果、
最も広かったのは大阪府の2,248ヘクタール(11地区)で、東京都1,683ヘクタール(113地区)、神奈川県690ヘクタール(25地区)、京都府362ヘクタール(13地区)が続きました。

 自治体の約9割は、建物の不燃化・耐震化や避難経路・避難場所となる空き地の確保などの対策を実施中としました。しかし、避難・防災訓練や防災・避難マップの作製などは6割弱にとどまっています。

 国や自治体が進める
建物の建て替え促進や道路・公園整備は、自治体の財政難や所有者の資金不足だけでなく、地主や大家、居住者との権利関係の複雑さも絡み、進んでいないのが現状です。高齢住民の中に生活環境の変化を嫌う声があることも要因の一つということです。

 国交省住宅局は
「迅速な初期消火には自治会の防災訓練が有効な手段。近隣で助け合う『共助』の意識を高めることが大事だ」と話しています。

 以上が毎日新聞の記事の内容です。この記事は、国土交通省が今月12日に発表した『「地震時等に著しく危険な密集市街地」について』を基にしたものですので、以下その内容について触れてみたいと思います。

 まず、この資料の別紙1には、『「地震時等に著しく危険な密集市街地」の地区数・面積一覧』が掲載されています。これによれば、
東京都の著しく危険な密集市街地は23区に限られており、面積順にランキングにすると、以下のとおりです。

1 墨田区  19地区 389ha  2 北区  21地区 270ha
3 品川区  23地区 257ha  4 中野区  9地区 152ha
5 荒川区   8地区 126ha  6 足立区  8地区 107ha
7 世田谷区  6地区 104ha  8 豊島区  5地区  84ha
9 大田区   4地区  61ha  10 目黒区  3地区  47ha
11 渋谷区   3地区  45ha  12 台東区  3地区  29ha
13 文京区   1地区  13ha


 ただし、上記はあくまで自治体からの報告に基づいている点は要注意です。当該自治体が非常に危機感を持っている場合には面積を広めに出すでしょうし、それほどでもない自治体は「該当なし」などと報告しているかもしれません。

 このことを前提にとした上で、国土交通省の資料の別紙3の地図『東京都の「地震時等に著しく危険な密集市街地」の区域図』を見ると、上記の
密集市街地は、大田区南部の一部を除いて、「東京」駅から4キロ〜13キロの円を描くゾーン内にあることがわかります。

 特に、
JR山手線内にはほとんど密集市街地がなく、山手線を取り巻くように、その外側に広がっているのが特徴です。これはおそらく、高度経済成長期に市街地がスプロール化し、行政がその人口急増に対策を打てないまま住宅が密集したことによるものでしょう。

 なお、上記の地図には地名がありませんが、その代表例として、特に甚大な被害が想定される木造密集地域(木密)のうち、地域危険度が高いなど、特に改善を図るべき地区として、
東京都が不燃化特区制度の先行実施地区に指定している地区を上記ランキングに沿って挙げると、次のとおりです。

1 墨田区 京島周辺、鐘ヶ淵周辺東
2 北区  十条駅西
3 品川区 東中延1・2丁目、中延2・3丁目
4 中野区 弥生町3丁目周辺
5 荒川区 荒川2・4・7丁目
8 豊島区 東池袋4・5丁目
9 大田区 大森中
10 目黒区 原町1丁目・洗足1丁目


 阪神・淡路大震災や東日本大震災で経験したように、地震の被害で恐ろしいのは、地震の揺れそのものに加えて、その後に起こる火災や津波などの二次的な被害です。そして、密集市街地は、「津波・倒壊・火災」の三重苦となると言われており、大震災で想定されている死者のかなりの部分は、これら密集市街地の被害によるものです。

 私たちが
これらの地域のマンションに住んでいる場合は、自宅の倒壊は免れている場合が多いでしょうから、むしろこれら被災した地域住民の方々にいかに手を差し伸べ、共存していくか、ということが課題となるでしょう。防災訓練等において、日常的に地域の方々と連絡を取り合うことが重要だと思われます

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| 地震・防災 | 22:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
あなたが検討中の物件は大丈夫?−新築マンション揺れやすさランキング!
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★ 今月7日付の本ブログ『特に揺れやすく、大地震が来やすい23区はどこ?−3,800万人が軟弱地盤に生活』では、防災科学技術研究所「地震ハザードステーション」をご紹介しましたが、このデータに基づいて、町名単位でその地域の揺れやすさを判定してくれるページを発見しました。

 これは、朝日デジタルの『揺れやすい地盤 災害大国 迫る危機』のページの記事下部で、ここに
町名単位まで入力すると、自動的に「表層地盤増幅率」が計算され、かつ、その町の地形の種類まで表示されるという優れものです。この数値が大きいほど揺れやすく、2.0を超えると「特に揺れやすい」場所となり、注意が必要ということになります。

 そこで、
このサイトを活用して、現在販売中の新築マンションで、「揺れやすさワースト10」と「揺れにくさベスト10」を出してみたいと思います。ただし、すべてを調べ上げるには相当な労力が必要ですので、ここでは現在販売中である東京23区の大規模マンション(総戸数200戸以上)かつタワーマンション(地上20階建て以上)の33物件に限定することとしました。

 まず、
揺れやすさワースト10は、次のとおりです。数値は、表層地盤増幅率です。

1 ヴェレーナ王子     北区豊島5丁目    2.468690 後背湿地
2 ザ・パークハウス青砥  葛飾区青砥7丁目   2.382481 三角州・海岸低地
3 (仮)三河島駅前南地区PJ 荒川区東日暮里6丁目 2.374637 三角州・海岸低地
4 ザ・グランアルト錦糸町 墨田区江東橋2丁目  2.284825 干拓地
5 パークタワー東雲    江東区東雲1丁目   2.264235 埋立地
5 プラウドタワー東雲キャナルコート  江東区東雲1丁目   2.264235 埋立地
7 シティタワーズ豊洲ザ・ツイン   江東区豊洲3丁目   2.260717 埋立地
7 シティタワーズ豊洲ザ・シンボル  江東区豊洲3丁目   2.260717 埋立地
9 ザ湾岸タワーレックスガーデン  江東区東雲2丁目   2.258962 埋立地
10 Brillia有明Sky Tower  江東区有明1丁目   2.257086 埋立地
10 シティタワー有明    江東区有明1丁目   2.257086 埋立地


 地盤が軟弱な地域というと、どうしても埋立地を考えてしまいますが、上記のランキングを見ると、埋立地よりも後背湿地、三角州・海岸低地、干拓地の方が揺れやすいことがわかります。もちろん、これらの大規模マンションでは軟弱な地盤への対策を措置済みであり、例えば、ランキングトップの『ヴェレーナ王子』では、合計58本の強度に優れたコンクリート拡底杭を地表から約43〜45.5m以深の強固な支持層まで貫入しています(強固な地盤に達するまで約43〜45.5mというかなりの深さを要することは否めません)。

 次に、
揺れにくさベスト10は、次のとおりです。数値は同じく、表層地盤増幅率です。

1 コンシェリア西新宿TOWER'S WEST 新宿区西新宿6丁目 1.438583 ローム台地
2 クレストタワー品川シーサイド     品川区東大井1丁目  1.442492 砂州・砂礫洲
3 パークコート千代田富士見ザタワー 千代田区富士見2丁目 1.456429 ローム台地
4 パークコート六本木ヒルトップ    港区六本木1丁目   1.472042 ローム台地
4 アークヒルズ仙石山レジデンス   港区六本木1丁目   1.472042 ローム台地
4 THE ROPPONGI TOKYO  港区六本木3丁目   1.472042 ローム台地
8 ザ・タワーレジデンス大塚 豊島区北大塚1丁目  1.486914 ローム台地
9 パークタワー滝野川    北区滝野川6丁目   1.516816 ローム台地
10 OWL TOWER       豊島区東池袋4丁目  1.531725 ローム台地


 2位の『クレストタワー品川シーサイド』が砂州・砂礫州という意外な地形で地盤の固さがあることを示していますが、それ以外は、強固な関東ローム層の上に立地していることが揺れの少ない必要条件となっています。1.4〜1.5という数値は「場所によって揺れやすい」レベルを表しており、スケール上は中程度の揺れ方なのですが、都区部では地層として優良な地域と言えるでしょう。

 地域別に見ますと、
ワースト10に挙げられた区は葛飾区・荒川区・墨田区・江東区という城東エリア中心で、ベスト10に挙げられた区は新宿区・品川区・千代田区・港区・豊島区という都心・城南・城北エリア中心でした。北区はワーストにもベストにも顔を出していますが、これは北区が荒川沿いを中心とする地盤軟弱エリアとそれ以外の地盤の固いエリアの両方を併せ持つ地域だからと言うことができるでしょう。

 実は
私の住んでいるマンションは、表層地盤増幅率2.359941という、とても揺れやすい後背湿地に立地しています。大規模マンションとして構造上、地震対策はきちんと施されていると考えているのでそれほど心配はしていませんが、それでも住んでいるエリアがどのような地域なのかを知っておくのは重要なことです。皆さまも、上記のサイトを活用して、ご自身が現在お住まいになっている町の揺れ具合がどのようなものなのか、確認してみることをお勧めします。

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| 地震・防災 | 20:18 | comments(0) | trackbacks(0) |