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ついに緊急事態宣言発令!−全く油断していた川崎市中原区民

JUGEMテーマ:マンション


 今夕、安倍総理が新型コロナウィルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言を発令しました。最近ではいつ発令するのかという状態だったので、サプライズはなく、株価はむしろ上昇しています。スーパーも比較的落ち着いていて、2週間前に小池都知事が出した外出自粛要請の時のようなパニック買いもないようです。

 さて、私が住んでいる
川崎市では、感染症患者が住んでいる行政区が公表されています。それによれば、各行政区別の患者数は、次の通りです。

1 中原区 14人  2 宮前区 10人  3 川崎区 9人
4 幸区 8人  5 高津区 7人  6 多摩区 6人
7 麻生区 5人


 これを各行政区の人口に対する割合で並べてみると、次のようになります。

1 中原区 0.00535  2 幸区 0.00468  3 宮前区 0.00430
4 川崎区 0.00386  5 高津区 0.00300  6 麻生区 0.00278
7 多摩区 0.00273


 感染者数及び割合とも、武蔵小杉駅を中心として人口増加が著しい中原区がトップとなり、それに隣接する宮前区ないし幸区、川崎駅の所在する川崎区がこれに次ぎ、溝の口駅を中心とする高津区が第5位、宮前平駅や新百合ヶ丘駅を中心とする川崎市西部の多摩区、麻生区が最も少ないという結果になりました。

 繁華街という意味では川崎区が最も適合するのですが、その割には少ない印象です。
中原区は武蔵小杉駅をはじめとして交通の結節点であり、人の往来が激しい関係もあるのでしょうか。一方、昔からの良好な住宅地で落ち着いた麻生区、多摩区はイメージ通りの少なさでもありました。

 しかし、実は
中原区は、川崎市の行政区の中で感染者が初めて出たのが最も遅かったのです。むしろ最初に感染者が出たのは多摩区、次に麻生区でした。

 中原区から感染者が出るまでの各行政区の感染者数は、次の通りです。

1 宮前区 3人  1 麻生区 3人  3 川崎区 2人
4 幸区 1人  4 高津区 1人  4 多摩区 1人


 中原区で初めて感染者が出たのが3月28日ですから、今回の感染爆発を招いた3月20日〜22日の3連休や小池都知事が外出自粛を要請した27日、28日の週末について、中原区民は全く油断して過ごしていたことになります。一方多摩区、麻生区の感染者は3月12日、19日に出ていますから、3連休の前から警戒して生活できたのではないでしょうか。

 中原区で感染者が出た3月28日以降の各行政区ごとの感染者数は、次の通りです。

1 中原区 14人  2 宮前区 7人  2 川崎区 7人
2 幸区 7人  5 高津区 6人  6 多摩区 5人
7 麻生区 2人


 このように、中原区は他の行政区の2倍を超える感染者数を出してしまっています。中原区民の私が振り返ってみると、確かに3連休以降1週間の中原区の雰囲気は弛んでいました。「油断大敵」というのが身に染みた今回の体験でしたが、逆に麻生区、多摩区を見ると、皆が警戒心を持てば感染の拡大は抑えられるのではないか、とも思います。安倍総理の緊急事態宣言の発令をテレビで見ながら、私はその点に希望を感じたのでした。

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| 地震・防災 | 19:49 | comments(0) | - |
台風19号の被害を受けた武蔵小杉ーさらに強靭なマンションとなるために

JUGEMテーマ:マンション


★ 「ここ1週間ほど続いた「台風19号シンドローム」もようやく終焉に向かおうとしています。今回は皆が十分警戒したせいか、台風15号ほど甚大な被害にはならなかったように思います。それでも低地・多摩川沿いにある我がマンションは冠水の恐れを受け、住民皆で必死に水の侵入を食い止め、皆の力で被害を最小限に食い止めることができました。」

 …上記は、私が10月12日の夜、書いていた文章でした。しかし、その
認識が全く誤っていたことを次の日の朝、知ることになります。そこから約1週間、武蔵小杉のタワーマンションが受けた被害、JR「武蔵小杉」駅の被害、武蔵小杉エリア全体に対する風評被害は、想像を超えたものとなりました。

 武蔵小杉は、タワーマンションと再開発で急速に知名度を上げてきたせいか、マスコミの関心も高く、また、読者・視聴者の反応も高いものがあったのでしょう、もういいではないかと思うくらいに
連日各メディアで取り上げられ、多方面から解説・分析され、好奇の目にさらされてきました。「復旧のめど立たず」といった見出しが各新聞を飾り続けたのです。

 しかし、そこから1週間後、
マンションの電気・水道等が復旧し、灯りがともり始めると、報道はぴたりとやみました。武蔵小杉の住人としてはむしろ、そのようなさ中にあっても住人が助け合い、復旧に向けて力を尽くしてきたことも、一連の報道として報じてほしかったのですが、そのような記事は、「売れる記事」としての価値はないのでしょう。

 一方、
武蔵小杉の状況を大々的に報じてくれたメリットもあります。地下に電源、水源など心臓部を有するタワマンへの災害対策を政府も検討課題として挙げるようになりました。首都圏には大規模河川が複数ある中で、なぜ多摩川だけが氾濫ないし冠水が起きたのか、このような猛烈な雨量があったときに河川事務所の運用対策はどうあるべきなのか、各方面から考えていただけるきっかけになったのではないかとも思います。

 そして何より、私たち武蔵小杉の住人自身が、
自分たちの住まいを守るために普段から何をすべきか(止水板の設置が明暗を分けたといった記事もありましたが、被害を受けたマンションも、今月17日の総会で止水板設置の予算案が審議されるところでした)、また、災害に実際に遭ったときにどのような行動をとるべきか、といったことをあらためて考える機会となりました。

 思えば、
東日本大震災の際のマンション停電を踏まえ、地下3階に保存していた防災備蓄物資を各階に置きなおし、その数・状態を日頃から住人皆でチェックしていたからこそ、今回の停電時に水や災害時の使用物資を各フロアで迅速に分け合うことができたのです。あれが大震災の経験に学ばずに防災物資を地下3階に置いたままであれば、これらの備蓄品は全滅し、住人は大変困窮したはずです。

 今回の水害もまた、私たちにとって学ぶ糧となりました。次の災害の時には(もう来てほしくないですが)さらに円滑に状況に対応できる強靭なマンションになることを目指すべきだと思います。「今後買うなら高台立地のマンション」という識者の声も多数聞かれますが、既に購入された低地のマンションも少しも悲観する必要はありません愛着のある自分たちの住まいを如何に守り、成長させていくか、共に考えていければ幸いです。

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| 地震・防災 | 20:19 | comments(2) | trackbacks(0) |
天災は忘れる間もなくやってくる−23区の地盤が悪い街ランキング

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★ 昨日も仕事の最中に地震が来ました。しかし、最近は地震の揺れが来ることが多く、また、この夏は様々な災害のオンパレードだったことから、もはや震度3程度の揺れでは誰もピクリともしなくなりました。「地震だ」と口にすることすらめんどくさいこの状況は、やはり異常なのでしょう。

 「〇〇君(私のこと)、もうすぐ大地震が来るから気を付けた方がいいよ」

 ある先輩からそんなことを言われたのは、北海道大地震の3、4日前のことでした。その先輩は、地震予知のNPOの会員になっていて、プレートの動きで地震が来るかどうかを判断しているのですが、その時点でプレートの動きが通常と逆になっており、ということは必ずそれを戻す大きな力が働き、その動きが大地震になる、と判断したとのことでした。

 「はあ、そうなんですか」

と答えるしかなかった私ですが、9月7日の朝5時にふと目が覚め、枕元のスマホを眺めて「北海道震度6強」という文字を見て驚愕したのでした。

 首都圏に住む私たちは、あまりに普段の小さな地震に慣れすぎて
「地震不感症」になっているのかもしれません。しかし、大地震は冷酷に人々の生命・身体・財産を損なっていきます。身の安全がもちろん第一ですが、不動産という財産も大きく損なわれるリスクがあります。場所によっては数千万円はかけて手に入れた土地・建物が一瞬にして灰燼に帰すおそれもあるのです。

 9月18日付東洋オンラインは、「首都圏で地盤が不安な地域は一体どこなのか」と題した記事を掲載していますが、その中で
「東京都地盤ランキング」を掲載しています。下記ランキングは、このうち23区ランキングを地盤の悪い方から並べてみたものです。

1 江東区   2 中央区  3 墨田区   4 荒川区
5 江戸川区  6 台東区  7 足立区   8 葛飾区
9 大田区   10 北区   11 千代田区  12 港区
13 品川区   14 文京区  15 目黒区   16 渋谷区
17 板橋区   18 新宿区  19 中野区   20 世田谷区
21 豊島区   22 杉並区  23 練馬区


 驚いたのは23区の地盤の弱さで、市部も含めたランキングでも、ワースト1位の江東区から13位の品川区まで、東京都市部は1市も入っていません。また、23区ベスト1位の練馬区より地盤の良い市は、良い順から、国分寺市、小平市、小金井市、立川市、武蔵野市、西東京市、清瀬市、武蔵村山市、東久留米市、羽村市、東大和市、東村山市、国立市の13市もあります。

 上記ランキングを見れば、一般に、
城東・城南が地盤が弱く、城西・城北が地盤が良い傾向があります。しかし、住宅地としての人気は、城東・城南が城西・城北を上回っているのも確かです。生活を考えれば、海や川に近い低地が丘陵地より利便がよく、したがって人が集まりやすいのも事実でしょう。

 今回の北海道大地震では、震源地から離れた
札幌市清田区の広い範囲で液状化現象が起き、整った住宅街の家々が軒並み大きく傾いて、使い物にならなくなっている光景が連日テレビに映し出されました。あの光景が、元々低地で地盤が弱い23区では起きないと、どうして言えるでしょうか

 「天災は忘れた頃にやってくる」と言われますが、最近は、「天災は忘れる間もなくやってくる」という状態です。災害には慣れても、日頃の備えなくしては全く意味をなさないことを肝に銘じるべきでしょう。

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| 地震・防災 | 20:50 | comments(2) | trackbacks(0) |
全てのRC造マンションに重大な欠陥リスク?−構造スリット問題という袋小路

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★ ダイヤモンド・オンラインは、9月10日付で『あなたのマンションは大丈夫?構造スリットに隠れた重大欠陥』という気になる記事を掲載しています。その概要は、次のとおりです。

地震に関連して、マンション業界で密かに話題になりつつあるのが「構造スリット」です。構造スリットとは分譲マンションで主流の鉄筋コンクリート(RC)造において、地震が発生した際に、建物の損壊を防いで住民の命を守る耐震設計の1つです。具体的には、柱と壁、梁と壁を切り離して衝撃を逃すために入れる隙間のことです。1995年の阪神淡路大震災以降、本格的に普及し、超高層など一部を除くほとんどの新築分譲マンションで採用されました。

 そんな構造スリットにおいて、大手デベロッパーとゼネコンが建てた、東京都のあるRC造の分譲マンション(280戸)で
欠陥が発覚しました。この問題は1棟だけの話ではなく、全国各地に同様の地雷が眠っています。物件の規模や欠陥の状況にもよりますが、補修費は数千万円にも上るといいます。

 1級建築士でAMT代表の都甲栄充氏は、これまで12物件の欠陥を見抜いてきました。企業側は基本的になかなか非を認めません。しかし、都甲氏が調査した物件では
証拠を突き付けるとすぐに非を認め、補修工事に転じました。

 「これまで建設業界では構造スリットの欠陥はタブー視されていた」(都甲氏)のですが、ブランドを傷つけないよう、企業が神経を尖らせています。
住民の意識が高まり、ひとたび全国で調査が進めば、雪崩を打ったように欠陥が発覚して企業の業績悪化に直結します。

 今もなお、欠陥が隠れているのは
「ゼネコンがコンクリート打設後にろくにチェックしないから」(都甲氏)とのことです。本来スリットがあるべき箇所になかったり、突貫工事で施工が悪くコンクリートの圧力で中のスリット材がねじれたりします。そして、地震など有事の際に建物が破損して、ようやく問題が発覚するのが隠れた欠陥とされるゆえんです。しかし、事前調査は「判定期間が2日間あれば十分」(都甲氏)なのです。

 「
構造スリットに住民が興味を持たない」(同)のも問題です。区分所有者は、「住宅品質確保促進法」(品確法)で保護されており、事業主が瑕疵担保責任を負う時効は新築から10年です。そのため、10年以内に調査もせず、ぼんやりしていると、自分の資産価値が毀損している可能性にすら気付きません。

 一方で、管理会社も事業主に負担をかけないように、
被害さえなければ10年を過ぎてから大規模修繕で対処しようとします。「修繕積立金で新築時の不具合を直す必要はありません。事業主に負担させるべきです」(同)。

 構造スリットの有無は構造図で確認できます。「自分たちの建物は大丈夫だと、住民が人ごとなのが最大の落とし穴です」と都甲氏は警鐘を鳴らします。
みすみすチャンスを逃さないよう、10年以内にチェックする価値は十分にあります。』

 以上がダイヤモンド・オンラインの記事の概要です。技術的なことはよくわからないのですが、
構造スリットがRC造マンションに普遍的にあり、そこに起因して震災時に倒壊リスクがあるマンションが全国に多数あるのであれば、全く深刻な問題です。

 上記では略しましたが、本記事によれば、10年以内に建てられたRC造マンションは、「建築着工統計調査」によると、2011年から2018年7月までで約14万棟であり、この10年を見れば、どの年も最低でも年間15,000棟は建設されており、
10年間で15万棟以上が建設されているのではないかとのことです。

 10年以内とは、品確法に規定する事業主の保証範囲内になっているので殊更取り上げられていますが、買主目線で言えば、リスクはもちろんこれらに限られず、言わばほとんどのRC造マンションに及ぶわけです。

 そして、築10年以内なら事業主にやってもらいましょう、ということが推奨されています。
築10年超マンションであれば自分たちで調査を依頼し、それで欠陥が見つかれば、修繕積立金で対応するしかありません。

 しかし、それだけ
全国的に深刻な問題なのであれば、国策として何か手を打つべきではないか、とも思われます。構造スリットの欠陥といった新たな事実の摘示責任を素人である買主に負わせるのは余りに酷であるし、かつ、それが現在世間的に発覚したとして、その事実が知れた時に、築年数がたまたま10年超であるがために、数千万円に及ぶ修繕費用を全て買主に負わせるのも不公平というものでしょう。

 かといって事業主に過去のRC造マンションの全てについて点検・修繕義務を負わせると、
それだけで破綻する事業者が出てくるかもしれません。また、現在使用されているRC造マンションには事業主が倒産等で既に存在しないものも多数あり、これで問題が解決できるものでもありません。

 国策としてやると言っても、
国の税金で予算措置をするならばRC造マンションを所有していない多数の国民が納得しないでしょう。
 
 果たしてこの問題が、上記記事が取り上げるように
深刻な問題であるとするならば、解決策も非常に難しいものとなります。また、「欠陥は構造スリットだけではない」可能性も十分あり、「住まい」をめぐる施工の問題は昔から変わらず厄介な課題であることは確かなようです。

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| 地震・防災 | 21:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
大地震で大津波が来る駅ランキング−海から遠いと感じるJR沿岸駅ほど危ない

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★ 5月31日付東洋経済オンラインは、『首都圏「大地震で大津波が来る駅ランキング」』という大変気になる記事を掲載しました。早速ランキングを以下に掲げます。

1 長谷(江ノ電)  2 鎌倉(JR横須賀線)  3 新逗子(京急逗子線)
4 片瀬江ノ島(小田急江ノ島線)、京急久里浜(京急久里浜線)、由比ガ浜(江ノ電)、
  腰越(江ノ電)
8 御宿(JR外房線)、上総興津(JR外房線)
10 逗子(JR横須賀線)、田浦(JR横須賀線)、浜川崎(JR南武支線・鶴見線)、
  昭和(JR鶴見線)、扇島(JR鶴見線)、横浜、関内(JR根岸線)、
  馬車道(みなとみらい線)、汐入(京急本線)、湘南海岸公園(江ノ電)、
  江ノ島(江ノ電)、八景島(横浜シーサイドライン)、
  野島公園(横浜シーサイドライン)、金沢八景(横浜シーサイドライン)、
  新杉田(JR根岸線)


 上記は東京都・千葉県・神奈川県を範囲とする駅ランキングなのですが、結果的には上記24駅中、JR外房線の御宿、上総興津の2駅以外の22駅は全て神奈川県下の駅となりました。神奈川県が占める駅の割合は91.7%と、9割以上になります。

 路線別では、
江ノ電で5駅、JR横須賀線、JR鶴見線、横浜シーサイドライン、京急線(合計)で3駅、JR外房線、JR根岸線で2駅などが多くなっています。

 1位は江ノ電の「長谷」駅です。津波の高さは最大5〜8mと断トツの高さで、ビルの3階の高さの津波に襲われる想定です。「長谷」駅は鎌倉の大仏様(高徳院)の最寄り駅で長谷寺も近く、多くの観光客が利用します。駅に降りても海は見えないので、浜辺からやや離れているように思うかもしれませんが、駅付近の海抜は4.5mしかありません。

 「長谷」駅からは長谷寺など近くの高台まで約400mも離れており、
津波避難ビルも極端に少ない場所です。「長谷」駅周辺にいて津波警報に接したら、一目散に長谷寺や大仏様の高台へと逃げることを念頭に入れておく必要があります。

 ただ、江ノ電の良いところは、単線のため隣に線路がなく、電車が走ってくることがないため、
すぐに線路に降りられます。4両編成と短いので、乗っている車両か隣の車両には乗務員がいて、乗客が降車の介助を受けやすいのです。また、江ノ電は駅間が短く踏切も多いので、線路外にすぐ出られます。

 2位の「鎌倉」駅(JR横須賀線)も観光客の利用者が多い駅です。津波の高さは最大3〜4mで、海からは1km以上離れていますが、近くを滑川が流れ、海側から見るとしだいに狭くなる谷を遡って津波が遡上することが想定されています。三陸のリアス式海岸で津波が高くなるのと同じ理屈です。関東大震災の際は、同駅のすぐ手前まで津波が来ており、津波警報の際は、速やかに同駅西側の市役所方面や北側の鶴岡八幡宮、または最寄りの津波避難ビルへと避難する必要があります。

 JRは江ノ電と異なり、15両編成でラッシュ時乗客3,000人以上、乗務員3人程度といった目がなかなか届かず、ケアがしにくい状況にあります。またJRの幹線では、線路に立ち入られないように線路沿いにフェンスが続いていて、線路外に出られる扉のある地点まで遠い場合もあります。

 10位には、1日平均226万人が乗降する神奈川最大の駅「横浜」駅が入っており、津波の高さは最大1.2〜2mが想定されています。「横浜」駅は、東急東横線など地下に深く潜っている駅もあり、心配は増大しますが、ただ地下駅は、むしろ浸水対策をきちんと施しているケースが多いです。いずれにしろ、「横浜」駅は、東日本大震災の際にもポートサイドエリアや本牧などで液状化現象が観察されるなど、要警戒の駅になります。

 一方、東京都においては、東京湾沿いの駅が気になりますが、
東京湾の入り口が狭く奥に広がっている地形から津波の高さは低くなるということです。それでも津波はやってきますが、ゆりかもめの「日の出」駅が一番浸水高があり0.5〜0.8m、JRでは「浜松町」駅が0〜0.15mとなっています。

 なお、
江ノ電は、海辺を走るだけあり、津波に対する対策と訓練は他の鉄道会社より熱心に行われており、社員の意識も高いようです。逆に、大川小学校の悲劇にもあるとおり、海から遠い場所であっても、河川の存在や、普段意識しているより海抜が低いなど地形の影響で大きな津波が来る危険性があることも、上記の駅ランキングで確認され、そのような鉄道と駅は、社員や乗客の津波に対する意識や普段の備えが十分でないことが大変危惧されます。

 津波は、避難の仕方によっては被害が莫大になるリスクがあるという意味で、人災による部分がかなり大きい(逆に正しく行動すれば防げる可能性がある)ように感じます。心しておくにも限界があるかもしれませんが、普段から気をつけておきたいものです。

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| 地震・防災 | 19:22 | comments(1) | trackbacks(0) |
23区西・南部も危ない−東京都が災害時における各地区の総合危険度を発表

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★ 東京都は2月15日、地震による建物倒壊や火災の発生、避難・救助の困難さなどを町(丁目)ごとに評価した「総合危険度」で、新たに21地域が、5段階のランク付けで最も危険度が高い「ランク5」に加わったことなどを公表しました。

 評価はほぼ5年ごとに行っており、
地震による「建物倒壊危険度」「火災危険度」に避難や消火、救助活動の困難さを加えてまとめています。その結果、都内5,177地域のうち85地域が最高の「ランク5」となりました。前回の第7回と同様、荒川区、足立区、墨田区など、23区の東部に位置する8区が76%を占めました。

 一方、今回は初めて
「幅12メートル以上の大通りにつながる幅6メートル以上の道路に到達する平均所要時間」を評価に加味したところ、環状7号線沿いやJR中央線沿線の中野区、杉並区の一部などで危険度が高まりました。これらの地域は幅の狭い道が多く、災害時に消火や救助が困難な可能性があるとのことです。

 逆に、墨田区や台東区などの
下町地区は、大災害への備えの意識が高く、幅の広い道路の整備が進んでいることが奏功している面があると言います。私はこれに加え、下町は昔ながらの自治会組織やコミュニティがまだしっかりしていて、皆の協力体制がとれていることも、これらの防災対策に寄与しているのではないか、と思います。

 杉並区や中野区は対照的に、昔の木賃宿に端を発し、今では学生が主流の低廉なアパートが多く、これらの土地所有者はその地に根付いていないため、協力体制をとろうにもなかなか困難なところが多いのではないかと推察します。まして、賃借している若者達に、普段の防災訓練の参加を求めることは非常に難しいと言えます。いざ災害が起こったときに、生死の確認すら時間を要するかもしれません。

 また、
大田区・品川区や多摩川や運河沿いの脆弱な地盤の上の地区があり、かつ、工場が立地しておりその従事者が住むための家やアパートが密集している場所があります。

 さて、今回スポットが当たっている
23区西・南部の総合危険度「ランク5」の地区を以下に危険度の高い順に列挙します。

大田区羽田6  大田区西蒲田4  中野区若宮1  大田区仲六郷2
中野区野方2  品川区西大井3  大田区南蒲田3  大田区西蒲田5
杉並区天沼1  杉並区高円寺北3  品川区豊町5  品川区大井7
大田区西六郷2  杉並区方南1  中野区大和町4  杉並区成田東1
大田区西蒲田3  中野区大和町2


 特に、杉並区天沼1は、前回調査時(2013年9月)よりランクが2つ上がってしまいました。「阿佐ヶ谷」駅や「荻窪」駅から徒歩10分程度の立地で、その意味での交通の便は決して悪くないのですが、道幅の狭い道が多く、青梅街道や中杉通りといった大通りからはかなり離れています。

 災害は、いざ火災や建物倒壊が起こった時に、
いかに逃げおおせるかが身を守るために最も大事になります。私たちは普通、地盤の強さや建物の強固さばかりに気を取られますが、視点が変われば地域の危険度はまるで変わってくるということを肝に銘ずるべきでしょう。

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| 地震・防災 | 23:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
大雪の日に思う都心立地−レベルが異なる安心と安全

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★ 今朝からテレビは積雪情報一色で、誰もが「今晩はえらいことになる」と思っていました。都心にある私の職場では、午前中は雨か小雪がちらつく程度だったところ、お昼を過ぎたあたりから本格的な雪になり出しました。

「今日の飲み会は中止にしましょう」

 今晩は取引先と懇談する予定だったのですが、お昼頃、迷った末にキャンセルにしました。その時は迷うくらいの雪の降り方だったところ、夕方になって「キャンセルして本当に良かった」と思いました。お店の方もこういう天候のため、キャンセル料を取られずに済みました。しかし、どこのお店も本日のキャンセルは相手を責めるわけにもいかず、本当に痛かったのではと思います。

 午後3時を過ぎたあたりから、社員は皆帰りの足を気にし始めました。これでは仕事にならず、家の遠い人から徐々に帰り始めました。多摩川を渡らなければいけない私も
普段より1時間早く職場を出て、後は駆け足で駅のホームに向かいました。

 朝からわかっていたことですが、
こういう日のつらさは、雪の影響と、雪の影響を気にする通勤客の乗車集中です。それでも皆、職場を気にしながら帰るので、結局は乗客が集中する時間帯に電車に乗り込むことになります。

 一番肝心なのは、どの路線を使うかを見極めることです。幸い私の住んでいる武蔵小杉はいくつもの路線が通り、選択肢が多いのですが、このとき選ぶ路線は、普段から利用客が比較的少なく、乗り入れの少ない東京メトロ南北線と東急目黒線の「一点買い」です。

 通常は、東京メトロ日比谷線+東急東横線か、東京メトロ銀座線又は半蔵門線+東急東横線なのですが、
乗り換え駅である「渋谷」駅又は「中目黒」駅は、こういう時には大混雑し、特に「渋谷」駅は入場規制の常連で、極力避けなければいけません。一方、JRならば、横須賀線又は湘南新宿ラインなのですが、両線とも運行距離が長いだけにこのような悪天候に弱く、やはり避けるべきです。

 実際、本日も、
「渋谷」駅と「品川」駅で入場規制が行われ、横須賀線もポイント故障等でのろのろ運転となりました。私が利用した東京メトロ南北線は激混みだったものの、遅延しながらも運行に支障はなく、東急目黒線「大岡山」駅で多くの客が東急大井町線に乗り換えたため、そこからは通常の混み具合となりました。

 しかし、午後9時を過ぎたあたりから混雑も緩和されましたので、
実は飲み会をして終わったくらいが一番スムースな帰宅だったと思われます。これも大いに予想されたことでしたが、本当に電車が止まるリスクを考えたらその手も取り難いと思います。

 こういう時に感じるのは、
最寄り駅で複数路線が使えるありがたさです。駅から近いこともメリットになります。しかし、これらも「都心住まい」にはかないません

 私の上司は
山手線内にマンションがあり、本日の積雪にも余裕でした。上司が利用する東京メトロ丸ノ内線は、他の路線と乗り入れしていないので、遅れや混雑はあっても深刻な事態にはなりにくいです。同様の状態にある東京メトロ銀座線も同じく好条件にあります。そして万が一電車に乗れなくてもタクシーが使えますし、いざとなったら歩いて帰れます。電車を使わないのであれば、駅近である必要もありません

 つまり、
都心と郊外では好条件のレベルが違うのです。私の住む武蔵小杉では、「複数路線」「駅近」がメリットですが、都心居住の場合は、「都心メトロ」「タクシー」「徒歩」が決め手となります。

 これは大雪にかぎらず、
東日本大震災のような大災害のときも痛感しました。これに津波の恐れを加えるとすれば、都心高台、そして災害に弱いとされるタワマン高層階を除くマンションが最も優れていると言えます。最寄りの駅自身も高台にあるとすれば、駅からのフラットアプローチでさらに好都合です。

 考えてみれば、
都心高台は著名な大名の武家屋敷が多くあったところです。昔から最も安心で優良な邸宅地は不変いうことなのでしょう。

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| 地震・防災 | 21:47 | comments(2) | trackbacks(0) |
大規模改修が大火事を招く?−「対岸の火事」ではないロンドンの悲劇

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 「テロ以上の恐怖−」

 15日付産経新聞は、ロンドン高層アパート火災について、このような住民の声を伝えています。ロンドン消防庁の消防総監は、「前例のない火災だ。これほどの規模のものは見たことがない」と話しています。

 誰もがこの火災を伝える映像を見て、慄然としたと思います。低層階から高層階まですっぽりと炎に包まれた高層アパートは、まさに
阿鼻叫喚の地獄そのものでした。

 本建物は公営住宅で、120世帯が入居、1974年竣工で、
昨年、約14億円をかけて2年にわたる大規模改修を終えました。外装や全館共通の暖房システム等を新しくし、住民の方々は暮らしやすくなったと喜んでいたのでしょう。原因はまだわかりませんが、おそらくはこの大規模改修こそが火災をこれほどまでに広げた要因ではないかと推察されています。

 日本では断熱材は建物の内側に貼るのが多いのですが、イギリスなど海外は
外断熱が一般的なのだそうです(日本でも住宅に外断熱を勧める本が出版されています)。そして、この断熱材に可燃性のポリエチレン素材が使われ、マンション外壁を覆ったために、外壁が一気に燃え広がったのではないかというのです。

 「なるほど」と思わせる説明です。それでは、日本の高層タワーマンションは大丈夫なのか、と誰しも心配になりますが、報道では、
日本国内の高層タワーマンションは、今回のロンドンと同様の火災が起きる可能性は低い」とされています。

 日本では、はしご車が届かない11階建て以上の建物は、
スプリンクラーの設置が義務付けられ、どの部屋で火災報知機が作動しても管理室を通じて全部屋に知らせる仕組みが取られています。また、マンションの場合、各部屋の鉄扉の外側に廊下が設置され、ベランダ側も仕切りで分断されています。

 平成27年に全国で起きた高層マンション火災は合計477件で、うち死亡火災は13件14人なのですが、
高層マンション火災全体の平均焼失面積は3.4平方メートルにとどまっています。日本国内では焼けても1室だけで済む場合が多く、大規模な延焼や逃げ遅れは考えにくい、というのが消防庁の担当者の弁です。

 ただ、
不適切な管理で危険が生じたケースもあり、平成元年8月、東京都江東区の28階建マンションから出火し、24階の約100平米が焼け、子供ら7人が一時取り残された火災がありましたが、この際には火災発生を知らせる放送に不具合があったとのことです。

 そういえば、過去にあった
雑居ビル火災では、逃げ道となるはずの外部階段に燃えやすい不要物がいっぱい置かれ、それが火災を広める原因となって避難を阻み、大惨事となったことを思い出します。亡くなられた方々は、本当に無念だったことでしょう。

 記憶に新しいのは
本年2月に埼玉県で発生したアスクル倉庫の大規模火災で、法令を遵守した防火装置を備えていたものの、防火シャッターやスプリンクラーが有効に機能せず、窓のない建物構造が消火を阻んで莫大な損失を被ってしまいました。大手会社の最新設備を備えた建物ですら火災を防げなかった状況を、私たちはもっと深刻にとらえるべきしょう。

 いかに建物自体が法令を遵守していたとしても、
適切な管理がなされていなければリスクは大変大きくなります。個人がいくら注意したとしても、集合住宅全体に気を配ることは不可能で、そのような適切な管理が欠如した建物となってしまうリスクを考えると、やはりタワーマンションは高層階ほど命を落とす可能性が高く、低層階ほど逃げられる可能性が高くなります。今回のロンドン火災でも、2階に住んでいた母親を助け出した住民は、「低層階でラッキーだった。炎が上に上がる様子を見て、背筋が凍った」と振り返っています。

 もう一点気になるのは、
今回の火災は大規模修繕が原因ではなかったか、ということです。過去にも改修中の火花が建物に燃え移ったことによるビル全焼などの悲惨な事故があったことを思い出します。改修事態に火気を使用するなどのリスクがありますが、今回の火災のように、不適切な改修方法が要因となることを気を付けなければいけません。

 建築基準法等日本の法制も、
建物建築時には建築確認をはじめとする厳しい規制や評価がなされていますが、いったん建築した後の改修方法や、リフォーム、リノベーションにはこれといった規制がない状態ではないでしょうか。今回のような誤った改修をしたとしても、それを改善指導できない点では、ロンドンでも日本国内でも同様だと思われます。

 その意味で、
今回のロンドン高層アパート火災は決して「対岸の火事ではない」ということを、私たちマンション住民は肝に銘じておくべきだと思います。

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| 地震・防災 | 20:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
免震と耐震では被害の差が歴然−わずかな初期コストが守る人命と資産

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★ 7月20日付Net IBニュースでは、『熊本地震・有識者の見解/人命だけでなく資産価値も守る免震構造』と題して、福岡大学工学部建築学科の高山峯夫教授へのインタビュー記事を掲載しています。上中下と3部に分かれた長い記事ですが、概要は次の通りです。

地震のエネルギーを耐震構造はどうやって吸収しているかというと、ある程度自分を壊すわけです。自分自身がある程度被害を受けることで、地震のエネルギーをできるだけ効率良く吸収しようとします。そのため、耐震設計の理想的な被害の受け方としては、特定の階に被害が集中しないように建物全体で地震のエネルギーを吸収することであり、そうした発想で耐震計算がなされているのが現状です。
 
 次に制震構造ですが、耐震構造は自分自身を傷つけることによってエネルギーを吸収するしかありませんが、
制震構造は自分自身を傷つけなくても、「制震ダンパー」という地震のエネルギーを吸収するものを中に入れておくことによって、少なくとも柱や梁は地震のエネルギーを吸収せずに済むという考え方です。

 これに対し、
免震構造は、地面と建物の間に絶縁する特殊な免震層をつくるのが特徴で、地面が激しく揺れたとしても、建物は緩やかにしか揺れないようにします。この免震層で地震のエネルギーをほとんど吸収し、上部構造―建物にはほとんど伝えないいう発想です。

 今回、熊本市内に免震マンションやホテルなどがありましたが、そこの住人たちは、地震発生時にはもちろん多少の揺れは感じたものの、落ち着いた後に、免震構造でない隣のマンションと比べてみると、その被害の状況は全然違っていたそうです。
耐震のマンションでは建物内がめちゃくちゃで、とても住めた状態ではない一方で、免震のマンションではまったく問題ありませんでした

 建物内部で家具や家電製品の転倒や破損が極力抑えられるのは、とても良いことです。阪神・淡路でも、今回の益城町でも、建物や家具の下敷きになって亡くなられています。


 免震構造のコストの問題がよく言われるのですが、大規模物件に免震を導入する際、そんなに値段は高くないとは思っています。得られる性能が2倍も3倍も高いわけですから、それがたった数%のコストアップで達成されるのであれば、コストパフォーマンスを考えるとむしろ安いと思います。ですが残念ながら、皆さんイニシャルコストのことしか頭にありません。ぜひとも「本当にイニシャルコストだけで性能を評価していいのか」ということを、皆さんに考えていただきたいと思っています。』

 以上がNet IBニュースの記事の概要です。
免震構造が耐震構造に比べて格段に優れているというのは、東日本大震災でも経験されていました。本ブログでも、2011年7月17日付の記事『免震はやっぱり効果があった!−豊島区における免震・非免震の揺れの違い』で取り上げているところです。

 それによれば、免震構造の本庁舎は、
「大きな船に乗っているように、建物がゆっくりと揺れた。室内にも被害はなく、地震後も仕事を続けられた」のですが、すぐ隣に建つ1954年竣工の非免震の分庁舎では、多くの職員が地震直後、危険を感じて屋外へ飛び出してしまいました。この分庁舎では壁などに亀裂が発生し、書棚から本が落ちたり、開いた引き出しの重みでキャビネットが倒れたりといった被害が相次いだということです。

 今、私が住んでいる武蔵小杉では、『パークシティ武蔵小杉ザ ガーデン』を好評分譲中ですが、セールスポイントの一つが、
『武蔵小杉最大の免震ツインタワー』です。『パークシティ武蔵小杉』は、先行した「ステーションフォレストタワー」「ミッドスカイタワー」は制震構造だったのですが、東日本大震災発生後に分譲された「ザ グランドウイングタワー」以降は免震構造が採用されています。

 地震保険においても、
免震構造の建物は地震保険料の割引率が50%にもなり、単なる耐震構造(耐震等級1)の割引率10%と大きく差があります。つまり、その効果は保険料に大きく影響するほど格差があり、免震マンションの住人は「地震保険料が安くて安全な」物件に住んでいるというわけです。

 東日本大震災を経験してわかったことは、
地震による被害が、「当初の設計・建築ミスによる不備のためか」それとも「純粋に地震により生じたものなのか」非常に分かりにくいということです。前者であれば分譲したデベロッパーの責任ですが、後者であれば自己負担もありうる保険の範囲内となり、その判定を巡ってはかなり紛糾し、当事者間で疲弊し、復旧までに数年を要したケースもあったようです。

 免震構造のマンションであれば、この類の紛糾もほとんどなく、正常時への復旧も迅速だったことでしょう。上記インタビュー記事の指摘の通り、免震マンションはもっと評価され、普及が推進されて然るべきだと考えます。

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| 地震・防災 | 22:41 | comments(4) | trackbacks(0) |
エレベーター停止、再び−タワー高層階の恐怖と不便
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★ 首都圏にお住まいの方なら皆ご経験されたことと思いますが、私の住んでいるマンションでも本日早朝、地震を感じました。初めに「ずどどどど」という地鳴りがして、「ん?くるな」と思ったときに、「どすん」と衝撃、そしてその後に「ずだだだだだ」と引きずるような余韻の揺れが続きました。

 朝方で皆寝ぼけた頭だったので、「きゃー」と騒いだ人は少なかったことでしょう。私も、「この『ん?くるな』という感覚は、幽霊を知覚したときに似ているものかな?」間抜けなことを考えていました。しかし、私の寝ているところは、梁の出っ張りで座ることもできない二段ベッドの2階ですので、もし梁が落ちてきたらあまり考える間もなくあの世に行ける場所で、まあ危険と言えば危険な状況でした。

 で、
「何だ、まだ朝が早いではないか」と、アラームセットを間違った感覚で、ほとんどの方が二度寝をしたのだと思いますが、私が次に起きた朝8時、仕事に行こうとしていた妻は、「あ、高層階のエレベーター、止まってるって。低層階は大丈夫だけど」と言い残して、出て行きました。

 「なぬ?」私は意外に感じました。確かに揺れは感じましたし、震度4の表示でしたから、小さい地震でもなかったのですが、この程度でエレベーターは止まるのか、と思ったからです。しかも、居住者の利便性を考えれば、低層階が止まるのならまだしも、階段利用がよりしにくい高層階用エレベーターが止まった、というのです。

 そして、この
高層階用エレベーターの停止は、思ったより長く、昼過ぎまで続きました。業者を呼んでいるものの、おそらく同じような事情で、業者もてんてこ舞いなのでしょう。午後1時過ぎに私がエレベーターを利用したところ、なかなか来ない上に、扉が開くと、今まで見たこともなかったような大勢の居住者が1台のエレベーター内にすし詰めでした。高層階の方々が低層階用エレベーターの最上階まで階段を下りて乗ってきているからだと思いますが、行きはよくても帰りは…と思うと、ご苦労が偲ばれました。

 いつも思うことですが、こと
災害に関しては、タワー高層階は多くの点でタワー低層階より不利です。今回の揺れについても、タワーマンションは建物の構造上、高層階が大きく揺れることで地震の衝撃を和らげる仕組みになっていることから、エレベーターにより負荷がかかるのは高層階で、その影響が今回も出た、ということでしょう。何かあった時に逃げられない、又は逃げるのに時間がかかるのも高層階となります。

 しかし、
タワーマンションの中で人気があり、価格が高いのは高層階です。眺望の抜け感やステイタス感が得られることなどが主たる理由で、かつ、そのために価格が維持ないし上昇しやすく、売却益が出やすい上に相続対策では低い評価ですむという、平時であればメリットが大きいのは明らかに高層階だからです。

 一方、
災害時においては、低層階と高層階では全く逆の評価となるわけです。昔の人なら「命あっての物種」という諺を事あるごとにかみしめて用心して暮らしたのでしょうが、利便性重視の今では「物種あっての命」となりかねない風潮です。9月は災害の多い月ですが、2〜3日前の豪雨といい、本日の地震といい、いろいろ考えさせられる昨今です。

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| 地震・防災 | 21:27 | comments(0) | trackbacks(0) |