転売、また転売−どエンド君の誕生と幸せについて

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 「珍しいな…」

 不動産ポータルサイトSUUMOで、ある土地物件が目を引きました。そこは都心繁華街の大ターミナル駅で、誰もが資産を持ちたがる立地です。そこで、その大ターミナル駅徒歩10分内、土地面積30平米台後半で、価格は4千7百万円台でした。

 それでも高い、と思われるかもしれませんが、その2〜3週間前に、
同じ駅徒歩10分内で土地面積30平米のものが6,600万円台で売られていたのです。それと比べて土地面積は大きく、かつ、価格は約2千万円安いのでした。

 興味をそそられて、仲介業者に電話しました。


「問い合わせが結構来てましてね。この場所でこの価格、ちょっとないですよ。買取業者が4,500万円台なら買い取ると言ってますし、お早めにご検討ください」

 しかし、建物プランを見せてもらうと、当然ですが、3階建てで50平米台しか取れません。面積が小さいと、道路斜線を逃げて後退することができず、すっきりしたシルエットにもなりません。おまけに、道路に電柱が立っており、車が通れないのです。

「電柱って移設できないんですか?」
「東京電力に問い合わせたんですけど、他の住戸にも送電している太い線があるので、無理だって言うんですよね」

 建物価格は1,500万円はするでしょうから、結局、50平米台の駐車場なし3階建ミニ戸建てで土地と併せれば6千万円台前半はしてしまいます。立地はとても魅力的なのですが、果たしてお得なのかどうかわからなくなってきました。

 モノになるのであれば妻に話してみようかとも思ったのですが、
これではどうしようもない、と判断しました。しかし、気にはなるので、その後どうなるのかと時々フォローしていました。

 検討者は複数いたはずですが、物件は掲載されたままです。おそらく、
どの検討者も同じ思考過程を辿って諦めたのだと思われます。しかし、1ヶ月近く経ったある日、本物件は忽然と姿を消しました。

「ああ、ついに売れたか」

 少々悔しい思いを抱きながら、この土地に対する思いをクローズしたのですが、何とその2週間後、本物件が再びHP上に姿を現したのです。

「何だって!」

 私は目を疑いました。つい2週間前まで4,700万円台だった土地が、6,900万円台で売られているのです。この2週間で値段が約1.5倍つり上がったことになります。

 しかし、あらためて売りに出された本物件は、
土地売ではありますが、新たな建築プランの提案がくっついていました。そして、その提案では、地下を掘ることによって、建築面積は90平米近くを確保していました。

 さらに、今回の提案では、建物が
駐車場付きになっているのです。おそらく買い取った業者がいくらかお金を出すことで、東京電力に電柱の移設をさせることにしたのだと思われます。これで、土地面積は小さいものの、立派な車庫付き3LDKファミリー物件となりました。

 地下を掘ることで多少費用がかさむとは言え、建築費は2千万円もしていません。
結果として、90平米近い間取りの家が8,700万円程度で手に入ることになります。以前の提案が50平米台の家で6千万円台でしたので、建築坪単価はむしろ安くなっているのです。

 私を含む
当初の検討者層は、この値段でこの土地を買うことにはとても耐えられないでしょうが、初見の方であれば非常に魅力的かもしれません。こうしてこの買取業者は、少しの手間とコストとアイディアで、2千万円も物件価格を釣り上げることに成功したのです。

 そもそも
この前の売主も買取業者でしたので、ここに長年住んできた最初の売主は、相当安い価格でこの土地を手放した可能性があります。もしかすると、一番最初の値段は3千万円台で、それがこの2ヶ月足らずで約2倍の値段になったのではないかと推測しています。

 このように
転売に次ぐ転売で何人かの業者が潤った挙句、最後に物件をつかまされるのは一般の実需としての消費者です。まさにエンドの中のエンド、どエンド君の誕生となります。しかし、それで皆がハッピーなのであれば、それはそれでよいのでは、と思ってしまうところが不動産の怖いところであり、面白いところなのだと思います。

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| ノウハウ・経験談 | 20:46 | comments(2) | trackbacks(0) |
マンション大型バーゲンセールが始まる?ー今回は「購入は増税後まで待て」が正解か

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★ 来年10月、消費税の税率が10%引き上げられるのに伴い、住宅ローン減税の期間が今の10年から15年に延長される可能性が報じられています。何気ない報道がほとんどなのですが、これは住宅購入に与えるインパクトは近年になく大きいのではないかと思っています。

 従来の景気対策や消費税率引上げ対策は、
住宅ローンの控除額を引き上げる方策でした。特にリーマンショック後の対策は、私が適用を受けた控除額限度20万円(総額160万円)から一気に50万円、長期優良住宅の場合は控除率が通常の1%から1.2%に引き上げられ、通常の住宅で総額500万円、長期優良住宅で総額600万円の控除が限度額となっていました。

 年間控除額が20万円だった私は相当悔しい思いをしましたが、それでも入居日を遅らせなかったのは、娘の中学受験が迫っていたことと、実際に借りた住宅ローンが3,000万円程度で、
新住宅ローン控除でも控除の恩恵は約250万円で、見かけほどインパクトがなかったからです(それでも140万円は違いますが)。

 一方、
今回の景気対策は、見た目以上に得られる恩恵が大きいのです。これまでの対策だと、そもそも限度額目いっぱいに住宅ローンを借りる(借りられる)人はとても少なく、政治的にはアピールできても、実際の効果はそれほど大きくありませんでした。しかし、今回は、私の例ですと、住宅ローン控除総額は現在の約250万円から約340万円となり、現在の約1.4倍になります。

 suumoによれば、2015年において、23区の住宅ローン借入額の平均は4,470万円となっています。これを現在の主要都市銀行の変動平均金利0.607%で35年借りるとすれば、
住宅ローン控除額は現在の約380万円から約530万円へ約150万円増加します。

 一方、2015年に23区で購入された新築マンションの平均額は5,644万円です。一般的なマンションであれば、建物・土地割合は1:1くらいでしょうか(タワーマンションでは建物:土地は、例えば7:3程度と建物割合が高くなります)。消費税は建物のみにかかりますので、5,644万円のマンションであれば消費税額は税率8%の場合、約225万円です。これが消費税率10%になると、約280万円で、
55万円の増税となります。

 したがって、住宅ローン減税の期間が15年に延びた場合、
得られる恩恵は約150万円、片や増税額は55万円で、住宅ローン減税額の方が約100万円も多くなります。つまり、今消費税率引上げを恐れて駆け込みで買うより、むしろ消費税率が10%に上がるのを待ってマンションを購入した方がお得なのです。

 一般的なマンションの場合、上記借入額で住宅ローン減税期間延長の恩恵額と
同程度までの増税額となるには、物件価格が約1億5千万円にならなければなりません。すなわち、1億円をキャッシュで出し、5千万円の借入れをして初めて住宅ローン減税期間延長の効果がなくなることになります。一般サラリーマンが住宅ローンを借りながら新築マンションを購入する場合、ほとんどのケースで「購入を増税後まで待つべき」という結論になります。

 まして、
需要が鈍ってまだ売り出すこともできないでいる潜在在庫も含めた大量の増税前の売れ残り物件を、来年10月以降に消費税率2%を上乗せして購入したい人がどれほどいるのでしょうか

 今週木曜日、本年1月に竣工してもうすぐ1年が経過しようとしている
『クラッシィハウス湘南藤沢』が、朝日新聞の1面を使って大々的に「大商談会」の開催をアピールしていました。新築マンションの第1期売り出しで全面広告を出すのなら普通ですが、割引ありを示唆する「大商談会」の全面広告は珍しいと思われます。

 昨日のDMでは、
『シティタワーズ東京ベイ』「ご来場キャンペーン楽天スーパーポイント2,500ポイントプレゼント」とありました。このようなポイントプレゼントで住友不動産がわざわざDMを使用するのも久しぶりな気がします。

 来年1月になれば、
今回の景気対策に焦った売主側がいよいよ本格的に「増税前在庫物件一掃セール」を始めるかもしれません。しかし、これと対照的に、購入者側で、「増税前駆け込み購入」が起きるかどうかは疑問であり、むしろこのような景気対策のもとでは、駆け込み購入をすべきではないと強く感じています。

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| ノウハウ・経験談 | 20:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
都心物件も値下げを始めた?−西麻布高級マンションの「特別大商談会」

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★ 東京カンテイの「2018年10月の三大都市圏中古(既存)マンション70平方メートル換算価格の月別推移」によれば、2018年10月の首都圏中古マンション価格は、全域で弱含んだ影響から前月比−0.3%の3,625万円と僅かながら引き続き下落しました。都県別で見ると、東京都では−0.3%の4,879万円と直近のピークだった8月よりもやや水準を下げ、神奈川県(−0.6%、2,873万円)や千葉県(−0.2%、2,016万円)でも再びマイナスとなりました。また、緩やかな上昇傾向を示していた埼玉県では、−0.7%の2,278万円と6ヵ月ぶりに反転下落しています。

 ただし、
東京都では−0.3%の下落でも、23区及び都心6区ではそれぞれ0.2%の上昇です。三井不動産リアルティの調査でも、都心7エリアのプレミアムマンションでは直近の2018第2四半期が成約単価のピークとなっており、都心高級物件の強さを感じます。

 しかし、
成約件数については、上記プレミアムマンションでも2017年第2四半期を直近のピークとして徐々に減少しています。価格は高騰しながらも、それについていける高所得者層の購入は一層限られてきている印象です。

 最近は、
都心の話題マンションでも、販売期間がずるずる延びてきています。以前は、人気の大規模タワーマンションについては、第1期・第2期の2期構成であっという間に完売していましたが、この春以降はそのような事例を見聞きしなくなりました。

 例えば、鳴り物入りで販売がスタートした
『パークタワー晴海』は現在第5期7次を数えていますし、「月島」駅徒歩2分という利便性と値頃感から個人的には早期完売を予測していた『MID TOWER GRAND』は現在、第1期3次販売となってこちらも小刻みな販売となっています。

 買手がいなくなったわけではないのですが、どの販売現場からも
熱気は感じられません。妙な言い方をすれば、以前は買わなくてもいい人まで買っていたのですが、今は買うべき人が買っているような気がします。

 最近「おや」と思ったのが、
『アトラス西麻布』のダイレクトメールです。西麻布4丁目アドレスで、「広尾」駅徒歩7分のアクセス、そして旭化成不動産レジデンスの「アトラス」ブランドと、都心高級物件として欠けるところがありません

 しかし、総戸数16戸と小規模ながら
2017年10月竣工から1年経過しても最終1戸が売れ残っています。この11月からは「特別大商談会」、つまり値引き可の物件となりました。

 対象住戸は、
間取り2LDK、専有面積80.83平米で販売価格14,890万円、坪単価609万円です。ルーフバルコニーも12.66平米付いています。北・東・西の三面採光・角住戸プランでもあります。

 専有面積の割に収納が多く、3LDKとならなかったのが売れ残った理由かもしれませんが、
パワーカップルであればむしろ好ましい間取りとも言えます。逆に富裕層には物足りないコンセプトと価格設定だったのかもしれません。

 さて、本物件はいくらまで下げられるのでしょうか。
1割引でも13,400万円で私などは全く手が届きませんが、それでも1,500万円もの値引きとなります。このクラスになると、値引きの相場がさっぱりわからないのが正直なところです。

 それにしても
都心物件、しかも港区西麻布物件で堂々と「特別大商談会」をやるのは今まではほとんど聞いたことはありませんでした。実はほかにも、「これは値下げではないのか」と思われる都心新築高額物件を最近目にしたことがあります。

 都心高級マンションは高ければ高いほど売れるといった時代は既に終わり、
そろそろ売れ残り物件を処分しなければ危うい、そんな雰囲気が業界にも出始めたと言っては言いすぎでしょうか。

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| ノウハウ・経験談 | 23:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
緊急時の駆けつけはやはり都心居住が便利−危機管理と私生活

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★ この夏から関連会社に出向しています。そこでは様々な情報システムを扱っているのですが、先日は肝を冷やす出来事がありました。

「む…」

 朝5時、何となく気配がして、枕元においてあるスマホを眺めると、朝4時前の着信で担当者から「システムがダウンしています。原因は不明です」というメールが入っていました。

「まずい」

 すぐさまその担当者に電話を入れます。

「どういうことだ」
「深夜からシステムが動かなくなりまして、ずっと原因を調査していたのですが、まだわかっていません。もうすぐサービス開始の時間になりますので、朝早く恐縮でしたがとにかくご一報をと思いまして」
「サービス開始って、朝の6時だよな」
「そうです。あと1時間後です」

 がばりと起き上がると、すぐ職場へ向かう準備を始めました。今朝は犬の散歩を言いつけられていたのですが、もちろん行けません。朝食をとる暇も当然なく、関係先に謝罪して回ることを考えて地味めのスーツとネクタイにして家を飛び出しました。

 曲がりなりにも全国でサービスを展開しているため、
ユーザーに影響が出る可能性があります。ただ、いくらやきもきしても、私は現場で奮闘している技術者ではないため、今できることは祈ることしかありません。

「6時…職場には間に合わんな」

 5時半には家を出たのですが、武蔵小杉から職場に着くのはおそらく6時10分頃です。6時に職場に着いたからといってどうなるものでもありませんが、絶望感を感じました。

「…お?」

 担当者からメールです。

「原因がわかりました。昨晩の◯◯作業の◯◯の工程に問題があったようです。」

 一筋の光が差し込みました。システムトラブルで最もまずいのは「原因がわからないこと」です。逆に原因がわかれば多くの場合でリカバリーできます。原因となった機器の交換、悪さをしたデータの削除や欠如していたデータの追加という、シンプルな作業で復旧することがままあるのです。しかし、この連絡があったのが5時半過ぎです。6時に間に合うのか…

 5時58分、担当者からメールが入りました。


「ただいま、システムの全工程で疎通が確認できました。復旧です。」

 電車の中で全身の力が抜けるのを感じました。社会の一隅にあるようなシステムですが、それを何とか守ることができました。

 今回あらためて思ったのは、
職住近接の必要性でした。実際にはオペレーションをしているSEが現場に貼り付いて作業を夜通しやったおかげで復旧したわけですが、それも現場に駆けつける初動が肝心だったでしょうし、技術者でない私も、関係先対応や連絡調整など、できるだけ速くオフィスに着いた方がよいのです。

 特に
会社の能力が問われるのは、緊急時の危機管理体制です。そんな事態はめったには来ませんが、万一発生したときの対応のまずさは会社にとって致命傷となってしまいます。

 東京では会社が都心に集中しているため、
都心居住者は緊急時にいち早く駆け付けられることとなります。仕事に引っ張られて住む場所を決めることはしたくないのですが、危機管理における都心居住のメリットを強く実感した出来事でした。

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| ノウハウ・経験談 | 22:25 | comments(2) | trackbacks(0) |
ばたばたと人辞めていく秋の暮−不動産転売屋に厳しい年の瀬

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★ 私は、実需の分譲マンションの情報のみならず、投資用物件の情報を流してくれるメールもいただくようにしています。実際、投資用物件の動きは、実需物件の動きよりも速く、不動産市場の動向を占うのに適しているとも思われます。また、実需物件で指標となるのは坪単価ですが、投資用物件の場合は利回りとなり、異なる視点から市況を感じることもできます。

 そんな投資用物件を扱う業者の担当者さんから、
この半年間で4通ほど、転職や退職のメールをいただきました。お一人は結構魅力的な利回り物件をズバッと送ってくれる方だったのですが、ある日突然、「このたび一身上の都合で◯◯生命の営業職に転職しました。」とのメールが届きました。「あれだけ魅力的な物件を揃えていたら、かなり儲けているだろうなあ」と思っていたので、びっくりしました。

 もう一人の方は、やはりアグレッシブに売り込みをかけていた会社代表でした。メールは毎日のように着ていたのですが、半年くらい前から
メールの文面に愚痴が出るようになり、ある日突然会社名を変更し、そこから取り扱う物件がしょぼくなり、メール配信もとぎれとぎれになったのですが、つい最近、また会社名が代わったメールが届きました。まるで業(ごう)のように不動産業界から足を洗えないようで、先行きが心配です。

 残りの2通は、チームで物件を紹介してくる業者です。この会社も毎日複数メールで提案があるのですが、果たしてどの程度反響があるのだろうかと見ていた矢先、そのチームのシニアと思われるお一人から、
「一身上の都合で退職することとなりました」とのメールが届き、その2、3日後に、それに影響されたかのように、同じ社の若手から同様のメールが届きました。

 このように律儀に退職をメールで報告してくれる方は
ごく少数派でしょうから、おそらくかなり多くの方が不動産投資業界から足を洗いつつあると思われます。

 もちろん、この背景にあるのは
「スルガ・ショック」です。今、不動産投資業界は、ほとんどは「三為(さんため)業者」になっているのだそうです。「三為業者」とは不動産の転売屋のことで、かつ、物件を仕入れるときに自社の登記を入れずに売主から買主に直接登記を移転する(新・中間省略登記=第三者のためにする契約(=三ため))ことにより、登記費用・登録免許税・不動産取得税等を免れる業者のことです。

 これだとまさに物件を「横流し」できるわけで、費用をほとんどかけずに転売の売却益を得ることができます。しかし、「スルガ・ショック」で金融機関の融資が厳しくなり、買手がいなくなってしまったので、今度は逆に、売主に支払った手付金(物件価格の5%程度)を失い、多額の違約金(物件価格の20%程度)が請求されるリスクが出てきてしまうのです。

 こうなると、
アグレッシブに突っ込んだ業者ほど多数の売れない物件を抱えてしまい、手付金喪失・違約金請求の束に悩まされることになります。会社としては立ちゆかなくなり、社員としては自発的に辞めていくか、人員整理の対象になるかの場面に立ち至るようになります。

ばたばたと人辞めていく秋の暮

 例年お正月は、投資用不動産がばんばん売れていくシーズンでした。来年の年明けは、一体どのような光景が広がっていることでしょうか。

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| ノウハウ・経験談 | 22:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
塩漬けの優良物件、動き出す?−法務省研究会が「骨肉の争い」に釘を刺す

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★ 10月11日付の健美家ニュースでは、『塩漬けの優良物件が動き出すか?法務省が遺産分割協議の期限を10年とする民法改正を検討!』と題した記事を掲載しています。その概要は、以下の通りです。

法務省は遺産分割協議の期限を最長10年とする民法改正案を、2020年の通常国会に提出すると一部マスコミで報じられました。

 現行民法では、相続が発生すると遺産分割協議を行って財産の分割をすることができますが、期間の制限はありません。遺産の分割がされるまでは遺産は相続人全員の共有となり、例えば不動産を売却しようとすれば、相続人全員の同意が必要となります。このため、
相続人の意見がまとまらなければ売却もできず、塩漬け状態となる物件もあります。この遺産共有を解消する方法として、次のような方策が法務省の研究会で提示されています。

1 遺産分割の協議(合意)及び遺産分割の申立ての期限は、相続の開始時から10年とする。
2 相続の開始時から10年を経過するまでに、遺産分割の協議(合意)及び遺産分割の申立てがない場合は、法定相続分(又は指定相続分)に従って遺産の分割がされたものとみなす。


 上記2点の方策が改正民法に反映されれば、遺産の分割について相続人が協議をしない、あるいは協議がまとまらない場合であっても、被相続人の死亡後10年経てば、原則として自動的に法定相続分で遺産の分割があったとみなされます。また、遺言がある場合はそれによることとなります(指定相続分)。

 次に、10年経過して法定相続分により相続があったとみなされた場合、その不動産をどのように取引(売買や賃貸など)するかが問題となります。

 現行民法では、共有物の管理に関して管理権者を選任することができると解され、共有者全員の同意を得なければならないと考えられていますが、所在不明の共有者がいれば管理権者を選任することができなくなるため、上記研究会では、
遺産全体の管理権者を、共有者の持分の価格の過半数で選任することができるよう提案しています。

 管理権者が不動産に関する取引の窓口となることを想定しています。このうち、共有者の過半数の同意でできる行為については、管理権者が行うことができるようにします(一定の賃貸借契約など)。

 ただ、
不動産を売却するためには、共有者全員の同意が必要です。そこで、共有者の一部が不明である場合(所在不明である場合と共有者の一部を特定することができない場合)に、他の共有者が不明共有者のために相当の償金を供託し、不明共有者の持分を取得することができるようにします。

 また、
不明共有者以外の共有者全員の同意を得れば、不明共有者の同意がなくても、不明共有者のために相当の償金を供託した上で、不明共有者の共有持分権を含めた所有権全部の第三者への移転をすることができるようにします。

 つまり、
所在不明者の意思を確認することなく、物件を処分する道が開けることになります。」

 以上が健美家ニュースの記事の概要です。優良資産を巡っては
「骨肉の争い」が生じやすく、これまでは共有者の一人でもずっと主張し続ければ協議がまとまらず、有効活用も処分もできない状態でした。そうしているうちに相続人が子や孫へ枝分かれしていき、所在不明者が出てきたり、そもそも誰が受け継いだかもわからなくなってしまったり、時を経れば解決するどころか、ますます解決困難になっていくのが日本の不動産相続の構図でした。

 もし上記研究会の提言が実現すれば、この厄介な問題の解決に向けて大きく前進します。
債権の消滅時効や土地の取得時効と平仄を合わせる10年間を区切りとして遺産相続協議が打ち切られ、法定相続分又は指定相続分通りに分割されるのです。

 また、こうした持ち分のある共有物の管理・売却についても、
全員の同意を要しないルールが提案されています。まず管理については、全員の同意がなくとも過半数の同意で一定の管理ができるようになります。売却の場合はさすがに全員の同意が必要ですが、もし共有者の一部が不明である場合には、他の共有者が不明共有者のために『相当の償金』を供託することにより、物件処分の道を開こうとしています。

 「相当の償金」がどの程度になるかは気になるところですが、これからは優良資産ながら不明共有者がある場合でも、当該資産の売却又は有効活用が促進され、放置すれば虫食い状態に陥る懸念が解消され、古い街の再開発が進むかもしれません。不動産市場にもプラスの影響を与えることでしょう。

 しかし、考えてみれば、
もっと早くこういった解決策が提示されるべきではなかったかという気がします。論理的には従来からあり得た話で、かつ、解決しようと思えばできた話でもあります。まあ、所有者不明土地を巡る社会の機運があってこその動きということで、これでよしと考えることにしたいと思います。

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| ノウハウ・経験談 | 21:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
急成長の不動産会社はリスク大ー個人が破綻の道連れにならないために

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★ 今、不動産投資家の間で、「新築物件は買うな」ということが言われているそうです。新築物件は、融資が出やすい上に、修繕費をしばらくは心配する必要がなく、しかも利回りも実は中古と比べて遜色なかったりするなど、魅力十分なのです。

 それがなぜ「買うな」なのかというと、
「請け負った業者が、建物の完成前に倒産したり行方不明になったりするリスクがあるから」なのだそうです。現在、投資用物件に対する金融機関の融資姿勢がとても厳しく、投資用物件を手がけてきた業者も当てが外れ、現場をいっぱい抱えたままにっちもさっちもいかなくなっている業者が存在するおそれがあるのです。

 上に掲げた新築物件のメリットも、当然ながら
建物ができてこそのメリットです。資金決済は、土地は現物との即時取引になりますが、建物の請負の場合は、工事に合わせて3回程度に分けて支払うのが通常です。工事を行うための資金が常に先行する格好になるので、ここに「持ち逃げ」の余地が生まれます。

 特に金融機関の融資を受けて建築する場合には、目も当てられません。
建物ができなくても、金融機関は返済を求めてきます。まさに業者間の連鎖倒産みたいな悪夢が、個人の財産の上に重くのしかかってくることになります。

 このような状況が生まれてしまった原因は、このブログでも何度か言及しているとおり、
シェアハウス「かぼちゃの馬車」を巡る現実離れした不動産投資スキームと、それを下支えしたスルガ銀行の融資です。普通一般人には買えない1億円単位の投資物件を高い金利で融資を易々と実行してきたスルガ銀行の融資スタンスは、まさにリーマンショックのサブプライムローンとそっくりです。

 ところで最近、話題を呼んでいるのが
東京五輪の競技施設工事を請け負っていたエム・テックの破綻です。埼玉の中堅ゼネコンの破産がなぜ波紋を広げているかというと、震災復興等を手がけて急拡大してきた同社は、今月1日時点で全国の現場88カ所に約300億円もの工事を抱えていたからです。東京五輪の施設建設工事を含め、これら建設事業が全てストップするとともに、売掛金等を有した多くの下請け事業者が苦境に陥ることになりました。

 エム・テックの破綻の発端は、破産した関連リース会社との不透明な循環取引が明るみに出て金融機関の信用をなくし、無許可の港湾工事を行ったとして全国の自治体から指名停止を受けるなど、
官民双方からコンプライアンス上の問題を指摘され、致命的な措置・処分を受けたことでした。

 エム・テックとしては、特に後者については、許可更新を怠り、さらに深夜工事まで行っていたという
内部チェック体制の欠如が招いた結末でした。急拡大した業者は、その事業規模にふさわしい内部体制を持つに至らず、目先の事業の受注と実施、財務面では利益計上と返済だけに追われて足元を救われてしまうのです。

 これには、「かぼちゃの馬車」事業を実施していたスマートデイズも、それに融資をしていたスルガ銀行も
共通点があります。スマートデイズは本事業によって急成長し、スルガ銀行は高利の融資が大量にさばけて大きな利潤を生み出して「地銀の優等生」になり、このループから抜けられなくなったのです。

 私も「かぼちゃの馬車」事業への勧誘メールを受け取ったことがありますが、利回りが低いとされる23区物件(「高田馬場」駅徒歩10分内というのもありました。)
少なくとも10年間サブリースで利回り8%保証という「新しい投資手法」に、魅力を感じながらもヤバさも感じて、返信したことはありませんでした。

 おそらくはスルガ銀行も、キックバックを得て取り次ぐ仲介業者も、
「あり得なさ」を感じつつも、大きな利益を得てしまった以上、やめられなくなってしまったのでしょう。やめた理由が「そもそも事業の持続性がないから」となると、これを推進してきた幹部が責任を問われてしまうからです。

 同じような
きな臭さは、不動産事業に限らず、全ての急成長事業者に存在します。昔、マネーの虎に出演していた経営者は、その後多くの方が事業に失敗してしまったように、一握りの事業者だけが「きな臭さ」を脱却できてさらに大きく飛躍し、残りの多くは口を広げて待つ失敗者の海に沈んでいくことになります。

 思えばコインチェックをはじめとした
大手の仮想通貨事業者も今年、セキュリティの不備、コンプライアンス意識の欠如、内部統制体制の甘さなどを次々と露呈し、身売りを余儀なくされました。

 不動産業界も、投資分野にかぎらず、
私達個人を相手にするマンション事業者、戸建て建売業者等も、だんだんと事業環境が厳しくなっていくにつれ、破綻の道を歩み始めているものがあるかもしれません。特に急成長事業者には要注意です。

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| ノウハウ・経験談 | 22:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
マンション買ってくれたらお金あげます−ここまで来たリゾートマンション

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★ 最近よく話題になるのがリゾートマンションの価格崩壊です。スキー場近くのリゾートマンションが典型例ですが、売り物件リストを見ると、100万円を超える販売価格が珍しいくらいで、たいていは数十万円で買えてしまいます。

 だからといって飛びつく人がそんなにいるとは思えません。まず第一は、
管理費や修繕積立金の滞納がないかどうかのチェックが必要です。しかし最近は、そんな滞納金が付いていたら売れるはずがないとわかっているのか、まずは当該マンションの管理組合が買い取って滞納金をきれいにして、管理組合が売主となって売却活動をする場合も多いようです。管理組合側としては、滞納分をチャラにしてでも、毎月の管理費・修繕積立金を払ってくれた方がよい、と判断しているのでしょう。

 たとえ滞納金がないにしても、温泉等が付いていることを売りにしているリゾートマンションですから、
管理費や修繕積立金は結構かかります。そこに住むならまだしも、冬場のスキーで2、3度使用する程度の使い方であれば、毎月2〜3万円も支払い続けるのはコストパフォーマンスからいってどうなのか、という感じがします。

 スキー場の近くにあるわけですから、スーパー等買い物ができる施設が近隣にはなく、
日常生活には不便な立地であることが多いと考えられます。スノータイヤをはいた車でなければ行けない山の中にぽつんと建つ孤高のマンションという風情のものもあることでしょう。

 このようなマンションを今この額で購入して住む方と、リゾートマンションとして今まで長らく利用されてきた方とは、果たして
交流がうまくいくのでしょうか。他人事ながら心配になります。

 先週末のことですが、業者さんからのメールで気になるものが舞い込んできました。
スキー場近くのある専有面積40平米弱のリゾートマンションが「1万円」というのです。

「ああ。ここまで来たか。早く処分したいんだな。でも1万円で買っても、管理費・修繕積立金で毎月2.5万円かかるしねえ」

と、読み飛ばそうとしたのですが、次のフレーズに目が釘付けになりました。

「購入された方には、リフォーム代として70万円差し上げます(使途自由)」

何と、1万円で売却した上に、70万円あげる、というのです。一応リフォーム代とはうたっていますが、使途は何でもいいようです。買主としては、1万円のマンションの際、仲介手数料は計算上は540円になるのですが(?)、登記代等諸費用を払っても50万円超は手元に残る計算となります。

 早い話、
不動産を買って50万円超のキャッシュがもらえるわけです。もしリフォームをせずに我慢して使えば(どんな状態かはわかりませんが)、毎月の管理費・修繕積立金を払っても1年半は手出しなしでマンションを使うことができます。

「うーむ」


 本当にスキー好きであれば、買って損はないかもしれません。同じマンションのほかの部屋は数十万円の値が付いていますので、例えば2年使って売値5万円で出せば売れないことはないでしょう。南国育ちでスキーをしない私でも、ちょっと迷いました。

 しかし、
そこまでして売ってしまいたい物件とは何なのか、考えさせられました。ひょっとすると、これは日本の不動産の未来図なのではないでしょうか。いや、現に所有者不明土地がこれだけ生まれている現状からは、もはやこれが「普通の風景」なのであり、ほんの一握りの23区・大都市近辺物件の方が例外なのだと、思った方がよいのかもしれません。

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| ノウハウ・経験談 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
昔からの高級住宅街の老舗に勝るものなし−自由が丘でのひと夏の発見

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★ 8月に下の娘が「回らない寿司を食べたい」と言い出しました。私は、「はま寿司をいつもテイクアウトで買って家で食べているので、回ってないぞ」と反論しましたが、家族全員からこの抗弁は認められませんでした。確かに、我が家は、かっぱ寿司→スシロー→はま寿司との変遷は経験しましたが、少なくとも娘2人は、生まれてこの方回らない寿司を食べたことはないのでした。

 下の娘がなぜこんなことを言い出したかというと、9月からアメリカの大学に約1年間留学することになっていたからでした。その前に一度、
「正真正銘の寿司」を食べたい、ということだったのです。

「ついに恐れていた時がやってきたか」

 家族の声に押される形で、ネットで「本格的な寿司を出す板前店」を検索したところ、仰天しました。銀座、日本橋など一流どころの寿司屋は、1人3万円が相場でした。4人家族で合計12万円、これだけでアメリカ往復の航空チケットが買えてしまいます。

 次のランクは1人1万円程度の寿司屋群です。しかし、みんな似たような店の名前でいいのか悪いのか判断がつきません。
1万円×4人=4万円も出してがっかり、ではこれも残念な結果です。

「子供の頃の一番のごちそうは、1人前600円くらいの寿司の出前だったなあ」

 田舎の我が家では、誕生日とかお祝い事があると、父が近くの老舗のお寿司屋さんから出前をとってくれたのでした。ネタもそこそこでしたが、シャリが大きくてボリュームがあり、庶民として大満足の寿司でした。

「そうか、何も都心までいかなくても、近くの老舗のお寿司屋さんはどうだろう」

 ネットで検索すると、自由が丘にいかにも老舗で、かつ、「ご予算ご相談ください」というお店があったので、思い切って電話してみました。

「あのー1人これくらいのお値段でっていう形でお願いできますか」
「ええ、どの程度でお考えですか」
「1人6千円くらいで何とか…。あ、飲み物別でもいいんですけど…」
「えっ」

 「親父さんに聞いたら召し上がる量にもよるし、難しいかもしれないということでしたよ」との返事で、おっかなびっくり家族でお店に伺ったところ、思った通りのカウンターで、親父さんのおまかせで「これぞ板前寿司っ!」というお寿司とビールもいただき、家族一同満腹ですっかり魅了されてしまいました。

 そして、どきどきしながら「お、お会計を」と言って渡された伝票をみると、


「えっ」

何とビール代込みで1人6千円しなかったのです。親父さんの計らいで、程よい値段にしてくれたようで、私はぺこぺこしながら店を出たのでした。いずれにしても、娘たちに「正真正銘の寿司」を食べさせることができて、思い出に残る夜となりました。

 実はこの2週間前にも、留学する娘のリクエストで、
自由が丘の老舗のうなぎ屋さんでうな重を食べたのですが、これも格別でした。私はそれまでうなぎ屋でうな重を食べたことがなく、「うなぎなんてタレつけて焼くだけだから、どこでも同じようなもんさ」と信じて疑わなかったのですが、そのうなぎ屋のうなぎは今まで食べたことがないくらいふっくらとやわらかく、大げさに言えば人生観が変わったのでした。老舗の味は普通の店の味とは全然違うのです。

 銀座や日本橋の高級店を味わったことがないので確たることは言えませんが、少なくとも
昔からの高級住宅街にある老舗の味は確かなものがあり、かつ、リーズナブルです。それは、客層が地元に根付いた富裕層で、家族で食べに来ることが多く、お客の方も親から子へと引き継がれ、舌の肥えた方々に長く愛されるお店だけが残っていくからです。

 しかも、長年その地で店を開いているということは、土地・建物とも借金を返し終わり、土地を借りている場合も昔からのよしみで地代が安く抑えられているなど、
固定経費が安く抑えられているのではないかと思います。お店をこれから大きくしていこうという野心もないので、そこそこの稼ぎでもよく、良い料理を出すことに集中できる上、値段も抑えられて客の入りがよく、この好循環でキャッシュフローが常に潤沢なのだと思われます。

 反対に、都心一等地や一流ビルにテナントとして出店する場合には、
場所代という味とは本来関係ない(心理的にはあるかもしれませんが)固定費が料理代に乗せられます。有名店がチェーン店化することも多いため、実態は雇われ料理人がマニュアルに沿ったそこそこの料理を出すことで効率よく稼ごうとする傾向にあるのではないかと疑われます。

 今をときめく再開発地に新規出店した一流店よりも、昔ながらの高級住宅街で鍛えられた老舗でいただく方がはるかに満足度が高いのではないか−娘のリクエストに勇気を振り絞って訪れた「近場の老舗ツアー」でしたが、多くのことを教えられ、娘を無事アメリカに送り出したひと夏でした。

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| ノウハウ・経験談 | 20:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
代官山のセレブの見分け方

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★ 東横線沿線に住んでいることもあり、休日には代官山を中心に渋谷、中目黒なども歩いています。大体独りで歩いているので、50代男性がリュックを背負って店に入ると胡散臭く思われることが多く、下手をすると「何か盗みに来たのではないか」と店員から疑われているのでは、と思うことが時々あります。

 先日は目黒通りのレトロな家具屋さんに入って雰囲気に浸っていると、レジから死角になってしまったのか、
店員さんがたたたたっと小走りに現れて何気なくこちらを伺っているのです。「そんなに心配ならミラーとか置いて死角を作るなよ」と気分を害していたのですが、いえ、買う気もないのにおっさんが独りで店に佇んでいる方が悪いのです。

 さて、代官山などは特に、
近隣に住むセレブと、遊びに来ているお洒落をした若い男女と、そんな雰囲気に惹かれて何となくぶらぶらしている私のような人種がいます。雰囲気を見ればこれらの人たちを見分けることはそんなに難しくないのですが、セレブであることを決定的に裏付けるものがあります。

 それは、
こんなブランド地のおしゃれな街並みを、「犬を連れて散歩しているかどうか」です。

 私が「代官山」駅からT-SITEに向かって歩いていると、目の前に
子犬を散歩させている若い女性がいました。それを見た後ろのカップルがこんな会話をしていました。

女性「こんなところに住めたら最高ね」
男性「そうだな」
女性「…いえ、やっぱり絶対ダメだわ」
男性「それもそうだな」


 代官山に住んで犬を散歩させるという行為は、確かに「最高に素敵」とも思いますし、「いや、こんな生活感のないところで犬の散歩みたいな生活をすべきじゃない」とも思います。そんな二律背反の葛藤を呼び覚ますのが「代官山の犬の散歩」なのです。
 
 ほぼ確実に言えることは、
「代官山エリアに住む人でなければ代官山で犬を散歩させていない」ということです。まさか犬をバスケットキャリーに入れてわざわざ「代官山」駅に降りる人はいないでしょう。代官山で犬を散歩させている人は、99%代官山エリアに住むセレブなのです。(←注:コメント欄にある通り、代官山住人さんによれば、代官山がご地元でない方が車で犬を連れてくる場合も結構あるとのことでした)

 特にセレブと思わせるのは、連れている犬が大型犬であることです。これは、代官山において戸建てに住んでいることを意味しますし、その家も、大型犬を飼うにふさわしい広さを有しているに違いありません。小型犬を散歩させている代官山の(おそらくは)マンション住民ももちろんセレブですが、代官山に大型戸建て(=邸宅)を有するセレブ感は半端ではありません。

 そういう大型犬を連れて歩いているのは中高年男性が多いのですが、ぱりっと着飾っているというより、着慣れたシャツやパンツのリラックス感がとても良い雰囲気です。どれもいい素材のものをさりげなく着こなしているように見えます。

 もしかすると、
大型犬を連れて代官山を散歩しているという事実だけで全てがまぶしく輝いて見えているだけなのかもしれませんが、もともとセレブ感とはそんなものです。もし私が代官山を犬を連れて散歩する日が来たならば、店員さんが店内で佇む私を見張るようなこともなくなるのでしょう。

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| ノウハウ・経験談 | 22:19 | comments(2) | trackbacks(0) |