遂に我がマンションに鴨が飛んで来ました

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★ のっけから変なタイトルですみません。これは、3年以上前の2013年12月13日の本ブログ『今年もカルガモは来なかった−誰もが影響を受けるマンション販売イメージ戦略』の続きです。

 この時書いたのは、私が今のマンションに決めた理由の一つが、本マンションのパンフレットに描かれていた
「マンション内の池でカルガモのような水鳥が静かに泳いでいる1枚の絵」であった、ということでした。その絵のタイトルは、「朝もやの森を包む、水音の静けさ」というもので、私はこの地にそのような幻想的な光景が出現することをなぜか確信して、わくわくしながらそのページを何度も見入ったものでした。

 しかし、住み始めてから5年経った当時、
そのような光景をとんと目にすることはなく、私は「イメージ広告にしてやられた」と実感したのです。「少し考えれば、毎日水が循環ろ過されてエサが育ちようもない人工的な池に、鴨がわざわざ好んで降り立つはずがないじゃないか」と自嘲気味に思いを綴ることで、この幻想に別れを告げたのでした。

 そして、
つい3日前のことです。私は急遽決まった京都出張のため午前5時に起き、午前6時過ぎにマンションのロビーを足早に通りすぎようとしていました。そこからはマンション用地内に設えられた例の池を眺めることができ、私はいつものように、何気なく横目でその池の風景をとらえていたのです。

 すると、なんとそこに、
2羽の鴨が、

ふぁさふぁさふぁさーっ

と格好良く降下してきて、池の水面に順々に着地したではありませんか。

「お、お、おおーっ」

 私は、その場に呆然と立ち尽くしてしまいました。まさにマンション広告のパンフレットで描かれた通り、2羽の鴨が「朝もやの中を、静かに泳ぐ」光景が目の前で展開していました。そのうち1羽は、水辺から陸へと上がり、何の心配もないかのように優雅にゆっくりと歩き出しました。私がこのマンションを買う決め手となった夢の風景が遂に実現したのです。

 私は3年前、これを実際には起きそうもないマンション広告のイメージ戦略だとして、やや批判的に書いたのですが、
これが単なるイメージではなかったことを訂正しなければなりません。もしかすると、早朝にはこのような風景が日常的に起こっていたのかもしれませんが、私には「この池も遂に鴨に認められたのか」という思いの方が強くあります。

 マンションができてすぐの頃の池は、
鴨の目からもやはり人工物のまがいものと見えたのではないでしょうか。それが年月を経て、人工物といえども池は池らしく、池の水は池の水らしくなっていったのでしょう。それは毎日循環ろ過装置が働いていたとしても、何というか、「池の池らしき風格」が出てきたのではないか、と思えるのです。

 地上に造られたものが
街に馴染み、自然に馴染むには時間がかかります。私の住むマンションも、築後10年目に入り、ようやく自然に受け入れられたような気がしました。おかげで京都への電車には1本乗り遅れましたが、とても気持ちの良い朝を体験することができたのでした。

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| ノウハウ・経験談 | 21:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
都心一等地で利回り10%を実現!−不動産投資における素人の強み

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★ 私の知り合いで、こつこつと不動産投資を行っているAさんがいます。区分マンション投資なのですが、スカイコートなど大手の投資用区分マンションを購入するのではなく、ネットでよさそうなものを見つけて、手をかけてモノにしていくやり方です。

 昨年、Aさんは、ネットサーフィンをしていたところ、「ありえない」と思える価格の安い都心マンションを見つけました。そこは、
新築マンションで購入すれば、現在では坪1千万円でもおかしくない羨望の立地なのですが、そのマンションの価格はなんと坪単価120万円を切っていたのです。

 もちろん、築年数は古く、
昭和40年代に建てられたマンションでした。普通は新耐震がどうかを気にするAさんでしたが、この価格水準であれば度外視です。早速、仲介している会社の担当Bさんに電話しました。

 しかし、Bさんのノリが今一つ悪く、まるで
現地の案内をためらっているような雰囲気さえありました。不思議に思いながら現地を見に行くと、予想以上に古ぼけた外観にまず驚きました。部屋の中は、段ボール箱が山積みになって、とてもまともに生活していた雰囲気ではありません。

「実は任意売却物件でして、競売がもう来月に迫っています。」
「ああ、それでこんな状態なんですね」
「で、一番申し上げにくいのが、このマンション、管理組合がないんです」
「えっ!?」
「だから、修繕積立金はゼロなんです。もう古くて外壁も見ての通りですから、先行きは保証できません」

 Bさんによれば、問い合わせは多いものの、この話をした途端に個人客はみな敬遠してしまうそうで、Aさんもきっとそうなるだろうと思い、Bさんは案内に乗り気ではなかったのでした。競売標準価格はもっと安く、坪単価75万円程度のため、債権者である金融機関は少しでも高く売ろうと、任意売却を選択したのでした。

「じゃあ、この建物は、建てられてから半世紀近く、まったく修繕していないということですか」
「いや、そういうわけじゃなくて、10数年前に外壁と屋上防水をやり直しています。本マンションには元売り主のご子息Cさんが住んでおられ、Cさんが各戸に呼び掛けてお金を集めたようです」
「あっ、じゃあ全く管理されていないわけではないんですね」
「ええ、Cさんが毎月数千円集めて、建物全体の清掃とかやっておられるようです」

 Aさんは仲介業者Bさんと別れた後、思い切ってCさんの部屋の扉を叩きました。そして、Cさんが誠実かつまじめな人で、マンション各戸のオーナーともしっかり連絡を取り合っていることが確認できました。さらに、家に帰って土地価格を調べたところ、対象住戸の土地の持分の路線価がなんと今回の売値を上回っていることがわかりました。

「これはひょっとしていけるかも」

 数日悩んだ末、Aさんは、Bさんに電話を入れました。

「え、買われますか」
「はい」
「いくらで札を入れますか。実はプロの業者が複数、指値を入れようとしてますので、競争になりますよ」
「・・・満額で買います」
「それで本当にいいんですね?それならAさんにお売りします」

 その後、Aさんは金融機関に話を持ち込んだのですが、いつ取り壊されるかもわからない築古物件への投資のため融資に強い難色を示されました。しかし、最後は土地値で融資全額を担保できる点が決め手になって、何とか資金を確保し、競売寸前で融資が実行されました。リノベーション費用も融資金額に含めてもらい、業者を選択の上スケルトンからのフルリノベーションを実施、あまりの古さにリノベーション業者も悪戦苦闘しながら4か月かけて完成、これを賃貸に出したところ即座に借り手が見つかり、維持管理費が毎月数千円と安いため、都心の一等地で実質利回り約10%で運用が実現しています。

「ほう。まさにしてやったり、ですね」

 Aさんが依頼した賃貸管理会社の代表からは感心したようにこう言われたそうです。もちろん賃借人が付くまでに約半年を要し、その間の労力と悩みは並大抵ではなかったようですが、「いい経験をさせてもらった」とAさんは思っているようです。

 これは、
Aさんが素人だから、相手の言い値で購入し、手間とコストをかけてしまったのですが、逆にそのような素人でなければ、この物件を購入できませんでしたし、上記のような成功はなかったでしょう。もちろん、これが将来も「成功」と言えるかどうかわかりませんが、Aさんが引き続きこつこつと運営していけば、そんなに心配はいらない気がします。

 私たち
一般個人の不動産購入者は、業界で「エンド」と言われます。業者にとってみれば、最後にすべてのコストを背負って多額のお金を払ってくれる存在です。ただ、「エンド」は「エンド」なりの強みがあり、それは、じっと辛抱強く、不動産を愛着を持って持ち続けられる、ということです。これが実は、結果的に富を最大にする王道ではないかと感じています。

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| ノウハウ・経験談 | 20:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
大手には濡れ手に粟の不動産仲介業?−「寄らば大樹」から脱却しよう

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 「この間、いい中古物件が出たんだよね」

A君は、職場の同僚で、数年前に中古マンションを購入し、現在、その住み替えを検討しています。

「おお、やっと出たか。探していた甲斐があったじゃないか」

以前からマンション談義に花を咲かせていた友人だけに、私も心から祝福したい気持ちになりました。

「いや、いいのが出たんだけど、買うのやめたんだ」
「えっ、あれだけ熱心に探していたのに」
「だって、売却と購入と、それぞれ仲介手数料がかかるんだってさ。もうばかばかしくて。手数料とるのはせめて1回にしろよ」
「あっ、そういう…」

 A君は、住み替えの相談を、現在住んでいるマンション「PH」の元売主M不動産のグループ会社である大手不動産仲介業者M不動産Rにしていました。ただ、M不動産Rが何かしてくれたわけではなくて、買い換えたいマンションは、A君自らネットで探し出したものでした。しかし、住み替えをスムースに進めるには、売却を相談したM不動産Rにお願いした方がいいのではと思い、M不動産Rに購入の話を持ち込んだのです。

 しかも、A君が買いたいと思った物件は、やはりM不動産が元売主だった物件「PC」です。「どんだけM不動産が好きなんだ」と思ってしまいますが、この物件「PC」の所有者BさんもA君と同じく、M不動産Rに住み替えを相談していました。したがって、
M不動産Rは、ほとんど労せずして、3%+6万円の仲介手数料を3回手に入れられるところでした。物件価格はいずれも7千万円台ですので、ほぼ一度の取引で、物件価格の1割近い約700万円の仲介手数料が転がり込む計算です。

 実は私が住んでいるマンションも元売主がM不動産なのですが、このマンション居住者が
売却の際の仲介をお願いする先は圧倒的にM不動産Rです。近くのT不動産販売はこれに対抗すべく、仲介手数料40%オフのキャンペーンをずっと続けているのですが、それでも皆さんの選択はM不動産Rなのです。

 M不動産Rに仲介をお願いする理由は、
「元売主がM不動産だから」「皆がそうしているから」ということに過ぎません。しかし、M不動産RとM不動産は別の会社であり、M不動産RがM不動産の物件に詳しい訳ではありません。ただ、皆がM不動産Rに売却を依頼するので、結果的に本マンションに詳しくなったということはあるでしょう。

 私が見聞きしているところによれば、
売却を一生懸命に頑張ってくれるのは、むしろ中小の仲介事業者です。彼らは顧客から預かっている物件が大手に比べて圧倒的に少ないため、一個一個の物件の成否が業績を左右するからです。

 統計によれば、仲介最大手のM不動産Rの仲介手数料の平均両率は5.36%で、すなわち
5件の成約のうち4件以上が「両手仲介(1件の不動産売買において売主と買主の双方から仲介手数料を受領すること)」だったことになります。 

 この主な原因は、私達仲介を依頼する側の
「寄らば大樹」的な意識です。しかし、実際には、売れるかどうかは物件の良し悪しとそれに見合った価格設定かどうか、ということに尽きます。真剣に中古を探している人は、A君のようにネットを始終チェックしているのが通例であって、物件探しを仲介事業者に丸投げし、仲介事業者でそれをマッチングさせるようなケースは実際には少ないのではないでしょうか。

 ネット専門で仲介を行っている業者の中には、
仲介手数料0.7%を最大限とするほか、売主又は買主が業者の場合には仲介手数料を無償とした上でキャッシュバックまでもしてくれる会社もあり、こうなると大手と比べてコストが数百万円変わってきます。

 小規模仲介事業者で上手くいかないと思ったら、期間の経過とともに解約し、あらためて大手に依頼することもできます。「なんとなく安心だから」という気持ちで大手に頼み、結果的に購入を断念したA君の二の舞いにならないよう、気をつけたいものです。

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| ノウハウ・経験談 | 22:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
「この物件、実は…」−事故物件は未来永劫「告知事項有り」なのか

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★ ネットサーフィンで不動産物件を見ていると、たまに「おっ」と思う安い物件に出遭うことがあります。しかし、ほとんどは、「所有権」ではなく「賃借権」物件であったり、戸建てであれば「再建築不可」物件であったりと、「ああ、やっぱりね」と落胆することになります。

 しかし、間口はしっかり取れているし、
どう見ても再建築不可物件には見えないのに安い、というものが稀にあります。戸建てや土地を探していた時分には、勢い込んで現地を見に行ったのですが、そこで業者からさりげなく、こう告げられたことがあります。

「実はこの家で、●●が原因で人がお亡くなりになっていまして」

 これが世間でいう「告知事項有り」物件、ということになります。それならそれで予めチラシに掲示しといてよ、と思うのですが、チラシに掲示した瞬間、殆どの人は引いてしまって見学のアポすら入らなくなるでしょう。現場を見れば、案外気にならない場合だって確かにあるかもしれません。

業者「確かにそういう物件なのですが、だからお安くしています。」
私「でも、この告知事項って、いつまでやればいいんですか。もし私がこの物件を30年後に売却するとしたら?」
業者「…その時も告知することになるでしょうね。でも30年も経ってますからね。買われる方も気にしないんじゃないですか」
私「…」

 調べてみると、賃貸であれば、事故後一人借りたら、次からは告知しなくてよい、といった判決もあるようです。しかし、売買となると、所有権が移転するわけですのでそのような軽い扱いにはならず、未来永劫「告知」し続けるのではないか、としか言いようがありません。

 しかし、京の町は室町時代に応仁の乱で壊滅的な打撃を受け、そこかしこで人が亡くなっているはずですが、京都で物件を購入しても
「実はここで650年前の応仁の乱の時に火災で人がなくなっていまして」のような告知は受けないでしょう。それはそのような告知の制度がなかったから、ということなのであれば、今から650年後の2667年には告知をする必要があるのでしょうか。それとも100年位経てば、もう勘弁してもらえるのでしょうか

 今はネットで事故物件を簡単に検索できてしまいます。そして、
ネットでの特定の特徴は、「永遠にその履歴が消えない」ということです。例え建物は除却できても、土地の履歴は消せません。たまたまそこで事故が起こったばっかりに、その土地は未来永劫、価値が大きく毀損されることになります。

 ネット社会に関連して、EUでは
「忘れられる権利(right to be forgotten)」が盛んに議論され、日本でも昨年から今年にかけて、その是非が最高裁まで争われました(結局、権利としては否定されました)。これは個人の人格権の保護が法益となっているものですが、事故物件の最近の有り様は、この「忘れられる権利」の議論を思い出させます。

 もちろん、土地に土地としての人格権があるわけではないので、その事故物件となってしまった
不動産の所有者の経済的利益の保護の必要性があるか否か、買い主の利益の保護とのバランスはどうか、という観点から考えるべきでしょう。

 面白いのは、
大規模マンションでは過去の履歴、工事中の事故、施工後の居住者の行動等により、事故が複数起きているはずなのに、それで物件の価値が大きく損なわれたとはめったに聞きませんし、それぞれの住戸を売却するときも逐一告知はしていないのではないでしょうか。「大勢で住めば告知要素もなくなる」というのも不思議な話ではあります。

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| ノウハウ・経験談 | 23:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
2LDK×2=4LDK?−マンションを隣接して2戸買う発想

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 我が家は4人家族で、現在の3LDKではどうにも部屋が足りない、という悩みを最近のブログで書きました。当たり前ではあるのですが、3LDKの一つ一つの部屋を数えると、どうしても家族一人一人に割り当てる個室が一つ足りないのです。そんなことは3LDKである以上わかりきっているのに、私はチラシの中古マンションの3LDKの間取りを見るたびに、まず2人の娘に一つずつ部屋を割り当て、次に妻に主寝室の部屋を割り当て、そしてやっぱり「私の部屋がない」と確認する作業を繰り返しています。

 じゃあ4LDKを、と思うと、先日のブログで記したように、売り出し中の物件がほとんどありません。出物がないことがますます現在の4LDK居住者をして、今の4LDK住戸を死守すべく門戸を閉ざしているかのような不作の状況です。

「もはや4LDKマンションを購入することは無理なのか」

 私の願いむなしくマンションの間取りはどんどんコンパクト化し、今や40平米台の2LDKまで現れている始末です。例えば、『デュオヴェール渋谷初台』のチラシには、「都心で2LDKを買う賢い選択」「カップルや3人家族に人気の2LDK」といった文言が並び、48.68平米の2LDKに対し5,498万円との価格が付いています。

「時代は2LDKなのか。必要な間取りの半分しかないじゃん。この2倍必要なんだよ!」

とつぶやいたのですが、そのとき、

「ん?2倍?つまり2戸分?」

と、ふと思いついたのです。

「待てよ?2LDKをもし2戸買ったら、2LDK×2=4LDK?」

 4LDKを1戸買うのと、2LDKを2戸買うのとでは、後者がコスト的に無駄に高い気がしますが、実は価格水準は2LDKも4LDKも変わらないのであって、仮に上記の5,498万円の2LDKを2戸買うと、合計97.36平米の住戸が10,996万円となり、もはや4LDKが「プレミアム住戸」扱いしかない場合には、2LDK2戸の方が4LDK1戸より安い場合があるのではないか、という気がしてきました。

 また、私たち家族のように、
娘たちが大学生になると、半ば独立した住戸を持ってもいいかもしれません。隣接した2LDKの2戸構成とすれば、食事や風呂は親の住戸で済ますとしても、普段の勉強やトイレ、洗面台は別々の使用ができますし、友人も気兼ねなく呼べることになります。 

 維持管理費も修繕積立金も、結局は平米割なのですから、2戸持つことが割高になるわけではありません。ただし、光熱水費の基本料金やインターネット料金は2倍かかることにはなります。住宅ローンが一度に2戸適用できるかは、夫婦共働きで別々に購入する以外はほとんど無理な気がしますが、1戸には投資用ローンを使うとすれば、今や金利がかなり低いので、案外いけるかもしれません。

 さらに、そもそも2戸立てで住めば、
娘たちが結婚し、完全に独立した暁には、空となった1戸をそのまま売却することも、人に貸すこともできます。これが4LDK所有だと、2LDKへの住み替えと、需要が少なく売りにくい4LDK売却を同時にしなければなりません。

 これまで2LDKは、専有面積50平米台・60平米台が通常でしたが、専有面積のコンパクト化が進んだおかげで、
40平米台の2LDK×2戸がほどよい専有面積となりつつあります。2戸所有すると、設備やリビングスペースが2つずつになることが無駄と考えるか、便利と考えるかは、住まい方によることになるでしょう。

「案外これっていけるかも!」

 もちろんこれを実行に移す勢いもお金も私にはないのですが、意外と破たんのない発想なのではないか、と考えているところです。
 
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| ノウハウ・経験談 | 20:19 | comments(4) | trackbacks(0) |
間尺に合わないマンション間取り−それでも人は生きていく

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★ 個人的には最近なかなかブログの更新ができないのが悩みの種なのですが、その原因の一つは今住んでいるマンションの間取りにある、と思い込んでいます。というのも、3LDK4人家族で自分の部屋のない私のパソコンは主寝室にあり、妻が寝るときには必然的にブログの書き込みを終了しなければならないからです。

 子供が受験の頃は、妻もそれなりに夜遅くまで我慢して起きていた(というか、リビングでうたた寝していた)のですが、
大学生になってしまうと、妻も早々と寝る体制に入るようになりました。これに加え、妻や子どもたちのアクティビティが増え、また、ネット上の買い物が増えるにつれて、これらのパソコン上の会員登録やらネットショッピングやらが毎日のようにあり、この作業を私がすべてやっているため、帰宅してからが結構忙しくなっています。

 家族のオーダーをようやく打ち終えて、
「さあ、ブログを」と思うと大抵「もう寝ます」と妻に言われてしまいます。ため息をつきながらパソコンをしまい、「ああ、自分の部屋があったらなあ」とつくづく思う瞬間です。

 マンションを探しはじめの頃は、4人家族の一人ひとりが部屋を持てるように、
90平米4LDKを希望していました。しかし、マンションの知識が増えるにつれ、「出口戦略を考えるならば、売れ筋の3LDKにすべきだ」と方針を転換してしまいました。今は「出口は正解でも住んでいる時きゅうくつだったら意味ないじゃん」と思っています。

 ということで、私にとっては
「もう一部屋」が夢となっています。しかし、マンション価格が高騰して専有面積が狭くなったために、昔は普通にあった4LDKが本当に少なくなりました。中古マンションも4LDKの出物はほとんどなく、例えば私が住んでいるマンションにも4LDKが一定数存在するのですが、これら4LDKが売りに出たのを見たことがありません。それは、住み替える必要がないくらい安住しているのか、あるいは住み替えたくても4LDK物件がほとんど出まわらないためなのか、のいずれかではないかと考えています。

 私が
昨年末に、突然新築戸建のモデルルームに行った動機も4LDKが欲しかったからでした。マンションでは希少になった4LDKが、戸建てであれば4LDKは普通にあり、また、注文設計などで自分の部屋を作るなど多少の自由が効くからです。しかし、私が持ち帰って見せた新築戸建のパンフレットが妻や子供の手で開かれることはありませんでした。

「ああ、間尺に合わん間取りとは不自由なものだなあ」

 しかし、世の中にはいろいろな住み方があります。私の住んでいる階の上の階のご家族Aさんがマンションを売却することになったのですが、そのときはじめて知ったのは、Aさん家族が住んでいたのが70平米台3LDKで、Aさんのお隣のご高齢のご婦人Bさんが一人で住んでいるのが90平米台近い3LDK角部屋であるということでした。

私「ええ、今の今までAさん家族が角部屋に住んでいるのかと!」
妻「何言ってんの」
私「Bさんはてっきりその横の1LDKかと」
妻「何言ってんの」

 また、私が住むマンションで、もっと高層階に住んでいるご高齢のCさん夫婦が90平米の部屋を売却したのですが、Cさんの知り合いのお話だと、3LDKの主寝室以外の2部屋は、「仏壇部屋と物置部屋だった」ということです。売却の理由であっと驚いたのが、「こんな便利である必要がない」というものでした。

 武蔵小杉の一番の良さは交通利便性で、だからこそ「武蔵小杉」駅に近いタワーマンションが人気なのですが、通勤の必要がなくなった高齢者にとっては「何の意味もない」のだそうです。

 「わしらもそのことにはたと気づいてな。だから、中古マンションが数多く出ていて、不便でもない「新川崎」駅エリアに引っ越すことにしたんじゃ」

 そう言って悠々と武蔵小杉を去っていったCさん夫婦は、少なくとも8千万円のキャッシュを手にし、「新川崎」駅で2人で住むだけの広さの中古マンションを3千万円で購入したとすれば、およそ5千万円の余裕資金を得たと推測されます。これを老後の充実した生活に振り向けるとすれば、住宅ローンで汲々としながらもう一部屋を欲しがっている私に比べて、はるかに賢い選択をしたと言えるでしょう。

 それにしても、
私の通勤コートのポケットの中には、いまだに妻や子どもたちに顧みられることのなかった新築戸建のチラシが入ったままになっています。いつも捨てようと思うのですが、毎朝、マンションを出て寒風にさらされるたびにポケットに手を突っ込んで、

「ああ、ここには私の部屋が持てる4LDKがある」

と思うと、なかなか捨てられないのでした。

「月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
   月に向ってそれは抛(ほう)れず
   浪に向ってそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
指先に沁(し)み、心に沁みた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?」


なぜか中原中也の「月夜の浜辺」が思い出されるのですが、

「泣いてばかりいたって 幸福(しあわせ)は来ないから
重いコート脱いで 出かけませんか」


キャンディーズの「春一番」の通り、4月になったところでこのチラシとも訣別したいと思っています。

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| ノウハウ・経験談 | 21:54 | comments(6) | trackbacks(0) |
マンションと荷物−トランクルーム満杯の家族、10平米に住む若者

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★ 3連休の最後の日、妻はパートで私が夕食を作る番なのですが、上の娘がカレーを作ってくれることになり、思わず時間の余裕が生まれました。この際、前から気になっていた書棚の使わない物をトランクルームに持っていこうと決意しました。

 「前から気になっていた」というのは、
書棚の中央部分を占める「思い出の品」類です。普段は絶対使わないのですが、中を開くたびに、トランクルームに持っていけなくなってしまうのです。

 それは、2人の娘の生まれた頃の写真や、娘たちが小さい頃にレジャーランドに行った写真、単身赴任をして寂しかった時に「早く帰ってきてね」と、私の誕生日に送ってくれた似顔絵やメッセージです。これらを見るたびに、その頃のことを思い出して、
胸がいっぱいになって手が止まってしまうのでした。

 しかし、書棚はそうやって数年間、大きなスペースを取られてきました。今日もしばらく迷いましたが、2人の娘も大きくなって自立しかけているのに、私だけ感傷に浸り続けていても仕方ないと、意を決して「思い出の品」を紙袋に入れて、
トランクルームに向かいました。

 このトランクルームは全戸分があるわけではなく、当初は希望に応じて割り当てられました。1スペース毎月数千円かかるので、借りるかどうか迷いましたが、「いらなかったらすぐ手放せばいいか」ととりあえず申し込みました。

 私達家族にしては、この判断は
珍しく正解で、入居後まもなく、トランクルームへの申し込みが殺到、それから常時長いウェイティングリストができています。誰もが入居して初めて収納量の不足を痛感し、トランクルームを欲したものと思われます。「マンションが決まったら不要なものは捨てましょう」とは言われますが、現実にはそうもいかないものです。

 それでも私達家族のトランクルームは、
1帖ほどのスペースがすぐに満杯になりました。今はその隙間に騙し騙し物を差し込んで入れている状態です。「これも何とかしなきゃなあ」と見るたびため息をついています。

 そんな中、最近ネット等で見かけるのは、
驚くほど狭いワンルームマンションです。専有面積10平米内外みたいなものもあるようで、水廻りスペースが作れず、裸のトイレをキッチンの横に置き、「これがスタイリッシュ」と称している驚くべき物件もありました。

 これらは23区内の都市型マンションで、
「狭くてもいいからいい場所に住みたい」という最近の若者のニーズにマッチしています。家賃も5万円程度からで、若者が何とか払える範囲に抑えつつ、坪単価にすれば高く設定できます。居住環境が心配ですが、貸主にしても借主にしても「これでいいのだ」ということのようです。

 考えてみれば、私も社会人1年生の頃に入った寮の部屋は、6帖相部屋を真っ二つに割って個室としたために、
3帖しかありませんでした。調理場や風呂は別ですのでまだいいのですが、それにしても「このスペースにどうやって住んでいたのか」と、今思い出しても不思議に感じます。それでもその時は、さしたる不自由もなく(狭い、とは思っていましたが)、転勤になるまで2年間楽しく暮らしていたのでした。

 年をとるということは、いろんなものを背負うことだな、とあらためて感じます。仕事にも家族にも責任ができ、マンションを買って持ち物も増えて、今その値が最大値にあるのかもしれません。

「これからは少しずつ、軽くしていかなくちゃいけないのかもなあ」

 それはそれで寂しい話で、だからこそ人はいろんなものに執着するのでしょう。トランクルームに詰め込まれた様々な物は、そんな気持ちを体現しているかのようでした。

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| ノウハウ・経験談 | 22:43 | comments(2) | trackbacks(0) |
首都圏、縮小の動き−空き家は23区にも

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★ ずいぶん前の記事になってしまいましたが、本年1月3日の東京新聞には、「空き家 首都圏浸食」との見出しで、地方だけではなく、首都圏でも空き家が増加しているとの記事が掲載されました。これによれば、首都圏1都6県で、空き家率が10%未満の自治体数が、2003年から2013年までの10年間で半減し、125自治体から56自治体になったということです。また、15%以上が空き家の自治体が10年前の1.6倍の65自治体になりました。

 人口が減る自治体が出てきたのに、住宅数は増加を続けており、空き家の解体や利活用が進んでいないことがうかがえる、としています。また、
空き家率が新たに10%を超えた自治体は、都心にサラリーマンを送り込んできたベッドタウンも目立つということです。宅地開発で膨張を続けてきた首都圏が、縮小に転じつつある構図も浮かび上がっています。

 これは、5年に1度実施される総務省の「住宅・土地統計調査」を基に、東京新聞で空き家率を算出したものです。
空き家率が10%以上に転じたのは、青梅市、八王子市、立川市、飯能市、柏市などがあります。2013年の首都圏における空き家率上位は、次の通りです。

1 栃木県那須町  50.5%  2 千葉県勝浦市 36.8%  3 神奈川県湯河原町 33.4%
4 千葉県いすみ市 28.6%  5 千葉県鴨川市 26.3%
 

 また、東京都に限ってみた場合の空き家率上位は、以下の通りです。

1 豊島区 15.8%  2 大田区  14.8%  3 武蔵野市 14.1%
4 中野区 13.7%  5 千代田区 13.3%


 那須町の空き家率が50.5%ということは、戸建ての半分が空き家、ということでしょうか。何か数字のからくりがありそうな気もしますが、とにかく空き家が多いのは確かなようで、那須町役場のHPを見てみると、「空き家バンク」なるものが作られていました。

 那須町「空き家バンク」に登録され、
現在売却または賃貸を申し出ている空き家は3件のみで、うち2件の売却価格が800万円、1,100万円となっています。空き家が多いのであればもっと出物がありそうなのですが、那須町の物件を探している方のブログによれば、結局「よそ者に売る(貸す)のはどうも」ということで抵抗が強いようです。

 一方、物件を探している方も、当然のことながら実現したい生活があるわけで、
要求水準がかなり高くなっています。結果として、売主(貸主)・買主(借主)双方の事情で、空き家はなかなか埋まりません

 東京都においても、23区で唯一「消滅可能性都市」としてリストアップされた
豊島区を筆頭に、なんと地価の一番高い千代田区まで、空き家率が高くなっていることがわかります。ただし、これらの地域は賃貸需要が極めて高いことから貸家(貸アパート、貸マンション)が大変多く、かつ、流動性も非常に高いので、スポット的にとらえた場合の空き家率が高くなってしまうのでしょう。

 しかし、私は東武東上線沿線で、埼玉県の中でも都心へのアクセスが良好な都市に降り立ったとき、
駅前でありながら朽ち果てたようなアパートがいくつも無残な姿をさらしているのを目の当たりにして戦慄を覚えたことがあります。

 おそらく昭和40年代の高度経済成長期には、人口が急増して都心を中心とするドーナツ化現象が進行する中で、
地方から上京してくる若者をターゲットとした風呂なし、トイレ共同のアパートがいっぱいできて、家賃を年々上げていっても借り手が引きも切らないような状況がこの都市にもあったのでしょう。

 しかし、そのような
時代遅れの物件は一気に廃れ、建て替えても需要が覚束ないようなエリアが増加しています。杉並、中野エリアを見れば、バス・トイレの一応付いた古い物件が家賃3万円程度で借りられるようになっており、上記のような上京してきた若者の住み家として機能しているため、埼玉の都市まで足を伸ばして物件を探す必要がなくなってしまったのです。

 そして、このような
「賃貸需要エリア」は都心一点に向けてますます縮小しています。首都圏の郊外における膨大な空き戸建てと、23区内における無残な空きアパート、空きマンションが、相乗効果的に首都圏を蝕む惨状が、既に始まっています。

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| ノウハウ・経験談 | 20:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
人格を磨けばお宝マンションが手に入る?−仲介手数料の価値

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★ 28日付の夕刊フジは、『仲介業者は人で選ぶ 侮れない「街の不動産屋」、深い経験値と地元ならではの収集力』と題して、榊淳司氏のコラムを掲載しています。以下その概要を掲載します。

「マンションをはじめとした
不動産の売買について、最も詳しい情報を持っていて、相場観も確かなのは、地元できちんと店を構えている個人商店的な不動産屋さんだったりします。明るい感じで、表に貼り出されている物件情報も最新のものに更新されている業者。人を2人以上雇っている感じのお店がポイントです。

 なぜならば、そういう業者は
地元密着で不動産屋としてのビジネスを成立させているからです。地元の人々にある程度信頼され、実績を上げているのです。大手の仲介業者の場合、担当者の入れ替わりが激しいのですが、地元密着型の不動産屋なら、社長が変わることはまずありません

 彼らは地元の人々を顧客にしながらビジネスを継続しなければいけないので、
何よりも信用を大切にします。したがって、手堅い取引を手掛けることが多いのです。そして、何よりも深い経験値と地元ならではの情報を持っています。『××マンションは先月×階の部屋が××××万円で成約した』といった具体的な情報を耳に入れています。

 今のようにネットが普及して、政府の指定流通機構のような制度ができても、
現場情報は貴重で、ネットにはない情報があるのです。不動産の売買ほど人間臭いものはなく、比較的単純な中古マンションの売買だけでも、数字だけを追う大手系列が独占できるほど単純なものではなく、ましてや不動産全般にわたると、その取引風景は多様で、街の不動産屋にとって活躍の余地は大きく、購入者としては頼りになる場合が結構多いのです。」

 以上が榊氏のコラムの概要です。私もこのコラムを読んで、過去に経験した不動産屋さんとのやり取りを思い出しました。

 本コラムで出てくるようなまさに
「街の不動産屋さん」に気になる貼り紙がありました。手書きの文字で、相場から見れば安い物件が、「お宝」の雰囲気ぷんぷんで書かれているのです。中に入ろうとしましたが、あいにく営業時間を終了したのか、鍵がかかっています。安いといっても私が購入できる範疇を超えていたので、諦めてその場を後にしました。

 しかし、
帰宅してもその物件が気になって仕方がありません。一晩悩んだ末に思い切ってその不動産屋さんに電話してみることにしました。しかし、その「電話する」という行為が間違いのもとでした。

不動産屋さん「はい、●●です」
私「××と申します。あの、お店に貼り紙のあった〇〇、どんな物件が見せていただけないでしょうか」
不「…失礼ですが、どちらの××さんでしょうか。
もしかして、業者さんではないですよね?
私「あ、いえ、業者じゃない、というか、個人の××ですが…」
不「私どもにご登録いただいているお客様には××さんという方はいらっしゃいません。店舗に注意書きをしていましたように、
まず私どもの店舗にご来店いただき、身分証明書と資産状況などを確認させていただいて、この方なら、という方としか、お取引はしないこととしております。」
私「あ、貼り紙を見たときはもう暗くてその注意書きを見落としてしまいました…」
不「貼り紙をさせていただいた物件は、
昔からよく知っている地場の売主様との信頼関係で当社のみお預かりしたものです。真剣に物件を探されていらっしゃる方で、身元のしっかりした方でないと、売主様へのお取次ぎができません。もし本当に当物件をご希望でしたら、まず当店へおいでいただき、身元を確認させてください」
私「…すみません。決して怪しい者ではないのですが、そこまでの覚悟があるかどうか、
まずは自問してみてお店にお伺いいたします」

 最後は
電話に向かって何度も頭を下げながら、私は電話を切ったのでした。怪しくはないにしても、気持ち的には「すみません、つい、出来心で」というところに近いものもあったので、それっきりのお付き合いになってしまいました。

 ネットでは今や簡単に物件を問い合わせることができ、
「ご一緒にポテトもいかがですか?」みたいなノリで類似物件が複数掲示されて同時に問い合わせできるので、まったく自覚がない物件で業者から電話をもらい、その後も電話攻勢鳴り止まず、といったことも私はしばしば体験してきました。それで、今回の出来事には大いに驚愕したのです。

 おそらく
ネット全盛の時代の前には、このような信頼関係で売買する地場に強い不動産屋さんが普通だったのでしょう。それが売る側も買う側も、手間ひまと人間関係を省いて効率的に売買し、儲けに走る時代にネットが変えてしまいました。しかし、その中で頑なに昔のやり方を変えない不動産屋さんが、今やお宝物件を取り扱える希少な存在として見直されています。

 仲介手数料とは、まさにこのような仲介に対して払うべきものであり、それなら3%+6万円(×消費税)の上限料金も惜しくはありませんレインズで拾ってきて売買を強いる昨今の現状こそが、仲介業者の存在意義への疑問につながっているのでしょう。

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地方からの上京者は23区のどこに住む?−見えてきた「ふるさと意識」

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★ 人口が全国的に減少している中で、東京都を中心とする首都圏への人口集中が問題になっています。ただでさえ乏しくなっている人的資源を首都圏が奪っている格好で、政府にも対策が求められているところですが、それには統計データの分析が欠かせません。そこで注目されているのが、総務省統計局が毎年発表している『人口移動報告』で、本年も1月31日に公表されたところです。

 実は爆発的に人口移動が起こったのは昭和30年代〜40年代の高度経済成長期で、これと比較すると、
今の人口移動量は物の数ではありません。しかし、私がそうだったように、まずは大学入学で上京し、ふるさとに帰っても勤め口がないのでそのまま首都圏に居残るパターンは不変であり、その意味で問題はほとんど解決されていない、と言っていいのかもしれません。

 そこで、私もこの人口移動報告データを使って、どの都道府県から都心への人口流入が多いのか、調べてみることにしました。しかしながら、何分EXCEL初心者のため、千代田区、世田谷区、足立区を手掛けたところで力尽きてしまいましたので、昨年人口移動の千代田区・世田谷区・足立区データの結果のみをご紹介したいと思います。


 昨年1年間に千代田区への人口流入の多かった都道府県は、以下の通りです。

1 東京都 58.2%  2 神奈川県 7.6%  3 千葉県 6.0%
4 埼玉県  4.4%  5 大阪府  2.7%  6 愛知県 1.8%
7 北海道  1.6%  8 福岡県  1.5%  9 宮城県 1.1%
10 兵庫県  1.1%


 千代田区への人口流入は、58%は都内移動、これを含めて76%は1都3県内の移動です。その他の上位都道府県も大都市を抱える都道府県ばかりで、元々千代田区に住んでいた方が赴任で一時的に地方に勤務し、その方が戻ってこられるなどの移動が大半ではないかと推察されます。その意味では、千代田区は純粋な意味では地方の人口を奪っているとは言えないとも考えられます。

 次に、23区中最大の人口を誇り、住宅地の代表例となる
世田谷区のデータです。

1 東京都 46.5%  2 神奈川県 15.6%  3 千葉県 5.6%
4 埼玉県  5.0%  5 大阪府   3.5%  6 愛知県 2.2%
7 兵庫県  1.9%  8 福岡県   1.7%  9 北海道 1.6%
10 静岡県  1.3%


 千代田区に比べて東京都の割合が大幅に減り、代わりに隣接する神奈川県の割合が大幅に増加しています。面白いのは、兵庫県・静岡県の割合が伸びているのに対し、北海道・宮城県の割合が少ない点です。世田谷区は城南エリアにありますので、より地理的な近さが影響していると言えるでしょうか。

 最後に、23区の中では
比較的庶民的で、かつ、今後成長が見込まれる足立区のデータです。

1 東京都  41.1%  2 埼玉県 14.2%  3 千葉県 9.0%
4 神奈川県  6.3%  5 茨城県  3.2%  6 大阪府 2.9%
7 愛知県   2.1%  8 北海道  1.8%  9 福岡県 1.5%
10 静岡県   1.4%


 東京都の割合はさらに減りますが、代わりに埼玉県の割合が高くなり、神奈川県が千代田区流入割合よりも小さくなりました。千葉県、茨城県という近接県の割合も高まっています。

 これらのデータを見ると、都心中の都心である
千代田区はアッパー層のビジネスを伴う移動、世田谷区は南部・西部方角の都道府県からの移動、足立区では北部・東部方角の都道府県からの移動が大きいことがわかりました。

 例えば世田谷区に対する兵庫県、静岡県の移動割合の高さなどからわかるように、私たちは
ふるさとにできるだけ近いロケーションに住む傾向があると言えそうです。それは何かあったらすぐ故郷に帰れるよう、無意識のうちに住む場所を故郷との近さで選択している可能性があります。

 そう考えると、私たちは
いくら都会に住もうが潜在的な意識は常にふるさとにあるのであって、ふるさとを心の糧としながら日々生きているのだとも言えそうです。

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