海外生活経験者が最も少ない日本−たくましさの欠如が東京を選ばせる?

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★ 先日、渋谷駅の地下連絡通路をうろうろしていると、一人の外国人女性に呼び止められました。

 "Excuse me."

 緊張の瞬間です。失礼ながら、これは新手の詐欺まがいのセールスか(学生時代に渋谷駅連絡通路で引っかかったトラウマです)と思いましたが、単に道を聞きたいだけで、「山手線に乗るにはこの地下通路をどのように行ったらよいか」という質問でした。

 ほっと安心したものの、悪名高い渋谷駅の地下ダンジョンで、しかも私の乏しい英語力で、簡単に説明できるはずがありません。しかし、ここで、


 "I don't know"

と言ってしまって、「オオ、日本人ハ道ヲ聞イテモ教エテクレナイ!」と、日本人の印象を悪くさせるわけにはいきません。私は進退窮まりました。

 "You had better...go upstairs."

とにかく地下通路なんか説明できないので、まず地上へ上がれと言ってしまいます。

 "And...cross the road (本当は横断歩道渡れと言いたいんだけど何と言うんだっけ)...and...go to hachiko."

 今や東京に来る外国人には通ずるであろう「ハチ公に行け」としか言えませんでした。JR「渋谷」駅の場所とはずれており、これで役に立ったか、それとも諦めて他の人に聞き直したかはわかりません。冷や汗モノの出来事でした。

 それにしても、
日本に来る外国人が本当に増えました。先日、久しぶりに銀座に行ったら、そこは私の知っている銀座とは全く別の街になっており、行き交う人も過半は外国人だったかもしれません。渋谷も、半分とは言いませんが、外国人の占める割合がかなり大きくなっています。渋谷の「いきなり!ステーキ」の店の前で入ろうかどうしようか迷っている欧米人の群れを見た時は、「本当に日本は変わったな」と衝撃を受けました。

 私も学生時代にバックパッカーで2週間単位で中国やヨーロッパを旅行しましたが、その時出会った欧米人のバックパッカーの旅行はそんなレベルではなく、
半年でも1年でも身一つで世界を旅していました。移動に関する「たくましさ」という意味では、日本人はとても叶いません。

「人の移住範囲の国際比較」という調査が2008年に行われているのですが、日本は、「さまざまな国で暮らしてきた」という割合が、調査対象40カ国の中で最も低く、1.1%しかありません。逆に最も高い国がスイスで、この割合が35.2%に達し、実に人口の3分の1強が海外生活経験者ということになります。スイスといえば、私達の頭の中には、「アルプスの少女ハイジ」で植え付けられた牧歌的なイメージしかないのですが、実は最も国際的に開けた国だったのです。

 一方、これも意外だったのですが、
日本は、「ずっと同じ市や町で暮らしてきた」割合の高さが、40カ国中9位と結構高いのです。しかも上位は、アジア・中南米・東欧等が占めており、米国・英国・フランス・イタリア・ドイツなど、主要先進国の中では例外的にふるさとにとどまる割合が高くなっています。

 これは、東京一極集中が大問題になっている日本の常識からかけ離れた結果で、頭が混乱してしまいます。しかし、感じるのは、
日本人は海外に出ない分、東京に出てきているのではないか、ということです。また、そこに「たくましさ」が欠けているため、何となく皆がそうするから、付和雷同的に東京へ、東京へ、という動きになり、それに逆行する動き(東京から地方へ)が成り立ち難いのではないか、とも思います。

 マンションも郊外型がますます衰退し、都心型がますます人気を呼んでいます。これが嵩じすぎて都心マンションがとても買えない値段になってしまいましたが、かといってその需要が郊外へ戻っているわけではありません。生活環境の比較では、都心と郊外ではそれぞれ良さがあるのですが、これも付和雷同的に郊外の良さが不当に低く見積もられている気がします。

 ごんごんと自分の力で歩き回る
外国人の強さを街角でよく見かけるようになって、日本人のマンションの買い方はやはり日本人的なのだろうなあ、とあらためて思ったのでした。

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| ノウハウ・経験談 | 21:24 | comments(4) | trackbacks(0) |
不動産を捨てることができない国−マンション所有者は皆負け組へ?

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★ 今、「銀座」駅徒歩5分の約20坪の土地が6億7,400万円で売りに出されています。坪単価は3,279万円、1平米が約1,000万円です。1メートル四方の土地が1千万円もするわけですから、目がくらみます。しかし、それでも買いたい人がいるから、この値段が付いていると言えます。

 しかし、群馬県の県庁所在地である
前橋市で現在売り出されている365平米の住宅用地の価格は40万円です。坪単価は3,700円、1平米が1,000円です。同じ関東エリアの都市部をみても、値段は1万倍違います。

 「値段がつくならまだいいじゃないか」

 私が中東に赴任している時に知り合って、今群馬で農業をしているAさんは言います。Aさんは自分の土地を、都会から農業をしに移住してきた人に貸していますが、その広大な土地の賃料は年間(1ヶ月ではありません)1万円です。耕作してくれるだけでもありがたいわけで、他人に貸す以上無料というわけにもいかず、名目として1万円をとっています。こんな土地では不動産相場というものが成立しません

 「実はもう要らないんだけど」

 ふるさとを離れ、都会で暮らす人達にとって、親が地元に残した不動産は頭痛の種です。何にも使えないのに、固定資産税を払って、維持管理もしなくてはなりません。「もう捨てたい」と思っている人が多いのではないでしょうか。

 しかし、
日本の不動産、特に土地は捨てることができません。つまり、「不動産の所有権の放棄」という登記制度がないのです。「所有権登記」やその「移転登記」はできるのですが、「所有権放棄の登記」ができる仕組みはありません。

 これが
ドイツだと、「所有権の放棄」の登記が可能で、この場合の所有権は国庫に帰属します。しかし、日本の場合は、誰かに所有権を移さない限り、自分が持つしかありません。まさに「ババ抜き」のような制度なのです。

 本日の朝日新聞の記事によれば、法務省が調査したところ、全国約10万筆の土地で、
最後の登記から50年以上経過し、所有者が不明になっている可能性がある土地の割合は22.4%にのぼったということです。登記制度の根幹を揺るがす事態なのですが、裏返して言えば、相続は不動産を捨てるチャンスなのです。登記は強制ではありませんから、ここで登記をしないことによって、「不動産という悪霊」から逃げて、行方をくらますことができます。

 つまり、
日本の登記制度は、構造的に「所有者不明土地」を作り出すシステムだということができます。不動産が「土地神話」に支えられている頃はそのような事態に陥らなかったのですが、神話の幻想は破れ、その神話が再び修復されることはまずありません

 しかし、相続が不動産を捨てるチャンスだとしても、それは子孫に類が及ばないというだけであって、現に所有しているオーナーが救われるわけではありません。そして、そのような「救われないオーナー」という病理は、少子高齢化の進行とともに、徐々に首都圏中心部に向けて進行してきています。

 マンションという堅牢な建物は、それが個人の力では除却し難いという意味では、「捨てられない土地」と同じ運命をたどろうとしています。「マンション所有」が「勝ち組」から「負け組」へと変化する日が、もうそこまで来ているような気がします。

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| ノウハウ・経験談 | 22:24 | comments(4) | trackbacks(0) |
イノシシ・セキュリティ−23区マンションの近未来の脅威

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★ 26日付NHKニュースによれば、同日午前5時20分ごろ、長野市のJR「長野」駅の近くで、散歩をしていた60歳の男性が突然現れたイノシシに襲われ、足を牙で刺されました。けがの程度は軽いということです。

 イノシシはそのまま逃げて、小学校のそばなど市街地の各地で目撃され、午前6時ごろには、男性が襲われた現場から南に1.5キロほど離れた
マンションの入り口のガラスのドアを突き破って中に侵入したということです。そして、外階段を通って2階に上がり、通路を歩いたあと3階に移動して外階段の手すりを乗り越えて地上に転落したということです。

 さらに、午前8時すぎには、
このマンションの近くの路上で警察官などがイノシシを取り囲んで捕まえようとしましたが逃げられました。その後、イノシシは近くの集合住宅の建物と塀の間の幅およそ1メートルの隙間に追い込まれ、男性を襲ってから4時間半余りたった午前10時ごろ、麻酔銃で捕獲されました。

 イノシシは体長1メートル20センチほど、体重が65キロあるメスで、まもなく死にました。市は、剥製にして博物館で展示することを検討しています。県などは、
市街地の西側にある山から餌の豊富な川沿いを移動しているうちに市街地に迷い込んだのではないかと見て、詳しい状況を調べています。

 以上がNHKニュースの概要です。おそらくはローカルニュースのネット配信だと思われます。イノシシ被害といえば代表的なものは農作物荒らしですが、
近年は市街地に出没して人に怪我をさせたりすることも増えてきました。六甲山を背にする神戸市などがイノシシの出没する都市として有名です。

 しかし、マンションでの被害は初めて聞きました。最近、地方都市でもマンションが増えてきているので、
イノシシとマンションの出会いは必然だったのでしょう。

 考えてみれば、マンションはエントランスが広く、アプローチなどもあって、歩行者を誘うような設計がされています。逃げ惑うイノシシからすれば
広々と通路が駆歩されているように見えるマンションへ突進していくことは大いにあり得ることでした。

 しかし、マンション設計者も、
まさかエントランスドアをイノシシが蹴破るとは思っていないでしょうから、そこまでの強度はなかったわけです。イノシシはそこから外階段で2階へ上り、3階から地上へ転落という激しいことをしでかしています。それでもどうともなかったのか、結局捕まったのは、集合住宅の建物と塀との間ということですから、この集合住宅もマンションだとすれば、マンションの安全性に2回も脅威を与えたことになります。

 イノシシの被害は全国各地で見られますが、
東京23区では、イノシシは「絶滅した」とされています。しかし、近年は、東京都西部にはイノシシの出没事例がよく報告されるようになりました。山間部を擁して面積が大きい八王子市では事例が結構ありますし、最近は府中市でも目撃されたところです。

 八王子で確認されたイノシシは、
周囲の大規模緑地から、住宅街などに残されたわずかな緑地帯を利用して、移動してきた可能性があると指摘されています。イノシシの移動範囲として10数キロはザラですから、府中市のイノシシが、例えば世田谷区まで移動してくる可能性は捨て切れません世田谷区まで侵食されれば、その風土に慣れたイノシシ群が、そこから更に東へと、都心方向へ向かうのは自然な流れのような気がします。

 近い将来、23区の新築マンションが、
エントランスのガラスを二重にすることによりイノシシの突破を防ぎます」「万が一破られた場合も、フロントには麻酔銃を常時備えております」などと、イノシシ・セキュリティを謳う日が来ないとも限りません。

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| ノウハウ・経験談 | 21:21 | comments(0) | trackbacks(0) |
マンション売却入門−売れるかどうかは売り出し開始2週間ですべてがわかる

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★ 5月9日付R.E.portの記事によれば、東京カンテイは同日、直近10年間(2007〜16年)の首都圏中古(既存)マンションの売り希望価格と取引価格の価格乖離率の分析結果を発表しました。

 売却期間が1ヵ月以内での価格乖離率は3.0%減で、期間の長期化に伴って乖離率も拡大する傾向にあることが分かりました。3ヵ月以内では平均4.21%減となっており、売り出し開始からの3ヵ月間では最初の売り出し価格から4%程度値下げした金額で成約に至っていたことが明らかとなりました。

 各売却期間における事例シェアをみると、長期化に伴って縮小傾向を示しており、売却期間が1ヵ月以内でのシェアは39.6%と、
全体の4割近くが売り出し開始から1ヵ月以内での乖離率ゼロの成約に至る傾向がみられました。3ヵ月以内での累計シェアは67.3%で全体の3分の2以上を占め、売り出し開始から2回目の媒介契約の有効期間が終了するまでには86.7%と9割に迫り、大半のケースで成約に至っていることが分かりました。

 専有面積帯別での価格乖離率は、40平方メートル台から70平方メートル台にかけては首都圏平均よりも小さく6%減程度でした。
面積が極端に狭かったり広かったりするほど乖離率は大きくなる傾向があり、100平方メートル以上では9.30%減と拡大しました。

 売却期間は、30平方メートル台から70平方メートル台にかけてはおおむね3ヵ月で収まっていますが、
80平方メートル以上では長期化する傾向にあり、100平方メートル以上では3.99ヵ月と首都圏平均よりもさらに1ヵ月ほど成約に期間を要することが明らかとなりました。

 以上がR.E.portの記事の概要です。本記事は、東京カンテイの発表資料『中古マンションの価格乖離率(首都圏)』に基づくものです。

 私はまだ自己所有のマンションの売却経験はないのですが、一度査定をしてもらったことがあります。その際、営業の方から言われたのは、
「販売開始からだいたい2週間で売れるか売れないかわかります」ということでした。

 つまり、物件が
「初登場」で出てきた時に最も注目が集まるのですが、そこで問い合わせがどれくらいくるか、内見に至る問い合わせがどこまであるか、その後真剣に検討する人がいるかどうか、が勝負となります。その1サイクルが「およそ2週間」というわけです。

 最も早いのは、出た瞬間問い合わせが殺到し、検討者が
「これはヤバイ」と焦って即日申込みを入れるケースです。そんな物件は、よほど希少性があるか、価格が相場より安いか、どちらかですが、いずれにしても、価格交渉の余地などなく、ネットからは瞬時に消えていくこととなります。

 しかし、約2週間経って1サイクルが落ち着くと、
その後は問い合わせが散発的になってきます。仲介を請け負った業者も、「これは売れないな」と見切りをつけはじめ、売主に対して値下げを言い出すタイミングを計るようになってきます。あんなに熱心に「任せて下さい!」と言っていたのに、売る姿勢としては「惰性」が支配するようになります。

 購入する側はたいてい、仲介業者に
「これは売りに出されてどれくらいの期間が経っていますか」と聞いてきます。もはや目立った競合相手はいないので、「どれくらい値引きさせるか」を皮算用するようになります。また、「他に競合者がいない」ということは、「果たしてこれを買っていいのだろうか」という疑念も持たせてしまい、「買えなくても惜しくないから、価格を突っ込んでみるか」とチャレンジしがちです。

 かくて、
売却期間が伸びれば伸びるほど、値下がり幅は大きくなります。面積が極端に狭かったり広かったりするものが値引き幅が大きいのも、競合相手がいないという意味で、同じ理屈が働きます。

 東京カンテイのデータを見ると、
売却開始から半年を超えると、過半数の物件は値引率が2ケタになってきて、8ヶ月を超えると2割超の物件は値引率が20%超になってきます。5千万円の物件だと、値引額が1千万円となってしまいます。

 かといって
早期売却のためにプライシングを安くしすぎるのも考えものですから、これはセオリーにしたがって、相場より2〜3百万円高い価格を当初設定して、その程度の値引きを相手方にさせることで双方満足するシナリオが結局は安心できる、と思われます。あとは、運を祈って待つということでしょう。

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| ノウハウ・経験談 | 22:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
柱のきずはおととしの−都市と田園でまるっきり違う「家」の価値

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★ 昨日はこどもの日でした。といっても、男1人、女3人の我が家は以前からこの日の縁は薄いのです。柏餅を買って帰るかどうかずいぶん迷った末、「またお菓子買ってきたの」と非難されるリスクもあるなと、結局買わずに家に帰りました。

 柱のきずはおととしの
 五月五日の背くらべ


 私が子供の頃、小学校でさんざん歌った童謡「せいくらべ」です。今の20歳代、30歳代の方々は、この歌ご存知なのでしょうか。なんとも平和な雰囲気で、子どもたちが無邪気に遊びまわり、「早く大きくなりたい」と、明るい未来をいっぱいに感じさせる歌でした。

 この歌をモチーフにしたと思わせるCMを、数年前どこかのハウスメーカーが作ったような覚えがあります。懐かしい我が家をついに売却する時、ご主人がふと「柱の傷」に気づいて、小さいころに兄弟で背丈を競い合った昔が眼前に蘇るのです。
家、というのは、その家族の人生そのものでした。

 しかし、今の時代に、少なくとも東京23区では、
我が家の柱をあえて傷つける人はほとんどいないことでしょう。なぜならば、家は資産価値であり、財産であって、いつかは売却して換金することが大いに有り得るものだからです。私と妻は、ワンコがキッチンに入ってこないよう(じゃがいもなど犬に有害なものがあるからです)、半年くらい大いに悩んだ末、キッチン入口の柱に両面テープを小さく貼って柵を立てたくらい神経を使いました。

 ただ、こんな気を使うのは、
将来の住替えを考える都市型住民のみなのでしょう。関西の田園地帯に住む私の甥は、家の長男として、先祖代々の土地の古くなった家を取り壊して新居を作りました。ここから移り住むはずもないので、家には暖炉を作ったりするなど相当こだわりの建築となりました。その家は、甥の家族がずっと住み続けるものなので、「柱の傷」もつけ放題です。

 都会と田舎では、土地と家の値段がまるっきり逆転します。都会の家の値段はほとんど土地代です。昨年見た渋谷区神山の新築戸建は価格が1億1,500万円でしたが、そのうち土地代(50平米)が1億250万円、家屋建築費が1,250万円と聞いてひっくり返りそうになりました。田舎では逆に、土地代は数百万円からせいぜい1千万円台なのに対し、家屋建築費は3〜4千万円程度になります。土地が広いために家屋も大きくなるほか、ほぼ永住することになるので、上記のようなこだわり部分も多くなるのです。

 かくて
都会には、大量生産の家という「ハコ」が無表情に街並みを形成することになります。でも、それでよいのです。なまじ個性などあったら売却しにくくなるからです。

 こうなると、
「自宅所有」と言いながら、なんだか借り物に住んでいるような心持ちになります。私達が必要としているのは家という「財産」なのか、それとも「生活の場」なのか−「柱に傷」など酔狂になってしまった現代の都会にはやや物悲しさも感じます。

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| ノウハウ・経験談 | 21:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
おそるべしプラネスーペリア−四条河原町の真ん中で

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★ 2日前の4月30日のブログ『遂に我がマンションに鴨が飛んで来ました』で急きょ京都出張が入った朝の出来事を記しましたが、本日は京都に行ってびっくりしたことを綴ります。

 その日の午前中、京都の得意先にご挨拶に行って無事に用事を済ませた後、時間がぽっかりと空いてしまいました。


「お昼は河原町で食べるか。。。」

 私は入社したての頃に関西勤務となり、約2年間過ごしました。当時、彼女と京都へ遊びに行ったときは、必ず基点となったのが京の繁華街の中心地である四条河原町です。もう30年も前のことになりましたが、ふと懐かしくなって訪れてみることにしました。

 人気のお店「葱や平吉 高瀬川店」で列に辛抱強く並んで「唐揚タルタル定食」を食し(もう夕飯はいらんと思える量でした)、すっかり重たくなった胃袋をもてあましながらゆっくりと「河原町」駅まで戻っていくと、何やら工事をしていて警備員さんが歩行者の交通整理をしています。


「けったいな場所で工事してはるわ」

と、すっかり関西にいた頃の心持になって工事の方向に目をやると、

「プラネスーペリア」

という文字が目に飛び込んできました。

「プラネスーペリア?? ってマンションやないかい!」

 私は腰を抜かさんばかりに驚きました。場所は四条河原町の交差点からすぐのところで、東京で言えば銀座四丁目の交差点からすぐの場所に当たります。京都タカシマヤの向かいで京都マルイの隣になりますので、銀座で言えば三越の向かいで和光ビルの隣といったイメージです。

 このマンション名は、『プラネスーペリア京都四条河原町』です。さらに驚いたのが価格水準で、少し前の販売戸数は6戸で、間取り2LDK、専有面積54.75平米〜55.61平米に対し販売価格4,380万円〜5,050万円、
坪単価264万円〜300万円と、坪単価200万円台後半から購入することができます。

 調べてみたところ、本マンションの
平均坪単価は310万円台と、近年の河原町周辺のマンションの中では最も高くなっています。しかし、その分、中心地である四条河原町交差点に最も近く、希少性が光っています。

 銀座四丁目交差点付近でマンション建築などありえないのですが、万一それが実現したとして、その
坪単価は1千万円を軽く超えてくることでしょう。京都の場合はむしろ御所周辺の方が高級マンションが多く、話題となった『ザ・パークハウス京都鴨川御所東』(平均坪単価480万円台)や『プラウド京都御所東』(平均坪単価400万円台)などがその代表例になっています。

 しかし、
本マンションから鴨川まで徒歩3分、花見小路通まで徒歩7分、八坂神社まで徒歩10分余りで、まさに京三昧の日々が楽しめます。その意味で、地元の人の実需用だけでなく、京都に遊びに来る富裕層のセカンドハウス的な需要や、賃貸需要に全く困らない投資用としても、幅広い活用が見込めます。

 「プラネスーペリア」と言えば、昨年2月1日のブログ『奈良都心の新築マンションは坪150万円!−マンションの穴場となった古都』でご紹介した当のマンションが『プラネスーペリア奈良三条通り』でした(ちなみにまだ値引きの上販売しており、
坪142万円で購入できます)でした。奈良や京都の中心地で格安でマンションを販売するプラネスーペリアシリーズにはもう脱帽です。

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| ノウハウ・経験談 | 20:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
遂に我がマンションに鴨が飛んで来ました

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★ のっけから変なタイトルですみません。これは、3年以上前の2013年12月13日の本ブログ『今年もカルガモは来なかった−誰もが影響を受けるマンション販売イメージ戦略』の続きです。

 この時書いたのは、私が今のマンションに決めた理由の一つが、本マンションのパンフレットに描かれていた
「マンション内の池でカルガモのような水鳥が静かに泳いでいる1枚の絵」であった、ということでした。その絵のタイトルは、「朝もやの森を包む、水音の静けさ」というもので、私はこの地にそのような幻想的な光景が出現することをなぜか確信して、わくわくしながらそのページを何度も見入ったものでした。

 しかし、住み始めてから5年経った当時、
そのような光景をとんと目にすることはなく、私は「イメージ広告にしてやられた」と実感したのです。「少し考えれば、毎日水が循環ろ過されてエサが育ちようもない人工的な池に、鴨がわざわざ好んで降り立つはずがないじゃないか」と自嘲気味に思いを綴ることで、この幻想に別れを告げたのでした。

 そして、
つい3日前のことです。私は急遽決まった京都出張のため午前5時に起き、午前6時過ぎにマンションのロビーを足早に通りすぎようとしていました。そこからはマンション用地内に設えられた例の池を眺めることができ、私はいつものように、何気なく横目でその池の風景をとらえていたのです。

 すると、なんとそこに、
2羽の鴨が、

ふぁさふぁさふぁさーっ

と格好良く降下してきて、池の水面に順々に着地したではありませんか。

「お、お、おおーっ」

 私は、その場に呆然と立ち尽くしてしまいました。まさにマンション広告のパンフレットで描かれた通り、2羽の鴨が「朝もやの中を、静かに泳ぐ」光景が目の前で展開していました。そのうち1羽は、水辺から陸へと上がり、何の心配もないかのように優雅にゆっくりと歩き出しました。私がこのマンションを買う決め手となった夢の風景が遂に実現したのです。

 私は3年前、これを実際には起きそうもないマンション広告のイメージ戦略だとして、やや批判的に書いたのですが、
これが単なるイメージではなかったことを訂正しなければなりません。もしかすると、早朝にはこのような風景が日常的に起こっていたのかもしれませんが、私には「この池も遂に鴨に認められたのか」という思いの方が強くあります。

 マンションができてすぐの頃の池は、
鴨の目からもやはり人工物のまがいものと見えたのではないでしょうか。それが年月を経て、人工物といえども池は池らしく、池の水は池の水らしくなっていったのでしょう。それは毎日循環ろ過装置が働いていたとしても、何というか、「池の池らしき風格」が出てきたのではないか、と思えるのです。

 地上に造られたものが
街に馴染み、自然に馴染むには時間がかかります。私の住むマンションも、築後10年目に入り、ようやく自然に受け入れられたような気がしました。おかげで京都への電車には1本乗り遅れましたが、とても気持ちの良い朝を体験することができたのでした。

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| ノウハウ・経験談 | 21:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
都心一等地で利回り10%を実現!−不動産投資における素人の強み

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★ 私の知り合いで、こつこつと不動産投資を行っているAさんがいます。区分マンション投資なのですが、スカイコートなど大手の投資用区分マンションを購入するのではなく、ネットでよさそうなものを見つけて、手をかけてモノにしていくやり方です。

 昨年、Aさんは、ネットサーフィンをしていたところ、「ありえない」と思える価格の安い都心マンションを見つけました。そこは、
新築マンションで購入すれば、現在では坪1千万円でもおかしくない羨望の立地なのですが、そのマンションの価格はなんと坪単価120万円を切っていたのです。

 もちろん、築年数は古く、
昭和40年代に建てられたマンションでした。普通は新耐震がどうかを気にするAさんでしたが、この価格水準であれば度外視です。早速、仲介している会社の担当Bさんに電話しました。

 しかし、Bさんのノリが今一つ悪く、まるで
現地の案内をためらっているような雰囲気さえありました。不思議に思いながら現地を見に行くと、予想以上に古ぼけた外観にまず驚きました。部屋の中は、段ボール箱が山積みになって、とてもまともに生活していた雰囲気ではありません。

「実は任意売却物件でして、競売がもう来月に迫っています。」
「ああ、それでこんな状態なんですね」
「で、一番申し上げにくいのが、このマンション、管理組合がないんです」
「えっ!?」
「だから、修繕積立金はゼロなんです。もう古くて外壁も見ての通りですから、先行きは保証できません」

 Bさんによれば、問い合わせは多いものの、この話をした途端に個人客はみな敬遠してしまうそうで、Aさんもきっとそうなるだろうと思い、Bさんは案内に乗り気ではなかったのでした。競売標準価格はもっと安く、坪単価75万円程度のため、債権者である金融機関は少しでも高く売ろうと、任意売却を選択したのでした。

「じゃあ、この建物は、建てられてから半世紀近く、まったく修繕していないということですか」
「いや、そういうわけじゃなくて、10数年前に外壁と屋上防水をやり直しています。本マンションには元売り主のご子息Cさんが住んでおられ、Cさんが各戸に呼び掛けてお金を集めたようです」
「あっ、じゃあ全く管理されていないわけではないんですね」
「ええ、Cさんが毎月数千円集めて、建物全体の清掃とかやっておられるようです」

 Aさんは仲介業者Bさんと別れた後、思い切ってCさんの部屋の扉を叩きました。そして、Cさんが誠実かつまじめな人で、マンション各戸のオーナーともしっかり連絡を取り合っていることが確認できました。さらに、家に帰って土地価格を調べたところ、対象住戸の土地の持分の路線価がなんと今回の売値を上回っていることがわかりました。

「これはひょっとしていけるかも」

 数日悩んだ末、Aさんは、Bさんに電話を入れました。

「え、買われますか」
「はい」
「いくらで札を入れますか。実はプロの業者が複数、指値を入れようとしてますので、競争になりますよ」
「・・・満額で買います」
「それで本当にいいんですね?それならAさんにお売りします」

 その後、Aさんは金融機関に話を持ち込んだのですが、いつ取り壊されるかもわからない築古物件への投資のため融資に強い難色を示されました。しかし、最後は土地値で融資全額を担保できる点が決め手になって、何とか資金を確保し、競売寸前で融資が実行されました。リノベーション費用も融資金額に含めてもらい、業者を選択の上スケルトンからのフルリノベーションを実施、あまりの古さにリノベーション業者も悪戦苦闘しながら4か月かけて完成、これを賃貸に出したところ即座に借り手が見つかり、維持管理費が毎月数千円と安いため、都心の一等地で実質利回り約10%で運用が実現しています。

「ほう。まさにしてやったり、ですね」

 Aさんが依頼した賃貸管理会社の代表からは感心したようにこう言われたそうです。もちろん賃借人が付くまでに約半年を要し、その間の労力と悩みは並大抵ではなかったようですが、「いい経験をさせてもらった」とAさんは思っているようです。

 これは、
Aさんが素人だから、相手の言い値で購入し、手間とコストをかけてしまったのですが、逆にそのような素人でなければ、この物件を購入できませんでしたし、上記のような成功はなかったでしょう。もちろん、これが将来も「成功」と言えるかどうかわかりませんが、Aさんが引き続きこつこつと運営していけば、そんなに心配はいらない気がします。

 私たち
一般個人の不動産購入者は、業界で「エンド」と言われます。業者にとってみれば、最後にすべてのコストを背負って多額のお金を払ってくれる存在です。ただ、「エンド」は「エンド」なりの強みがあり、それは、じっと辛抱強く、不動産を愛着を持って持ち続けられる、ということです。これが実は、結果的に富を最大にする王道ではないかと感じています。

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| ノウハウ・経験談 | 20:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
大手には濡れ手に粟の不動産仲介業?−「寄らば大樹」から脱却しよう

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 「この間、いい中古物件が出たんだよね」

A君は、職場の同僚で、数年前に中古マンションを購入し、現在、その住み替えを検討しています。

「おお、やっと出たか。探していた甲斐があったじゃないか」

以前からマンション談義に花を咲かせていた友人だけに、私も心から祝福したい気持ちになりました。

「いや、いいのが出たんだけど、買うのやめたんだ」
「えっ、あれだけ熱心に探していたのに」
「だって、売却と購入と、それぞれ仲介手数料がかかるんだってさ。もうばかばかしくて。手数料とるのはせめて1回にしろよ」
「あっ、そういう…」

 A君は、住み替えの相談を、現在住んでいるマンション「PH」の元売主M不動産のグループ会社である大手不動産仲介業者M不動産Rにしていました。ただ、M不動産Rが何かしてくれたわけではなくて、買い換えたいマンションは、A君自らネットで探し出したものでした。しかし、住み替えをスムースに進めるには、売却を相談したM不動産Rにお願いした方がいいのではと思い、M不動産Rに購入の話を持ち込んだのです。

 しかも、A君が買いたいと思った物件は、やはりM不動産が元売主だった物件「PC」です。「どんだけM不動産が好きなんだ」と思ってしまいますが、この物件「PC」の所有者BさんもA君と同じく、M不動産Rに住み替えを相談していました。したがって、
M不動産Rは、ほとんど労せずして、3%+6万円の仲介手数料を3回手に入れられるところでした。物件価格はいずれも7千万円台ですので、ほぼ一度の取引で、物件価格の1割近い約700万円の仲介手数料が転がり込む計算です。

 実は私が住んでいるマンションも元売主がM不動産なのですが、このマンション居住者が
売却の際の仲介をお願いする先は圧倒的にM不動産Rです。近くのT不動産販売はこれに対抗すべく、仲介手数料40%オフのキャンペーンをずっと続けているのですが、それでも皆さんの選択はM不動産Rなのです。

 M不動産Rに仲介をお願いする理由は、
「元売主がM不動産だから」「皆がそうしているから」ということに過ぎません。しかし、M不動産RとM不動産は別の会社であり、M不動産RがM不動産の物件に詳しい訳ではありません。ただ、皆がM不動産Rに売却を依頼するので、結果的に本マンションに詳しくなったということはあるでしょう。

 私が見聞きしているところによれば、
売却を一生懸命に頑張ってくれるのは、むしろ中小の仲介事業者です。彼らは顧客から預かっている物件が大手に比べて圧倒的に少ないため、一個一個の物件の成否が業績を左右するからです。

 統計によれば、仲介最大手のM不動産Rの仲介手数料の平均両率は5.36%で、すなわち
5件の成約のうち4件以上が「両手仲介(1件の不動産売買において売主と買主の双方から仲介手数料を受領すること)」だったことになります。 

 この主な原因は、私達仲介を依頼する側の
「寄らば大樹」的な意識です。しかし、実際には、売れるかどうかは物件の良し悪しとそれに見合った価格設定かどうか、ということに尽きます。真剣に中古を探している人は、A君のようにネットを始終チェックしているのが通例であって、物件探しを仲介事業者に丸投げし、仲介事業者でそれをマッチングさせるようなケースは実際には少ないのではないでしょうか。

 ネット専門で仲介を行っている業者の中には、
仲介手数料0.7%を最大限とするほか、売主又は買主が業者の場合には仲介手数料を無償とした上でキャッシュバックまでもしてくれる会社もあり、こうなると大手と比べてコストが数百万円変わってきます。

 小規模仲介事業者で上手くいかないと思ったら、期間の経過とともに解約し、あらためて大手に依頼することもできます。「なんとなく安心だから」という気持ちで大手に頼み、結果的に購入を断念したA君の二の舞いにならないよう、気をつけたいものです。

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| ノウハウ・経験談 | 22:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
「この物件、実は…」−事故物件は未来永劫「告知事項有り」なのか

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★ ネットサーフィンで不動産物件を見ていると、たまに「おっ」と思う安い物件に出遭うことがあります。しかし、ほとんどは、「所有権」ではなく「賃借権」物件であったり、戸建てであれば「再建築不可」物件であったりと、「ああ、やっぱりね」と落胆することになります。

 しかし、間口はしっかり取れているし、
どう見ても再建築不可物件には見えないのに安い、というものが稀にあります。戸建てや土地を探していた時分には、勢い込んで現地を見に行ったのですが、そこで業者からさりげなく、こう告げられたことがあります。

「実はこの家で、●●が原因で人がお亡くなりになっていまして」

 これが世間でいう「告知事項有り」物件、ということになります。それならそれで予めチラシに掲示しといてよ、と思うのですが、チラシに掲示した瞬間、殆どの人は引いてしまって見学のアポすら入らなくなるでしょう。現場を見れば、案外気にならない場合だって確かにあるかもしれません。

業者「確かにそういう物件なのですが、だからお安くしています。」
私「でも、この告知事項って、いつまでやればいいんですか。もし私がこの物件を30年後に売却するとしたら?」
業者「…その時も告知することになるでしょうね。でも30年も経ってますからね。買われる方も気にしないんじゃないですか」
私「…」

 調べてみると、賃貸であれば、事故後一人借りたら、次からは告知しなくてよい、といった判決もあるようです。しかし、売買となると、所有権が移転するわけですのでそのような軽い扱いにはならず、未来永劫「告知」し続けるのではないか、としか言いようがありません。

 しかし、京の町は室町時代に応仁の乱で壊滅的な打撃を受け、そこかしこで人が亡くなっているはずですが、京都で物件を購入しても
「実はここで650年前の応仁の乱の時に火災で人がなくなっていまして」のような告知は受けないでしょう。それはそのような告知の制度がなかったから、ということなのであれば、今から650年後の2667年には告知をする必要があるのでしょうか。それとも100年位経てば、もう勘弁してもらえるのでしょうか

 今はネットで事故物件を簡単に検索できてしまいます。そして、
ネットでの特定の特徴は、「永遠にその履歴が消えない」ということです。例え建物は除却できても、土地の履歴は消せません。たまたまそこで事故が起こったばっかりに、その土地は未来永劫、価値が大きく毀損されることになります。

 ネット社会に関連して、EUでは
「忘れられる権利(right to be forgotten)」が盛んに議論され、日本でも昨年から今年にかけて、その是非が最高裁まで争われました(結局、権利としては否定されました)。これは個人の人格権の保護が法益となっているものですが、事故物件の最近の有り様は、この「忘れられる権利」の議論を思い出させます。

 もちろん、土地に土地としての人格権があるわけではないので、その事故物件となってしまった
不動産の所有者の経済的利益の保護の必要性があるか否か、買い主の利益の保護とのバランスはどうか、という観点から考えるべきでしょう。

 面白いのは、
大規模マンションでは過去の履歴、工事中の事故、施工後の居住者の行動等により、事故が複数起きているはずなのに、それで物件の価値が大きく損なわれたとはめったに聞きませんし、それぞれの住戸を売却するときも逐一告知はしていないのではないでしょうか。「大勢で住めば告知要素もなくなる」というのも不思議な話ではあります。

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