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タワマン投資は儲かるのかー5年で850万円、10年で1,160万円の純利益?

JUGEMテーマ:マンション


★ 私がさまざまにモデルルームを回ってマンションを探していた頃、東雲のマンションパビリオンで自らマンション投資をしている販売員と出会いました。彼のマンション投資の対象はタワーマンション一本で、賃貸しているオーナーチェンジ物件を購入し、賃借人が退去したらすかさず高く売る、というものです。

 この手法には、次のような特徴があります。


1.タワーマンションは、賃貸にも売却にも強い
 タワーマンションは人気があるため、高い賃料で貸せますし、高い価格で売却できます。少なくとも、賃料や売却価格を調整すれば、借り手がいない、買い手がいない、ということはありません。その意味で、オーナー側のリスクが低いと言えます。

2.賃貸中の物件は、空室物件に比べて安く買える
 賃貸中物件の購入者は投資家であり、利回りをみて買います。融資を組む場合、表面利回りが5%超はないとインカム収支が大きな赤字となります。そのような物件は持つだけで負債ですので、買い手を見つけることは困難です。したがって、オーナーチェンジ物件は、上値が抑えられ、空室物件より安く買える傾向があります。

3.空室にすれば高く売れる
 空室物件の購入者は実需のお客様です。利回りなどは関係なく、本人のライフスタイルに合うかどうかが決め手です。私の感覚では、実需のタワマン売買の価格水準は、表面利回りで言えば3%台です。したがって、利回り5%物件を3%で売ることとなり、ここに投資妙味が生まれます。

4、タワーマンションは、中古価格も賃料も下落しにくい
 タワーマンションは、エリアのランドマーク的な存在になりやすく、そのような物件は人気が落ちないため、中古価格も賃料も下落しにくいです。投資物件をシミュレーションする場合、経年による賃料下落と出口の売却価格の下落を考慮に入れなければなりませんが、タワーマンションは相対的にこの点について楽観視することができます。つまり、入口で安く買えていれば、賃貸付けには困りませんので、実需の出口で高く売れる可能性が高くなります。

5.インカムゲインではなくキャピタルゲインをねらう
 木造アパートの場合は、経年劣化が激しいため、高い利回りによりインカムゲインを得て、投下資金の早期回収を図る投資法です。一方、タワーマンションの場合は、利回りが低いため、インカムゲインはほとんど見込めません。その代わり、値崩れのしにくさを使って出口で高く売ることによりキャピタルゲインをねらいます。

6.リスクが相対的に低い
 以上の通り、タワマン投資は、入口さえ間違わなければ、根強い賃貸需要に支えられて残債を減らしていき、最後は空室にして売却をするという、苦労や悩みがそれほど大きくない投資法と言えます。もちろん、今のタワマン人気が続いていることが前提であり、これがひっくり返ればたちまち暗転することにはなります。

 例えば、今投資市場で実際に売りに出されている物件を例に挙げます。
中央区の人気のタワーマンション高層階で、専有面積約71平米の2LDKが6千万円、利回り5.2%で売られています。本物件の実需での相場は7,390万円です。

 これを1割自己資金、金利2%、期間30年の投資用ローンで購入した場合、
毎月の支払は199,594円です。賃料月額26万円から管理費・修繕積立金・管理委託費5%を支払うと、手残りは19,996円、年間239,950円にしかなりませんので、ここから固定資産税・都市計画税・所得税・住民税を支払うと年間約10万円は赤字になるのではないでしょうか。

 しかしながら、この物件を
5年間保有すればローン残債は4,709万円、10年間保有すればローン残高は3,945万円になります。5年後に実需相当(5%下落)7,021万円で売れば、上記のロスや当初の自己資金、仲介手数料等諸費用を差し引いた実質収益は約850万円、10年後に実需相当(10%下落)6,651万円で売れば諸費用等控除後の実質収益は約1,160万円となります。

 ここから
譲渡益課税20%が差し引かれるわけですが、通常の不動産投資と比べた手間の少なさ、リスクの小ささに対し得られるものは大きいと言えます。とは言え、調子に乗ると痛い目にあう可能性もありますので、マネージできる範囲で検討する意味はあると思います。

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| ノウハウ・経験談 | 19:17 | comments(0) | - |
23区で災害に強い街は意外なあの区ー災害で肝心なのは地盤や地形だけじゃない

JUGEMテーマ:マンション


★ suumo首都圏版10月27日号では、「首都圏184市区GNSで読み解く『災害に強い街ランキング』を特集しています。GNSとは、「曝露量」と「脆弱性」の2要素を基にスコア化したものです。

 「曝露量」とは、
「自然災害の発生頻度」と「災害発生時に影響を受ける人口割合」から算出し、地震・津波・高潮・洪水・土砂災害・火山災害の6つの自然災害をスコア化しています。

 「脆弱性」とは、
「ハード対策」と「ソフト対策」の充実度を基に算出され、「ハード対策」とは、建物や上下水道の耐震化、道路の修繕率、防災無線の整備率など、インフラの整備等の物理的な対策指し、「ソフト対策」とは、食料や飲料水の備蓄、10万人当たりの医師数、ハザードマップの公開率など、物資の備蓄や医療の充実等社会的な備えによる対策を指します。

 首都圏184市区におけるランキング
1位は所沢市、2位は和光市、3位は北本市と、埼玉県中央部のエリアがトップ3を独占する結果となりました。ここでは、23区のランキングをみてみたいと思います。次の通りです(カッコ内は184市区におけるランキングです)。

1(9) 渋谷区  2(15) 文京区  3(21) 新宿区
4(25) 目黒区  5(26) 豊島区  6(34) 中野区
7(91) 杉並区  8(93) 世田谷区  9(95) 練馬区


 このランキングは100位までしか発表されておらず、23区のうち9区までが100位内にランクイン、しかし14区は圏外となりました。母数が184市区ですので、23区は総体としてみれば、他の市区より災害に強いとはいいがたい結果です。また、上記9区も、6位までは上位と言えますが、7〜9位は184市区ランキングでは90位台で、必ずしも上位にあるとは言えません。

 23区トップの
渋谷区は、名前の通り中心部が低地にあり、暗渠となった渋谷川が地下を流れるなど、必ずしも災害に強いイメージがなかっただけに、意外でした。その意味では、目黒川が流れる目黒区や、大繁華街を抱える新宿区なども、どちらかと言えば下位を予想していたところです。

 渋谷区は、地震への強さで11位、洪水への強さで14位、ソフト対策で6位といったところで高評価でした。文京区は、地震への強さで17位、ソフト対策で5位、新宿区は、ソフト対策で4位でした。つまり、
23区上位は、行政のソフト対策が評価されている割合が高いようです。

 これは、ある意味、
危機意識の表れなのかもしれません。渋谷区、新宿区は大繁華街を抱え、文京区もビルが密集しており、いざ大災害発生となったときに、大混乱になる可能性が高いと言えます。これに備えて、ハザードマップを全面的に公開し、食料や飲料水の備蓄に努めるなど対策を徹底して行っているのでしょう、医師数については、渋谷区、文京区、新宿区とも多数の病院やクリニックが存在しているだけに、元来充実していると言えます。

 私も武蔵小杉で昨年の浸水被害を経験しているだけに、
大事なのは災害発生後一定の期間必要とされる人的支援であることを痛感しました。災害リスクと言えば、つい地形や地盤にばかり目が行きますが、通常は目に見えない罹災後のフォローアップ体制の充実度にも、もっと目を向けるべきだと考えます。

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| ノウハウ・経験談 | 21:44 | comments(0) | - |
不動産投資の効率性とリスクーマンション投資は本当に手軽なのか?

JUGEMテーマ:マンション


 「大変です!」

 ある日、私の職場で経営戦略部のA君が飛び込んできました。

「どうしたんだ、A君らしくない」

 机の上のコーヒーを飲んで一服しようと思っていた私は、A君のただならぬ表情に思わず手を止めました。

「ITベンチャー企業のB社が我が社の製品Cと競合するアプリを開発しまして」
「ん。Cって何だっけ…あ、あの情報管理部でDさんがこつこつ更新しているファイルのことか」
「B社のアプリは、クライアントに無償で提供するんだそうです!」
「えっ、まあ、大した製品じゃないから…うちは、ほら、主力の製品Eにその分もっと傾注すればいいんじゃないか」
「何言ってるんですか!」

 A君の剣幕に驚いて、あらためて我が社の製品Cの状況について説明を受けました。この製品Cにかけている年間コストは4百万円なのに対し、なんと売り上げは1億5千万円もあるというのです。確かに我が社の主力製品Eの売り上げは約100億円ではあるものの、それにかかるコストは70億円にも上っています。ROI(Return on Investment=費用対効果)は主力製品が42%なのに対し、周辺商品Cは3,650%という「化け物製品」だったのです。

 厳密にいえばDさんの人件費を加える必要があるかもしれませんが、
Dさんも製品Cへのケアは本来の庶務業務の片手間にやっているに過ぎず、無視してもいいくらいです。製品Cの製造過程は、他社からデータを4百万円で購入し、それを各クライアントの文字コードに合わせてコード変換をして、ファイル化して送信しているだけなのです。このファイルは毎月更新されるので、これをクライアント約400社に送り、更新費を含めた年会費をとっているのでした。

 送っている
コンテンツも地味ですが、業務にはなくてはならないものです。あまりに地味すぎて、他社は見向きもしなかったわけですし、B社は無償で配る付加サービスぐらいにしか位置付けませんでした。しかし、これにより我が社の製品Cは大打撃を受けることになります。おそらくひとたまりもなく淘汰されていくことでしょう。

 逆に言えば、
儲かる秘訣というのは、誰も見向きもしない分野で地道に取り組むことだと実感しました。本業務を5年やっている庶務担当のDさんは、実は我が社の稼ぎ頭だったわけで、一人で7億5千万円を稼ぎ出したことになります。この多大な貢献に、社長賞を出してもいいくらいです。

 現在、サラリーマンの副業が取りざたされ、
皆が手を出しやすいのがワンルームマンション投資をはじめとする不動産投資です。少額の元手で年間数十万円の副収入などと言われていますが、そのためには数千万円の投資ローンを組まなければなりません。上記のROIは40%もいけばレバレッジの効果として合格点となりますが、リスクはその分極大化します。

 製品Cは、元手をほとんどかけていないため、リスクは極めて小さく、利益は極めて大きい「金の成る木」でした。もちろん今回のB社アプリのためそんな思いはできなくなりますが、撤退コストもほとんどなく、「ああ、残念だったね」ですんでしまいます。

 私たち
サラリーマンが考えるべき投資とは、本来このようなリスクも苦労も少なくて、撤退が容易なニッチな仕組みを自分の頭を使って構築することではないでしょうか。業者の言われるままマンションに大金を投資し、借金を背負うよりははるかに健全です。社会にも貢献できるわくわくできるクリエイティブな事業を構想してみたいものです。

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| ノウハウ・経験談 | 19:44 | comments(0) | - |
80年代のトレンディドラマの街は今…ー積算7千万円物件が4千万円で売られる理由

JUGEMテーマ:マンション


★ 「これは…」

 ある日の朝届いた物件紹介のメールが目を引きました。


「駅徒歩5分戸建て。土地約430平米 建物約230平米。価格約4,800万円、積算約7,000万円 指値OK」

 徒歩5分の駅は東急田園都市線のかつてトレンディドラマで名を馳せた駅です。そんな駅近の430平米もある土地が230平米の建物付きで4千万円台、しかも積算は価格の144%にもなり、値引き交渉も可能だというのです。1970年代の建築なので建物はボロボロかもしれませんが、接道は幅員約6mの立派な道路です。築年数から土地値だけで7千万円の積算がある計算ですので、どこをどう買っても「お得」にしか見えません。

 娘たちが来年には社会人になって家を離れるかもしれないので、今さらこんなでっかい家を買う予定などもちろんないのですが、日頃の不動産好きが嵩じて気になって仕方がありません。東急田園都市線の各駅は、自宅のある武蔵小杉駅からは案外行きにくく、実際行ったこともないエリアでしたが、物件場所が判明したので、この機会に訪ねてみることにしました。

 「武蔵小杉」駅からJR南武線を利用し、「溝の口」駅から東急田園都市線に乗り換え、かつて新興住宅街と言われたエリアに入っていきます。降り立った駅は、「武蔵小杉」駅と全く異なり、
駅前にマンションが一つもないオール戸建ての風景でした。

 駅には住民の要望により、
エレベーターがつけられていました。ホームは道路面からかなり下にあるからです。「このエレベータを使うのはご老人の方々なのか、それともベビーカーを使う若いご夫婦なのか」思わず考えてしまいました。80年代に30〜40代でトレンディなこの地に家を建てた方は、今では70〜80代です。しかし、世代交代がうまく進んでいれば、やはり30〜40代の方が主流となっていることもあり得ます。私がその時目にしたのは、ベビーカーを押す若いお母さんで、何気にほっとしました。

 駅前を歩いていると、住民がこの地で結んでいる協定の看板がありました。
最低敷地面積は160平米を守ることとされ、確かに、駅前でもこの地は細切れにされることなく、十分な広さの2階建ての庭付き戸建てが整然と並んでいました。しかもきちんと手入れされたきれいな戸建てとお庭が多く、言わば「田園都市ライフ」そのものでした。
 
 さて、目的の物件は、駅から徒歩5分です。線路沿いの道路からそれると、道は下り坂となり、さらに今度は上り坂となって、起伏のある道路を徐々に上っていきます。思いがけず出てきたアップダウンに少し戸惑いながら、坂を上り詰めると、その右手に大きな古屋が現れました。


「あっ」

 これが目指していた物件とわかり、なぜこの値段なのか、そして値引きOKなのかも一瞬でわかりました。約430平米の土地は坂のてっぺんから崖に沿って広がっており、約230平米の古屋はその崖を覆うように建てられていたのです。頂上付近はご家族のための居住スペースで、そこから崖を平らにして中庭を作り、その先にはおそらく友人や仲間たちを集め、場合によってはビジネスにも使えるような、崖先ならではの眺めの良い離れが建てられていたのです。

 90年代に外国で約220平米の部屋で暮らしたことがある私も、当時
このような家で日本で暮らせたら、と思ったものです。海外のように親しい仲間たちを呼んでホームパーティーを開き、昼は緑の芝生で語らい、夜は素敵な夜景を眺めながらシャンパンを傾ける、そんな生活に憧れたのでした。

 そしてこの家は、
そんな生活を田園都市で実現したものだったのです。駐車スペースも十分にあり、また路上に車を停めても文句を言う人はいないので、どれだけ人を呼んでもOKですし、またその人たちを家に泊めてあげることもできます。この地をモデルにした80年代のトレンディドラマでは、そんな30〜40代の成功者のご夫婦たちが、その間で微妙に恋愛感情が交差するシナリオが人気を呼びました。この家は、まさにそんなトレンディドラマの舞台そのものだったのです。

 この崖に沿って広大に建つ廃墟は、
修繕して使うにもおそらく数千万円はかかります。また、解体して新築しようにも、今の条例では急傾斜地制限で再建築はできないかもしれません。そもそも、80年代に憧れられたライフスタイルは、今の日本には存在しません。都会の一角でご夫婦同士が集まってワイングラスを傾けるホームパーティーを頻繁に開きあう、などという嗜好はなくなってしまったと言っていいでしょう。私は昔は洒落ていたであろう錆だらけの欧米風POST BOXを眺めながら、切ない気持ちになりました。

 しかしこの物件も、オーナーが大事に使い続け、うまくご子息に引き継ぐか、あるいはメンテがしっかりしているうちに売却すれば、
資産価値はそれなりに保てたと思われます。その意味で、街としての流行を乗り越えて住宅を維持するというのは、大変な努力が必要だと思います。この駅周辺のきれいな街並みも、努力の歯車がどこかではずれると、途端にさびれていくような、そんな危うさを感じてしまいました。

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| ノウハウ・経験談 | 19:58 | comments(4) | - |
コロナで武蔵小杉タワマンから住民が続々と逃げ出している!(妄想)

JUGEMテーマ:マンション


★ 2週間くらい前の土曜日の昼下がりのことです。ちょっと時間が空いて武蔵小杉の自宅近くをぶらぶら歩いていると、その様子で地元民とわかったのでしょう、一人の男性が私に近づいてきました。

「失礼します。私、〇〇社の週刊●●の記者のAと言います。」
「は?」

 日本で知らない者はいない超有名週刊誌の記者から突然声をかけられて、私は面食らいました。生まれてこの方、街角でスカウトに声をかけられたこともなければ(当たり前ですが)、目立って良いことも悪いこともした覚えがない一小市民の私としては、最大級の警戒モードになって身構えました。

「いやあ、今コロナで大変じゃないですか。ちょっと小耳にはさんだんですが、コロナで人が密集する小杉のタワマンに住むのは危険だとかで、住民の方々が逃げ出して、郊外に向かう動きがあるっていうんですけど、そんな話を聞いたことないですか?」
「へ?」

 そんな話は初耳でした。確かに一部の論調では、感染者が多い東京を離れて地方移住が進むのではないか、みたいな希望を込めた観測がされていますが、実際にはそんな動きを東京の都心の職場でも見聞きしたことはありませんし、それがなぜ「武蔵小杉」の「タワマン」なのでしょうか。

「…いや、聞いたことはありませんが」
「そうですか…そうですよね。小杉は便利な街になりましたからね。でもそんな小杉の便利さより郊外の方に行きたいって人もいるんじゃないかと聞いたんですけど、やっぱりいませんかね」
「いやあ、聞いたことないですね」

 なおも食い下がるA記者でしたが、いくら人が良い一小市民の私でも聞いたことがない話を「そうですね」と相槌を打つわけにもいかず、A記者は残念そうに立ち去って行きました。

 昨秋の台風19号で道路冠水の被害を受けて以来、武蔵小杉タワマン被害の記事は、新聞・テレビ・週刊誌などありとあらゆるメディアで取り上げられました。そこで私たちが大いに驚き、深く傷ついたのは、世間がこれを「いい気味だ」とひそかに喝采する風潮に染まったことでした。

 週刊誌もネットも
「小杉タワマン」の記事を書くたびにアクセス数がぐんと伸び「そんな危険な低地に住んだあなた方の自己責任」「助ける必要なし」といった中傷コメントがずらりと並び、何千・何万の「いいね!」が押されていったのです。記事はますますエスカレートし、確かに排水は逆流したのでしょうが、それに含まれる汚水は微量に過ぎないと川崎市が発表し、その水の中で作業した私どもも匂いなど全くしなかったのに、「う●こがぷかぷか浮かんだ小杉う●こタワマン」と言わんばかりの記事や、小杉タワマンを揶揄する嘲りが、世間に氾濫したのでした。

 それ以来、特に週刊誌やネット記事では、
マンション関連記事では、何かにつけて「小杉のタワマン暴落か」というタイトルがつくようになりました。記事を読むと必ずしも武蔵小杉のタワーマンションの話でもないのに、最後に無理やり小杉タワマンを登場させ、タイトルに「小杉タワマン」と入れるだけで、おそらく注目度とアクセス数が全然変わってくるのです。

 記者にとっても週刊誌の編集部にとっても、
これほどおいしい素材はありません。今回は、地方移住の動きを「コロナ危険×小杉タワマン脱出→価格暴落」の構図で書きたかったのでしょう。動機はどうあれ一人でも小杉から地方に引っ越した人の話が聞ければ、それを100%誇張して書いて週刊誌のタイトル記事を獲得できるのです。A記者が休日にぶらぶらしている私のようなしがない小市民をつかまえる手間をかけるのもわかります。

 小杉のタワマンに住んでいるのは
地縁・血縁のある堅実な地元民が多く、小杉でセレブ(?)を気取っているような人は知人に一人もいません。購入時価格からの価格上昇率で言えば、小杉タワマンはむしろそれほど上がっておらず、もっと「儲かっている」マンションはごまんとあり、投資用としてもあまり適格とは言えません一体どこに「ざまあ」と言われる要素があるのか、私にとってはいまだに謎です。

 コロナに関しても、
「小杉タワマンでコロナ被害が出てないからつまらない」といった「いいね!」がたくさんついた書き込みもありました。小杉の住民ということを離れても、「日本人ってこんな他人に石を投げて喜び、それを囃したてるような民族だったっけ」と絶望的な気持ちにもなっています。

 JR「武蔵小杉」駅の改札に人がずらり並ぶ混雑にしても、かつて朝のラッシュの一時のみ起きたささいな問題で、改札口が増えたことで今やそんな現象はなく、渋谷や他の駅の混雑ぶりの方がよほどひどいのに、いまだにその印象で小杉が語られることも多いです。「これは一体何の宿命なんだろうか」と、次のターゲットに向かうA記者を見送りながら、ぼんやり思ったのでした。

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| ノウハウ・経験談 | 18:28 | comments(2) | - |
パンの美味しい街を求めてー幸せな街にパン屋はできる

JUGEMテーマ:マンション


★ 最近、モデルルームに限らず、不動産物件を週末の半日を使って見に行くことが楽しみになりました。先週日曜日は柴又の立派な一戸建て、昨日のブログでご紹介した平井の土地、そして若松河田の古びた赤レンガ一棟ビルを回りました。柴又では帝釈天に参拝して寅さんの実家のモデルとなった高木屋で草団子を買い、平井では悠々と流れる荒川べりを歩き、若松河田では駅裏の古色を帯びた洋館のスペイン料理レストランの風情に魅せられながら散策しました。

 家を出るときに妻に「何か買ってくるものがあったら」と声をかけるのですが、スマホに入ってくるメッセージは決まって
「朝食用のパンを買ってきて」というものです。適当なものがあるといいのですが、先週日曜日はあいにく柴又にも平井にも若松河田にもパン屋が見当たりませんでした。「『牛込神楽坂』駅近くにはメゾンカイザーがあったけど少し遠いな」「そういえばこないだ行った入谷では石窯のパン屋グーテ・ルブレが人気だったなあ」などと思いながら、「曙橋」駅でドラゴーネというパン屋さんを見つけ、天然酵母の食パンを無事に買って帰りました。

 そんなわけで、SUUMO今週号の特集
「東京23区パン&惣菜美味しい街」は個人的にヒットでした。以下そこで挙げられた店舗をご紹介します。

〇 VANER(日暮里)
 昭和13年築の古民家を利用した複合施設「上野桜木あたり」内にあります。ノルウェーなど8か国で腕をみがいた店主が2018年にオープン、パンは5種類のみです。特に人気がサワードウブレッド(1,200円)という伝統的なパンで、さわやかな酸味、舌触りのもっちり感が特徴です。シナモンロール(300円)はアイシング(砂糖衣)の代わりにザラメを使用、カルダモンロール(300円)はスウェーデンの代表的な菓子パンです。

〇 ビーバーブレッド(東日本橋)
 銀座の有名ブーランジェリー「レカン」でシェフを務めた店主が2017年にオープンしました。常に80種前後のパンを用意、総菜パンやサンドイッチの具材もすべてお店で調理しています。人気はカカオニブメロン(280円)で、カカオニブ特有のほろ苦さがメロンパンのイメージをアップデート、高級感も醸し出しています。

〇 ブーランジェリーセイジアサクラ(白金高輪)
 週末には500人ものお客さんが訪れるという人気店です。パンは全部で40〜50種類で、常に焼き立てが店頭に並びます。ゆずやレーズン、ホップなどを原料にした天然酵母は自ら培養するこだわりです。評判が高いのはハード系のラインナップで、バゲット(399円)はシンプルだからこそ実力がわかる自信の逸品です。看板商品は平日300個、休日500個が売れるチーズカレーパン(356円)で、スイス製グリュイエールチーズを使用しています。

〇 マヨルカ(二子玉川)
 本店は1931年創業のスペイン王室御用達グルメストア「パステレリアマヨルカ」で、その日本第1号店として2015年にオープンしました。無添加でからだにやさしいパン作りを心掛けています。一押しはエンサイマーダ(226円)というスペインのリゾート地に伝わる菓子パンで、生地にラードを塗り、中のエアリーなデニッシュ、季節ごとのフルーツ使用も人気の秘密です。

〇 ゴンノベーカリーマーケット(西葛西)
 行列のできるベーカリー&レストランで、コンクリート打ち放しのおしゃれな店内に食パンや総菜パン、菓子パンなど約80種類を取り揃えています。総菜パンの一番人気はてりやきたまご(280円)で、ふわふわの卵と照り焼きチキン、玉ねぎをサンドしています。アンパン、メロンパン、クリームパンなど子供が好きなパンはもちろん、ライ麦パンやパン・ド・ロテヴなどのハード系にも力を入れています。

 パンの美味しい街に悪い街はない、というのが私の実感です。美味しいパン屋は幸せを呼んでくれるような気がします。

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| ノウハウ・経験談 | 19:34 | comments(0) | - |
今、企業の継続に疑問の不動産会社はどこ?ー中堅デベロッパーの宿命

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★ 週刊東洋経済7月4日号は、『激震!不動産』と題して特集を組んでいます。その中で目を引いたのが「不動産・ゼネコン 経営危険度ランキング」です。

 財務の健全性を見る指標に
負債資本倍率があります。有利子負債を自己資本で割った倍率で、1倍を下回れば健全というのが一般的な見方です。以下は、不動産・建設の上場企業を前期末の負債資本倍率が高い順にランキング化したものです。上位ほど有利子負債の負担が重く、財務が脆弱と言えます。数値は、1倍以下が望ましいとされる負債資本倍率です。

1 レオパレス21* 20.90  2 リーガル不動産 11.65  3 省電舎HD* 10.53
4 トラストHD 10.13  5 エスボア 7.37  6 アルデブロ 7.19
7 プロパスト 5.05  8 ビジネス・ワンHD 4.89  9 THEグローバル社* 4.21
10 APAMAN 3.93


 また、下の表は、不動産と建設業の時価総額減少率ランキングです。6月12日と、TOPIXが今年最高値をつけた1月20日を比較しました。TOPIXは6月12日、高値比マイナス10%まで戻していますが、下記各社は戻りが鈍くなっています。数値は、時価総額減少率です。

1 THEグローバル社* ▲50.8%  2 ウェルズ・マネジメント ▲50.7%
3 AMBITION ▲50.2%  4 ツクルバ ▲46.2%  5 ランドビジネス ▲44.6%
6 ファーストブラザーズ ▲44.4%  7 日本グランデ ▲43.5%
8 ティーケービー ▲41.9%  9 コスモスイニシア ▲39.1%
10 エムジーホーム ▲39.0%


 社名に*がついているのは、「継続企業の前提に関する注記」又は「継続企業の前提に関する重要事象等の記載」のある会社で、すなわち、企業としての今後の継続性に市場から疑問符がつけられている会社だと言えます。上記では、レオパレス21、省電舎HD、THEグローバル社の3社となります。

 まず、
レオパレス21については、建築したアパートの施工不備問題が響き、本年3月期の自己資本比率はわずか0.7%となりました。希望退職を実施し、補修工事を縮小する対策を取る予定です。

 そして、話題となっているのが
THEグローバル社です。分譲マンションでは、「ウィルレーナ」シリーズや「ウィルローズ」シリーズで知名度を上げた中堅デベロッパーです。この分譲マンション事業は堅調なのですが、近年流行りのホテル建設を積極的に手掛け、特に京都に集中投資してきました。
 
 しかも、通常デベロッパーは、「建築して終わり」で果実を得るのですが、
投資家に売却してリースバックするビジネスモデルを採用しました。いわば不動産売買と賃貸の一挙両得を狙ったわけです。

 当初は順調に見えた方式でしたが、
既に京都はホテル業が飽和化しており、さらにコロナ禍による外国人宿泊者の劇的な減少が追い打ちをかけ、それでも投資家に賃料を支払わなければならないという苦境に陥っています。同社が5月15日に発表した決算短信で、企業の継続性に不透明さが生じたとして「継続前提に関する注記」(疑義注記)が付けられることになったのです。

 こうしてみると、
リーマンショック直前に融資を膨らませるだけ膨らまして消えていった新興デベロッパーの姿を想起させます。勢いのある中堅企業は、さらに成長して大手を目指すためには背伸びをしなければならず、その過剰投資で失敗してしまうのもある意味ではセオリーとも言えます。

 多くの中堅企業が夢破れて消え去っていくのがデベロッパーの歴史でもあり、1980年代、1990年代のマンションの旧分譲主を見ると、大手を除いてはほとんど生き残っていません。最近の数少ない成功事例で絶好調なのはオープンハウス・ディベロップメントぐらいでしょうか。

 しかし同社も、同業者の買収等は成功していますが、
多角化を志向するあまり、米国不動産投資にまで乗り出しているのは危うさを感じます。負債資本倍率が高くなるのは不動産業の特徴でもあり、今後の不動産業界の行く末に注目が集まるところです。

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| ノウハウ・経験談 | 19:40 | comments(0) | - |
GO TO マンションーモデルルームがデートスポットだった時代へ

JUGEMテーマ:マンション


★ ニュースを見ると、これから政府の「GO TO キャンペーン」が始まるようです。委託先の選定がいろいろあって延期される模様で、当初の7月開始予定が遅れる見込みですが、コロナ騒ぎでSTAY HOMEを余儀なくされた身としては、この夏は許される範囲で旅行して、思い切り気分転換したいところです。

 ところで、この「GO TO キャンペーン」の名称を初めて耳にした時、
「何てベタな名前なんだ」と思ったものです。ちょうど緊急事態宣言が出た頃で、家に極力いるようにと言われている中で、「GO TO TRAVEL」とか不謹慎にさえ思えました。

 マスコミからも名称の受けが良くなかったと記憶しており、
「そのうち名称が変わるんだろうなあ」と思っていたのですが、意外にも名称がそのまま残りました。そのとき、「よほどこの名称にこだわりがあるんかな」と思ったものです。

 そして本日、その
「こだわり」のわけがわかったような気がしました。私はいま関連のシステム会社に出向しており、遅ればせながらプログラミングの勉強を始めました。通勤電車の行き帰りに読んでいるのが高橋麻奈さん著のロングセラー「やさしいC」というプログラミングの代表言語であるC言語の入門書です。

 この本で今朝見つけたのが
「goto文(goto statement)」です。goto文は「処理の流れを強制的に変更する構文」で、識別子を記述した場所に処理の流れを変更します。

 ……

 goto ABC;
 …… 
 …… 
 ABC;
 ……
 
 つまり、どんなお定まりの処理が並んでいても、goto文が出てきた途端に、gotoが指定した処理に飛ぶことができるのです。解説書には、「プログラムの流れを適当な場所に変更するものであるからできるだけ使わない方がよい」とありますが、それだけ強力な指示文であると言えます。他のすべてのものに優先できる「魔法の言葉」なのです。

 新型コロナウィルスの影響で、世界はすっかり変わってしまいました。この名称を考え出したのがお役人なのか、役所に提案した民間会社の方なのかはわかりませんが、もし発案者がプログラミング言語の知識があったとしたら、そこにはコロナが変えてしまった日常を元のきらきらした世界に変えたい、そんな魔法の力を「GO TO」に込めたかったのではないでしょうか。

 この流れからすれば、私は
「GO TO マンション」キャンペーンもあってほしいなあ、と思います。新規マンション購入者に10万円でもいいから、何らかの後押しするサインを与えてほしいのです。

 私がマンションを見始めてからいつの間にか約20年になります。今から思えば、
見始めた頃のモデルルームはどこも夢のマイホームを求める若い夫婦で満席でした。このブログでも何度か書きましたが、その頂点は「芝浦アイランド」のパビリオンで、売主の三井不動産は、当時人気絶頂だったSMAPをキャラクターに採用し、多額のお金をかけて明るく開放的で豪華なパビリオンを設けたのです。

 アイランドにふさわしく、
パビリオンには広々としたテラスが設けられ、提供されるドリンクを自由に飲むこともできました。パビリオンはお洒落スポットになり、若い方々のデート場所にもなり、多くのカップルが芝浦アイランドで将来の夢を紡いだのでした。

 願わくばgoto文を書くことで、マンションがきらきら輝いていたあの時代に戻ることができたら、「GO TO キャンペーン」には諸手を挙げて賛成するのにな、と思った次第です。

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| ノウハウ・経験談 | 19:02 | comments(0) | - |
首都圏の未来年表2030−注目駅がそこかしこ10年間のわくわく開発

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★ SUUMO5月26日号は、「首都圏未来年表」と題して今から10年間の2030年までに首都圏に起こる様々なわくわくする変化について特集しています。東京五輪の延期、新型コロナウィルスにより世界中が大きな影響を受けている状況ですが、将来を見通せば決して暗い話ばかりではないことがわかります。

 まず、五輪後の開発トレンドは、次の
3つのKEYWORDで紐解かれます。

1.「超巨大首都圏」構想

 交通利便性の進化で首都圏の成長が加速します。なかでも目玉はリニアで、2027年の品川〜名古屋間(最速40分)開業に向けて、「品川」駅周辺や途中駅の「橋本」駅は大きな変化が期待できます。また、近郊から都心部へのアクセスを向上させる計画も多く、臨海地域地下鉄新線の構想が実現すれば、つくばエクスプレス(TX)沿線から臨海部まで1本でつながり、首都圏の成長を後押しします。

 注目駅は
「高輪ゲートウェイ」駅や「綱島」駅です。「高輪ゲートウェイ」駅周辺では2024年度にまちびらきを予定しており、品川エリアの新たな核となります。住宅機能が集約される1街区では約860戸規模のタワーマンションを計画、うち約200戸は外国人のニーズに対応した国際水準の居住施設を整備します。

 一方、
「綱島」駅では、2022年の相鉄・東急直通線の開通時に「新綱島」駅を開業、新駅周辺のまちづくりが進められ、駅前には住宅、商業施設、区民文化センターなどが入る超高層タワーが出現します。

2.サスティナブル住宅

 省エネ、創エネの機能を備え、環境に配慮した次世代型の住まいは未来の暮らしに欠かせない要素となります。その代表格がZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)です。2019年度超高層ZEH-M実証事業に分譲タワーマンションの事業が採択され、一戸建てに続いてZEHマンション普及の兆しが出てきました。

 注目駅は
「朝霞」駅や「聖蹟桜ヶ丘」駅です。「朝霞」駅では7万平方キロの敷地に一戸建て分譲街区、212戸のマンション、商業施設、公園などが揃います。SDGsの観点で36品目の「環境貢献製品」を採用、朝霞市の住宅地では初の無電柱化を実現し、災害に強い地下インフラを整備します。

 一方、
「聖蹟桜ヶ丘」駅では、上述した「超高層ZEH-M実証事業」において、首都圏初・唯一の事業として採択されたタワーマンションが誕生します。耐熱性能を向上させ、多摩川に隣接する水と緑豊かなロケーションも手伝って環境への配慮を常に意識した暮らしが実現します。

3.エンタメ・シティ

 成熟都市では余暇を充実させる環境づくりが不可欠で、最近では池袋や港区竹芝で複数の劇場がオープン、臨海部の五輪競技施設の多くは大会後レガシーとしてスポーツ施設に転用されます。インバウンド需要を拡大すべく、既存の観光資源を連携させた総合的なコーディネートも必要で、新たなサブカルチャーにも期待が高まります。

 注目駅は
「横浜」駅や「羽田空港」駅です。JR「関内」駅から徒歩5分の立地で横浜文化体育館が生まれ変わり、横浜武道館や大規模イベント施設、メインアリーナを整備する予定です。みなとみらい21地区では4月末にぴあアリーナMMが完成し、2023年秋には音楽会場を併設するKアリーナが竣工予定です。

 一方、
「羽田空港」駅では第3ターミナル駅隣の「天空橋」駅に直結する大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」が誕生します。7月には先端モビリティの開発やライブホール、日本食、伝統工芸などを体験できるスペースが先行して開業予定です。2022年にはアート&テクノロジーセンターなども開業し、グランドオープンの予定です。

 これ以外にも、
2021年に「金町」駅、2022年に「東京」駅八重洲口、2023年に「稲城」駅、2024年に「勝どき」駅や「十条」駅、2025年に「立石」駅、2026年に「中野」駅、そして2030−35年に「東京」駅日本橋口で、様々な開発、まちづくりが予定されています。

 こうして見てくると、
首都圏のエネルギーはまだまだ旺盛で、しかも都心に限らない注目スポットが続々誕生する楽しさが目の前にあります。上記のような注目駅を狙ってマンション購入を検討するのもありではないでしょうか。

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| ノウハウ・経験談 | 19:15 | comments(0) | - |
新型コロナ・ウィルスによる不動産リスクー購入行動は正常化の後で!

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★ 新型コロナウィルスによる感染の拡大が止まりません。緊急事態宣言の7都県から全都道府県への拡大が検討され、俳優・タレントなど有名人が続々と罹患、大手ゼネコンの建設現場従事者からもコロナウィルス罹患から亡くなられた方も出て、建設現場がストップするなど、影響の広がりは想像を超えるものとなってきました。

 不動産の仲介業者も多くがテレワークや自宅待機となっているようです。ただ、不動産は現地を見て、対面で打ち合わせることが通常ですので、やりにくさも人一倍でしょう。今流行っているのはZOOMによる不動産相談、面談、そして現地は十分なコロナウィルス対策をして見てもらう、というやり方です。

 しかし、例えば土地から新築する場合には、
プラン入れの設計士が隔日勤務で2倍時間がかかり、いざプランができても住宅ローンの事前審査の銀行員がまた隔日勤務でここでも2倍時間がかかる、といった具合です。

 さて、めでたく契約が成立したとしても、
住宅ローンの本審査も同様に時間がかかります。銀行によっては本審査が本人との面談が必須でリスクが高いため、本審査自体を中止したところもあります。その銀行に融資をお願いした方は、物件購入の目途が立たなくなっています。

 さて、めでたく融資が通り、土地引き渡しが行われても、
建築確認手続に同様に時間がかかります。いざ着工となっても建築会社で十分人が確保できるのか、また難問です。人が確保できても、部材が揃わないといった問題があります。水廻り製品が多くは中国で作られていて、調達が遅れたことがニュースにもなりました。

 工期が伸び、部材が不足すると、人件費や物品費など、建築コストはそれだけ高くなります。どのような契約をするかによりますが、注文住宅の方は、当初の見込みより建築費がかさむことを覚悟した方がいいかもしれません。

 こういうことを見越したのか、
ある大手不動産会社は、分譲住宅用の土地を注文住宅用に切り替えて売り始めました。すなわち、建売であればコスト・リスクは売主がかぶらなければなりませんが、注文住宅であれば買主がかぶることになるからです。「好きな土地で自由に好きなマイホームを建てられる!」と喜んではいけないのです。

 一方、
こういった事情を承知で物件を探せば、チャンスと言えなくもありません。すごく良い物件は、市場に出回る前に業者が買い取り、または市場に出ても業者が現金買いで横からかっさらっていくのが普通ですが、今のこの不透明な時代にはそのような「業者分捕り」が少なくなっています。

 また、通常は
多数の申し込みが殺到するような物件でも、キャッシュベースの事業経営者などの参加は減少しており、皆がどんぐりの背比べで融資審査に取り組むことになります。進捗が全般にスローなため、金融機関へのレスポンスを速攻で行うなど個人と仲介業者のやる気がそのまま好結果につながることも多くなります。

 しかし、
新型コロナ・ウィルスに感染して苦しんでいる方々や医療や様々な現場で大変な思いをしている方々も大勢います。また、この時期に不動産を購入する行為に出ることは、それだけ人と多く接することになり、感染リスクを非常に高めることにもなります。むしろ、この大変な時期を乗り切った後、市場が正常化した冒頭で行動を起こすべきでしょう。

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| ノウハウ・経験談 | 18:54 | comments(0) | - |