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25年ぶりの低い販売戸数が改善に寄与?−中くらいのめでたさのマンション成約

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★ 6月16日付SUUMOジャーナルによれば、不動産経済研究所は同月15日、2017年5月度・首都圏の「マンション市場動向」を発表しました。

 それによると、
5月の新規発売戸数は2,603戸です。対前年同月(3,002戸)比13.3%減、対前月(2,741戸)比5.0%減となりました。地域別発売戸数は東京都区部1,206戸(全体比46.3%)、都下276戸(同10.6%)、神奈川県590戸(同22.7%)、埼玉県254戸(同9.8%)、千葉県277戸(同10.6%)で、東京都のシェアは56.9%でした。

 新規発売戸数に対する契約戸数は1,880戸で、
月間契約率は72.2%と、前月の66.3%に比べて5.9ポイントアップ、前年同月の70.9%に比べて1.3ポイントアップしました。地域別契約率は都区部74.3%、都下75.0%、神奈川県73.1%、埼玉県55.9%、千葉県73.6%でした。

 1戸当り平均価格、1m2当り単価は、5,981万円、86.1万円です。2017年4月は5,918万円、85.6万円でしたので、
前月比総額では63万円(1.1%)のアップ、平米単価は0.5万円(0.6%)アップしています。

 地域別平均価格・1平米当り分譲単価は、東京都区部7,378万円・110.7万円、都下5,163万円・72.0万円、神奈川県5,137万円・70.5万円、埼玉県4,187万円・59.7万円、千葉県4,161万円・58.0万円です。


 即日完売は203戸(全体の7.8%)で、フラット35登録物件戸数は2,431戸(同93.4%)でした。

 以上がSUUMOジャーナルの記事の概要です。本記事は、不動産経済研究所のプレスリリース『首都圏のマンション市場動向 2017年5月度−』を基にしていますので、以下その内容を見ていくこととします。

 まず、5月の発売戸数2,603戸は、一昨年3,495戸、昨年3,002戸と比較してかなり少なく、
5月としては1992年の1,617戸以来、25年ぶりの低水準でした。その反面、契約率は72.2%と、本年に入って初めて好不調の目安とされる70%を上回っています。

 5月はGWをはさむため、
マンション販売の春シーズンとして注目を浴びる期間で、各デベロッパーもこの時期に照準を合わせて販売戦略を練るのが通常でした。しかしながら、マンション価格高騰の中で販売戸数を絞り込むことを優先し、その考え方が功を奏して、契約率の回復につながったものと考えます。

 そんな中で、
『Brillia Tower 代々木公園 CLASSY』が第1期116戸を即日完売し、気を吐いています。平均価格12,055万円という高額物件で、最高倍率は15倍にもなりました。億ションとなる高級マンションが3ケタの戸数で完売したことが、5月の首都圏マンションの好成績につながっていると言えます。

 1戸当たり価格は5,981万円で、ここ3年の中では、
2017年1月(6,911万円)、2015年11月(6,328万円)に次いで3番目に高くなっています。販売在庫数は6,422戸で、前月末比227戸の減少と、こちらも改善しています。

 ただし、
5月の超高層物件の売れ行きは11物件163戸と前年同月(330戸)に比べ半減、契約率も62.8%と振るいませんでした。なお、上記の『Brillia Tower 代々木公園 CLASSY』は地上19階建のため、この超高層物件の販売戸数にはカウントされていません。

 前年比で指標が悪化していた昨年に比べ、
今年は毎月、販売戸数なり契約率なり、あるいが販売在庫数なり、いずれかの指標で回復傾向が見られます。もっとも、昨年の指標が悪すぎた反動が来ているとも言えますが、私たち一般サラリーマンからすれば、ほしいマンションは手が届かないほど高く、どうしても購入を迫られている層が、立地というより広さや間取りを犠牲にして購入をしているのかもしれません。

 「高い」と感じても、いくら人口減少社会で今後需要が細ると言われても、
今後マンション価格が下落する方向に賭けられるほど確信があるわけでもなく「中くらいのめでたさ」で契約書にサインしている方もいることでしょう。

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