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東京都の住宅価格指数がついに前年比マイナスに−その意味と価値を考える

JUGEMテーマ:マンション


★ 10月31日付R.E.portによれば、日本不動産研究所(JREI)は同日、2017年8月の「不動研住宅価格指数」(既存マンション)を公表しました。

 2000年1月を100とした場合の指数は、首都圏総合が88.49(前月比0.28%下落)と、4ヵ月連続の下落です。5月以降徐々に上昇幅が縮小していた前年同月比は、0.54%の下落に転じています。

 地域別では、
東京都96.32(前月比0.20%下落)が4ヵ月連続で下落、神奈川県84.56(同0.33%下落)が2ヵ月連続で下落となりました。千葉県は70.42(同1.58%下落)、埼玉県は72.09(同0.61%上昇)となりました。

 以上がR.E.portの記事の概要です。上記記事は、日本不動産研究所の公表資料『「不動研住宅価格指数」8月値の公表について』を基にしています。

 まず、よくわからなかったのが、2000年1月を100とした場合に、現在の数値が88.4と下回っていることです。「不動研住宅価格指数」とは、
「首都圏既存マンション(中古マンション)の成約価格情報を活用し、同一物件の価格変化に基づいて算出された指数」とのことですから、各マンションで、価格が上昇したもの、下落したものなど、一切合切を総合化して指数としたものでしょう。

 ということは、
「指数が上昇している」ということは、中古市場で価格が上昇しているマンションが多い、ということで、「指数が下落している」ということは、中古市場で価格が下落しているマンションが多いということになると思われます。つまり、現在の状況は、2000年1月より、中古価格が下落しているマンションが多い、と捉えることになります。

 そして、前月比、前年比がプラスとなっていた、ということは、
前月、前年と比較して価格が上昇しているマンションが増えてきていた、ということです。しかし、本年5月からは、首都圏、東京都とも、前月比でマイナスとなり、8月にはついに前年同月比でマイナスとなりました。

 つまり、
本年5月からは、価格上昇の中古マンションがだんだんと減り始め、本年8月には、その数が前年同月を下回った、ということができます。それは私が住むマンションの中古市場の値動きを見ても実感しているところですので、それほど驚く傾向ではないかもしれません。

 本年4月の東京都の99.17という指数は、2000年2月以来の高い数値でした。それが落ちたとは言え、直近の本年8月でも東京都は96.32をマーク、高水準を維持しています。

 しかし、これは、
従来のマンション価格の安かった時代の物件が算定基礎に入っているためもあります。今後、ここ2,3年の高騰した価格水準のマンションが中古市場に出てきた場合には、より価格下落圧力が強まるのではないかと思われます。

 そういう意味では、本指標は、
今これから分譲マンションを購入しようという方にも参考になります。マンションを買えばその多数が価格上昇のキャピタルゲインを狙えた良き時代に陰りが見えてきたとも捉えられるからです。

 少なくとも、
マンション価格上昇期にありがちな「今マンションを買わなければマンション価格がますます上がるのでは」という心配は今やなくなりました。キャピタルゲインも今後は見込み薄の方向と割り切れば、自分が永住したいマンションをじっくりと探索する余裕が生まれてくるとも言えます。

 そう考えると、
中古マンションの価格下落も、「そう悪いことばかりではないな」と思い直したのでした。

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