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中央区のタワーマンションの価格が下落−急上昇の反動リスクと大量供給の懸念

JUGEMテーマ:マンション


★ 不動産ポータルサイト『マンションマーケット』のマンションサプリには、『マンション相場』というページがありますが、4月下旬から5月上旬にかけて、港区、品川区、中央区のタワーマンションの価格上昇率についてレポートを出しています。

 私がここで「おや」と思ったのは、
中央区のタワーマンションの価格が全体としては下落している点です。品川区のタワーマンションは全体として3.06%上昇し、港区のタワーマンションは記事中に全体数値はありませんが、中央区タワーマンションを引き合いに出しつつ「港区は非常に高かった」としているので、おそらくは港区のタワーマンションは品川区のタワーマンションよりも上昇率が高いのでしょう。

 これに対して、
中央区のタワーマンションの上昇率は、▲0.70%と、逆に下がっています。以下に上昇率トップ3、下落率トップ3を挙げます。

上昇率トップ3
1.ベイシティ晴海スカイリンクタワー  2009年築  +16.89%
2.勝どきビュータワー         2010年築  +14.04%
3.ソフィアタワー勝どきイルパラッツォ 2000年築  + 6.99%


下落率トップ3
1.ライオンズタワー月島        2005年築 ▲10.97%
2.リバーシティ21シティフロントタワー 1990年築 ▲10.97%
3.リバーシティ21スカイライトタワー  1993年築 ▲ 7.57%


 ランキングされているマンションの築年数を調べてみると、「築浅は上昇率が高い」「築古は下落率が高い」とも必ずしも言い切れない状況です。記事によれば、中央区でマンション価格の上昇率が下がっている要因として、『2017年以降のタワーマンション建築は中央区18棟、14,675戸で1位』と、タワーマンション供給が極めて旺盛で、数が増え続けている点にあるようです。

 これに対し、
港区のタワーマンションの上昇率が高くなっている要因として、記事では街の再開発計画が盛んに行われている点が挙げられています。しかし、中央区にも晴海というフロンティアがあり、日本橋・京橋で再開発が進められており、これで港区のタワマンの価格が上昇し、中央区のタワマンの価格が下落している理由としては弱いと思います。

 実は、この
1年前の2017年の中央区タワーマンション上昇率ランキングを見ると、今回とは対象的な結果が出ています。2018年の下落率トップの『ライオンズタワー月島』は、2017年では何と+16.9%で上昇率第1位でした。また、2018年下落率第2位の『リバーシティ21シティフロントタワー』は2017年では+16.5%で上昇率第2位と真逆になっています。

 つまりこれらは、
2017年に価格が上昇しすぎた反動ともとらえるべきで、中央区という行政区の地域性に求めるべきものでもないかもしれません。したがって、2018年に港区のタワーマンション価格の上昇が著しいのであれば、来年以降の反動を警戒すべきで、そのことは本記事『マンション相場』の中でもきちんと触れられています。

 ただし、中央区においては、
2020年以降、晴海エリアのオリンピック村跡地で大量に供給される住宅棟の存在は気になります。これが見ようによっては破格の安値で東京都から大手デベロッパーに譲渡される契約なので、オリンピック村跡地を発信源とするマンション価格の値崩れが出る可能性もあり、中央区はその意味でここ3〜4年は注意すべきエリアとも言えるでしょう。

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