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本日の不動産関連ニュース−利用者ゼロの県の住宅ローン金利優遇策の目的とは
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★ 5日付毎日新聞によれば、埼玉県と金融機関が連携した金利優遇型ローン「埼玉の家 家族のきずな応援!!住宅ローン」の取り扱い金融機関に4日から、埼玉縣信用金庫、青木信用金庫が加わりました。これで従来の埼玉りそな銀行、川口信用金庫、JAバンク埼玉と合わせ計5機関となりました。

 今年2月の制度開始後、原油・資材高によるマンション価格の高騰や、物価上昇に伴う消費マインドの冷え込み、景気の先行き不透明感などから利用実績はいまだゼロです。政府・与党が追加経済対策に盛り込んだ過去最大規模の住宅ローン減税を追い風に、利用者獲得を狙います。

 県によると、▽県内に居住用の新築住宅を建設・購入▽親子が同居するか同一または隣接市町村に居住▽住宅の専有面積や性能が一定以上−−などの条件を満たせば、金利が0.5〜1.4%優遇されます。主なターゲットは、冬のボーナスを前にした団塊ジュニアの子育て、介護世帯です。県は「家族間の子育てや介護を支援し、資金の巡りを円滑にして地域活性化にもつなげたい」と話しています。

 (所感)

 マンションを購入するほとんどの方にとって、住宅ローンの利用は不可避です。このため、誰もが、少しでも金利負担の少ない商品を血眼になって探し回ります。
当然、利用者にとって有利な住宅ローンであれば人気が沸騰、申し込みは急増するはずです。

 ひるがえって、埼玉県の開始した
「埼玉の家 家族のきずな応援!!住宅ローン」ですが、その趣旨には大いに賛同します。特に、条件として、親子が同居又は同一または隣接市町村に居住を付加したことは、行政の誘導策として適切です。現在の少子高齢化が引き起こす様々な問題は、戦後急速に進行した核家族化を原因の一つとするものが数多くあり、この状態を少しでも改善することがこの問題に対処する有効な方策と考えられるからです。

 しかし、
今年2月に制度開始してから利用実績がゼロ、というのは、どう考えたらよいのでしょうか。もちろん、上記の条件が厳しくて当てはまる方が限られる、ということもあるのでしょうが、逆に言えば、だからこそ条件に当てはまる方は、喜んで飛びついてくるのが自然です。

 だとすれば、
そもそも商品としての魅力がない、という結論にたどりつくのが自然です。「埼玉の家 家族のきずな応援!!住宅ローン」の金利優遇は0.5〜1.4%ということですが、これが例えば、基準金利からの優遇幅とすれば、現在の金融機関の様々なキャンペーンと比べて格段に優れているとは言えません。現在、みずほ銀行の住宅ローン金利優遇は店頭表示金利より1.7%優遇、住信SBIネット銀行では基準金利より2.2%優遇しています。これらの金利優遇を受けずに、わざわざ厳しい条件で優遇幅の低い「埼玉の家 家族のきずな応援!!住宅ローン」を選ぶのは、よほど奇特な方と言わねばなりません。

 繰り返しになりますが、
このローンが利用されないのは、上記記事にある「原油・資材高によるマンション価格の高騰や、物価上昇に伴う消費マインドの冷え込み、景気の先行き不透明感など」を原因とするものではなく、単純に商品としての魅力がないからです。したがって、上記記事の通り「政府・与党が追加経済対策に盛り込んだ過去最大規模の住宅ローン減税を追い風に、利用者獲得を狙」うというのは、住宅ローン減税という「魅力商品」に乗じて「埼玉の家 家族のきずな応援!!住宅ローン」という「魅力のない商品」を抱き合わせ販売するということになってしまいます。

 そもそも「埼玉の家 家族のきずな応援!!住宅ローン」の政策目的は、魅力的な金利優遇商品を提供することによって、埼玉県内に親子2世代が同居又は近接して住む世帯を増やし、家族のきずなを強め、ひいては少子高齢化が引き起こす深刻な諸問題の一助にしようというものだったはずです。しかし、今の動きは、
この政策目的を正当化するために、とにかく外部の風を利用して「埼玉の家 家族のきずな応援!!住宅ローン」を利用してもらうことが主目的となっているようで、言わば手段が目的化するという、行政がはまりがちな本末転倒パターンに陥っているのではないでしょうか。

 埼玉県と金融機関が本来やるべきは、商品が魅力的なものとなり、当初の政策目的が果たされるよう、金利優遇幅をさらに大きくすることだと考えます。そもそも埼玉県と実施金融機関は、この施策のために、それぞれどの程度身銭を切っているのでしょうか。本気でこの施策の有効性を考えているのであれば、県としてはそれに見合った財政出動が必要ですし(それは本来生易しい規模ではないはずです)、金融機関としても他の商品以上の踏み込んだ商品開発が求められます。

 現在、
行政と民間がパートナーシップを組んで、ある政策目的に合致した商品開発を行うことが流行しています。これは行政にとっては自らお金を出さずに済みますし、民間にとってはCSR(企業の社会的責任)の一環として、ちょっとした手間と費用でイメージアップにつながりますので、官民双方にとって喜ばしい施策なのです。

 しかし、えてして
そこから生まれてくる商品は「使えない」モノが大半です。官民双方がポーズのためにやっているとすれば、その連携を外部にPRすることが主目的であって、その商品を使ってもらうかどうかは二の次となりがちだからです。かといって全く使ってもらわないと、その連携のあり方が問われますので慌てるのでしょうが、「行政−民間−利用者」のトライアングルの中で、「行政−民間」の「Win-Win(ウイン-ウイン)の関係」ばかりに目が行って、肝心の利用者の視点が抜け落ちている施策には、声を上げていかなければならないと思います。

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