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免震はやっぱり効果があった!−豊島区における免震・非免震の揺れの違い
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★ 地震に備えるマンションの建築構造としては、耐震構造・制震構造・免震構造の3つがあります。揺れを吸収するという意味では、免震構造が一番すぐれていると言われていますが、今までこれが実地に検証されたことはありませんでした。

 しかし、今回の東日本大震災により、奇しくもその免震構造の威力が発揮されたことが明らかになりました。このことについて、7月15日のケンプラッツの記事が詳しくレポートしていますので、その概要を以下にご紹介します。

 「免震であるかないかの差は大きかった」と、東日本大震災で、このことを実感したのは、東京都豊島区役所です。1961年に竣工した同区の本庁舎は、鉄筋コンクリート(RC)造で地下1階・地上4階建てで、大成建設の施工・設計で2000年に免震構造への改修を終えました。

 地下1階の下を掘削して免震ピットを築いた後、既存の杭をフーチングの直下で切断し、
天然ゴム系積層ゴム支承59基と弾性すべり支承37基を挟み込みました。

 3月11日の本震で、豊島区本庁舎では、免震ピットの床面で96ガルの最大加速度を記録しましたが、この揺れを免震装置が吸収し、地下1階で86.9ガル、屋上階で76.5ガルに抑えました。

 大成建設によると、免震改修していなかった場合と比べて、
屋上階の最大加速度を55%ほど低減できたということです。すべり支承を見ると、片振幅で3cmほど動いた跡が残っていました。

 「大きな船に乗っているように、建物がゆっくりと揺れた。室内にも被害はなく、地震後も仕事を続けられた」と豊島区の担当課長は話しています。

 そんな
本庁舎の状況とは全く違ったのが、すぐ隣に建つ1954年竣工の非免震の分庁舎でした。多くの職員が地震直後、危険を感じて屋外へ飛び出しました。

 分庁舎では壁などに亀裂が発生し、書棚から本が落ちたり、開いた引き出しの重みでキャビネットが倒れたりといった被害が相次ぎました。計測記録はありませんが、室内で200ガルほどの揺れがあったとみられます。

 分庁舎には、教育委員会や都市整備部など、震災時の避難所運営や復興の“司令塔”となる部署が入っていました。

 危機感を抱いた区は3月31日、2014年の新庁舎の完成を待たず、
分庁舎の機能を近くの新耐震基準の賃貸ビルに移すことを決定しました。年間の賃料は5000万円弱で、本年9月までに移転を完了させる計画だということです。

以上がケンプラッツの記事の概要です。豊島区役所は、
互いに隣接し、どちらも竣工時期が古く、一方は免震構造に改修、一方は非免震のまま改修せず、という、(分庁舎の職員の方々には気の毒ですが)比較実験としては、格好の材料を提供してくれました。

 結果として、

 )楪舎の揺れが76.5〜86.9ガル、分庁舎の揺れが推測ながら200ガル
◆)楪舎では地震後も仕事を継続し、分庁舎では多くの職員が危険を感じて外に飛び出した(このこと自体、危険な行為です)
 本庁舎には被害はなく、分庁舎では壁などに亀裂が発生し、書棚から本が落ちたり、キャビネットが倒れたりといった被害が相次いだ

と、歴然とした違いが出たわけです。

 これまで免震構造のマンションは、
「揺れが大きくなって気持ちが悪い」とか、「免震装置の交換にいくらかかるかわからない」とか、ネガティブな意見も散見されていました。

 しかし、上記記事のように、今回のような大震災では効果を発揮し、
何物にも代えがたい人の命を守るために、また、大切な資産であるマンションの建物本体に被害を及ぼさないために、重要な装置であることがあらためて実証された形です。

 公的機関にはぜひ、今回の
大震災における建物の被害の度合いを広く調査・分析していただき、どのような耐震技術が最も効果を発揮したのかを追求し、今後のマンション等の耐震建築物の技術のスタンダードを作っていただくよう、切に希望します。


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