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23区で地価が下落しやすいエリアとは?−今後はブランド神話の崩壊も?
JUGEMテーマ:マンション

★ 9月20日付の産経新聞によれば、東日本大震災後、初めて公表された基準地価は、地震による液状化被害や土地取引の自粛ムードで、千葉県なども含む東京圏の湾岸部が大きく下落するなど、震災の影響が広がりました。一方で、地盤の固さや防災機能が評価され、下落率を縮小したケースも目立ちました。

 震災は、住宅ローン減税などで上向いていた
地価動向に冷や水を浴びせました。都心へのアクセスの良さで人気だった千葉県浦安市は、液状化が激しかった7地点の調査を休止し、内陸寄りの住宅地(4地点)の下落率も、7.1%で前回の1.9%から大きく落ち込みました。地元の不動産業者は「取引は依然停滞しており、地価下落はさらに顕著になる」と指摘しています。

 家族向けマンションが多い
千葉県美浜区の下落率は5.2%で、前回調査の2倍以上の値下がりです。都心に近く1月1日時点の地価公示で上昇していた東京都中央区月島ですら、0.6%の下落に転じました。

 震災前まで住宅市場の緩やかな回復の先導役を果たしてきた
都心の湾岸エリアの高層マンションは、震災による直接の被害はありませんでした。それでも、高層階では長く大きな揺れが続いたり、エレベーターに閉じ込められるなど、不安感が消費マインドを低下させました。

 野村不動産は、
液状化対策として物件の周辺部や駐車場など住居棟以外の地盤改良も行うなど、不安解消に懸命です。湾岸部で震災後に初めて売り出した地上52階建てマンション「プラウドタワー東雲キャナルコート」(東京都江東区)は、「安全を徹底的に重視した住宅」(望月智史副所長)をアピールし、今月10日にオープンしたモデルルームは多くの客でにぎわいます。

 逆に、地盤が固いといわる東京都西部の
武蔵野台地は減少幅を大きく縮めました。武蔵野市で4地点、三鷹市で2地点が横ばいになりました。不動産情報会社、東京カンテイは「地盤の固さや耐震設計で地価動向が左右される」(中山登志朗上席主任研究員)と分析します。

 一方、東京圏のオフィスビルは
「防災機能の高い物件へのニーズが高まっている」(森ビル)とのことです。耐震構造などを採用したビルが多い東京都千代田区の商業地の下落率は3.2%で、前回調査から5.5ポイント縮小しました。都心のオフィスビルは供給過剰で賃料も下落傾向が続きますが、三菱地所の木村恵司会長は「耐震性が物件の『優勝劣敗』を決める」と指摘しています。

 以上が産経新聞の記事の内容です。このブログでは、
東京23区の住宅地の状況について、さらに詳しくみてみたいと思います。

 東京都が9月21日に発表した
「東京都基準地価格の概要」によれば、区部全域の変動率は前年の−3.1%から−1.3%に縮小しています。しかし、その中で下落率が拡大したのが中央区1区のみで−0.7%が−0.9%になり、おそらく東日本大震災以降地価が下落した影響と思われます。

 下落率が−2%を超えた区は5区で、
下落率順位の1位は−2.9%の文京区であり、−2.7%の台東区、−2.4%の墨田区、−2.3%の豊島区、−2.1%の港区がこれに続いています。一方、下落率が最も低かったのは、品川区及び杉並区の−0.6%でした。下落率が0%台となった区は9区ありました。

 ちなみに、下落率が−2%を超えた文京区・台東区・墨田区・豊島区は、
都心中央部である千代田区・中央区・新宿区の北部に連たんする形になっており、港区は、千代田区・中央区・新宿区の南部に接しています。このように、都心中央部と外周区の下落率に比べ相対的に下落幅が大きくなるゾーンが都心中央部の周りに形成された格好となりました。都心中央部ほどのアピール度がなく、外周区ほどの割安感がないエリアが価格の下落に見舞われたということかもしれません。

 なお、地価公示の標準地と同一地点である基準地の中で、
下落率が大きいワースト5は、次のとおりです。

1 世田谷区喜多見4丁目4157番6 −4.4%
2 渋谷区千駄ヶ谷1丁目26番6  −3.8%
3 港区六本木5丁目367番1    −3.1%
4 江戸川区北小岩2丁目238番4  −3.0%
5 文京区西片1丁目10番272   −2.9%
5 文京区小石川2丁目19番19   −2.9%


 地価下落率が大きい地点をみると、六本木5丁目を除き、各区において、華やかな中心部というより、どことなく渋めのエリアが多いような気がします。これは、上記の下落率が大きい区の位置づけと似ています。

 東京都では今後、液状化予測の見直し等を進めていくとのことです。地価動向においては、「防災」「安全性」という視点が、より重要度を増していくと考えられ、東京都もこれらについて詳細なデータを公表していますが、液状化予測については、今回の大震災の影響等も踏まえ、見直しを行う必要性に迫られたのでしょう。

 逆にいえば、このように
「防災」「安全性」のデータがより正確になってくると、地点の選別もより容易に、かつ、例えば番地単位などより細かくなり、その地価への反映がよりシビアになっていくことでしょう。これからは、単にその土地のブランド価値やあこがれだけでもってマンション価格が高騰するような時代ではなくなっていくのかもしれません。


| 市場動向 | 22:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
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