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いつかはもっといいマンションが?−マンション購入における青い鳥症候群
JUGEMテーマ:マンション

★ 以前も書いたことがありますが、私はマンションを購入するまで数十件のモデルルームを見学しました。見れば見るほど「あれもいい、これもいい」とまず思い、しかししばらくすると、「いや、あそこが気になる。あれさえなかったら」などと悩み出し、「もっと待てばもっといいマンションがあるのではないか」と結局見送り、そして、「ああ、あのときあれにしておけば安かったし、共用施設や設備もよかったし、広かったのに」と後悔することの連続でした。

 例をあげれば、平成17年の春に見た
『The目黒』、そしてその年の秋に最後の追い込み販売をしていた『深沢ハウス』などで、『The目黒』は低層階では当時坪単価250万円を切っており、『深沢ハウス』も坪単価250万円を切ることが可能な住戸がありました。今でも両マンションの話題に触れるたびに胸が痛み(?)ます。

 週末ごとにモデルルームを回り、疲れきっている私を見て、職場関係の知り合いが「マンションを見過ぎなんですよ。私なんか2件目で決めて満足しているんですよ」と同情したように言ってくれたことも、本ブログで以前触れたことがあります。

 先日、モデルルームに行って、販売の方と雑談をしていたら、
「マンションって、やっぱりその人に必然性がないと決まりませんよね。そろそろ買おうか、ぐらいの気持ちの人や、マンション投資みたいなことをしてみようとしている人は、数千万円オーダーの話ですから、いざ決断、ということができないんですよ」

 確かに、私も、結局マンション購入に踏み切ったのは、
地方都市への転勤が決まり、家族を連れていくか単身赴任かで何べんも家族会議をやった末に、「必ず元の小学校区に戻るようにするから」という条件で、家族を連れていったということがあり、このために、地方都市にいながら上京して、家族を戻すためのマンションを決めた、ということが決断の理由でした。

 首都圏にいるときにあれだけ毎週モデルルームを回っていながら決め切れなかったのに、結局地方都市から上京する数少ないタイミングの中で決めてしまったのです。しかし、逆に言えば、ここまで追い込まれないと、おそらく私は決断ができなかったのだと思います。このときは、「○年○月までに、同じ小学校区に家族を戻さなければならない」という外的制約が非常に明確で、それで自分を縛ることができたのでした。
 
 最近読んだものに、『お金で失敗しない人たちの賢い習慣と考え方』という本があります。この中で
「葛藤下の選択」という考え方が次のようにわかりやすく紹介されています。

 ある高級食料品店で、
24種類のジャムを試食で出す時間と、6種類のジャムを試食で出す時間を交互にして(条件を等しくするため)、その後の売り上げ状況を調べたところ、このコーナーを訪れた人の数は、24種類のジャムの試食の時間の方が6種類のジャムの試食の時間より40%多かったにも関わらず、6種類のジャムを味見した人々の30%がその後購入したのに対し、24種類のジャムを味見した人々のうちで購入したのは3%に過ぎなかったということです。「言いかえれば、選択肢が増えるほど選ぶのが難しくなるということだ」と著者は述べています。

 この本でも触れられていることですが、今の世の中には本当に選択肢が増えました。しかし、
「何をしても、何を選んでも自由」という状態は、実は人々にとって苦悩の種でもあるのです。この点、「この爆発的に膨張する選択の自由のために人々は不安にさいなまれ、困難に直面するのだ」と、この本では表現されています。

 さらに引用しますと、
「選択肢はペテン師である。幸福を約束して誘惑するが、われわれを混乱させ、欲張りにしてしまうことが多い」「何かを買おうというとき決定麻痺におちいると、一つの重大な問題が起こる。購入の決定を延ばしているうちに、安売りが終わってしまったり、値段が上がってしまったりするのだ」「さらに重要なのは、決定を延ばせば延ばすほど決断しにくくなるということだ」とも述べています。

 しかし、一方では、
「用心することによって役に立たない愚かな決定をしないですむなら、生活するうえで(決断しないという)マイナス面と同じくらいプラス面もある」とも書いています。では、どういう決定をすべきでどういう決定をすべきでないか、ということがわかれば苦労はいらないのですが、少なくとも、決定に向かっての知識の蓄積は豊かになっていく(つまり耳年増になっていく)という効果があり、投資家と評論家の分かれ目もこのあたりにあるのでしょう。

 ともかく、こういった事態に対して、この本では、
以下の処方箋を与えています。

● 選択肢を減らす
● 決めないと決めるのも一つの決定であることを忘れない
● 機会費用(つまり行動を起こさなかったことに対する機会喪失のコスト)を忘れない
● 締め切りを味方に付ける
● わざと反対の立場を取ってみる
● あなたが専門家でないなら、人にたずねよう


 最後の点は、私の知り合いがマンションを買う寸前まで行って、念のため知り合いの不動産屋さんに聞いたところ、「あそこは不動産プチバブルのときの売れ残りで、かなり割高なので止めた方がいい」アドバイスされて思いとどまった、という話を聞いたことがあります。その知り合いは、「都心か城南であればどれも資産価値は安心」と思っていたようで、私も対象となったマンション名を聞いたとき、「買わなくてよかったね」と思わず言ってしまいました。これも、私の知り合いが、自分で判断せずに素直に人に聞いたことで、見方によっては1千万円オーダーの損失(あるいはハンデ)を防止することができたのでした。

 私も最近は、
数ある選択肢の中から、3つに絞り込むことにして、それぞれの特徴、メリット・デメリットを書き出し、場合によっては数値的なシミュレーションを行うことで判断するようにしています。これを行うと、選択肢が例えば20もあったときは漠然とした印象しかなかったものが、はっきりと自分の取るべき道を比較しながら考えることができるようになりました。

 先日亡くなられた
スティーブ・ジョブズの走り書きのメモが「日経ビジネス」に紹介されていました。そこに書いてあったのは、「Tonight」「Sign」「Lock Up」(今夜、署名して、決定)でした。これは何十億円にも上る企業買収の際の直筆メモだったのですが、それまでの過程がどのようなものであったにせよ、最後は自分が全責任をもって判断し、その後は一切迷わない、というジョブズらしいメモでした。

 マンション購入の判断の場においても、十分な検討を行った上で、「Tonight」「Sign」「Lock Up」を心の中でつぶやきながら臨んでみると、後悔を恐れない決断ができるかもしれません。

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| ノウハウ・経験談 | 23:18 | comments(2) | trackbacks(0) |
Comment
興味深く読ませていただきました。
我が家は、(私は)「必然性」と「自分の中の感」にぴったり来た時に、私たちの城が決まるのではないかと思っています。

「決めないと決めるのも一つの決定..」確かにそうですね。
私も、事の発端は隣家からの騒音を我慢しすぎたことからの家さがしでした。
たぶん、そこから早く抜け出さなければ..と言う気持ちが強く今となれば、よく解らないまま良さげだけれどやみくもに見ていた気がします。(マンション会社から振り回される感じで)

雰囲気のよさそうな緑のあるマンションのMRに行って、
お子さん連れの検討者を多く見ると、ここに決めてもまた同じような苦しみのマンション生活になりそうだと思うと、どうしても検討できなかったり、決められなかったあとは気持ちが落ち込んだりもしましたが、見ることは(少数精鋭でなければなりませんが)必ず勉強にもなっているんです。
金額のこと予算のこと、集まる層、ファミリー物件だったら最上階角を狙おうとか、広めのコンパクトが自分達の層に合いそうとか..いろんな角度から絞れてくることもあります。

私の場合、今まで見てきたマンションでは、決めなくて良かったと思うものばかりで、「逃してしまった..」と言う物件は無いのです。
それも、まだ住宅補助があと二年位は出るという背景もあるのだと思います。
けれど、心の中にあるのは、音の問題やコミュニティーの違いで同じ失敗の悪夢のような生活は繰り返してはいけないという強い思いです。
リスクを捨てきれなければ、迷うようであれば、決めない勇気を重んじて、賃貸(失敗しても移ることが容易)を選んだほうが良いと考えています。

都心では、このサイトの記事にもあった赤坂物件も良いのかもしれないとも思っていますが、価格も高く狭く、この価格が真正であるかは自分の足と目で何度か確認せねばいけないとも思います。
希望としては、23区の都心ではない南、西と言ったあたりの町が好きですし、緑や住環境、公園等に恵まれていますが、ファミリー物件と呼ばれるものばかりができる街なので、リスクヘッジできる最上階角は広い部屋になり、最近では都心並みの値付けのマンションも増えてきているので、都心でないから手が届くというわけでもありません。
もしかしたら、駅近の土地と建物が容易に手に入る価格だったりもしますので、土地探すのも選択肢に入れられるのです。

選択肢が広がるほど、人は選べなくなる...と言う意見になるかと思いますが、自分のニーズに合う場所を押さえられるならそれもありかな?と思うこの頃です。
| ラブレ | 2012/03/07 12:39 AM |
 ラブレさん、どうもありがとうございました。
 現在のマンション探しのご様子を私も自分のときのことを思い出しながら拝読いたしました。

 ラブレさんのおっしゃるとおり、マンションは見れば見るほど勉強になります。私は結構後悔しましたが、ラブレさんの選択の基準は明確ですので、ぶれることがないのだと思います(私などは外観や共用施設に目を奪われてしまうので、すぐ飛びついてしまいます。。。)

 城南・城西の緑の多い穏やかな街並みは本当にいいですよね。私も希望していましたが、手が届きませんでした。ラブレさんであれば、決断に迷うことなく、きっとご自身に理想のマンションを見つけられるに違いない、とコメントを拝読していて確信いたしました。

 今後ともどうかよろしくお願い申し上げます!
| coralisland | 2012/03/07 8:57 PM |
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