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首都直下地震で被害の大きい区、小さい区はどこ?−23区安全度ランキング!
JUGEMテーマ:マンション

★ 東京都は4月18日、『首都直下地震等による東京の被害想定』を発表しました。これは、東京都が、東日本大震災を踏まえ、平成18年5月に公表した「首都直下地震による東京の被害想定」を全面的に見直すこととし、東京都防災会議の地震部会において検討を進めてきたものです。

 これによれば、
死者想定が、平成18年の6,400人から9,700人へ約1.5倍に増加しました。帰宅困難者約70万人増えて517万人に上るとのことです。東京都では、この報告書を踏まえて地域防災計画を修正し、必要な対策を強力に推進することで、東京の防災力を高度化していく予定です。

 東京都防災局のホームページでは、本報告書本体を閲覧することができます。『第1部 被害想定結果』を見ると、193ページに及ぶ詳細な調査分析が出ており、東京都の被害のシミュレーションの内容がよくわかります。

 実は、東京都で想定されている大地震のタイプは、
「東京湾北部地震」、「多摩直下地震」、「元禄型関東地震」、「立川断層帯地震」の4つあり、それぞれで被害を受けるエリアが異なってくるのですが、本日のブログでは、このうち最大の被害をもたらすと想定される「東京湾北部地震」(ただし、津波については海溝型地震である元禄型関東地震)が冬の18時(ただし、自力脱出困難者数については朝5時)に起こった場合に、東京23区のうち被害が最も大きい区と小さい区を抽出してみることとします。

 ただし、
数値はその多くのデータが絶対数で、割合ではありませんので、例えば千代田区など住戸数が少ないところはベスト5に入りやすいことにご留意願います。

● ゆれ・液状化・急傾斜地崩壊全壊戸数  ワースト5
1 大田区  2 足立区  3 墨田区  4 江戸川区  5 江東区


● 同 上  ベスト5
1 千代田区  2 板橋区  3 豊島区  4 中央区  5 練馬区


● 火災延焼による焼失住戸  ワースト5
1 大田区  2 杉並区  3 世田谷区  4 品川区  5 足立区


● 同 上  ベスト5
1 千代田区  2 中央区  3 港区  4 北区  5 板橋区


● 津波による全壊戸数  ワースト5
1 大田区  2 江東区  3 中央区  4 墨田区  5 江戸川区

● 死者数  ワースト5
1 大田区  2 品川区  3 墨田区  4 世田谷区  5 江戸川区


● 同 上  ベスト5
1 板橋区  2 豊島区  3 北区  4 練馬区  5 中央区


● 停電率  ワースト5
1 墨田区  2 台東区  3 荒川区  4 品川区  5 江東区


● 同 上  ベスト5
1 板橋区、練馬区  3 豊島区  4 北区  5 中野区


● 固定電話不通率  ワースト5
1 品川区  2 大田区  3 杉並区  4 墨田区  5 目黒区


● 同 上  ベスト5
1 板橋区  2 千代田区  3 北区  4 港区  5 中央区


● 低圧ガス供給支障率  ワースト5
1 墨田区  2 足立区  3 台東区  4 千代田区  5 港区


● 同 上  ベスト5
1 目黒区、北区、板橋区、練馬区  5 豊島区


● 上水道断水率  ワースト5
1 墨田区  2 江東区  3 江戸川区  4 葛飾区  5 中央区


● 同 上  ベスト5
1 練馬区  2 板橋区  3 豊島区  4 中野区  5 杉並区


● 下水道管きょ被害率  ワースト5
1 台東区  2 渋谷区  3 墨田区  4 目黒区、大田区、荒川区


● 同 上  ベスト5
1 練馬区  2 板橋区  3 世田谷区、豊島区  5 杉並区、北区


● 避難人口  ワースト5
1 大田区  2 江戸川区  3 足立区  4 世田谷区  5 江東区


● 同 上  ベスト5
1 千代田区  2 中央区  3 港区  4 豊島区  5 文京区


● 閉じ込めにつながるエレベーター停止台数  ワースト5
1 港区  2 千代田区  3 中央区  4 新宿区  5 台東区


● 同 上  ベスト5
1 練馬区  2 北区  3 中野区  4 葛飾区  5 板橋区


● 災害時要援護者数  ワースト5
1 大田区  2 足立区  3 世田谷区  4 江戸川区  5 杉並区


● 同 上  ベスト5
1 千代田区  2 中央区  3 港区  4 渋谷区  5 豊島区
 

● 自力脱出困難者数  ワースト5
1 江東区  2 江戸川区  3 足立区  4 墨田区  5 荒川区


● 同 上  ベスト5
1 千代田区  2 豊島区  3 板橋区  4 練馬区  5 中野区


● 震災廃棄物  ワースト5
1 大田区  2 江戸川区  3 足立区  4 葛飾区  5 江東区


● 同 上  ベスト5
1 千代田区  2 豊島区  3 板橋区  4 練馬区  5 中央区


 さて、上記14の指標ワースト5を▲5点〜▲1点、ベスト5を+5点〜+1点として、単純に集計すると、震災安全度ランキング総合点は、次のとおりとなりました。

◎ 震災安全度ランキング ◎

1 板橋区  +40点  2 練馬区  +32点  3 千代田区 +28点
3 豊島区  +28点  5 北区   +20点  6 中央区  +10点
7 中野区  + 7点  8 港区   + 5点  9 目黒区  + 2点
10 文京区  + 1点
  11 新宿区  ▲ 2点  11 渋谷区  ▲ 2点
11 葛飾区  ▲ 2点  14 杉並区  ▲ 6点  14 荒川区  ▲ 6点
16 世田谷区 ▲ 7点  17 台東区  ▲13点  17 品川区  ▲13点
19 江東区  ▲17点  20 江戸川区 ▲21点  21 足立区  ▲22点
22 墨田区  ▲30点  23 大田区  ▲41点


 上記の結果を見ると、城北・城西エリアの板橋区・練馬区・豊島区・北区・中野区などが、地盤が強く、比較的新しく街がつくられたエリアのために計画的な街区が多く、かつ、土地利用がゆったりしており、また、インフラも整っていることから、震災に強いエリアということができます。

 これに加えて、
千代田区・中央区・港区など都心エリアは、そもそも住戸が少ない上に、首都東京を支える大動脈として都市機能が充実しており、都心の勤務地の場合歩いて帰れるため帰宅困難の心配が少ないことから、震災時にも利便性が減じることが少ないエリアです。

 一方、
大田区・品川区は、城南の町工場やその従業者を中心とした住まいや街並みなど、耐震性が必ずしも強いとはいえない木造の建物や住宅が低地に密集して建てられており、かつ、多摩川沿いの大田区には水害などの危険性が存在します。

 また、
墨田区・足立区・江戸川区・江東区・台東区などは、荒川や隅田川などの大きな川が存在し、これに沿って広がる沖積平野の地盤の柔らかい低地に住宅等が密集しており、地震による倒壊とともに、火災の際の延焼が被害を大きくする可能性があります。

 それにしても、
思っていた以上に、板橋区・練馬区・豊島区・北区の優位性が際立っていました。マンション分譲エリアとしては、もともと人気の高い都心・城南や、湾岸再開発によりタワー群が注目を集める城東に比べて、今一つ地味な印象ですが、実は震災にはもっとも強いエリアであり、これは、東京湾北部地震に限らず、想定される他の大地震においても、被害が少ない地域になっています。

 これらの
城北・城西エリアは、23区の中では坪単価が比較的安く、街並みも公共施設も整っていることから、ファミリーで住むには最適です。家族の安全を第一に考えるなら、板橋区・練馬区・豊島区・北区で物件を探すという選択肢も十分ありうると思います。

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| 地震・防災 | 21:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
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