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市場を震撼させる激安マンションの台頭!−オープンハウスの破壊力
JUGEMテーマ:マンション

 「あ、またオープンハウスだ…」最近、よく目に付くのがオープンハウス・ディベロップメントの分譲マンションです。以前からたまに目にしていましたが、今年は本当によく新着物件に「オープンレジデンス」又は「オープンレジデンシア」シリーズを目にします

 オープンハウス・ディベロップメントは、
平成12年設立となっていますが、その親会社であるオープンハウスは平成9年に誕生しています。オープンハウスは、不動産売買の代理・仲介業を中心に展開しており、私も10年位前にマンションではなくて新築一戸建を模索したことがあり、「中目黒周辺で6千万円程度で敷地が30坪あって2階建の新築の家がほしい」と今から考えると大変無理な注文をオープンハウスの担当のお兄さんに偉そうに言ってずいぶん現地を車で回った記憶があります。

 しかし、そこは
営業魂で、この若いお兄さんは相当がんばって条件に近い物件をいろいろ探してくれました。ただ、そのお兄さんは熱心さが高じて、私が妻から「一戸建てなんてねえ」と一蹴されて物件探しを断った後も、たびたび携帯に電話をかけてきたので、着信を無視するようになってしまいました。

 それ以来私は
罪悪感から「オープンハウス」と聞くたびに「びくっ」と反応するようになってしまったのですが、年々マンション業界では存在感を増しつつあります。実は、オープンハウス・ディベロップメントが分譲マンションを手がけるようになったのは平成20年のことですから、まだ実績は4年程度しかないのですが、とてもそうは思えなくなってきました。

 同社がこれまで販売した
分譲マンションの件数を販売開始年月を基準に数えると、次の通りとなります。

 2008年 2件  2009年 4件  2010年 4件  2011年 9件
 2012年(2013年予定を含む) 17件


 2010年が2009年と同数にとどまったのはおそらく2009年のリーマンショックの影響もあるのでしょうが、それ以外は、年を追うごとにまさに倍々ゲームで分譲物件が増えています。新興企業の成長の仕方というのはこれくらい勢いがあるものなのだと実感させられました。

 そして、同社の物件が
なぜ目立つのかといえば、それは誰もがうらやむステイタス感あふれるアドレスとそれとおよそ不釣合いな圧倒的な販売価格の安さです。『23区新築マンション相場・坪単価ライブラリー』に記録のある同社物件を見ると、標準相場に比べて以下のような「激安」ぶりがわかります。

・オープンレジデンス南青山イーストテラス  43%程度割安
・オープンレジデンス上野毛         34%程度割安
・オープンレジデンシア神楽坂        27%程度割安
・オープンレジデンシア恵比寿        24%程度割安
・オープンレジデンシア六本木 美術館前    34%程度割安
・オープンレジデンス学芸大学        15%程度割安
・オープンレジデンシア南青山骨董通り    30%程度割安
・オープンレジデンシア南青山ウエストテラス 32%程度割安
・オープンレジデンス下馬          14%程度割安
・オープンレジデンス西荻窪         26%程度割安
・オープンレジデンス中野          19%程度割安
・オープンレジデンシャル葛西         8%程度割安
・オープンレジデンシャル小竹向原      16%程度割安
・オープンレジデンシア本郷         11%程度割安
・オープンレジデンシア小石川        12%程度割安
・オープンレジデンシア目黒青葉台      25%程度割安
・オープンレジデンシア桜新町        21%程度割安
・オープンレジデンス中野道玄町       17%程度割安
・オープンレジデンス幡ヶ谷         30%程度割安
・オープンレジデンシア本駒込        11%程度割安
・オープンレジデンス世田谷弦巻       20%程度割安
・オープンレジデンシア銀座est        8%程度割安
 

 以上22物件の全てが「割安」判定となっており、しかもその割安度が都心アドレスほど高い傾向にあり、港区物件は軒並み30%を超えています。逆に言えば、不動産プチバブルの影響を受けて急騰した都心物件の標準相場がまだ異常値をとどめているのに対して、オープンハウス・ディベロップメントはフェアな販売価格を提示しているとも言えます。ちなみに上記22物件の割安度の平均値は21.7%となりました。

 それではオープンハウス・ディベロップメントは
なぜ安くマンションを供給できるのでしょうか。私に明確な答があるわけではありませんが、一つには同社の特徴であるメゾネットタイプのマンション供給があるのだと思われます。これはおそらく無駄な空間を生むことなく、例えば通常のマンションだと3戸しかとれない面積で4戸分をとれたりするのではないかと推測します。

 また、同社は
長屋形式を積極的に採用しており、実際に重層長屋で同社は特許を取得したのだそうです。長屋形式だと共用施設を設ける必要がないとのことで、その分のコストを各住戸にかけることなく、住戸数を増やすことができます。上記では、43%という最高の激安度を示している『オープンレジデンス南青山イーストテラス』長屋形式です。

 しかし、そのような特殊な建築方式だから割安なのだ、と結論付けるわけにもいきません。なぜなら、他のデベロッパーと同じ
フラット形式の分譲マンションでも、メゾネットと同じ程度の割安度を示すことがあるからです。

 こうしてみてくると、逆に
「やろうと思えばこの価格でやれるのであって、やれないのはむしろ他のデベロッパーの高コスト体質があるからではないのか」と思えてきます。例えば、11月2日付の本ブログ記事『三井不動産社員の平均年収は1,107万円!−不動産業界年収ランキング雑感』に書いたように、不動産業界社員の年収は平均的なサラリーマンの年収の約1.5倍となっており、彼らの高いサラリーは私たちが莫大な住宅ローンを背負って払っていると言っても過言ではありません。

 そのほか、
不動産業界で「常識」となっている様々なコストも見直せば、マンション価格の低減につながることもきっとあるでしょう。オープンハウス・ディベロップメントは、不動産仲介業から参入しているため、場合によっては土地取得も親会社のコネクションで割安な仕入れができる可能性がありますし、施工会社や下請け等も安くてしっかりした業者を使うノウハウがあるのかもしれません。

 また、一つ一つ維持管理費のかかる
マンションギャラリーは当初から渋谷宮益坂の本社に集約しています。さらに、歴史の浅い会社ですから、社員も若い方が多そうで、管理職ばかりがいる歴史ある大手デベロッパーとは人件費構造がまるっきり異なることもあり得ます。

 要は、
不動産業界というのは、他の業種と異なり、お客にモノを売るために血のにじむようなコスト削減努力をしてこなかったのではないかと思うのです。「不動産とは高価なもの」という固定観念が、マンション購入者に青色吐息の一生の買い物とローン残高を当然のように押し付け、私たちもそれを当たり前のこととして受け入れてきたのではないでしょうか。

 例えば
高値の花だった海外旅行も、LCCの登場で旅行料金も劇的に安くなってきています。その裏では、パイロットの年収の大幅ダウンや客室乗務員の外部委託化、室内サービスの省力化など、あらゆるコストカットが起こっています。

 その意味では
今まで安住の地にあった不動産業界も、オープンハウス・ディベロップメントの台頭でようやく、長い太平の眠りから覚めさせられるのかもしれません。現に、当初は購入検討者から異端視されていた同社のマンションは、最近ではYahoo!不動産の新築マンションのアクセスランキングのトップ5の常連となっています。

 折しも、最近の消費需要の弱まりを受けて、
ニトリ、イトーヨーカ堂などが生き残りをかけて多くの商品の大幅値下げに踏み切りました。安値競争からの脱却を目指した牛丼業界でも再び激しい値下げ競争が始まります。私たちも、豪華なマンションギャラリーで無料のコーヒーをふるまわれて喜んでいる場合ではなく、もっと厳しい目でマンション事業を見ていく必要がありそうです。

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| ノウハウ・経験談 | 20:18 | comments(2) | trackbacks(0) |
Comment
毎回、楽しみに拝読しております。
私も常々衣料品や家電、食品は安くなっているのにマンションは
いつまでも高いままなのだろう?と感じておりました。
オープンハウスのフラットタイプのマンションは注目していて
南青山ウエストテラスが気になっています。
同社には批判的な意見も多いですが、企業努力・チャレンジ精神の
意欲があります。
その一方でブランドイメージに引きずられ、購入をためらってはしまいます。
| 武蔵野市民より | 2012/12/03 10:39 AM |
武蔵野市民さん、コメントどうもありがとうございます!

おっしゃる通り、マンションはプチバブルの頃に比べて値下がりしたといいながらも、かなりの高水準で高止まりしていて、私達の給与の目減りに比べて下落幅が小さいように思えます。

南青山ウエストテラスも良い場所にありますよね。一方で、一生の買い物でもありますから、武蔵野市民さんのためらうお気持ちもよくわかります。

「偏見なく努める」と私も本日のブログには書きましたが、マンション購入には精神的な満足感もかなりのウェイトを占めますので、実際はむずかしいです。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます!!
| coralisland | 2012/12/03 11:46 PM |
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