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不動産は所有の時代から利用の時代へ−しなやかな30歳代に期待する
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★ 先月、国土交通省は、『平成 25 年度「土地問題に関する国民の意識調査」』の結果を発表しました。この調査は平成5年から継続的に実施しているもので、それがゆえにここ20年の土地問題に関する国民意識の変化が見えて興味深いです。質問項目は多岐に渡りますが、以下面白いと思った調査結果をご紹介したいと思います。

 まず、
「土地所有の現状」ですが、「土地は所有していない」という回答が過去最多となりました。これまでは、現在居住している土地やそれにプラスして居住地以外の土地を所有している人の割合がピークで75%を占めていたのですが、この割合が60%程度に減少しました。中でも東京圏では約4割の人が土地を所有していないという結果です。

 一方では、居住地以外の土地を有する人でその
土地を利用していない人の数も過去最多となりました。これは東京圏ではさすがに低いのですが、関西圏は(調査の母集団が少ないことも影響していますが)未利用者が約65%にも及んでいます。しかも未利用地で最近増えているのは、居住地と同一市町村でない場合及び同一都道府県でない場合です。

 ここから見えてくるのは、
所有する土地をもてあまし気味の私達の姿です。土地は資産でもありますが同時に処分に困る負債ともなり得ます。最近多いのは、子ども世代が親から離れて東京など遠隔地に住んでいるため、管理すべき土地が近くになく、未利用地が増えているという実態です。このことから、そもそも土地を所有しない、という人も増えているのではないでしょうか。

 次に、
「今後望ましい住居形態」では、一戸建ての割合が過去最低となりました。平成8年には90.4%が一戸建てが望ましいとしていたのに現在は67.1%に減少、一方増加しているのは「戸建て・マンションどちらでもよい」という層で、平成8年には3.8%に過ぎなかったのが現在では20.1%と初めて2割の大台に乗せました。

 これは性別では
男性の方が一戸建てを志向し(我が家でも私だけ一戸建てでもよい、と考えていました)、年代では40歳代を除いて年代層が上がるにつれて一戸建て派が多くなります。また、一戸建て派には永住志向が強いという結果も出ています。

 「住宅の所有に関する意識」では、「土地・建物両方所有したい」が77.0%と多いものの、これも過去最低となり、「借家(賃貸住宅)で構わない」が15.8%で過去最高となりました。特に今回の増え方は顕著で、1年前の24年と比較して3%も多くなっています。賃貸住宅派が特に多いのは関西圏と地方中核都市という結果でした。年代別にみると、40歳代以下と50歳代以上で傾向がはっきり分かれ、40歳代以下で「賃貸住宅派」、50歳代以上で「土地・建物所有派」が互いに10ポイント程度多くなっています。

 ここで興味深かったのが、
「土地・建物を所有したい理由」として「子どもや家族に財産を残したいから」と答えたのは30歳代が一番多く、後は60歳代まで年齢層が上になるほどその割合が減っている点です。逆に年齢層が上になるほど増えているのが「他の資産と比べ有利な資産だから」「借地・借家では不安定で満足できないから」という回答です。

 30歳代は結婚し、赤ちゃんが産まれ、「家族を守らねば」という意識が人一倍強い時で、それが年齢を重ねていくといろいろあって、むしろ自分のことに関心が向いていく、ということでしたら淋しいことです。しかし、今の30歳代は「スゴカジ」と言われるほどパパが家事に協力的と言われており、もしかすると今の30歳代以下は、古い世代をひきずる40歳代以上とは意識がかなり違っているとも考えられます。

 一方、
「借地で構わない理由」として、以前は「財産を残す必要はない」「ローンで生活水準を落としたくない」「土地が有利な資産とは言えない」という回答も多かったのですが、今回はこれらの回答が減り、「年齢・家族構成・収入等に応じて住み替えをしていくには、借地の方がよい」という、賃借を前向きにとらえる回答が増えています。「仕方なく賃借」ではなく「自ら進んで賃借」を選んでいる傾向が強くなっています。

 これはもちろん私達が
土地神話から解放されたことも意味しており、「土地は有利な資産とは思わない」「建物は有利な資産とは思わない」との回答が過去最高になりました。特に地方圏でこの回答が多いのは、空き家・空き地化が進んでいる地方の現状を反映したものと言えます。

 最後に、
「身近に感じる土地問題」としては、「空き家・空き地や閉鎖された店舗などが目立つこと」「手入れされていない農地や山林が増えていること」「住宅価格が高いこと」「地価がその土地の収益性や利便性の評価により決まり、格差がでてきていること」「景観や街なみが乱れていること」「相続時に土地が細分化されること」「一部地域で地価が上がっていること」の項目が、過去2年間に比べて最も多くなりました。

 この中で
目立って増えているのが「空き家・空き地や閉鎖された店舗などが目立つこと」「地価がその土地の収益性や利便性の評価により決まり、格差がでてきていること」で、都心などごく限られた場所で地価が高騰する一方、大多数の地域で土地・建物が放置されている現象に、誰もが違和感を持っている現状が浮き彫りとなっています。

 全体を通して感じたのは、
日本人の不動産に対する意識がかなり変化してきたということです。これまでは何が何でも土地を所有し、一戸建てを持つことを誰もが人生の目標としてきましたが、そのこと自体が幸せへのパスポートではないということに皆が気付き始めたのです。もっとライフステージに応じた土地・建物との関わり方があり、むしろ賃借した方がしなやかな人生を送れると悟った人が若い層ほど多くなっている気がします。

 これは
今の30歳代はバブルを経験しておらず、社会に入った時はデフレの時代で、根拠のない夢は見なくなり本当に自分に大切なものは何か、日常的に考えてきたからなのでしょう。先日50歳になった私は、そんな若い世代を頼もしいと考えています。不動産はそれ自体が持つ「資産価値」が大事なのではなく、その人が不動産をどのように使うかという「利用価値」が大事なのだ、という意識が浸透すれば、局所的な地価の上昇やこれまで繰り返してきた不動産バブルとその破綻の連鎖の問題は自ずと消滅していくのではないでしょうか。

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| ノウハウ・経験談 | 20:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
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