<< BLUE HARBOR TOWER(ブルー ハーバー タワー) みなとみらい(新築)−オーシャンフロントの朝日と横浜ブルーライトの夜と | main | 藤和世田谷岡本ホームズ(中古)−駅近とは無縁な立地の良さと物件の魅力 >>
積み上がる変動金利の貸出残高−気になるバーゼル委員会の国債評価見直し
JUGEMテーマ:マンション

★ 国土交通省は3月13日、『平成26年度民間住宅ローンの実態に関する調査の結果について』を公表しました。本日はこの内容についてご紹介したいと思います。

 まず、
個人向け住宅ローンの新規貸出額は、平成24年度は159,786億円、平成25年度は161,018億円であり、平成25年度の新規貸出額は前年度比0.8%増となりました。平成22年度からの変化を見ると毎年増加してきており、平成25年度は消費税率アップ前の駆け込み需要の伸びが予想されたのですが、現実にはそれほど大きな伸びではなかったことになります。業態別では地銀が57,048億円でトップ、都銀・信託銀行他が55,042億円で続いています。

 貸出残高については、平成24年度末時点では1,240,684億円、平成25年度末時点では1,275,62億円であり、平成25年度末の貸出残高は前年度末比2.8%増となっています。こちらは平成24年度の伸びよりも平成25年度の伸びの方がやや大きくなっています。また、業態別では都銀・信託銀行他が450,766億円とトップ、地銀が445,497億円とわずかの差で2番手につけています。上記の新規貸出額と考え合わせれば、昨今は資金の貸出先に悩む地銀の方がより住宅ローンの貸出に積極的であることが読み取れます。

 ただし、
新築住宅(新築マンション含む。)に対する住宅ローンの新規貸出額は、平成24年度は56,734億円、平成25年度は56,004億円であり、平成25年度の新規貸出額は前年度比1.3%減となっています。過去を見ると、平成23年度が前年度比較で大きく新規貸出額を伸ばしたのに対し、平成24年度は頭打ち、そして平成25年度は逆に減少に転じました。

 これに対し、
中古住宅(中古マンション含む。)に対する住宅ローンの新規貸出額は、平成24年度は10,953億円、平成25年度は11,251億円であり、平成25年度の新規貸出額は前年度比2.7%増となっています。最近では、平成23年度を谷として順調に新規貸出額が増えています。上記の新築住宅と合計した新規貸出額では0.6%減となっており、全体では微減にとどまっているとも言えます。

 これらのことから、
平成25年度は住宅ローン借入者の購入住宅が若干中古住宅にシフトしたと言え、これは最近のマンション価格高騰の影響を受けたものと考えられます。この調子でいけば、足元の平成26年度は更に中古住宅シフトが進んでいるものと予想されます。

 次に、
他の住宅ローンからの借り換えの実績すが、平成24年度は23,056億円、平成25年度は18,494億円であり、平成25年度の新規貸出額は前年度比19.8%減となっています。これは近年にはない落ち込み方で、低金利が続いている現状から、借り換えにメリットがありその意向がある者はほぼ借り換えを終えており、これ以上の伸びしろに乏しいのかもしれません。

 金利タイプでは、平成25年度は「変動金利型」(49.7%)の割合が最も多く、次いで「固定金利期間選択型」(35.2%)が多くなっています。ただし、変動金利型の割合は平成24年度の58.0%に比べればかなり減少しています。これは最近、固定金利選択型が変動金利と見まごうくらいに低金利になっており、3年もの、5年ものに至っては変動金利より低金利の商品もあったりすることが影響しているものと思われます。全期間固定金利型が近年になく多いのも(6.0%)、長期も含めた低金利トレンドによるものでしょう。

 一方、
貸出残高は、平成25年度末時点では「変動金利型」(52.4%)の割合が最も多く、次いで「固定金利期間選択型」(35.7%)が多くなっています。これは、年々変動金利型のシェアが大きくなっており、過去の住宅ローン借入が変動金利優勢であったことを物語っています。

 新規貸出額における固定金利選択型の内訳を見ると、平成25年度は「固定金利期間選択型(10年)」(64.8%)の割合が最も多く、次いで「固定金利期間選択型(3年)」(16.5%)が多くなっています。この傾向はここ数年あまり変わっておらず、固定金利でもより安定を求める10年型と、変動金利より低い金利を追求する3年型で人気が分かれるようです。ただ、貸出残高で見ると、「固定金利期間選択型(10年)」のシェアが年々大きくなっています。

 気になるのは、
固定期間10年超の住宅ローンのリスクヘッジ方法を貸出機関に聞いたところ、平成26年度調査では「リスクヘッジは特に行っていない」が47.0%と最も多くなっていることです。既にその裏づけとなる国債を充てているのでリスクヘッジの必要はないということかもしれませんが、融資側も債権としての年限バランスに留意する必要はあると思います。

 また、
借入側としては、変動金利の貸出残高が住宅ローン全体の過半となったことに注意すべきです。本年1月、 バーゼル銀行監督委員会(バーゼル委員会)は、銀行が保有する国債のリスクウエートをゼロとする規定について、見直しを開始したと表明しています。

 これが
現実に基準改定となれば、現在、収益の大半を国債購入で賄っている日本の金融機関は見直しを余儀なくされ、大量の国債売却を引き起こさないとも限らず、その結果としての国債暴落、金利急騰という破綻シナリオも可能性ゼロではありません。

 もちろんそのときは
極めて低い国債調達コストでなんとか回っている国の財政運営が窮地に陥るのですが、それと同じように極めて低い金利の変動金利を前提に住宅ローンを組んでいる家計も窮地に陥ります。自らに合ったリスクヘッジとは何か各々で考えておく必要はありそうです。

『分譲マンション・アップデート』へ


| 住宅ローンその他融資 | 20:14 | comments(0) | trackbacks(0) |
Comment
コメントする









この記事のトラックバックURL

トラックバック