<< トップさがみ野第3(中古)−築30年弱で価格85%下落、生活利便施設アクセス良好 | main | シティタワー国分寺ザ・ツイン(新築)−「国分寺」駅直結徒歩1分・再開発の大注目PJ >>
マンション建替えの難しさ−儲かるのがわかっていても建替できない事実
JUGEMテーマ:マンション

 1年半前のことです。私がいつものように中古マンションをネットサーフィンしていると、一つの物件が目にとまりました。千代田区都心の築古物件なのですが、専有面積60平米に対し販売価格2,980万円、坪単価164万円と格安なのです。

 しかし、
目に留まった理由はそれだけではありません。本物件の販売ページに「建替計画あり」と書いてあったのが最大の理由でした。

 「こ、これは…」

 私の頭の中を「専有面積60平米を3千万円で購入」⇒「建替決定」⇒「この地なら坪単価450万円は堅い」⇒「建替後8千万円で売抜け」⇒「労せずして5千万円をフトコロへ」というバラ色の未来が駆け巡りました。空想の中では、私の両手には1万円札が2,500枚ずつ乗っています。これを買わずして何を買うのでしょうか。

 「待て待て。そんな虫のいい物件が市場に出回っているはずがないか。」

 ちょっと冷静になってあらためて販売ページを見ると、この物件は少なくとも2か月前から販売しています。私が考えることは誰もが考えるでしょうから、その間、買い手がつかなかったのは「売れない」理由があるのでしょう。

 ということで、HPに掲載されている
仲介会社に電話してみました。

(業者)「ああ、これですね。管理組合が
本マンションを耐震診断してもらったら、今のままじゃダメだということになりまして。でも、耐震工事にも大変お金がかかりますし、それなら建替えしようかということになったらしいですよ。この秋に建替決議という運びだそうです。デベロッパーも決まってまして、業界大手の○○です。」

(私)「
そ、そうなんですか(喜)。そうすると、持ち分面積分は建替え後のマンションの住戸をいただけるんですよね

(業者)「
いや、そうはいきません。その新築マンションの床面積分の差額を払っていただかないと

(私)
「あ、そうなんですか…」

 私の耳には、自分の虫のいい夢がガラガラと崩れ去る音が聞こえました。

(業者)「でも、
物は考えようですよ。今ですとおそらく坪単価450万円くらいで建ててくれると思いますが、これができる2〜3年後にはもっとマンション価格が上がっていて、竣工後すぐに売却益が出る可能性が高いです。かなりお得だと思いますがね。」

(私)
「うーん」

 仲介業者の言うことももっともで、当初の夢には及ばないにしても、おそらくは目論見通り利益が出ることでしょう。しかし、その間はローンを払い続けなくてはならないのです。しかも、この住戸は事務所仕様で、トイレ以外の水廻りが見当たらないのでした。

(私)「これって
台所も浴室もないんですけど、リフォームで付けられるんですかね

(業者)「さあ、
それは何とも…それ用のパイプが来ているかどうか、調べないとわからないもんですから」

(私)「
うーん。じゃあ、取り壊されるまで事務所で貸したりできますかね」

(業者)「それは
お客様のご自由ですが、1年足らずで取り壊されるのに借りてくれる人がいるかどうか

(私)「
うーんうーん

 結局、この物件は
ほどなくして100万円下がった後に、HPから消えていきました。提示価格通り売れたとすれば、坪単価159万円程度で成約したことになります。

 さて、その後
マンション相場は急上昇都心物件の坪単価は今や500万円超が当たり前となりました。もし1年半前、この物件を購入していたら、坪単価450万円で建替計画を決定、今頃余裕で売却益を狙えるポジションにいたことになります。

「ああ、あの時迷わずに購入を決断していたら…」

 もちろん今頃はローンを払っていたことになりますが、私はその後にセカンドハウスを購入して住宅ローンを支払っていますので、どちらの選択肢が良かったかは別として、家計への負担は同じようなものだったことになります。

 しかし最近、
何と本マンションの中古物件が市場に出回っているのを発見しました。私が購入しようとした住戸ではないのですが、その上階の住戸が複数戸、売りに出されています。

「建替決議、ダメだったのか…」

 小規模物件ですので、合意形成は比較的容易かと思ったのですが、やはり単なる床面積の等価交換ではなく現在価格との差額を持ち出さなければいけなかったのがネックだったのでしょう。建て替えれば良くなることがわかっているのに、それすら決議できないというのは、マンション合意形成の難しさをあらためて思い知らされました。

 ちなみに、今
売り出している住戸の履歴をネット上で追ってみると、推測するに建替えできなかったことにオーナーが失望して本年春に坪単価170万円程度で売却、それをおそらく業者が買い取って全面リフォーム当初の価格に1,500万円近くも上乗せして、坪単価250万円程度で販売しています。

 それでも
他の物件との相対比較では割安に見えるため、多分この価格の近辺で売れてゆくのでしょう。結局、本マンションの建替計画は、中古マンション買取業者を儲けさせるだけの切ない結末となったようです。

 と、ここまで書いたところで、私は
ある事実にはたと気づきました

「…このマンションって、耐震性がダメだから建替するんじゃなかったっけ?それを全面リフォームで販売???」

…耐震工事は議決されたのでしょうか?

『分譲マンション・アップデート』へ


| ノウハウ・経験談 | 21:00 | comments(7) | trackbacks(0) |
Comment
こんにちは。このところ関東は寒暖の差が激しいですね。
札幌はいかがでしたか?

デベロッパーが決まっている状況でも、結果的に建て替えが
できなかったとは、合意形成は本当にむずかしいのですね・・・

少しお聞きしたいのですが、ご紹介の物件の場合は、
新築によって生じる一戸当たりの床面積の増加分を、
所有者が負担する(買い取る)ことが条件だった
ということなのでしょうか?

地価の高いところなら等価交換できるものと思っていましたが、
そういうわけでもないのでしょうか。そうならば、
今後、建て替え合意の難しいマンションは増えそうですよね。

今も今後も、マンション住まいの予定でいましたが、
11月2日の記事ともあわせて、今後の住まいについて
あらためて考えてしまいました。
| あおい | 2015/11/08 11:05 AM |
あおいさん、こんばんは!
コメントどうもありがとうございます。

すみません。
書き方があいまいでした。
というのも、記憶が明確でなく、肝心なところがぼかした表現になってしまったので、お詫び申し上げます。

記憶の流れから私が理解しているのは、床面積は等しいのですが、新築価格と現在価格の差額を支払う、という条件ではなかったかということです。

都心ビルは土地面積がそれほどなく、容積率もそれなりに消化していますから、デベロッパーで保留して新規に売れる住戸がそれほどないのだと思います。
したがって、「自分の分は払ってね」ということかと。
あるいは床面積を今より小さくしてしまえば持ち出しはなくなるのかもしれません。

今は戸建ての方が建築面積に対する坪単価で言えば安くなっています。
でも、室内環境はRCの方が良いこと、マンションの方がリセールが期待できることなどを考え合わせれば、どちらがお得なのか迷うところですよね。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます!
| coralisland | 2015/11/08 7:09 PM |
あおいさん、追伸です。
札幌は寒かったですが、地元の人からは「今日は暖かくてよかったですね」と言われました(^^;

日帰りだったので、札幌駅できのとやのチーズタルト、千歳空港でルタオのチーズケーキをお土産に買ったのが唯一の息抜きでした。。
| coralisland | 2015/11/08 7:19 PM |
こんにちわ。この条件でもまとまらないとは建替えはかくも難しいのですね。未消化の容積率があればよかったのか、どうしても建替えに伴うストレスが嫌だったのか、住人のみぞ知るといったところでしょうか。
杭の件のマンションはより難しそうです。
ところで、建替えを前提にしている場合でも住宅ローンは借りられるものでしょうか?また、借りられたとしても建替えた際は一括返済を迫られたりしないものですかね?
| たか | 2015/11/09 7:16 AM |
coralislandさん、こんばんは。

ご丁寧にお返事ありがとうございます。
こちらこそ、細かいことをお聞きしてしまい
かえって申しわけありませんでした。

ひと口に建て替えとは言っても、個別の状況によって
いろいろなケースがあるということが、よくわかりました。
マンション補修や建て替えの問題は、今後さらに増加
するでしょうから、購入検討者としては
デベロッパーも含めた何らかの方策を期待したいです。

coralislandさんが出張にいらした頃、
東京の気温が札幌以下になった日がありまして、
「秋の札幌って意外と暖かいのかな?」
などと思っていました。
スイーツのお土産、(*^-^*)ですね♪
| あおい | 2015/11/09 8:45 PM |
たかさん、こんにちは!
コメントどうもありがとうございます。

私が最近購入したセカンドハウスも建替え物件で、水漏れでどうしようもない状態だったのですが、結局建替計画が2〜3年遅れてしまったようでした。
おっしゃる通り、住人一人ひとりの生活状況が異なりますので、なかなか難しいようです。

すみません、ローンのことまで思いが至っていませんでした。
この物件の場合、事務所仕様だったので、投資用ローン前提で考えていたのですが、それにしても建替がわかっていると担保物件になり難いですよね。
銀行審査ではねられそうな気がしますが、このような物件を購入される投資家は現金、ということになるのでしょうか。

私ももう少し突っ込んで業者にお聞きすればよかったです。
次に同様の物件があれば、尋ねてみたいと思います!

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます!
| coralisland | 2015/11/10 7:02 AM |
あおいさん、こんにちは!

都内マンションで耐震診断すら行っていない物件が多数、と新聞記事で読んだ記憶があります。
周辺の築古戸建て等と一緒に開発するなど何とかペイする形でデベロッパーが計画を作り、行政が後押しするなどの施策が組めるといいのかな、と思います。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます!
| coralisland | 2015/11/10 7:08 AM |
コメントする









この記事のトラックバックURL

トラックバック