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大人気の『パークリュクス白金高輪』は投資対象として適格性があるのか
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★ 最近、港区新築マンションで久々に盛り上がったのが『パークリュクス白金高輪』です。売主が三井不動産レジデンシャルという最大手一流デベロッパーで、「パークリュクス」シリーズ最大規模、港区アドレスで「白金高輪」駅徒歩5分という、どこをとっても条件として非の打ちどころがありません

 しかも、専有面積23平米台ではありますが、2,800万円台からこのマンションが購入できました。三井不動産レジデンシャルとお付き合いのある土地所有者が相対取引で売買したこともあり、土地値が抑えられたことが背景にあります。平均坪単価は442万円台と最近の相場からは格安ととらえられ、購入申込みが多数に及び、総戸数161戸(事業協力者住戸を含む)もありながら第1期で10戸を残して売りに出し、先着順住戸を2戸残して全て成約と、完璧に近い第1期販売を成し遂げました。

 一方、「パークリュクス」シリーズですので、かなりの住戸が投資用を意識して作られ、販売されています。
果たして本マンションが投資用として成り立つのかどうか、具体的に検証してみることにしました。前提として、賃貸付けには全く困らない場所でしょうから、計算を単純化するために空室率は0%(あり得ませんが)としてみます。

 本マンションの中で最も表面利回りが高いのは2階住戸の1K、
専有面積25.50平米に対し販売価格3,048万円(坪単価395万円)で、想定月額賃料が125,000円ですので表面利回り4.92%です。ここから毎月の管理費+修繕積立金15,960円を引き(実質利回り4.29%)、さらに賃貸管理手数料(安いところもありますが、標準的には賃料の5%+消費税)月額6,750円を引くと、毎月の手残りが102,290円となります。

 ここで投資用ローンをフルで借りたとします。仮に
金利1.775%、融資期間30年で全額融資を受けた場合には、毎月の返済額は109,261円となり、月6,971円の赤字となります。これに毎年の固定資産税・都市計画税が10万円ほどかかるとすれば、毎年約18.4万円、月にして約1.5万円の持ち出しをしなければなりません。

 もちろん当初に自己資金を入れれば赤字は解消します。例えばセオリーとして、
物件価格の30%を自己資金とすると、ローンの毎月支払額は76,497円となり、毎月25,793円のプラス、固定資産税・都市計画税を徴収された後の手残りは年額約21万円となります。しかし、当初の自己資金は914万円入れていますので、この自己資金を回収するだけで43年超かかります。

 もっとも、想定家賃125,000円は固めの数字で、ノーブランドの賃貸マンションを含めての相場ですから、
実際にはこれより1〜2万円家賃が高いことも十分期待され、その場合にはフルローンでも何とか赤字にならなくても済むかもしれません。ただ、家賃は通常年に1%ずつ落ちていくともされており、これはブランドマンションでも抗えませんので、いつかは赤字転落とならざるを得ないことでしょう。

 さて、毎月の家賃収入(インカムゲイン)に期待ができないとすれば、
最終的な売却収入(キャピタルゲイン)が当てにされていると考えられます。つまり、毎月のローン返済のほとんどを家賃収入で賄っていけば、それだけ残債が減っていき、売却した時の手残りが期待できる、ということです。

 例えばフルローンを組んだ場合の残債の年数変化は、5年後2,646万円、10年後2,206万円、15年後1,726万円、20年後1,201万円、25年後627万円、30年後ゼロとなります。東京カンテイによれば、
平均築年数19.5年の「白金高輪」駅最寄りの中古マンションの売り希望価格の平均坪単価は345万円となっています。

 これはファミリータイプの価格水準であり、投資用物件は需要が限定されるためにこれより価格が落ちるとされていますが、一方では三井不動産レジデンシャル物件のブランド力があるため、プラマイゼロでイーブンとしてよいでしょう。また、これはあくまで売主の希望価格ですから、実際の
成約価格はここより6%落ちると仮定し、坪単価324万円と考えます。

 この場合の対象物件の売却価格は2,499万円で、残債は上記の通り1,201万円ですから、ローン残債全額を支払った後、1,298万円が手元に残ります。ただ、対象物件の購入初期費用が約150万円、毎年の赤字分が20年で約450万円、売却費用が売却価格の4%として約100万円、これらを控除した残りから長期譲渡所得の税額2割(約120万円)を引いて、ようやく
キャピタルゲイン478万円を手にすることができます(正確には毎年赤字分は各年の確定申告で処理し、減価償却計算もあるのですが、煩瑣ですのでここでは単純化しています)。

 上記のシミュレーションは、20年もの間、空室率0%、賃料が100%維持され、変動金利も今の低金利のままで、内装に全く手をかけず、管理費・修繕積立金の改定もなく、ごく順調に賃貸業が営まれ、現在の好調な相場が維持された場合に達成できるものです。つまり、
本マンションの中で最も好条件の住戸でも、20年もの間、毎月赤字を出し続けながら苦労して、ひやひやしながらも結果的に順調にいって手に入れられる額が478万円(1月当たり約2.0万円)であることを、レバレッジを効かせる不動産投資としてどう考えるか、ということです。もちろん、不動産価格が今より高騰していくことも可能性としては十分あり、その際にはキャピタルゲインが数千万円に及ぶことも考えられます。

 一方、東京カンテイによれば、
2年前の「白金高輪」駅最寄りの中古マンションの売り希望価格の平均坪単価は288万円でしたので、この水準に戻るだけでキャピタルゲインは150万円に減り、将来さらに1割下落して平均坪単価が260万円となればキャピタルゲインは逆に16万円の赤字となってしまいます。

 もちろん、そんなことを恐れていては投資はできない、そんなに落ちるはずもない、と判断することもできます。いずれにせよ、最も立地が良く、かつ、価格もリーズナブルと思われる
『パークリュクス白金高輪』でさえ、投資対象として適格性があるかどうか頭を悩まさなければならないのが、不動産市場の現状であるということでしょう。

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| ノウハウ・経験談 | 21:31 | comments(4) | trackbacks(0) |
Comment
興味深く読みました。 私の場合、フルローンはしんどいので7割ローンとすると、課税所得が発生して、ざっと900万円の投資に対し年間 9万円のキャッシュインになりそう。キャピタルゲインを現在レベルで評価しても 金融機関の劣後債かリートの方がいいっすね。 やっぱ不動産投資には相続税などの別メリットが必要ですね。
| Morisam | 2016/05/29 5:31 AM |
Morisamさん、こんばんは。
コメントどうもありがとうございます!

不動産投資をされる方は収入もおありなので、結局所得税・住民税で半分くらいもっていかれることになりますね。
物件の所有欲は満たされるものの、実入りは少ないわけで、おっしゃる通り、相続税対策など別途の視点が要るのでしょう。

でも、港区アドレスのマンションには、あこがれてしまいます。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます!
| coralisland | 2016/05/30 12:51 AM |
不動産は個別性が高く、情報も非対称性が高いので、掘り出し物があればって期待してしますよね。 本当は株と一緒でタイミングがすべてで、今本屋に棚積みの不動産成功話はアベノミクスにうまく乗っただけだと思ってますが、ついつい調べて、あれこれ試算しちゃってます。
| Morisam | 2016/05/30 11:40 PM |
Morisamさん、こんばんは!
コメントどうもありがとうございます。

株式もREITも不動産も「安く買って高く売る」が基本ですが、いつが「安い」のかは神のみぞ知る、です。

不動産がよいと思う理由は、場所をあやまらず、じっと持ち続ければインカムがたまっていく点で、レバレッジが効く分、株式やREITの配当よりも大きな額になっていきます。

ですから、インカムのたまらない不動産、逆に赤字になっていく不動産は、どんなに場所が良くても高値である分、リスクが二重に高まるような気がします。

ただ、立地の不便な安い不動産でインカムだけに頼っても、その賃借人が出て行ったら誰も借り手がない不動産でも困りますし、バランスが大事なのでしょうね。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます!
| coralisland | 2016/06/01 12:50 AM |
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