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免震と耐震では被害の差が歴然−わずかな初期コストが守る人命と資産

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★ 7月20日付Net IBニュースでは、『熊本地震・有識者の見解/人命だけでなく資産価値も守る免震構造』と題して、福岡大学工学部建築学科の高山峯夫教授へのインタビュー記事を掲載しています。上中下と3部に分かれた長い記事ですが、概要は次の通りです。

地震のエネルギーを耐震構造はどうやって吸収しているかというと、ある程度自分を壊すわけです。自分自身がある程度被害を受けることで、地震のエネルギーをできるだけ効率良く吸収しようとします。そのため、耐震設計の理想的な被害の受け方としては、特定の階に被害が集中しないように建物全体で地震のエネルギーを吸収することであり、そうした発想で耐震計算がなされているのが現状です。
 
 次に制震構造ですが、耐震構造は自分自身を傷つけることによってエネルギーを吸収するしかありませんが、
制震構造は自分自身を傷つけなくても、「制震ダンパー」という地震のエネルギーを吸収するものを中に入れておくことによって、少なくとも柱や梁は地震のエネルギーを吸収せずに済むという考え方です。

 これに対し、
免震構造は、地面と建物の間に絶縁する特殊な免震層をつくるのが特徴で、地面が激しく揺れたとしても、建物は緩やかにしか揺れないようにします。この免震層で地震のエネルギーをほとんど吸収し、上部構造―建物にはほとんど伝えないいう発想です。

 今回、熊本市内に免震マンションやホテルなどがありましたが、そこの住人たちは、地震発生時にはもちろん多少の揺れは感じたものの、落ち着いた後に、免震構造でない隣のマンションと比べてみると、その被害の状況は全然違っていたそうです。
耐震のマンションでは建物内がめちゃくちゃで、とても住めた状態ではない一方で、免震のマンションではまったく問題ありませんでした

 建物内部で家具や家電製品の転倒や破損が極力抑えられるのは、とても良いことです。阪神・淡路でも、今回の益城町でも、建物や家具の下敷きになって亡くなられています。


 免震構造のコストの問題がよく言われるのですが、大規模物件に免震を導入する際、そんなに値段は高くないとは思っています。得られる性能が2倍も3倍も高いわけですから、それがたった数%のコストアップで達成されるのであれば、コストパフォーマンスを考えるとむしろ安いと思います。ですが残念ながら、皆さんイニシャルコストのことしか頭にありません。ぜひとも「本当にイニシャルコストだけで性能を評価していいのか」ということを、皆さんに考えていただきたいと思っています。』

 以上がNet IBニュースの記事の概要です。
免震構造が耐震構造に比べて格段に優れているというのは、東日本大震災でも経験されていました。本ブログでも、2011年7月17日付の記事『免震はやっぱり効果があった!−豊島区における免震・非免震の揺れの違い』で取り上げているところです。

 それによれば、免震構造の本庁舎は、
「大きな船に乗っているように、建物がゆっくりと揺れた。室内にも被害はなく、地震後も仕事を続けられた」のですが、すぐ隣に建つ1954年竣工の非免震の分庁舎では、多くの職員が地震直後、危険を感じて屋外へ飛び出してしまいました。この分庁舎では壁などに亀裂が発生し、書棚から本が落ちたり、開いた引き出しの重みでキャビネットが倒れたりといった被害が相次いだということです。

 今、私が住んでいる武蔵小杉では、『パークシティ武蔵小杉ザ ガーデン』を好評分譲中ですが、セールスポイントの一つが、
『武蔵小杉最大の免震ツインタワー』です。『パークシティ武蔵小杉』は、先行した「ステーションフォレストタワー」「ミッドスカイタワー」は制震構造だったのですが、東日本大震災発生後に分譲された「ザ グランドウイングタワー」以降は免震構造が採用されています。

 地震保険においても、
免震構造の建物は地震保険料の割引率が50%にもなり、単なる耐震構造(耐震等級1)の割引率10%と大きく差があります。つまり、その効果は保険料に大きく影響するほど格差があり、免震マンションの住人は「地震保険料が安くて安全な」物件に住んでいるというわけです。

 東日本大震災を経験してわかったことは、
地震による被害が、「当初の設計・建築ミスによる不備のためか」それとも「純粋に地震により生じたものなのか」非常に分かりにくいということです。前者であれば分譲したデベロッパーの責任ですが、後者であれば自己負担もありうる保険の範囲内となり、その判定を巡ってはかなり紛糾し、当事者間で疲弊し、復旧までに数年を要したケースもあったようです。

 免震構造のマンションであれば、この類の紛糾もほとんどなく、正常時への復旧も迅速だったことでしょう。上記インタビュー記事の指摘の通り、免震マンションはもっと評価され、普及が推進されて然るべきだと考えます。

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| 地震・防災 | 22:41 | comments(4) | trackbacks(0) |
Comment
いつも楽しく拝見させて頂いております。私は地盤強固が市によって評価され、東日本大震災の時も揺れはしたが、一つもものがずれていないという団地に住んでおりましたので、マンションは制震構造で十分ではと思っていました。ですが直下型ではどうなっていたかわかりませんね。現在は通勤が辛いという理由で賃貸の普通のマンションに住んでおりますが、次に買うことがあれば是非免震構造かどうかを気にしてみたいと思います。
これからも記事を楽しみにさせて頂きます。ありがとうございました。
| 通りすがりのものです | 2016/07/25 5:19 PM |
こんばんは!
コメントどうもありがとうございます。

私も今回取り上げた記事を読んでいて、免震構造は、耐震・制震と設計思想が根本から違うのだな、と感じました。

私自身、今後マンションを購入することがあるとしたら、まず第一に免震構造かどうかをチェックしたいと思います。

近い将来相当高い確率で起こる大地震と、最低でも50年はあるマンションの寿命を考えたら、決して高い買い物ではないな、と思うからです。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます!
| coralisland | 2016/07/25 11:02 PM |
確かにいつくるかわからない地震に備え、命を買うと考えれば、数百万は安いかもですね!
こちらこそ今後とも記事を楽しみにしてます!
| 通りすがりのものです | 2016/07/26 6:54 PM |
コメントありがとうございます!
これからも記事を書いてまいりますので、よろしくお願いいたします!
| coralisland | 2016/07/28 8:08 AM |
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