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「この物件、実は…」−事故物件は未来永劫「告知事項有り」なのか

JUGEMテーマ:マンション


★ ネットサーフィンで不動産物件を見ていると、たまに「おっ」と思う安い物件に出遭うことがあります。しかし、ほとんどは、「所有権」ではなく「賃借権」物件であったり、戸建てであれば「再建築不可」物件であったりと、「ああ、やっぱりね」と落胆することになります。

 しかし、間口はしっかり取れているし、
どう見ても再建築不可物件には見えないのに安い、というものが稀にあります。戸建てや土地を探していた時分には、勢い込んで現地を見に行ったのですが、そこで業者からさりげなく、こう告げられたことがあります。

「実はこの家で、●●が原因で人がお亡くなりになっていまして」

 これが世間でいう「告知事項有り」物件、ということになります。それならそれで予めチラシに掲示しといてよ、と思うのですが、チラシに掲示した瞬間、殆どの人は引いてしまって見学のアポすら入らなくなるでしょう。現場を見れば、案外気にならない場合だって確かにあるかもしれません。

業者「確かにそういう物件なのですが、だからお安くしています。」
私「でも、この告知事項って、いつまでやればいいんですか。もし私がこの物件を30年後に売却するとしたら?」
業者「…その時も告知することになるでしょうね。でも30年も経ってますからね。買われる方も気にしないんじゃないですか」
私「…」

 調べてみると、賃貸であれば、事故後一人借りたら、次からは告知しなくてよい、といった判決もあるようです。しかし、売買となると、所有権が移転するわけですのでそのような軽い扱いにはならず、未来永劫「告知」し続けるのではないか、としか言いようがありません。

 しかし、京の町は室町時代に応仁の乱で壊滅的な打撃を受け、そこかしこで人が亡くなっているはずですが、京都で物件を購入しても
「実はここで650年前の応仁の乱の時に火災で人がなくなっていまして」のような告知は受けないでしょう。それはそのような告知の制度がなかったから、ということなのであれば、今から650年後の2667年には告知をする必要があるのでしょうか。それとも100年位経てば、もう勘弁してもらえるのでしょうか

 今はネットで事故物件を簡単に検索できてしまいます。そして、
ネットでの特定の特徴は、「永遠にその履歴が消えない」ということです。例え建物は除却できても、土地の履歴は消せません。たまたまそこで事故が起こったばっかりに、その土地は未来永劫、価値が大きく毀損されることになります。

 ネット社会に関連して、EUでは
「忘れられる権利(right to be forgotten)」が盛んに議論され、日本でも昨年から今年にかけて、その是非が最高裁まで争われました(結局、権利としては否定されました)。これは個人の人格権の保護が法益となっているものですが、事故物件の最近の有り様は、この「忘れられる権利」の議論を思い出させます。

 もちろん、土地に土地としての人格権があるわけではないので、その事故物件となってしまった
不動産の所有者の経済的利益の保護の必要性があるか否か、買い主の利益の保護とのバランスはどうか、という観点から考えるべきでしょう。

 面白いのは、
大規模マンションでは過去の履歴、工事中の事故、施工後の居住者の行動等により、事故が複数起きているはずなのに、それで物件の価値が大きく損なわれたとはめったに聞きませんし、それぞれの住戸を売却するときも逐一告知はしていないのではないでしょうか。「大勢で住めば告知要素もなくなる」というのも不思議な話ではあります。

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| ノウハウ・経験談 | 23:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
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