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大規模改修が大火事を招く?−「対岸の火事」ではないロンドンの悲劇

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 「テロ以上の恐怖−」

 15日付産経新聞は、ロンドン高層アパート火災について、このような住民の声を伝えています。ロンドン消防庁の消防総監は、「前例のない火災だ。これほどの規模のものは見たことがない」と話しています。

 誰もがこの火災を伝える映像を見て、慄然としたと思います。低層階から高層階まですっぽりと炎に包まれた高層アパートは、まさに
阿鼻叫喚の地獄そのものでした。

 本建物は公営住宅で、120世帯が入居、1974年竣工で、
昨年、約14億円をかけて2年にわたる大規模改修を終えました。外装や全館共通の暖房システム等を新しくし、住民の方々は暮らしやすくなったと喜んでいたのでしょう。原因はまだわかりませんが、おそらくはこの大規模改修こそが火災をこれほどまでに広げた要因ではないかと推察されています。

 日本では断熱材は建物の内側に貼るのが多いのですが、イギリスなど海外は
外断熱が一般的なのだそうです(日本でも住宅に外断熱を勧める本が出版されています)。そして、この断熱材に可燃性のポリエチレン素材が使われ、マンション外壁を覆ったために、外壁が一気に燃え広がったのではないかというのです。

 「なるほど」と思わせる説明です。それでは、日本の高層タワーマンションは大丈夫なのか、と誰しも心配になりますが、報道では、
日本国内の高層タワーマンションは、今回のロンドンと同様の火災が起きる可能性は低い」とされています。

 日本では、はしご車が届かない11階建て以上の建物は、
スプリンクラーの設置が義務付けられ、どの部屋で火災報知機が作動しても管理室を通じて全部屋に知らせる仕組みが取られています。また、マンションの場合、各部屋の鉄扉の外側に廊下が設置され、ベランダ側も仕切りで分断されています。

 平成27年に全国で起きた高層マンション火災は合計477件で、うち死亡火災は13件14人なのですが、
高層マンション火災全体の平均焼失面積は3.4平方メートルにとどまっています。日本国内では焼けても1室だけで済む場合が多く、大規模な延焼や逃げ遅れは考えにくい、というのが消防庁の担当者の弁です。

 ただ、
不適切な管理で危険が生じたケースもあり、平成元年8月、東京都江東区の28階建マンションから出火し、24階の約100平米が焼け、子供ら7人が一時取り残された火災がありましたが、この際には火災発生を知らせる放送に不具合があったとのことです。

 そういえば、過去にあった
雑居ビル火災では、逃げ道となるはずの外部階段に燃えやすい不要物がいっぱい置かれ、それが火災を広める原因となって避難を阻み、大惨事となったことを思い出します。亡くなられた方々は、本当に無念だったことでしょう。

 記憶に新しいのは
本年2月に埼玉県で発生したアスクル倉庫の大規模火災で、法令を遵守した防火装置を備えていたものの、防火シャッターやスプリンクラーが有効に機能せず、窓のない建物構造が消火を阻んで莫大な損失を被ってしまいました。大手会社の最新設備を備えた建物ですら火災を防げなかった状況を、私たちはもっと深刻にとらえるべきしょう。

 いかに建物自体が法令を遵守していたとしても、
適切な管理がなされていなければリスクは大変大きくなります。個人がいくら注意したとしても、集合住宅全体に気を配ることは不可能で、そのような適切な管理が欠如した建物となってしまうリスクを考えると、やはりタワーマンションは高層階ほど命を落とす可能性が高く、低層階ほど逃げられる可能性が高くなります。今回のロンドン火災でも、2階に住んでいた母親を助け出した住民は、「低層階でラッキーだった。炎が上に上がる様子を見て、背筋が凍った」と振り返っています。

 もう一点気になるのは、
今回の火災は大規模修繕が原因ではなかったか、ということです。過去にも改修中の火花が建物に燃え移ったことによるビル全焼などの悲惨な事故があったことを思い出します。改修事態に火気を使用するなどのリスクがありますが、今回の火災のように、不適切な改修方法が要因となることを気を付けなければいけません。

 建築基準法等日本の法制も、
建物建築時には建築確認をはじめとする厳しい規制や評価がなされていますが、いったん建築した後の改修方法や、リフォーム、リノベーションにはこれといった規制がない状態ではないでしょうか。今回のような誤った改修をしたとしても、それを改善指導できない点では、ロンドンでも日本国内でも同様だと思われます。

 その意味で、
今回のロンドン高層アパート火災は決して「対岸の火事ではない」ということを、私たちマンション住民は肝に銘じておくべきだと思います。

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| 地震・防災 | 20:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
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