<< アサカシオン玉川台(中古)−「用賀」駅徒歩4分、日照良好なワイドスパン物件 | main | アトラス品川中延(新築)−立地・生活環境・価格すべて良しの三重丸マンション >>
不動産投資ローンが通らなくなっている−自主規制がもたらすバブル崩壊の序曲

JUGEMテーマ:マンション


★ この土日は日本列島を台風が直撃しています。おかげで、私は予定していた「TO DO リスト」が全てできなくなってしまったので、かえって手持ち無沙汰になりました。こんな時にどうかとも思いましたが、ちょっと気になっていた土地や戸建てなどを不動産屋さんに案内してもらうことにしました。

「すみません、こんな時に」

 私が謝りながら挨拶すると、仲介業者のAさんは、にこやかに言いました。

Aさん
「いえいえ、いいんですよ。お勤めの方は土日しか休みがありませんからね」

 現地を実際に見ると、ネット上の情報以外にいろいろなものが見えてきます。駅からのルートが坂道だったり、車は通ると言われても道が狭くてものすごいテクニックが必要そうだったり、モノによっては駅距離も少しごまかしていたりして、「だからこの値段なのね」と思うことも少なくありません。結論は残念ながら「今ひとつかな」という印象でした。

Aさん
「そういえば、最近は融資が随分通りづらくなりまして」

私「え、そうなんですか。今までこんなに低金利で住宅を買う絶好の環境だったのに」

Aさん
「いえ、住宅ローンはいいんです。投資用ローンがこの9月からすっかり厳しくなりまして」

 確かに最近、ネットでは融資が通りづらくなっているとの情報を見かけていました。近年、低金利に苦しむ地方銀行などが、その活路をアパートローンに求め、採算性を度外視して融資を出し続け、結果としてアパートローンの融資残高が異様に膨れ上がっている状態となり、金融庁がこれに憂慮を示している、との内容でした。

Aさん
「この春から不動産投資に積極的に融資する銀行が徐々に減ってきてはいたのですが、どうも9月に金融庁からお達しが出たみたいで、そこからピタッと融資の流れが止まったんです。」

 Aさんによれば、それは金融庁のお達しが直接の命令だったというより、各金融機関がそれをおもんぱかって「自主規制を始めた」ということのようです。この点、いかにも日本の金融機関らしいところです。

Aさん
「いやあ、びっくりしましたよ。それまで百発百中で融資が通っていたのに、そこから十に一つか二つしか通らなくなったんですから」

「…ということは、収益物件が売りづらくなってきた、と」

Aさん「そうですねえ。例えば、今春に強気のバブル価格で出していた物件を、慌てて値下げする動きが出ています。まあ、初めの値段が高かったので、それでもお買い得感はないですけど」

 Aさんが見せてくれたチラシは、1億円近い値が付いていた投資物件が8千万円台前半まで、約1,500万円値下げされていました。

Aさん
「でもですね。このまま行くと、銀行の第4四半期の業績はがくっと落ちちゃうわけで、それは株主も許さないと思うんですよね。だから、9月〜10月は自粛していても、おそらく11月、12月には融資が戻る、と見ています。」

 「果たしてそうかな」と私は内心思いました。思い起こされるのは1990年台の不動産バブルを一気に破綻させた大蔵省の総量規制です。1990年3月、大蔵省は、行き過ぎた不動産価格の高騰を沈静化させるため、「不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑える」施策を採ったのでした。

 しかし、この政策は、
予想をはるかに超えた急激な景気後退の打撃(いわゆるバブル崩壊)を日本経済にもたらし、その後の「失われた20年」を日本に招来する要因の一つとなりました。もっとも、不動産バブルの崩壊は総量規制だけが原因ではないわけですが、そのきっかけの一つになったのは確かです。

 日本の金融機関は、お上に反抗するような風土ではなく、
自主規制を始めた以上は、それが業績を悪化させようが、そのまま歯を食いしばってしまう気がします。困るのは川上の銀行というより、川下の不動産業者、建築業者、仲介業者です。

 高値売却を目論んで不動産を所有したり、建築したりする行為は、その
大部分を短期融資で賄っています。これが思うように売れないと、現に自転車操業を行っている数多くの零細不動産業者は倒産するしかなく、そもそも銀行が融資をしてくれないと廃業するしかありません

 当時の総量規制も、
地価高騰へのハードランディングを意図したわけではないのに(当時もそういう評価ではありませんでした)、結果として日本経済に壊滅的なダメージを与えました。今回の「ソフトな自主規制」も、株価14連騰に湧く日本経済を崩壊に導く可能性がゼロとは言えないでしょう。

 現下の不動産バブルが、9月からの「融資の自主規制」により、裾野から徐々に綻びていくのか否か、注意深く見ていく必要がありそうです。

『分譲マンション・アップデート』へ


| 市場動向 | 21:39 | comments(6) | trackbacks(0) |
Comment
興味深い記事をありがとうございます。私は不動産投資はしていませんが、こういう生の声はとても貴重です。
そういえば、ここ数年、活況につき投資マンション関連の上場がいくつかありましたし、なんとなく曲がり角に来た感じがします。

お仕事でお忙しいかと存じますが、アップしていただいた記事を楽しみに読ませていただきます!
| こすもす | 2017/10/23 8:20 PM |
こすもすさん、こんばんは。
コメントどうもありがとうございます!

昨日、メルマガでいただいた不動産投資情報では、
約2億円の物件が半年間売れないまま、
ずるずると約1億5千万円まで値下げされた、
とありました。

文面からは、売主さんの融資環境は
相当切羽詰まった状態のようでした。

これがこの売主さんの固有の事情なのか、
一般的に広がっているのかで、
捉え方はかなり変わってくると思います。

でも、都心タワー物件は相変わらず高騰しており、
電話で問い合わせた三井の乃木坂タワーは、
平均坪単価800万円程度とのことです。
今後ますます大手と中小・零細デベロッパーの格差が
広がっていくのでしょう。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます!
| coralisland | 2017/10/24 11:30 PM |
日経平均16連騰ですね。新聞では安倍政権の支持率復活、黒田総裁の再任の可能性が高まったことを理由にしてますが、本当にそうなのかなと疑問に思います。安倍政権、黒田総裁コンビの政策では限界があるというのがこれまでの皆の見解のはず。株式市場が行き過ぎているのか、まだ皆が気づいていない何かがあるのか。不動産市況も大きく左右しそうだなと感じてます。これからもよろしくお願いします。
| こすもす | 2017/10/29 11:03 PM |
こすもすさん、こんばんは。
コメントどうもありがとうございます!

今日届いたメールの中には
「破綻した建築会社◯◯は、弊社とは関係ありません」とか、
「金融情勢が予想以上に厳しく、未公開物件を公開物件にします」とか、
先行き不穏な匂いを感じさせるものが2通ありました。

90年代バブルも、株価が最高値をつけた1992年には既に終わっていたとのことで、今が類似の状態ではないという保証はどこにもありません。

来年は本当に荒れる年になるのかもしれませんね。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます!
| coralisland | 2017/10/30 10:57 PM |
三菱UFJ信託銀行が住宅ローンから撤退というニュースもいろんな想像が浮かびますね。
ここ数年になかった動きがいろいろあるように思います。こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。
| こすもす | 2017/10/31 6:54 PM |
こすもすさん、ありがとうございます。

金融機関も低金利とフィンテックで
経営環境が大きく変わりつつあります。
住宅ローンも安泰でなくなった、ということですね。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます。
| coralisland | 2017/11/01 7:54 AM |
コメントする









この記事のトラックバックURL

トラックバック