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駅近は貧しさの象徴?−不思議の国ニッポンが取った選択

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★ 総務省が29日に発表した住民基本台帳人口移動報告によれば、東京圏は11万9,779人の転入超過で、前年に比べ1,911人の増加となりました。平成28年は転入超過数が減少に転じたのに、平成29年は再び増加となり、人口の東京一極集中がますます進んでいることが浮き彫りになりました。

 この統計では23区の内訳が示されていないのですが、他の統計の資料で類推するに、
都心部ほど人口集中が著しいと思われます。また、私たちがマンション購入で感じているように、駅近の物件ほど人気が高く、それに伴ってマンション価格も高くなっています。都心3LDK新築マンションは今や、億ションでない物件を探すのが難しくなりました。

 しかし、
日本の常識は、必ずしも世界の常識ではありません。例えばアメリカです。もちろん、ニューヨークのマンハッタンにマンションを買うとすれば、とてつもない価格になるのでしょうが、一般的には、住居は郊外へ求めることが望ましいとされているようです。

 実際、
アメリカ国民の4分の3が人口10万人以下の自治体や、自治体すらない地域(未法人化区域。unincorporated area)に住んでいます。居住者比率を見ると、未法人化区域が15%、5千人以下の自治体が11%、5千人〜2万5千人の自治体が18%、2万5千人〜5万人が18%、5万人〜10万人が14%で、合計76%です。したがって、10万人以上の都市の居住者は全体の4分の1弱(24%)に過ぎません。

 一方、
日本では、10万人以下の市町村には総人口の3分の1以下(30.7%)しか居住していません。日本国民がいかに都市好きかがわかる数値です。日本の人口が都市へ、都市へと集中するのに対し、アメリカの人口は、周辺へ分散していく傾向があります。ハーバード大学のハソック教授によれば、「(アメリカでは)過大都市の住民は新しい中小都市を創設して、人口を拡散する傾向がみられる」というのです。

 アメリカの第三代大統領のトマス・ジェファソンの言に代表されるように、
アメリカではスモールタウンこそがアメリカ人の一つの「夢」とされ、「郷愁的理想郷」となっています。アメリカの大都市は1950年代から1990年代までの40年間にいずれも人口が大幅に減少し、団塊の世代を中心に農村部や郊外のスモールタウンに移転する人々が増加したほか、インターネット社会になって、大都市の「会社勤務者」からスモールタウンの「在宅勤務者」になる人々も着実に増えてきました。

 ただし、これは、アメリカの
人種の問題(segregation)とも絡んでいますので、手放しで礼賛するわけにもいきません。都市の中心部には、自家用車などの移動手段を持たない低所得者層が住みつき、これを嫌った中高所得者層が郊外に「スモールタウン」をつくり、自分たちだけのコミュニティを形成していったのです。

 日本もつい最近まではアメリカと同様の発想法でした。東急電鉄の田園都市構想に代表されるように、郊外に整備されたニュータウンを形成し、同程度の所得層で構成される住民たちが計画的な区割りの中に綺麗な一軒家を持って住んできました。世田谷区ではむしろ、岡本や等々力、深沢など、
駅に遠い第一種低層住居専用地域に駐車場付き戸建を建築する方がステイタスとされてきました。公共交通である鉄道に頼って集合住宅で生活せざるを得ないのは、貧しさの象徴だったのかもしれません。

 このような郊外志向トレンドが崩れ去ったのは、土地神話の崩壊、夫婦共働き世代の台頭、それらをひっくるめて
日々の生活の余裕の無さがなせる業のような気がします。世間のお父さん達が夕焼けを見ながら奥さんとお子さんが待つマイホームに夕食を楽しみにしながら帰宅する、といったライフスタイルが続いていれば、何も駅徒歩1〜2分のタワーマンションに好んで住む必要はないでしょう。

 昨年、ロンドンで起きた
タワーマンション火災で意外だったのは、被災者である居住者がいずれも低所得者層であったことです。とても郊外に戸建を買えない層が、おそらくは役所が効率的に管理しやすいというメリットを主要な理由の一つとして、このようなタワーマンションに住まわせられていたのでしょう。

 もし日本が−つい最近までそうだったように−アメリカ型の郊外一軒家タイプが
「夢のマイホーム」であり続けたとしたら、今の日本の極度にいびつなマンション価格構造にはならなかったと思います。「貧しさに負けた」日本が、かえって都心地価・マンション価格の高騰を生んだかのようで、それはまさに我々自身に責を帰すべき選択だったわけです。

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| ノウハウ・経験談 | 20:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
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