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住宅ローン審査もAIの時代に−大事な何かが失われないか?

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★ 4日付日本経済新聞によれば、インターネット専業のソニー銀行は、10日から住宅ローンの仮審査に人工知能(AI)を使い始めます。仮審査は2日から6日程度かかっていましたが、1時間に短縮します。

 住宅ローンで
顧客の利便性を高めることで、融資を増やす狙いがあります。住宅ローンの仮審査の情報(4年分)を基に、どのような属性の人に融資できたかなどをAIに学習させました。

 以上が日本経済新聞の記事の概要です。
世の中は、AI流行りです。9日付の毎日新聞によれば、三井住友海上火災保険は、AIを使って企業の決算書などの財務情報を分析する実証実験を始めるということで、企業の保険を引き受ける際、信用力の分析にかかる時間を大幅に短縮することが目的とのことです。

 また、AIではありませんが、同じく4日付の日本経済新聞によれば、
SMBC日興証券は、顧客の生涯収支や家族構成から適切な資産形成を助言する営業ツールを導入するとのことです。これはビックデータを活用するもので、国税庁の公開データを用い、顧客の老後の収支の過不足を計算するとされています。

 総論的に言えば、
全て進めるべき方向だと思います。超少子高齢化社会で生産年齢人口がどんどん減っていく中で、今でさえスキルのある人材が不足気味なのに、これら人材が将来補填できる見込みはかなり小さいと言っていいでしょう。したがって、これは「顧客の利便性の向上」というより、「最低限のサービスを維持し続けるための苦肉の策」といった方が、各企業の心情に合っているかもしれません。
 
 一方で、「顧客の利便性の向上」どころか、
「顧客サービスの低下」につながる動きにもなりかねない点を危惧しています。まず、上記に記した通り、目線が「顧客志向」ではなく「企業の都合」が感じられます。例えば、AIで住宅ローンの仮審査をする、としたとき、企業側はAIで誤って「仮審査」が〇と付けたものを「本審査」で×にできますが、顧客である申請者側はAIで「仮審査」で×になった場合、例えこの判断がAIの誤りであったとしても、それをリカバリーする方法がありません

 これは住宅ローンという、ある意味定型的な業務なので可能なのかもしれませんが、そもそも
銀行員から「融資審査」の業務をなくしたら、何のための銀行員か、という気がします。極端な話、ネットで無人銀行を設立し、業務は学習させたAIがすべて行って、申請から即時に審査結果をメール送信する、これで手数料を稼げれば、代表取締役1人の銀行でも十分賄え、最も効率的な銀行、ということになります。

 確かに住宅ローン審査は定型的なのでしょうが、
住宅ローンといえども、各個人の事情を汲んでほしいときはあるのではないでしょうか。たまたまその時点での資料審査では通らなくても、実は退職時にストックオプションで優遇されるとか、退職年齢は50歳でもその後70歳まではキャリアアップの仕組みがあるとか、各企業のキャリア戦略はかなり多様になっています。

 AIの審査項目にはない事項について、
顧客の身になって真剣に考え、ともに融資が下りるように考えてくれるのが今までの良心的な銀行員の姿でした。そしてそれがその銀行員の行内でのプラス評価になり、昇進のインセンティブになっていたのではないかと思います。

 「いやいや、そんなものは不平等だ」「情でやる審査は甘くなる」という意見もあるでしょう。だからこそ、各企業は、これを防止するための規律やガバナンス方策を導入し、
両者の緊張関係やせめぎあいの中で業務を進めてきたのだと考えています。

 AIを活用するというのは、もはやそれだけの余裕が日本の企業になくなってきた現れなのかもしれません。また、AIを活用すること自体が、そのような経験とスキルを有する銀行員を失わせることになり、それは銀行自身にとって大きな損失ではないかと思うのです。

 AI活用はもちろん重要で、今後の業務改革に不可避なのですが、
顧客にとっても企業にとっても大事な「財産」をかえって喪失することがないよう、バランスをとってほしいと願っています。

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| 住宅ローンその他融資 | 19:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
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