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六甲アイランドの中心施設から全テナント撤退−東京のアイランド型開発は大丈夫か

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★ 14日付け産経新聞によれば、神戸市東灘区の人工島・六甲アイランド(六アイ)の大型複合施設「神戸ファッションプラザ」の商業棟から、最後のテナントの食品スーパーが撤退することがわかりました。所有者側のトラブルでエレベーターなどが停止している状況ということです。六アイは今年で街開きから30年を迎えましたが、市は同施設を中心に島の発展を目指してきただけに、「街の活性化は非常に厳しい状況になった」と頭を抱えています。

 同施設は平成9年開業し、
大型映画館を擁する10階建ての商業棟のほか、美術館やホテルなどを併設し、全盛期には多くの市民でにぎわいました。しかし、商業棟は利用者が伸びずに店舗の撤退が相次ぎ、今年4月からは1階のスーパーが唯一のテナントとなっていました。

 民間企業や市がそれぞれの施設の所有権を持ち、商業棟は昨年12月から「合同会社神戸ファッションプラザ」(東京)が所有しています。関係者によると、
同社は管理委託料を滞納しており、今年5月22日に棟内の全エレベーターとエスカレーターが停止しました。スーパーにとっては、地下駐車場や最寄り駅からの動線を止められたことになるため、同社に書面で何度も対応を要請しましたが返答はないということです。

 スーパー側は「今後さらに利用者に不便をかける恐れがある」として、
7月3日で閉店することを決めました。

 現在、
人口約2万人の六アイにスーパーは2店舗しかなく、閉店後は1店舗のみになります。

 一方、同施設の管理組合に加わる
市も所有会社と連絡が取れず、正確な事態を把握できていないということです。市は官民一体で六アイを盛り上げようと、テナント誘致を要望してきましたが実現には至らず、「所有が民間会社なので市が対応するにも限界がある。もはやどうしようもない」とあきらめの声が上がります。

 市の担当者は「市有地の空き区画に商業施設を誘致することなどを含め、新たな振興策を検討するしかない」としています。

 六アイの約6,300世帯で構成する「六甲アイランドCITY自治会」の實(じっ)光(こう)良夫会長(70)は
「島は今も阪神大震災の影響を引きずっている。スーパーがなくなるのはつらいし、不便だという声も多い。市のリーダーシップでスーパーの問題くらい解決できないと、島が発展する将来像を語っても夢のまた夢だ」と指摘しています。

 以上が産経新聞の記事の概要です。


「あの六甲アイランドが…」

 私は、この記事に少なからずショックを受けました。この記事を発見して思わず複数の知り合いに転送したところ、そのうちの一人は返信をこう返してくれました。

「六甲ライナーができ、六甲アイランドが発展していく姿を間近で見て育った者として、愕然としました。。」

 特に関西出身者で東京に出てきた人にショックが強いように思われます。

 私は入社してすぐの勤務が関西でした。24歳のクリスマスの頃、レンタカーを借りて、彼女とはまだ言えない大阪の女の子と
六甲アイランドにドライブデートをしたのです。六甲アイランドは街開きをしたばかりの頃で、新しい街はすべてが明るく、未来に向けて輝いていました。「今夜、これからどうしよう」と、どきどきしながら、クリスマスツリーのきらびやかな装飾を眺めて悩んでいたのを思い出します。

 六甲アイランドから商業施設が撤退していったのは、記事によれば
利用者が伸びなかったから、とされています。ではなぜ利用者が伸びなかったか、というと、やはり交通の便と商業施設の魅力のバランスがとれなかったからではないかと思われます。

 確かに六甲ライナーはできましたが、
神戸市中心部からお客を呼び込むほど商業施設に魅力が大きいわけではなく、島の住民の需要だけではもたなかったと考えられます。それで、日常生活に密着したスーパーだけが残ったわけですが、それではテナント全体数を埋めるだけの賃料は得られず、管理会社の質は劣化し、今日のような事態を生んだものと推察します。

 そもそも
官民協力の再開発というのは、持続性にリスクがあると考えています。官が入る再開発は、民間だけだと採算が合わず、実現できないプロジェクトを官の力でやらせようとする匂いが感じられます。したがって、調子がよいときは官民の性格の違いが目立たなくてよいのですが、調子が悪くなると、官民それぞれが責任の所在は相手方にあると考えるようになり、加速度的に破滅の道を走り始めるのです。

 心配するのは、
同じような結果が東京でも繰り返されないだろうか、という点です。アイランドは、住宅・商業・オフィスなどが集積した複合型開発を呼び込みやすい利点がありますが、周囲から途絶された環境ともなりがちです。

 アイランド型開発を成功させるには、内部から常に火を燃やし続けなければならないというしんどさがあるかもしれません。六甲アイランドもまだ逆転のチャンスはありますし、東京の再開発地域も、現在の繁栄に気を緩めずに未来を見つめていく必要がありそうです。

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| ノウハウ・経験談 | 21:47 | comments(2) | trackbacks(0) |
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Comment
coralislandさん
こんにちは。

観光で訪れたことしかありませんが、あの六甲アイランドが…と驚きをかくしきれません。
東京、特に渋谷の開発も気になりますが、個人的にはみなとみらいを心配しています。

キング軸を中心にオフィス、ホテル、商業施設、コンサート会場とこれでもかと言うぐらいの建設ラッシュです。
その一方で、駅近に建てられたオフィスは空室ばかり、ランドマークプラザ、コレットマーレは一部の店舗を除きお世辞にも商売繁盛とは言えない状況です。
新たに作るのも必要かと思いますが、まずは今あるもの有効活用を最優先にして欲しいと切に願う毎日です。
| ゆっきー | 2018/06/19 1:20 PM |
ゆっきーさん、こんばんは!
コメントどうもありがとうございます。

みなとみらいもそうなのですか。
私は、たまたまかもしれませんが、
昨年お台場に行った時に、
昔感じたワクワク感がなくなり、
どことなくさびれた印象を受けたのが
気になっています。

人口が増えない中で、
再開発は「魔法の杖」ではなくなってきていることも、
段々と明らかになってくるのではないでしょうか。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます!
| coralisland | 2018/06/19 11:37 PM |
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