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世田谷のマンションが売れない?−価格で訴求できない曖昧さが一因か

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★ 12月8日付の週刊東洋経済は、特集として『マンション絶望未来』と題したマンション市況の現況と今後の展望を掲載しています。その中では、世田谷の2物件を以下のようにレポートしています。

『ブランズシティ世田谷中町』は総戸数252戸で、訪問時の在庫は123戸です。東急田園都市線「用賀」駅から徒歩15分で、東急不動産が「過去10年間で都内最大級の開発プロジェクト」として、第一種低層住居専用地域に分譲マンションとシニア住宅の複合開発を行ったものでした。2016年より分譲を開始し、2017年に竣工しましたが、いまだに売り出されていない住戸もあります

 『蘆花公園 ザ・レジデンス』は京王線「千歳烏山」駅から徒歩9分です。2017年春に分譲を開始し、2018年に竣工しました。分譲会社は三菱地所レジデンスが筆頭で、野村不動産とセコムホームライフが加わります。そのうちの1社の担当者は、「ここは完全な赤字物件」だと言います。「事の発端は三菱があまりに高く用地の入札をしてしまったこと。リスク回避のために我々を巻き込んできた」

 平均販売価格は7,000万円台前半と近隣物件よりも高めに設定せざるを得なくなりました。それでも三菱のプライドか、対応した営業員は値引きの可否について尋ねると、一切認めないと回答しました。」

 以上が週刊東洋経済の該当部分の概要です。

 まず、『ブランズシティ世田谷中町』ですが、
一番のネックは駅距離の遠さです。東急線の駅徒歩15分の大規模開発は、「都立大学」駅徒歩15分の2003年分譲『深沢ハウス』(総戸数772戸)を想起させますが、『深沢ハウス』も当初分譲には苦労していました。しかし、その後に2008年までの不動産プチバブルの波に乗ってマンション購入熱が盛り上がり、値引き販売を行ったこともあって、最後は急速に成約が進んで完売したと記憶しています。

 しかし、現在のご時勢では、
再び新築マンション購入熱が高まることは難しいのではないかと考えられます。シニア住宅との共生も、コンセプトは大いに賛同するものですが、販売サイドからすると売りにくいこともあるでしょう。私は本マンションを知った時、「販売に苦労するだろうなあ」と直感しましたが、おそらく多くの方が同じ思いを持ったのではないでしょうか。

 『蘆花公園 ザ・レジデンス』については、
「芦花公園」駅からは徒歩6分ですので、駅から遠いというハンデがあるわけではありません。しかし、世田谷区でも環八を超えてしまうと、売れ行きは微妙に鈍ってきます。想起されたのは、2009年に竣工した『グローリオ蘆花公園』(「芦花公園」駅徒歩8分、総戸数363戸)で、思い切った値引きを敢行して売り切ったとされています。

 世田谷区は確かにブランドですが、
都心・駅近が尊ばれる昨今にあって、真っ先に売れ行きに影響が出るエリアでもあり、実際、2008年までの不動産プチバブル期にも、世田谷区の変調がまず目立ったものでした。私は、都心寄りでない世田谷区において、駅から遠い物件については、高額ブランドというより、価格面で訴求した方がアピールするのではないかと考えます。

 その好例が
2004年に分譲された『東京テラス』です。「千歳烏山」駅徒歩16分というハンデを背負いながら、総戸数1,036戸というスケールを活かしつつ児童向けの多彩な共用施設でヤングファミリーを惹きつけ、平均坪単価210万円台というリーズナブルな価格水準で早々に完売させました。

 ターゲットは30歳代ファミリーで、70平米台3LDKが4,500万円〜5,500万円で購入でき、しかもそこは、東京の世田谷区であり、子どもたちの喜ぶ共用施設がいっはいある、それならパパも駅徒歩16分くらい大丈夫、という心理をつかんだのです。

 今の世田谷区マンションの不調は、価格で行くか、高級路線で行くかのコンセプトが曖昧になっているところに起因するものと思われます。土地代や人件費の関係で、価格面での妥協ができないのであれば、今や郊外にも属してしまう世田谷区エリアの物件の供給はしばらくお休みすべきなのかもしれません。

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| ノウハウ・経験談 | 20:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
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