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過去のマンション騰落率は再現しない−今のデべロッパーの価格設定の問題点

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★ 8月16日付日本経済新聞によれば、不動産調査会社マーキュリーが首都圏再開発マンションの中古流通価格を調べたところ、新築分譲時との騰落率が最も高かったのは東京・新橋のマンションでした。新築時の2倍以上に値上がりしました。騰落率上位をみると「勝ち組の購入者は景気悪化時や条件不利地であっても先行投資で購入を決断している」(同社)としています。

 調査対象は首都圏で2004年以降に分譲された大規模再開発マンション164物件です。首都圏では新築マンション価格が上昇局面にあり、直近で中古流通のあった142物件で
騰落率がプラスなのは127物件と9割に及びました。

 騰落率が113%と最も高かったのが東京都港区の「新橋プラザビルコアレジデンス」でした。新橋虎ノ門地区市街地再開発事業の一環で2010年に分譲され、当時は2008年のリーマン・ショック後の不況のあおりで不動産価格が低迷していました。直近では都心の立地が再評価されており、騰落率が高まりました。

 騰落率が112%と2位だった「ナビューレ横浜タワーレジデンス」は横浜市のみなとみらい地区にあります。分譲は2005年と周辺開発が現在ほどには進んでいませんでした。3位の「豊洲シエルタワー」(東京・江東)の騰落率は95%でした。2005年に分譲され、当時の豊洲はショッピングセンターなどが開業する以前でした。

 以上が日本経済新聞の記事の概要です。同記事にはランキングも掲載されていますので、以下に掲載します。


   物件名                所在地  分譲年 騰落率(%) 
1 新橋プラザビルコアレジデンス      港区   2010  113
2 ナビューレ横浜タワーレジデンス     横浜市  2005  112
3 豊洲シエルタワー            江東区  2005   95
4 アークヒルズ仙石山レジデンス      港区   2012   76
5 パークタワー横浜ステーションプレミア  横浜市  2005   70


 大規模再開発に限定したランキングではありますが、港区2件、横浜市2件、江東区1件と偏りがある結果となりました。「新橋プラザビルコアレジデンス」は新橋・虎ノ門地区再開発事業、「アークヒルズ仙石山レジデンス」は虎ノ門・六本木地区再開発事業と、いずれもこれまでビジネス街一辺倒だった虎ノ門を中心とする再開発です。

 「豊洲シエルタワー」は豊洲駅前地区第一種市街地再開発事業で、
「豊洲」駅徒歩1分と、豊洲エリアのどのタワーマンションよりも駅に近い物件です。

 「ナビューレ横浜タワーレジデンス」及び「パークタワー横浜ステーションプレミア」はいずれも2005年築、「ナビューレ」は
横浜そごう隣接の住宅棟・商業棟・業務棟が一体となった大規模複合開発の住居、「パークタワー」も1階から6階までが業務・商業フロア、いずれも「横浜」駅徒歩5分以内という、みなとみらい線沿いに林立したタワーマンションより利便性に優っています。

 それぞれの分譲時の平均坪単価と、上記騰落率に従った現在の中古市場の坪単価を掲げてみます。

   物件名                分譲坪単価  現在坪単価
 
1 新橋プラザビルコアレジデンス      361万円  770万円
2 ナビューレ横浜タワーレジデンス     241万円  511万円
3 豊洲シエルタワー            189万円  369万円
4 アークヒルズ仙石山レジデンス      496万円  873万円
5 パークタワー横浜ステーションプレミア  219万円  373万円

 
 これら分譲時坪単価を調べて思い出したのが当時の各エリアの新築マンション相場で、豊洲は坪単価200万円前後、横浜で坪単価220万円前後くらいでした。今や豊洲も横浜も坪単価350万円〜400万円になっており、ここ15年でマンション価格が7〜8割上がったことになります。

 「新橋プラザビルコアレジデンス」と「アークヒルズ仙石山レジデンス」の分譲時についても記憶があります。「アークヒルズ仙石山レジデンス」は工事現場も見に行きましたが、
当時坪単価500万円というのがとんでもなく高く思え、「誰がこんなところに住めるんだろう」と思ったものでした。坪単価500万円というのは、今や都心マンションがこの価格で買えるとしたら「安い」と思えるくらいになってしまいました。

 「新橋プラザビルコアレジデンス」については、
当時も「おや」と指が止まる安さでした。「新橋」駅徒歩3分で坪単価300万円台とは、「ちょっと普通はない価格だな」と思ったのですが、マンション名の「レジデンス」よりも「新橋プラザビル」の方に目が行き、「新橋の雑居ビル」に住まいがあるようなイメージを持ってしまったのです。モデルルームで説明を聞き、現地を見に行けば印象はすっかり変わっていたことでしょう。

 いずれにせよ、
これらのマンションが出た時代は、タワーマンションが「原価積算」で価格が形成され、安く買えたよい時代でした。街の再開発には行政が深く関わることが多く、土地取得が安価に実現し、かつ、マンション建築に補助金まで出るなど、デべロッパーにとっても購入者にとっても利益の出る物件群でした。

 ところが
今の再開発事業は、タワーマンションが「収益還元」で価格が形成され、タワーマンション物件が中古市場で高く売買されることを見越して、必要以上に高い価格で分譲されているように思われます。行政のスタンスはそれほど変わらないでしょうから、要はデべロッパーのみが儲ける構図に一変してしまいました。

 今話題の
「Harumi Flag」については、デべロッパーが「安く値付けすると周辺相場を崩すからこの価格で」とし、結果、「利益が上振れしそうだから東京都にその分返すね」となっていますが、そこにはどこにも購入者に対する視点がありません。マンションが上記物件が分譲された頃に比べてとても買いにくくなっているのは、こういうデべロッパーのスタンスにも一因があるのではないでしょうか。

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| ノウハウ・経験談 | 21:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
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