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コロナで武蔵小杉タワマンから住民が続々と逃げ出している!(妄想)

JUGEMテーマ:マンション


★ 2週間くらい前の土曜日の昼下がりのことです。ちょっと時間が空いて武蔵小杉の自宅近くをぶらぶら歩いていると、その様子で地元民とわかったのでしょう、一人の男性が私に近づいてきました。

「失礼します。私、〇〇社の週刊●●の記者のAと言います。」
「は?」

 日本で知らない者はいない超有名週刊誌の記者から突然声をかけられて、私は面食らいました。生まれてこの方、街角でスカウトに声をかけられたこともなければ(当たり前ですが)、目立って良いことも悪いこともした覚えがない一小市民の私としては、最大級の警戒モードになって身構えました。

「いやあ、今コロナで大変じゃないですか。ちょっと小耳にはさんだんですが、コロナで人が密集する小杉のタワマンに住むのは危険だとかで、住民の方々が逃げ出して、郊外に向かう動きがあるっていうんですけど、そんな話を聞いたことないですか?」
「へ?」

 そんな話は初耳でした。確かに一部の論調では、感染者が多い東京を離れて地方移住が進むのではないか、みたいな希望を込めた観測がされていますが、実際にはそんな動きを東京の都心の職場でも見聞きしたことはありませんし、それがなぜ「武蔵小杉」の「タワマン」なのでしょうか。

「…いや、聞いたことはありませんが」
「そうですか…そうですよね。小杉は便利な街になりましたからね。でもそんな小杉の便利さより郊外の方に行きたいって人もいるんじゃないかと聞いたんですけど、やっぱりいませんかね」
「いやあ、聞いたことないですね」

 なおも食い下がるA記者でしたが、いくら人が良い一小市民の私でも聞いたことがない話を「そうですね」と相槌を打つわけにもいかず、A記者は残念そうに立ち去って行きました。

 昨秋の台風19号で道路冠水の被害を受けて以来、武蔵小杉タワマン被害の記事は、新聞・テレビ・週刊誌などありとあらゆるメディアで取り上げられました。そこで私たちが大いに驚き、深く傷ついたのは、世間がこれを「いい気味だ」とひそかに喝采する風潮に染まったことでした。

 週刊誌もネットも
「小杉タワマン」の記事を書くたびにアクセス数がぐんと伸び「そんな危険な低地に住んだあなた方の自己責任」「助ける必要なし」といった中傷コメントがずらりと並び、何千・何万の「いいね!」が押されていったのです。記事はますますエスカレートし、確かに排水は逆流したのでしょうが、それに含まれる汚水は微量に過ぎないと川崎市が発表し、その水の中で作業した私どもも匂いなど全くしなかったのに、「う●こがぷかぷか浮かんだ小杉う●こタワマン」と言わんばかりの記事や、小杉タワマンを揶揄する嘲りが、世間に氾濫したのでした。

 それ以来、特に週刊誌やネット記事では、
マンション関連記事では、何かにつけて「小杉のタワマン暴落か」というタイトルがつくようになりました。記事を読むと必ずしも武蔵小杉のタワーマンションの話でもないのに、最後に無理やり小杉タワマンを登場させ、タイトルに「小杉タワマン」と入れるだけで、おそらく注目度とアクセス数が全然変わってくるのです。

 記者にとっても週刊誌の編集部にとっても、
これほどおいしい素材はありません。今回は、地方移住の動きを「コロナ危険×小杉タワマン脱出→価格暴落」の構図で書きたかったのでしょう。動機はどうあれ一人でも小杉から地方に引っ越した人の話が聞ければ、それを100%誇張して書いて週刊誌のタイトル記事を獲得できるのです。A記者が休日にぶらぶらしている私のようなしがない小市民をつかまえる手間をかけるのもわかります。

 小杉のタワマンに住んでいるのは
地縁・血縁のある堅実な地元民が多く、小杉でセレブ(?)を気取っているような人は知人に一人もいません。購入時価格からの価格上昇率で言えば、小杉タワマンはむしろそれほど上がっておらず、もっと「儲かっている」マンションはごまんとあり、投資用としてもあまり適格とは言えません一体どこに「ざまあ」と言われる要素があるのか、私にとってはいまだに謎です。

 コロナに関しても、
「小杉タワマンでコロナ被害が出てないからつまらない」といった「いいね!」がたくさんついた書き込みもありました。小杉の住民ということを離れても、「日本人ってこんな他人に石を投げて喜び、それを囃したてるような民族だったっけ」と絶望的な気持ちにもなっています。

 JR「武蔵小杉」駅の改札に人がずらり並ぶ混雑にしても、かつて朝のラッシュの一時のみ起きたささいな問題で、改札口が増えたことで今やそんな現象はなく、渋谷や他の駅の混雑ぶりの方がよほどひどいのに、いまだにその印象で小杉が語られることも多いです。「これは一体何の宿命なんだろうか」と、次のターゲットに向かうA記者を見送りながら、ぼんやり思ったのでした。

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| ノウハウ・経験談 | 18:28 | comments(2) | - |
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Comment
coralislandさん、こんにちは。
毎日暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。


「人の不幸は蜜の味」とはよく言ったもので、SNS等で便利になったことにより、今まで心のうちに留めていたことが顕在化してきているのと同時に、人の痛みを感じられない人が増えてきていると思うとちょっと悲しくもなります。

今回の昨年の台風被害、コロナでもそうですが、テレビを含めマスコミがいかに偏った情報、自分たちに都合のいい情報(助成金ネタは偏った取材ばかりで時に憤りを感じます)を流しているのか再確認できました。

まぁ、言わせたい人はほっておけばいいのではないでしょうか。


| ゆっきー | 2020/08/15 6:23 PM |
ゆっきーさん、こんばんは。
コメントどうもありがとうございます!

冷静なお言葉、どうもありがとうございました。
私も今回の体験を通じて、
マスコミは客観的な正しさを追求しているのではなくて、
想定している読者が書いてほしいことを書くのだ、
とあらためて実感しました。
SNSも、その匿名性からどうしても
人間の闇の部分が浮き彫りにされてしまいます。

しかし、こうやってブログに思いを書き、
ゆっきーさんのようにお言葉をいただけるのも
SNSのありがたい特徴だと思います。
本ブログもSNSの良い面を活かしながら
こつこつと続けていければ、と思っています。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます!
| coralisland | 2020/08/18 10:31 PM |
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