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これはチャンスか罠か?−都心マンション購入逡巡記(その1)
JUGEMテーマ:マンション

 「お?何だか安い…」

 いつものように不動産ポータルサイトを見ていたときのことです。都心の人気区の新築マンションが、今では坪単価が安くても350万円〜400万円、話題のタワーマンションになると坪単価400万円〜450万円、場合によっては坪単価500万円、600万円という感じが主流となっているのに、そのマンションは、坪単価300万円そこそこで売り出しているのです。

「何か安いわけでもあるのかなあ…」

 確かに人気アドレスで複数駅利用可能なのですが、どの駅にも徒歩10分以上かかるハンデがあります。しかし、そうはいっても、試算では標準相場が坪単価360万円〜370万円はいく立地で、約15%程度割安となっています。現在、都心はどこも、試算値に使用している数値から値動きが速すぎて、常に割高判定となっているのに、これは異例です。

「具体的に場所はどこなんだろう?高速道路の脇とか、かな」

 どれどれと現地案内図を見た瞬間、

「!」

 私は息をのみました。

「娘の行く大学の裏じゃないか」

 今年、上の娘が大学を受験し、何とか受かってほっとしたところでした。そして、このマンションは、その大学の裏手に建設されていたのです。その辺りは既に成熟した街並みでしたから、新築マンションが建つ、などということは稀有なことでした。しかも、何だか安いのです。

「待てよ、これって…」

 私はその前の晩の娘たちとの会話を思い出しました。

(上の娘)「○○さんは、××で独り暮らしを始めるって」
(私)「へーえ、都内に自宅があるのに?珍しいね」
(下の娘)「パパ、知らないの?そんな子、結構多いんだよ」
(私)「あ、そうなんだ…はは」

 娘の学校(女子高)は裕福な家の子弟も多く、娘を自立させようとしているのか、あるいは娘が既に自立して離れたがっているのか、わかりませんが、とにかく大学生になって独り暮らしをさせる家庭も多いようなのです。我が家にはそんな余裕はないのですが、どことなく気後れしたのも事実です。

 しかし、
割安感を感じるこのマンションを購入し、娘に、講義の合間とか、サークル活動の前後とか、使用させることができたらいいだろうなあ、と思い始めました。その間、ローンを払い続けるのはつらいですが、売却の時に分譲時と同じくらいの値段で売れたとしたら、そんなに損をしたことにはならないのではないか、と甘い算段も頭に浮かびました。

 もし
下の娘も同じ大学に行くことができたら、それだけ娘たちの使用頻度が高まり、使用年数も長くなって、使い勝手もあるというものです。その後に可能であれば賃貸に回したり、又は娘たちが社会人になってそこに住んだり、いろいろと考えることができます。

「要はあなたって、都心にマンションほしいのね」

 笑われるのではないかと思いつつ、にそのアイディアを話したところ、やっぱり笑われました。しかし、

「私はわからないし、まあ、やってみたら」

 血液型がB型の妻は、不動産に関する私のどんな(無謀な)提案も否定することがありません。その意味では肝が座っています。

「ああ、そうなんですか。はあはあ、なるほど」

 その週の週末、モデルルームに行って、上記のような私の考えを話したところ、営業担当は、賛同するともしないともわからない受け答えで(当たり前ですね)、私の話を聞いていました。

 営業担当の話によれば、やはり
事業計画を立ててからいろいろあって工事が遅れおよそ2年前の価格で分譲することが可能になったのだそうです。

「でも、この価格ですからね。小規模マンションですが買いたい方はいっぱいいらっしゃるので、おそらく抽選になりますね」

 私の目の前に突如、彗星のように現れたこのマンション、しかも割安、そして娘の大学そばの立地「これはこのマンションが私に買ってほしくて現れたのだ」と、あらぬ空想が頭をもたげてきます。

 しかし、
事実はもちろんそんなことではなく、むしろ、娘が大学に受かって気が緩み、土日はインスタントラーメンを食べて学費と塾代に耐えてきた風雪の日々がピークを過ぎてますます気が緩んでいる私に対する、かもしれません。特に、年子である下の娘が来年受験なのですから、この辺りで気を引き締めなければなりません。

 浮かれているときに思わぬ落とし穴にはまり込むのは人間の常ではあります。バブルの時に過剰に投資をし過ぎるのも、そのような人間の習性から来る悲しい性なのでしょう。かといって、何もしなければ何も起こらないのも事実で、「虎穴に入らずんば虎児を得ず、と言うではないか」と思ったりもします。

 さて、
これはチャンスなのか、罠なのか。

「まあ、どうせ当たんないから大丈夫よ。あなたのくじ運の悪さは今住んでいるマンション買う時に証明済みだから」

 この結果については、またご報告します。

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| ノウハウ・経験談 | 20:58 | comments(12) | trackbacks(0) |
ローレルコート八雲(新築)−幹線道路沿いながら八雲の良さと眺望享受
JUGEMテーマ:マンション

★ 東急東横線「都立大学」駅より徒歩13分の場所に立地する近鉄不動産分譲・森本組施工・地上5階建・総戸数19戸の『ローレルコート八雲』です。

 アドレスは目黒区八雲4丁目です。八雲は、目黒区自由が丘、中根、世田谷区深沢などと隣接し、駒沢オリンピック公園の東南に位置します。古くは旧・荏原郡衾村と称し、昭和39年従前の衾町・宮前町・中根町・大原町・芳窪町の各一部から成立しました。

 当初は
「衾(ふすま)町」とする予定でしたが、「衾」の字が当用漢字外ということで別な名前を考えることとなり、当地にある氷川神社に奉られている素戔嗚尊(すさのおのみこと)が、出雲国において奇稲田姫(くしなだひめ・櫛名田姫)との新しい住居を構える際、「八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣つくるその八重垣を」と詠みました(日本初の和歌とされる)。この和歌を由来とした八雲学校(現:八雲小学校)の名により、これを地名としたそうです。

 現在の八雲は、
「都立大学」駅を最寄りとする高台の住宅地として有名です。中でも本マンションの立地する八雲4丁目は、「目黒区の環境優良モデル地区」に選定され、「街づくりガイドライン」が制定されることで住宅地としての景観保全が努められています。

 現地は
柿の木坂通りと駒沢通りが交わる北東角地で、「都立大学」駅から楽に歩ける緩やかな坂を上り、標高約38メートルの高台に位置します。八雲4丁目は環境良好な住宅街で知られますが、本マンションは交通量のある通りに面することとなるため、閑静とは言い難い場所ではあります。

 しかし、
南側には第一種低層住居専用地域が広がり、視界の開けた爽快な住み心地が得られそうです。この立地を活かすために、南側住戸との離隔は約9メートルをとり、日照を確保するとともに、低層階でも見晴らしが得られるように工夫されています。

 駒沢通りの向かいには成城石井柿の木坂店があり徒歩1分幹線道路沿いの利便性が得られます。駒沢公園には西へ徒歩9分洗練された個性的なお店も随所にあります。散歩するにもジョギングするにも楽しい街並みで、目黒区住宅地に在住する良さを十分満喫できるロケーションです。

 本マンションは
プランテックがデザイン監修をしているだけあって、邸宅地にふさわしいグレード感ある外観で、ブラウンとホワイトのシックな色彩を基調とし、建物自体が大きな邸宅のようなイメージを有しています。敷地面積は723.48平米、総戸数19戸とそれほど規模はありませんが、実面積以上に存在感がある建物です。

 間取りは、投資用ワンルーム等を排し、2LDK・3LDKのDINKS、ファミリー向けのプランとしました。専有面積55.07平米〜75.47平米とコンパクトにまとめ、田の字型住戸基本ですが、角部屋は玄関をサイドに配置するなど、プライバシー上の配慮が見られます。

 販売は一応3月下旬開始とされていますが、価格発表はまだなされていません。標準相場をごくおおまかに試算すると、312万円[都立大学坪単価]×0.927[駅距離補正]×1.027[地価上昇補正]=坪単価297万円となりました。しかし、実際にこの価格水準で出れば申込み殺到は必定で、さらなる高みを目指す価格として、坪単価350万円程度なのか、坪単価400万円程度なのか、さらにその上なのか売主の胸先三寸となっています。

 利便性第一の風潮にあって、各駅停車駅である「都立大学」駅から徒歩13分という距離感をどう考えるかが価格水準のポイントです。売主優位の風潮に負けずに、冷静な目で判断できるようにしましょう。

公式ホームページ ⇒ローレルコート八雲

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| 新築マンション 目黒区 | 22:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
ついにマイナス金利の住宅ローン?−マンション買って200万円もらおう!
JUGEMテーマ:マンション

 「すごい時代になったなあ」

 私がため息をついて読んだのが、ある雑誌のマンション購入に関する記事でした。その記事では、金銭感覚に敏感なAさんマンション購入に踏み切った理由がこう書いてありました。

「今の
歴史的な低金利の住宅ローンと、消費税率アップに伴う住宅ローン減税の拡充と組み合わせれば、実質国が住宅ローンの元金を払ってくれることになりますから」

 私はこの記事に目を疑いましたが、確かにこの
驚くべき現象は現実のものとなっています。例えば、住宅ローン減税の優遇がある長期優良住宅のマンションについて、住信SBIネット銀行の住宅ローン5年固定、金利0.49%で、融資年限35年、融資額5,200万円借りたと仮定すると、1年目の利払いが251,729円に対し、住宅ローン減税額はその倍の50万円となり、国が248,271円分のローン元金を払ってくれたことになります。

 仮に
金利が6年目以降10年目まで0.49%で維持できた場合、10年間の利払い総額は約221万円となります。これに対し、住宅ローン減税額の10年間の合計額は、元金残高を考慮するとその倍の約443万円で、国が約222万円のローン元金を支払ってくれたことになります。

 したがって、
マンション価格が5,200万円だった場合、国が物件価格の4%を支払った上に、10年間は住宅ローンの金利を支払ったのに等しい効果です。私は昨年夏、ビックカメラでエアコン値引きしてもらった上に無利子ローンで割賦購入しましたが、この場合、国はビックカメラと同じような役割を果たしてくれています。また、これを金利で換算すると、実質マイナス0.5%程度となり、約200万円のキャッシュバックをされたようなものです。

 なぜこれがすごいことかというと、さる筋によれば、財務省は、国のお金が個人の資産形成につながることを極端に嫌がるからだそうです。例えば、新潟大震災の前までは、いかに震災で家が全壊しようとも、その住宅の再建に国費を投入しなかったということです。それが平時の、しかも利殖にもつながる高級マンションの購入に対して、所得制限を設けることなく、一律に減税しているわけです。

 ちなみに、上記の
融資額5,200万円の例では、毎月の支払額は134,754円になります。1年目は50万円が年末調整で戻ってきますから、実質支払いは毎月93,087円となります。例えば、長期優良住宅の認定を受けた坪単価350万円の23区内人気地の新築マンションの場合、5,200万円出せば50平米程度の住戸が購入できますが、23区内人気エリアの新築賃貸マンションでは毎月12万円の家賃で30平米程度のワンルームしか借りられません。

 しかも、当然のことながら、
賃貸住宅は、そのマンションに縛られない身軽さはあるものの、分譲マンションのように資産形成にはなりません。建物も分譲仕様の方がグレードが高く、住み心地がよく、専有面積が広く、将来の賃貸・売却も見込める、ということになります。

 夫婦共働きで、それぞれが住宅ローンを組めば、それぞれが住宅ローン減税を受けられることになります。上記の例では、1億400万円の億ションを購入し、夫婦合計で10年間最大1,000万円の住宅ローン減税額となります(ただし、住宅ローン返済途上で離婚する場合は、きれいに売却できないケースではもめる要因となるかもしれません)。

 さらに、
住宅ローン減税は、一生涯で一度受けたら終わり、というものではなく要件に合致する場合には、この制度が続いていれば何度でも受けることができます。例えば10年タームでその時々のライフスタイルに合ったマンションに買い換えていけば、その都度、そのときの条件の住宅ローン減税を受けることができます。

 また、
金融機関と相談してOKであれば、既存のマンションを人に貸してその賃料を得つつ、新しいマンションを購入して移り住むことで、既存マンション住宅ローン支払い後の賃料余剰益と住宅ローン減税を活かしつつ新マンションの住宅ローンを支払うことで、資産を増やしていくことも不可能ではありません

 現在、
マンション価格が高騰して、もはや不動産バブルの域ではないかと言われたりしていますが、それでも賃貸マンションを借り続けるよりは、多少マンション価格が中古市場で値下がりしたとしてもお得ではないかと思われます。経済情勢厳しい世の中ですが、国の住宅購入支援策をできるだけ上手に活用しながら生活防衛を図りたいものです。

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| 住宅ローンその他融資 | 20:19 | comments(6) | trackbacks(0) |
銀座タワー(中古)−銀座初で随一のタワーマンション、定期借地でお手頃価格
JUGEMテーマ:マンション

★ 東京メトロ有楽町線「銀座一丁目」駅より徒歩4分、同日比谷線「東銀座」駅より徒歩5分、同銀座線「銀座」駅より徒歩8分、同有楽町線「新富町」駅より徒歩3分の場所に立地する2003年7月築・三菱地所旧分譲・鹿島建設施工・地上25階地下2階建・総戸数180戸の『銀座タワー』です。

 アドレスは中央区銀座1丁目です。銀座の説明は今更するまでもなく、日本で最も有名な地名です。銀座の地名の由来は江戸時代に設立された貨幣の鋳造所のことで、慶長6年(1601年)に京都の伏見に創設されたものが1800年に東京の蛎殻町に移転して以来、元の「新両替町」の名称に代わり「銀座」として親しまれるようになり、この地名が定着しました。また、銀座四丁目交差点周辺は商業地として日本一地価の高い場所としても知られています。
 
 銀座は、
中央区の西部に位置し、北側より銀座1丁目から銀座8丁目まで存在します。本マンションは銀座1丁目に所在し、最寄り駅は「新富町」駅で徒歩3分となります。ただし、「銀座一丁目」駅徒歩4分、「東銀座」駅徒歩5分、「銀座」駅徒歩8分と「銀座」を冠する各駅にも近く、プラチナアドレス・プラチナ立地と言っていいでしょう。

 実際、本マンションは
銀座初のタワーマンション、そして銀座中心部に一番近いタワーマンションと言われています。売主は三菱地所、施工は鹿島建設という一流コンビ、ホテルライクな内廊下設計で、築12年とまだ新しいのも目を引きます。ただし、本物件は定期地上権物件ですので、借地期間は2053年8月までと、あと38年となりました。最近の定期借地権、定期地上権物件と比べると、当初設定期間が50年と短いのが惜しまれます。

 一方、定期地上権物件でありながら
サスティナブル・デザインを採用し、100年もの長きに渡って大規模修繕が不要と予測される高強度コンクリートや高強度鉄筋を採用、制震ダンパーや保安電源発電機を導入し、バリアフリーなども実現、スケルトン・インフィルの思想により、メンテナンス性とリフォームの自由度が高められています。

 本マンションは、
共用施設も充実しており、アートミュージアムのような白を基調とした大理石張りのエントランスロビーモノトーンカラーのエレベーターホールをはじめ、エグゼクティブサロン、アートスクエアなど、銀座居住を実感させる美しく高級な設えとなっています。

 このほか、
ライブラリールームや最大12名での会議が可能なコミュニティスクエアもあり、ビジネスシーンに配慮されています。生活利便性の点では、各階にゴミステーションを配し、24時間ゴミ捨て可能なのも嬉しいポイント、24時間有人管理セキュリティも安心です。なお、オール電化マンションとなっています。

 銀座にありながら
ランドスケープは緑溢れるものとし、白と黒を基調とした都会的なモダンスタイルの外観ともよく調和します。松屋銀座徒歩6分、銀座三越徒歩8分と、当然のことながら銀座ショッピングは自由自在です。

 対象住戸は
地上25階建て建物の10階に所在する専有面積54.39平米の1Rです。北西向きで、前面に高い建物がないため圧迫感がなく、日照・眺望良好です。

 ハイサッシの窓が明るく、段差のないフラットフロアです。玄関からホールを抜けると床暖房付きの16.3帖のリビングがあるシンプルな造りで、ここに壁付けのワイドなキッチン(IHクッキングヒーター、食器洗い乾燥機付)と、逆の壁には一面の壁面収納が備わっています。水廻りは玄関左手に固められ、洗面室が広くリビングとの2wayとなっており、バスは1418サイズです。

 収納もゆとりがあり、2帖の納戸の手前はカウンター付ユーティリティが備わり、アイロンかけや洋裁もここで可能です。洗濯機置き場もユーティリティにあり、作業部屋として統一感があります。

 販売価格は4,980万円、坪単価303万円です。『マンションナビ』で対象住戸の自動査定を行ったところ、4,640万円(坪単価282万円)〜4,940万円(坪単価300万円)となり、今回の販売価格はこのレンジをわずかに上回っています。なお、本マンションは、分譲時の平均坪単価が241万円程度でした。本マンションの現在の中古価格はこれを2割以上上回っており、当初に購入された方は余裕で売却益が出る状態です。

 本住戸には
定借保証金が731.2万円あり、これが新しいオーナーに引き継がれます。毎月の管理費は11,000円割とリーズナブルですが、定期借地物件ですから借地料は月30,740円かかります。もっとも、借地であるがために固定資産税はかかりません

 偶然にも私は本日の
お昼を本マンションが所在する銀座1丁目でいただきました。最近銀座にも来る機会がなかったのですが、少し見ない間に高級ブティックの立ち並ぶ街に変貌していて驚きました。道行く人もアジア系を中心に外国人が多く、現在ではワールドワイドで人を惹きつける街となっています。

 このように
銀座の地位はますます揺るぎなく、銀座の価値はますます高まっています。「銀座タワー」と正面から銘打った本マンションも、将来にわたってランドマークの一つとなることでしょう。

 種別:中古マンション
 名称:銀座タワー
 価格:4,980万円 (税込)
 所在:中央区銀座1丁目
 交通:「新富町」駅徒歩3分
 面積:専有54.39平米

詳細はこちら(ノムコムより)
銀座タワー

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| 中古マンション 中央区 | 20:10 | comments(2) | trackbacks(0) |
分かれ道はいつどこで−高級マンションの家族、安アパートの独り暮らし
JUGEMテーマ:マンション

★ 一時期、投資用アパートを探していたことがありました。金額的に手軽で、利回りも高く、かつ、マンションのように毎月の維持管理費や修繕積立金がありません。また、土地も付いてくるので、出口戦略としてアパートとして売ることも土地として売ることもできます。

 昨夏のある土曜日、登録していたメールアドレスに、「これは」という物件が送られてきました。横須賀市内京急本線最寄駅徒歩10分以内、築年数は30年未満で、価格は数百万円とお手頃、2戸構成のアパートで満室、利回りは15%を超えていました。

 すぐさま
資料請求すると、かなり時間を経過して仲介業者から電話がありました。

「すみません、資料請求の数がすごくて遅れてしまいました。」
「ああ、やっぱりそうですか」

 こういう時はすぐ行動を起こすに限ります。資料請求が朝で、電話があったのが正午です。物件を見もせずに買付証明書を出す人もいますが、さすがにそこまでは勇気がなく、すぐさま現地を見に行くことにしました。

「一つだけお断りしておきますと、
最近2階を貸し出したのですが、地元の不動産業者がえらく安い額で60歳代の女性に貸しちゃったんですよ。本当は月5.5万円は取れるのに、月3.5万円の家賃なんですね。1階の賃借人は中年男性で月5万円で長く借りてくれているんですが、より条件のいい2階が3.5万円って知れちゃったら困りますよね。」

 それもあって、
安い値段設定にしているとのことです。また、現在のオーナーは親のアパートを相続したのですが、そもそもアパート経営に興味がなく、いくらでもいいから早く売って肩の荷を下ろしたい、と思っているようです。これらの事情は、購入する側にとっては願ったりかなったりの条件になります。

建物自体はまだしっかりしているんですけど、鉄骨階段がもういかれてまして、これは修復が必要ですね。でも、お金かけても修理代は10万円もしないかな」

 私は
「武蔵小杉」駅からJR横須賀線に飛び乗り、「横浜」駅乗換えで京急線で南へと向かいます。「上大岡」駅以南はほとんど未知の世界で、京急線でも最も乗降客数が少ないと言われる目的地・A駅に到着しました。

「あ」

 「横浜」駅から約30分で着く駅とは思えない閑散とした駅前、というか駅前と言えるほどのスペースがない交差点にはぽつんと交番が一つ、店と言えば、京急電鉄が責任感をもって営業していると思われる京急ストアが道路に沿った細長い敷地に貼りつくように建っていました。

 ここから
目的のアパートには、表示上は10分以内とは言え、台地上にあるA駅からいったん上って、さらにぐっと下っていきます。人気のない坂を下っていると、アパートのある方角から一人の年老いた女性が買い物カートを押してとぼとぼと坂を上ってきました。

 確かにアパート
周辺には小さな酒屋以外に店らしい店がなく、この辺に住んでいる人は普段の買い物はどうしているのだろうと、人ごとながら心配になりました。ファミリーの住む戸建てであれば当然車を持っていますから、横須賀市中心部に買い出しに行けばいいのですが、私が購入しようとしているアパートの住人には車がなく、まして60歳代の独り暮らしの女性となると、先程すれ違った年老いた女性のように、駅前の高台の京急ストアに徒歩で買いに行くしかないのでしょう。

 目的のアパートは、
路地の最も奥にひっそりと建っていました。アパートの裏手は崖になっており、横須賀市から急傾斜地崩壊危険区域に指定されているようで、崩壊防止の柵が張り巡らされていました。

 仲介業者の指摘通り、
鉄骨階段は手すりがぶらぶらになって、2階踊り場には穴が開いており、注意が必要です。アパートを相続した現オーナー全くやる気がなく、このような状態がひどくなっていく様を苦痛に感じていたのでしょう。

 踏み抜きそうな
2階の踊り場には箱がきれいに積み重ねられており、そこに吊るされた紙には女性らしいきれいな文字で、次のように書かれていました。

「郵便・新聞を配達される方へ 申し訳ありません。引っ越してきたばかりで郵便受けと新聞受けの準備ができておりません。恐れ入りますが、この箱の中へ入れていただけますでしょうか」

 もちろん誤字・脱字はなく、丁寧で知性が感じられる文章でした。アパートの裏手に回ってみると、この最近入居した60歳代女性が前の住居から持ってきたであろうたくさんの植木鉢が整然と並べられ、可憐な花を咲かせていました。

 私は思わず
その場に立ち尽くしました。それまで2階住人に抱いていたイメージは、「何かの間違いで相場より安く貸してしまった問題の人物」といったものでしたが、その想像とは裏腹に、きちんとした真面目さの感じられる住まい方だったからです。

 私は逆に、
「何の間違いでこの安いアパートに住むことになったのか」と疑問に思いました。60歳代・女性の一人暮らし、家賃3.5万円の生活は、あまり恵まれているとは言えません。近くにスーパーもなく、利便施設もないところに、きちんとした教育を受け、真面目に人生を送ってきたこの女性何故住まなければならなかったのでしょうか。

 踊り場にあったメッセージ裏手の整理された植木鉢を見ながら、私は、この女性はこの地で一人の生涯を最期まで送ることを決めたのかな、と感じました。その佇まいに、どことなくこの女性の覚悟を感じたからです。そう考えると、この閑散としたエリアとひっそりとしたアパートは、そのような覚悟を持つのにふさわしいものに思えたのでした。

 都心のマンションのモデルルームに行くと、若くして年収のありそうなカップルやファミリーが、7千万円、8千万円の住戸をああでもない、こうでもないと、楽しそうに選んでいる光景をよく目にします。そんな彼らと、A駅から一山下った路地奥のアパートで生涯を終えようとする女性とは、どこでどう道が分かれてしまったのでしょうか。

 結局このアパートは、現金買いの個人投資家に買われていき、その日の夕方に買付を入れた私に番手が回ってくることはなかったのですが、この女性の住まい方だけは、今でも強く印象に残っています。

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| ノウハウ・経験談 | 21:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
パークシティ中央湊 ザ タワー(新築)−バブル跡地の隅田川近接・大規模再開発
JUGEMテーマ:マンション

★ 東京メトロ日比谷線「八丁堀」駅より徒歩6分、同有楽町線「新富町」駅より徒歩8分、JR「東京」駅より徒歩20分の場所に立地する三井不動産レジデンシャル分譲・大成建設施工・地上36階地下1階建・総戸数418戸(権利者住戸148戸を含む、他に店舗1区画、印刷工場1区画、事務所1区画)の『パークシティ中央湊 ザ タワー』です。

 アドレスは中央区湊2丁目です。は、古今を通じて、鐵砲洲稲荷神社の門前町として賑わいを見せた町です。その一方で、湊2丁目一帯の住宅地バブル期に地上げ屋の攻勢を受け、老朽化した住居と駐車場用地が入り組んだ虫食い状態の街並みが広がっていました。

 もちろんこの状態を
東京都が放っておくはずもなく、ずいぶん前から再開発計画があったのですが、これがようやく動き始めました。本事業は、その名称を「東京都市計画 湊二丁目東地区第一種市街地再開発事業」として、湊二丁目東地区(0.5ha)は、都市再生機構を施行者とする湊二丁目東土地区画整理事業の施行地区(約1.8ha)内にあります。この土地区画整理事業と第一種市街地再開発事業は一体的に進められる計画で、土地区画整理によって道路が変更され、街区が再編されています。この土地区画整理事業は、2012年度に着工、2020年度の完了を目指すとのことです。

 このような再開発事業の性格上、
権利者住戸が148戸と多いのが特徴で、総戸数の35%を占めています。また、建物内に印刷工場1区画というのも中央区湊らしい業態です。一方、住居だけでなく商業施設も備え、A街区を含めれば北西側に隣接する鉄砲洲児童公園まで豊かな植栽のグリーンベルト地帯を創出、これらは今までの雰囲気を一変させるもので期待できます。

 そして
大きな魅力の一つが隅田川近接の眺望です。今後の街の発展にも左右されますが、現状では抜け感のある眺望水辺の風景とともに手中にすることができます。建物形状は隅田川に向けてワイドフロンテージとなる板状マンションとなっており、あっという間に総戸数505戸を完売した『パークコート千代田富士見 ザ タワー』を想起させる外観です。

 また、
銀座エリア(正確には銀座1丁目27番まで)へは徒歩11分と近いのもセールスポイントです。確かに湊アドレスであればどれも同じような駅距離なのですが、いずれも小規模マンションで、これに対し本物件は、少なくとも今世紀に入ってからは湊アドレス最大規模のマンションとなります。しかも再開発物件というプレミア付きで、これで銀座徒歩11分とは希少価値大だと考えます。

 ただし、再開発エリアで、
従前は駐車場や空家の多い活気のない場所だっただけに、現状として商業施設には恵まれておらず、本物件低層階に入る商業施設はスーパーマーケットを是非期待したいところです。既存商業施設としては、サンドイッチとお弁当で界隈では馴染みのあるメイユールが徒歩2分、ファミリーマートが徒歩2分、ローソンが徒歩4分となっています。小学校は近く、区立中央小学校が徒歩2分、そして上記の鉄砲洲児童公園が徒歩2分ですから、育児環境はまずまずです。

 販売開始は8月下旬を予定しており、まだ当分先ですが、『パークホームズ豊洲ザレジデンス』のように、長い周知期間の間に相場が上がってしまった(坪単価340万円程度)事例が出ており、本マンションも競合物件となる『Brillia THE TOWER TOKYO YAESU AVENUE』の様子を見てプライシングができるだけに、先行き恐ろしい気もします。

 ネット上の掲示板では
平均坪単価400万円超を予想する声が大勢ですが、このままマンション価格の高騰が夏まで続いているようであれば、平均坪単価は500万円を少し切る程度となるのではないでしょうか間取りは1LDK〜3LDK、専有面積40.06平米〜110.41平米ですから、仮にレンジを坪単価390万円〜590万円としてみると、4,700万円〜2億円程度となります(もちろんただの推測です)。

 もっとも、同じ町内で分譲中の『グランスイート八丁堀』は、現在の先着順販売住戸5戸が間取り3LDK、専有面積68.95平米〜74.04平米に対し販売価格6,290万円〜7,040万円坪単価302万円〜314万円程度ですので、これを踏まえれば坪単価500万円が見える価格設定はしないような気もします。

 「八丁堀」駅は「東京」駅へ1駅2分と、利便性が高い割には今まで脚光を浴びてはいませんでしたが、同駅を最寄り(徒歩1分)とする『Brillia THE TOWER TOKYO YAESU AVENUE』大々的に販売キャンペーンを展開しており、これから注目のエリアとなっていきます。

 その中にあって、本マンションは、
最大手デベロッパー×スーパーゼネコンの再開発物件であり、周辺に大規模マンションがないだけにランドマーク性も十分で、資産価値・投資的価値ともに将来に向かって大きく見込める話題の物件となりそうです。

公式ホームページ ⇒パークシティ中央湊 ザ タワー

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| 新築マンション 中央区 | 21:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
東横線VS田園都市線の地価勝負は東横線圧勝?−三軒茶屋、用賀を狙うなら今か
JUGEMテーマ:マンション

★ 3月18日付日経新聞によれば、国土交通省が同日発表した2015年1月1日時点の公示地価は、全国の商業地が前年比0.0%7年ぶりにマイナス圏を脱して下げ止まりました。住宅地を含む全用途は0.3%下落しましたが、マイナス幅は5年連続で縮小しました。大規模な金融緩和で不動産取引が活発になり都市部の地価を押し上げました。ただ地方は下落が続いており二極化も鮮明です。

 全国の住宅地は0.4%下落し、マイナス幅は14年から0.2ポイント改善しました。商業地は0.5ポイント改善しました。上昇が目立ったのは都市の商業地で、東京、名古屋、大阪の三大都市圏は上昇率が1.8%となりました。札幌、仙台、広島、福岡の地方中枢都市も2.7%上昇しました。

 全国で最も上昇率が高かったのは北陸新幹線の開業で再開発が進む金沢(17.1%)です。最高額地点は9年連続で東京・銀座の「山野楽器銀座本店」(1平方メートルあたり3,380万円・上昇率14.2%)でした。日銀の大規模緩和で資金調達がしやすくなり、都市部の商業地は企業や不動産投資信託(REIT)の取引が活発です。海外の企業やファンドによる投資も多くなっています。

 地方は持ち直しが遅れています。三大都市圏の全用途平均は0.7%上昇して2年連続のプラスですが、地方圏は1.2%下落しました。住宅地、商業地とも都市圏はプラス、地方圏はマイナス明暗が分かれています。

 都市圏の住宅地は2年連続で上昇しましたが、上げ幅は0.4%と前年(0.5%)からやや縮小しました。東京などの都心部の住宅地は高い伸びですが、都市近郊は上昇が一服して都市圏の中でも二極化しています。昨年4月の消費税増税によって2014年の住宅着工が前年比9%減の約89万戸5年ぶりに前年実績を下回ったことが響きました。建築資材や労務費の上昇で建築コストが上がっていることも住宅投資にはマイナスです。

 以上が日経新聞の記事の概要です。
予想通りの地価上昇ですが、マンション価格の急上昇に比べれば比較的穏やかな上昇で、やはり昨今の都心タワーマンションの価格上昇は、むしろ人件費、資材価格の高騰の影響が大きいのでしょう。

 さて、以下は
よりミクロに地価上昇の動向をみていきたいと思います。23区内の地点で、地価上昇は当然とした場合、むしろ上げ幅が小さい点をピックアップすると、次のとおりです。

【新宿区】大久保
【台東区】根岸、三ノ輪、柳橋、東上野、浅草橋、日本堤、浅草
【墨田区】文花、亀沢、千歳、立川、八広、横川、墨田、両国、押上、東駒形
【江東区】北砂、亀戸、大島、南砂、辰巳、東砂、石島、清澄、森下、有明、東雲、佐賀
【目黒区】中町
【大田区】大森北、東雪谷、中馬込、東糀谷、南六郷、蒲田、仲六郷、下丸子、南雪谷、西馬込、東嶺町、田園調布、新蒲田、中央、西糀谷、大森中、田園調布南、南馬込、池上、西蒲田、東六郷、東馬込、東矢口、大森西、多摩川、羽田、千鳥、大森南
【世田谷区】桜上水、上馬、南烏山、大原、上野毛、東玉川、喜多見、新町、鎌田、上祖師谷、瀬田、宇奈根、祖師谷、弦巻、桜丘、岡本、赤堤、梅丘、砧、深沢、玉川、世田谷、代田、船橋、経堂、羽根木、松原、宮坂、奥沢、大蔵、野沢、若林、野毛、上用賀、下馬、三軒茶屋、給田、北烏山、粕谷、上北沢、尾山台、用賀
【中野区】新井、鷺宮、沼袋
【杉並区】成田東、下井草
【豊島区】千川、南長崎
【北区】西が丘、上中里、東十条
【荒川区】荒川、南千住
【板橋区】前野町、大山東町、高島平、徳丸、志村
【練馬区】平和台、●大泉学園町、春日町、貫井、関町北、東大泉、早宮
【足立区】綾瀬、●鹿浜、西新井、東保木間、竹の塚、●本木北町
【葛飾区】東金町、●水元、青戸、立石
【江戸川区】東小岩、船堀、東小松川、中葛西、中央

 …実は、世田谷区までで全地点を追うのに疲れてしまい、中野区以下も膨大な地点数が想定されたため、以降は主要地点に限って記載しています。掲載基準は、地価の前年比較で数値(割合ではありません)の上げ幅が一ケタにとどまっているものとしています。●は、前年と同額の地価だった地点です。

 したがって、
上記地点の記載がない区(千代田区、中央区、港区、文京区、品川区)全地点で数値の上げ幅が2ケタ以上だったことになります。都心3区+教育環境等で人気を集める文京区+山手線新駅発表で勢いづく品川区(* 山手線新駅及び「品川」駅は港区所在であるとのコメントをいただきました。ご指摘ありがとうございます)のラインナップは納得のいくものです。

 しかし、
その他のエリアでは、地点地点では高騰しているところもありますが、全体としては、上げ幅は昨年に比べて緩やかです。例えば、東京スカイツリーの所在する墨田区押上エリアの上昇かなり落ちついてきており、上記の通り、地価上昇の小さな地点としても顔を出しています。

 また、
江東区では、辰巳、有明、東雲といったタワーマンション、大規模マンション所在地の地価上昇も小幅にとどまっています。これら地域ではタワーマンション、大規模マンション分譲が目下のところピークを過ぎており、開発需要がやや低調だったことによるものと思われます。

 大田区においても、かつては大規模マンション開発競争で熱を帯びていた下丸子がすっかり落ち着きました。邸宅地であまりに有名な田園調布、またそのお隣の多摩川エリア地価上昇は緩やかです。

 さて、ここで
注目したいのが目黒区と世田谷区の地価上昇の勢いの違いです。目黒区で地価上昇が鈍かったのは中町のみで、ここは東急東横線の各駅からいずれも10分以上かかるエリアに位置します。一方、世田谷区で地価上昇率が小さい地点は多数挙げられており、人気地として知られるブランド地が目白押しです。

 特に
東急田園都市線沿線でみてみると、上馬、瀬田、弦巻、岡本、深沢、玉川、野沢、若林、上用賀、下馬、三軒茶屋、用賀と、多くの地点がピックアップされます。全体としては田園都市線各駅からやや遠い地域が多いのですが、それでも三軒茶屋、用賀といった田園都市線の駅近地点も含まれています。

 ひるがえって、
東急東横線については、世田谷区奥沢は「自由が丘」駅エリア、世田谷区深沢は「都立大学」駅エリアとも言えますが、少なくとも「学芸大学」駅〜「渋谷」駅間では掲示された地点がありません。その意味では、二大人気路線である東急東横線と東急田園都市線の間でも勢いに差があり、現時点では東横線沿線の人気が優っていると言えそうです。

 私は最近、
土地販売のサイトも閲覧していますが、確かにプライシングはマンション価格の爆発的な上昇に比べればはるかに穏やかです。しかし、本年に入ってから、リーズナブルな土地はあっという間に売れてゆき、いつまでも残っている物件との間で売れ行きの「二極分解」現象が起きています。マンション価格の上昇に出遅れている土地物件で、人気ブランド地ものに目を付けるなら今のうち、ということかもしれません。

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| 市場動向 | 20:36 | comments(4) | trackbacks(0) |
藤和世田谷岡本ホームズ(中古)−駅近とは無縁な立地の良さと物件の魅力
JUGEMテーマ:マンション

★ 小田急小田原線「成城学園前」駅よりバス10分(バス停 公園橋)下車徒歩2分、東急田園都市線「二子玉川」駅よりバス17分(バス停 公園橋)下車徒歩2分の場所に立地する1997年5月築・藤和不動産&エフ・ティー都市開発旧分譲・フジタ施工・地上6階建・総戸数19戸の『藤和世田谷岡本ホームズ』です。

 アドレスは世田谷区岡本3丁目です。岡本は、東急田園都市線の「用賀」駅・「二子玉川」駅から徒歩15〜20分程度に位置し、砧公園に接しています。北側を東名高速道路が通るとともに、丸子川が流れ、国分寺崖線に沿うため崖線の上下を結ぶ坂が複数見られます。

 岡本3丁目27番と28番の間にある国分寺崖線の急坂に、
「岡本三丁目の坂」と呼ばれる坂があり、この坂は坂上から多摩川方面を臨むと、視界を遮る高い建築物がなく、晴れた日には富士山を望めます。世田谷百景のひとつで、関東の富士見百景にも選ばれており、目黒区青葉台の坂などとともに「東京富士見坂」の名を与えられています。坂を下ると仙川にかかる西谷戸橋で、その先は鎌田となります。坂下にある玉川幼稚園は高橋是清の別邸跡です。

 岡本は、1597年(慶長2年)の
六郷用水開削関係の文書に初出し、1889年(明治22年)砧村の大字となりました。1936年(昭和11年)より世田谷区岡本町となり、1968年(昭和43年)に住居表示が実施され、岡本1〜3丁目が成立しました。

 近代において、
国分寺崖線沿いには政財界重鎮の別邸が多く建てられましたが、岡本にも岩崎小弥太、鮎川義介、高橋是清などの別邸が存在しました。岡本という地名は、村内の長円寺の山号からとった、或いは木曾義仲配下の岡本成勝の出身地であることに因むなどと伝えられていますが、実際は地形的な命名と考えられています。

 本マンションは
国分寺崖線頂上部分に位置し、エントランスは5階でその上部に1階(すなわち6階)をいただいて、崖に沿って要塞のごとく下っていくマンションとなります。単価の安い崖地に沿った形でマンションを建築できるため一時期流行った手法ですが、横浜市など自治体によっては条例によりその建築が規制され、今では下火となりました。

 しかし、崖地に沿って建築されるため、
下の階まで遮るものがなく、眺望は非常に良好です。また、独特のせり出した間取りが誕生するため、一つ一つの住戸がユニークで、かつ、魅力的なプランが多いのも特徴です。各階の多くの間取りにルーフバルコニーが付けられるのもメリットと言えます。

 本マンションは、
岡本の中でも高級住宅街の並びとなる恵まれたロケーションで、魅力は十分です。ただ、惜しむらくは駅距離の遠さで、バス便必須、あるいは電動自転車で坂道を往来する必要があります。もちろん、車を利用するのであればそのような懸念も軽減されるので、車による移動を前提とした生活を送る方には苦にならないでしょう。

 ちなみに歩くと
「用賀」駅から徒歩23分、「成城学園前」駅から徒歩25分、「二子玉川」駅から徒歩28分の距離になります。「二子玉川」駅からは最後の坂がきつく「用賀」駅からの道のりはアップダウンはありますが、最も利便性の高いルートとなりそうです。

 共用部はきれいに清掃され、また植栽はよく整えられていて、さすが高級住宅街に位置するだけのことはあります。落ち着いたブラウンタイルの外壁と植栽の緑のコントラストが美しく、私はなぜかトスカーナ地方の風景を思い出しました(と言いながら、私はトスカーナ地方に行ったことはなく、あくまでイメージです。)。メインエントランスは、扉を開放すると大理石を用いた壁、花台が現れ、豊かな空間が広がります。

 対象住戸は
地上6階建て建物の2階に所在する専有面積85.84平米の3LDKです。南西・南東向き角部屋で、2階住戸にもかかわらず、日照・通風・眺望良好です。さらに、約17.6平米のバルコニーに加えて約10.6平米のルーフバルコニーが備わり、おまけに4帖のキッチンの外に約6.2平米のキッチンウエアスペースもあるなど、生活面積はかなり広くなっています。

 センターインの玄関で、PP(パブリック・プライベート)分離が明確です。12.2帖のLDは南西向き・南東向きの2面開口、隣接する和室は6帖の広さです。7.1帖の主寝室と6.4帖の洋室にはライトコート(吹抜け)が付いて明るさを確保、大型収納はないものの各部屋に十分な収納が付いて、標準的な収納量があります。洗面所・浴室の配置も他部屋から独立していて好印象、やはり良い間取りです。

 販売価格は4,500万円、坪単価173万円です。『マンションナビ』で対象住戸の自動査定を行ったところ、4,440万円(坪単価171万円)〜4,740万円(坪単価183万円)適正レンジ内の下限に位置する価格となり、お得感のある水準と言えそうです。

 ちなみに、本マンションの
分譲時平均坪単価は348万円程度であり、築17年を経て半値程度になっている計算です。これは、本マンションの販売された1997年当時はまだ岡本ブランドのプレミアムがあったのですが、今や駅からの利便性ばかりが強調されているため、岡本ブランドといえども駅からのバス便は売りづらく価格が予想以上に下がっているものと推測されます。

 しかし、
現地に行けばおそらく誰もが岡本という緑豊かな住みやすく気品ある土地柄とそれにふさわしい本マンションの魅力に惹き付けられるのではないかと思います。駅近を競うのもよいのですが、本マンションのように、駅とは無関係な立地の良さを体感してみるのもよいのではないでしょうか。車利用中心の購入検討者にはお薦めのマンションです。

 種別:中古マンション
 名称:藤和世田谷岡本ホームズ
 価格:4,500万円 (税込)
 所在:世田谷区岡本3丁目
 交通:「成城学園前」駅バス10分(バス停 公園橋)下車徒歩2分
 面積:専有85.84平米

詳細はこちら(ノムコムより)
藤和世田谷岡本ホームズ

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| 中古マンション 世田谷区 | 20:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
積み上がる変動金利の貸出残高−気になるバーゼル委員会の国債評価見直し
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★ 国土交通省は3月13日、『平成26年度民間住宅ローンの実態に関する調査の結果について』を公表しました。本日はこの内容についてご紹介したいと思います。

 まず、
個人向け住宅ローンの新規貸出額は、平成24年度は159,786億円、平成25年度は161,018億円であり、平成25年度の新規貸出額は前年度比0.8%増となりました。平成22年度からの変化を見ると毎年増加してきており、平成25年度は消費税率アップ前の駆け込み需要の伸びが予想されたのですが、現実にはそれほど大きな伸びではなかったことになります。業態別では地銀が57,048億円でトップ、都銀・信託銀行他が55,042億円で続いています。

 貸出残高については、平成24年度末時点では1,240,684億円、平成25年度末時点では1,275,62億円であり、平成25年度末の貸出残高は前年度末比2.8%増となっています。こちらは平成24年度の伸びよりも平成25年度の伸びの方がやや大きくなっています。また、業態別では都銀・信託銀行他が450,766億円とトップ、地銀が445,497億円とわずかの差で2番手につけています。上記の新規貸出額と考え合わせれば、昨今は資金の貸出先に悩む地銀の方がより住宅ローンの貸出に積極的であることが読み取れます。

 ただし、
新築住宅(新築マンション含む。)に対する住宅ローンの新規貸出額は、平成24年度は56,734億円、平成25年度は56,004億円であり、平成25年度の新規貸出額は前年度比1.3%減となっています。過去を見ると、平成23年度が前年度比較で大きく新規貸出額を伸ばしたのに対し、平成24年度は頭打ち、そして平成25年度は逆に減少に転じました。

 これに対し、
中古住宅(中古マンション含む。)に対する住宅ローンの新規貸出額は、平成24年度は10,953億円、平成25年度は11,251億円であり、平成25年度の新規貸出額は前年度比2.7%増となっています。最近では、平成23年度を谷として順調に新規貸出額が増えています。上記の新築住宅と合計した新規貸出額では0.6%減となっており、全体では微減にとどまっているとも言えます。

 これらのことから、
平成25年度は住宅ローン借入者の購入住宅が若干中古住宅にシフトしたと言え、これは最近のマンション価格高騰の影響を受けたものと考えられます。この調子でいけば、足元の平成26年度は更に中古住宅シフトが進んでいるものと予想されます。

 次に、
他の住宅ローンからの借り換えの実績すが、平成24年度は23,056億円、平成25年度は18,494億円であり、平成25年度の新規貸出額は前年度比19.8%減となっています。これは近年にはない落ち込み方で、低金利が続いている現状から、借り換えにメリットがありその意向がある者はほぼ借り換えを終えており、これ以上の伸びしろに乏しいのかもしれません。

 金利タイプでは、平成25年度は「変動金利型」(49.7%)の割合が最も多く、次いで「固定金利期間選択型」(35.2%)が多くなっています。ただし、変動金利型の割合は平成24年度の58.0%に比べればかなり減少しています。これは最近、固定金利選択型が変動金利と見まごうくらいに低金利になっており、3年もの、5年ものに至っては変動金利より低金利の商品もあったりすることが影響しているものと思われます。全期間固定金利型が近年になく多いのも(6.0%)、長期も含めた低金利トレンドによるものでしょう。

 一方、
貸出残高は、平成25年度末時点では「変動金利型」(52.4%)の割合が最も多く、次いで「固定金利期間選択型」(35.7%)が多くなっています。これは、年々変動金利型のシェアが大きくなっており、過去の住宅ローン借入が変動金利優勢であったことを物語っています。

 新規貸出額における固定金利選択型の内訳を見ると、平成25年度は「固定金利期間選択型(10年)」(64.8%)の割合が最も多く、次いで「固定金利期間選択型(3年)」(16.5%)が多くなっています。この傾向はここ数年あまり変わっておらず、固定金利でもより安定を求める10年型と、変動金利より低い金利を追求する3年型で人気が分かれるようです。ただ、貸出残高で見ると、「固定金利期間選択型(10年)」のシェアが年々大きくなっています。

 気になるのは、
固定期間10年超の住宅ローンのリスクヘッジ方法を貸出機関に聞いたところ、平成26年度調査では「リスクヘッジは特に行っていない」が47.0%と最も多くなっていることです。既にその裏づけとなる国債を充てているのでリスクヘッジの必要はないということかもしれませんが、融資側も債権としての年限バランスに留意する必要はあると思います。

 また、
借入側としては、変動金利の貸出残高が住宅ローン全体の過半となったことに注意すべきです。本年1月、 バーゼル銀行監督委員会(バーゼル委員会)は、銀行が保有する国債のリスクウエートをゼロとする規定について、見直しを開始したと表明しています。

 これが
現実に基準改定となれば、現在、収益の大半を国債購入で賄っている日本の金融機関は見直しを余儀なくされ、大量の国債売却を引き起こさないとも限らず、その結果としての国債暴落、金利急騰という破綻シナリオも可能性ゼロではありません。

 もちろんそのときは
極めて低い国債調達コストでなんとか回っている国の財政運営が窮地に陥るのですが、それと同じように極めて低い金利の変動金利を前提に住宅ローンを組んでいる家計も窮地に陥ります。自らに合ったリスクヘッジとは何か各々で考えておく必要はありそうです。

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| 住宅ローンその他融資 | 20:14 | comments(0) | trackbacks(0) |
BLUE HARBOR TOWER(ブルー ハーバー タワー) みなとみらい(新築)−オーシャンフロントの朝日と横浜ブルーライトの夜と
JUGEMテーマ:マンション

★ 横浜高速鉄道みなとみらい線「新高島」駅より徒歩8分、同線「みなとみらい」駅より徒歩9分、JR東海道本線他「横浜」駅より徒歩16分の場所に立地する近鉄不動産&三井不動産レジデンシャル分譲・大成建設施工・地上27階地下1階・総戸数355戸の『BLUE HARBOR TOWER(ブルー ハーバー タワー) みなとみらい』です。

 アドレスは横浜市西区みなとみらい6丁目です。みなとみらい地区は、横浜都心部の一体化と強化をめざしたウォーターフロント都市再開発として建設されている街です。1980年代までは、当地には、三菱重工横浜造船所、国鉄高島線の高島ヤード(操車場)・東横浜駅(貨物駅)、高島埠頭がありました。

 1983年に「みなとみらい21」事業として着工に至り、当初は2000年頃までに街全体の完成を目指していましたが、バブル崩壊の影響などにより計画が延長されています。また、2008年末の世界的な景気後退の影響を受けいくつかのオフィスビル建設計画では中止・延期等もありましたが、上場企業の本社機能立地は着実に進んでおり、2012年12月の就業人口は89,000人と増加傾向にあります。さらに首都圏における観光地、行楽地としての人気が高く、2012年の来街者数は6,700万人とこちらも増加を続けています。

 そして今、
みなとみらいに新しい街区が誕生しようとしています。それは「BLUE HARBOR TOWER(ブルーハーバータワー)」と名付けられた59街区です。昨年11月1日に着工し、2年後の2017年3月31日に竣工予定です。「夢みる(見る)横浜」をキャッチコピーとし、ショッピング・ホテル・レジデンスを組み合わせた複合タワーとなります。住宅街区として唯一のオーシャンフロントで、開放感のある暮らしを提供する予定です。

 具体的には、
住まいの快適さと豊かさを実現できるように、ショッピングが楽しめるビル、20階建てのホテル、27階建てのレジデンスがそれぞれ隣接しており、いずれも免震構造となっています。オーシャンフロント屋内からのオーシャンビューが特徴で、みなとみらいの街並みに合わせた利便性の高さと自然の豊かさが両立された空間です。

 商業棟には
安さで有名「オーケー」が大型店舗を構え、その上層階には「オーケー」本社が入居する予定です。そして、スーパー「オーケー」とデッキで直結するのが本マンション『BLUE HARBOR TOWER(ブルー ハーバー タワー) みなとみらい』です。

 地上27階建ての本マンションは、1階・2階をショップ&サービスが占め、3階以上27階までがレジデンスフロアとなります。非分譲住戸50戸を除いた総戸数305戸に対し、その59%を占める182戸がオーシャンフロントで、住戸によっては、神奈川新聞花火大会をバルコニーから望むことが可能です。コンシェルジュサービスや24時間の有人監視もあって利便性と安全性が備わり、他にもオートロックや宅配ボックスの設置、24時間ごみ出し可など、暮らしやすさに配慮しています。

 交通利便性に関しては、「新高島」駅徒歩8分、「みなとみらい」駅徒歩9分と、再開発エリアにしては駅距離がありますが、それを補ってあまりある魅力かどうか、が判断のポイントです。また、「横浜」駅にも徒歩16分と、徒歩圏といえなくもない距離です。

 これらを総合すれば、公式HPにあるように
「朝日に目覚めるオーシャンリゾートのような毎日と、首都圏有数のビッグターミナルの利便を享受する日々。」が実現する、ということかもしれません。この際、「BLUE HARBOR(ブルーハーバー)」の夢に賭けてみるのもよいでしょう。

 間取りは1LDK〜3LDK、専有面積45.91平米(21戸)〜136.97平米(2戸)幅広いプラン設定です。プレミアム住戸の階は内廊下、それ以外(コンフォート)は外廊下であり、共用施設はほとんどなく、ロビーラウンジもゲストルームも予定していないとの情報があります。

 本マンションは
6月下旬販売開始予定で、販売価格は未定です。比較対象は近隣の32街区で販売予定の『ブランズタワーみなとみらい』ですが、オーシャンビューではない75平米の住戸坪単価440万円〜450万円、全体では坪単価350万円〜500万円程度の価格水準とのことです。一方、同物件は「みなとみらい」駅徒歩2分のメリットがあり、本マンションとの比較ではこの点との兼ね合いをどう評価するか、ということでしょう。

 みなとみらいタワー物件は、今やその希少性から中古価格が高騰し、賃料も高く取れるエリアです。本マンション近隣の賃貸マンションの稼働率は高い模様で、駅距離があるとは言え、オーシャンフロント・商業棟直結の付加価値がついた本物件は、将来的に売却・賃貸双方が可能高資産価値マンションとなる可能性大です。確かにキャッチフレーズ通り「夢みる(見る)」マンション」と言えそうです。

公式ホームページ ⇒BLUE HARBOR TOWER(ブルー ハーバー タワー) みなとみらい

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| 新築マンション 横浜市西区 | 22:57 | comments(0) | trackbacks(0) |