住宅ローン借換は本当にお得?−具体的なシミュレーションを公開
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★ 「うーむ」

今、個人的に迷っているのが
住宅ローンの借換を行うべきか否か、ということです。約5年前、地元のJAから借りた金利1.8%・10年固定の住宅ローンを見直し、地元に近い信用金庫で金利1.3%・10年固定の住宅ローンに乗り換えました。このとき大きかったのが「保証料不要」という条件で、JAに収めていた保証料のうち約60万円が戻ってきて、金利も当時十分低かったですし、「これで10年間は安泰」と満足していたのですが、予想に反して金利はますます低下し、今や10年固定1.3%は「高い」水準にさえなってきました。

 昨年から思っていたのは、「
もうすぐ固定期間が5年になるし、その時点で三井住友信託銀行の低利な住宅ローンを5年固定で借り換えればリスクがないな」ということで、この8月に5年目を迎えるので、「ここが借換のタイミング」と定めてきたのです。ところが、年末年始にかけて国債がどんどん買われ、2月の住宅ローン金利は史上最低を更新、逆に足元では国債が不安定な動きになってきて、昨日は10年物国債の入札が不調だったこともあって金利が急騰「少し早いけどもう借り換えた方がいいのかな」と考え始めました。

 個人情報で恐縮ですが、今私の
住宅ローンの残債は2月末で2,551万円ありますので、これを使って借り換えのシミュレーションをしてみたいと思います。このまま現在の住宅ローンを残期間の25年間借り続けた場合は、毎月の支払額が103,159円、5年後の残債は2,083万円です。

 これに対し、
金利が最も低い住信SBIネット銀行では5年固定で0.49%ですので、融資期間25年で計算すると、毎月支払額が90,365円、5年後の残債が2,065万円となります。この場合、毎月の支払額は12,794円助かりますが、5年後の残債は18万円しか減らない計算です。借換にかかる諸費用は経験則から30万円程度かかり、かつ、住信SBIネット銀行は融資手数料が融資総額の2.16%かかりますので55万円加算で、「割に合わない」結果となります。

 私は
毎月支払額を減らしたいわけではないので、上記条件の融資年限を4年縮めて21年としてみると、毎月支払額が106,548円と今より3,389円増えますが、5年後の残債は1,967万円で、現在の住宅ローンの5年後残債より116万円減ることになります。一方で、諸費用+融資手数料が85万円ですので、実質軽減は31万円、そのうち毎月支払い増貢献分が20万円ですので、得をした額は11万円となります。

 一方、
三井住友信託銀行は、金利は住信SBIネット銀行にわずかに及ばないものの、融資手数料が32,400円で済み、保証料は金利0.2%上乗せでも対応可能です。これを踏まえ、5年固定、家計応援プラン込みで0.02%引き下げ、保証料0.2%上乗せ後金利0.73%、融資年限22年で計算すると、毎月支払額104,625円、5年後の残債が2,007万円で、現在の住宅ローンの5年後残債より76万円減ることとなります。このうち諸費用・手数料で33万円程度かかり、かつ、毎月支払い増分が9万円ですので、得をした額は34万円となります。

 ちなみに、
保証料を一括して支払った場合、あらかじめ41万円必要で、5年後には26万円戻ってくる計算となり、5年間の保証料は15万円程度です。金利は0.53%で毎月支払額は102,393万円、5年後残債は1,997万円で毎月支払減分が5万円ですので、結局保証料金利上乗せプランとほぼ変わらないお得度になります。

 一方、この際、
金利が十分低くなった10年固定1.03%に乗り換えるとすれば、融資年限23年で毎月支払額103,846円と今とほぼ変わらず、5年後残債2,047万円と、ほぼ諸費用と手数料で消えてしまうお得度ですが、10年後に今の低金利が続いていたとしても10年後残債の比較をすると35万円程度お得となり、さらに今から10年間の低金利の安心感が得られます。

 これらのことから、
結論としては、三井住友信託銀行の5年固定への借換が最も意味がありそうです。ただ、100万円単位の支払差があるならともかく、労力と費用をかけて5年間で34万円の節約をお得とみるかどうかは人によって意見が分かれるところでしょう。私ももう少し考えてみることにします。

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| 住宅ローンその他融資 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
退職金と住宅ローン−「豊かな老後」の成否はマンション購入時に決まる
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 「お世話になりました」「いえ、こちらこそお世話になりました…」−本日は年度末です。私が昔から知っているお二人の方が退職となりました。お一人は25年前、私が研修を終えて新米で配属された部署の直属係長として、もうお一人は、やはり同じ時期に、関連会社の年上のカウンターパートとして、ご指導いただいた方々でした。

 あの頃は
バブル絶頂期で、新しい分野の事業拡張で共に夢を描き、語り合ったものでした。偶然なのか、必然なのか、あれから四半世紀を経て、このお二人とまた同じような部署で仕事をすることとなり、そして本日、退職を見届けることとなりました。あと10年後には、今度は私が、今横に座っている10年以上若い部下に見送られることとなるのでしょう。

 本日はまた、
人事異動で全国各地の支店・営業所に行くべく若い社員達が辞令を受けた日でもあります。同じ部署で仕事をするうちに、男性社員と女性社員の間にほのかに芽生えた複数の好意の感情が、しかしそのいずれも実を結ぶこともなく、淡い気持ちのまま終わってしまう人事異動でもありました。だからといって何かしてあげられるほどのとっかかりはなく、その最後のそれぞれのぎこちない挨拶の様子を見ているだけの私も何となくせつない気持ちとなりました。

 さて、退職に話を戻しますと、やはり
気になるのが第二の人生の過ごし方で、そのための財源となる退職金の使い方です。私が40歳代半ばで住宅ローンを組んだとき、80歳までローンが組めると聞き、驚いた覚えがあります。

 「だってそんな80歳になって収入もないですよね?」と銀行担当者に尋ねると、担当者はにこやかに笑いながらこう答えてくれました。「いえ、私どももお客様がそんな年齢まで返済し続けるとは考えていないのですよ。途中で必ず繰上返済されるはずです。」

 サラリーマンである私が繰上返済ができるとなると、それは退職金をおいて他にはありません。確かに、そこからは第二の人生で再就職するにしても収入はがくんと減るでしょうし、毎月の返済だって覚束なくなるでしょう。「退職金で返す」というのは私にとってマストの条件と考えられます。

 しかしながら、ここで
迷い(迷っても選択肢はないのですが)が生じるのは、今の計算では、退職金で住宅ローンの残債を繰上返済すると、退職金がほぼ残らなくなることです。住宅ローンの毎月の返済義務はもちろんなくなりますが、それはそれで「老後の蓄え」もなくなります。住宅情報誌でも理想の姿として描かれる「豊かな老後」とはほど遠い現実が待っているようで、背筋に寒気が走ります。

 こう考えると、やはり
マンションを購入した年齢が少し遅すぎたのでしょう。例えば35歳で3千万円の住宅ローン(全期間の金利2%で計算)を組めば、退職時点での残債は1千万円前後となっており、平均退職金2,500万円とすれば、1,500万円は手許に残る計算です。これが45歳で同じ条件で借りたとすれば、退職時の残債は2千万円前後で、残りは500万円しかないことになります。

 私は、
やや暗い気持ちになって、ネット上の野村證券『お金のお悩み相談室』にすがったところ、「退職金で、住宅ローンの一括返済をした方がいい?」という悩みに対して、それには^豎臺嶌僉↓一部繰り上げ返済、B狄Ω紊睚嶌僂魴兮、という3つの対応策があり、どれを選択するかは「ケースバイケースで、まずは自分の資産を把握しましょう」という、まっとうすぎる回答が書いてあって、ますます悩みを深くしたのでした。

 一方、ALL ABOUTの記事『退職金の5割を貯蓄 データにみる退職金の使い道』を読むと、
退職金を住宅ローン返済に充てると回答した割合は、50歳代男性で18.1%、60歳代男性で11.7%と案外少なく大半の方にとって住宅ローン返済が退職金の主要使途ではない様子が見て取れます。

 「ならば住宅ローンの返済はどうしたのか」というのが私にとっては不思議ですが、おそらく私よりも計画的な借り方をしているのでしょう。「ご利用は計画的に」というフレーズは住宅ローンにもあてはまるのだ、と今更ながら気づいたわけですが、やはり「借りられるだけ借りる」のではなく、「返せるだけ借りる」を念頭にマンション探しはすべきである、というのが「豊かな老後」を送るための基本だと、自らの反省を込めつつ強調したいと思います。

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| 住宅ローンその他融資 | 19:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
住宅ローンの重み、教育費の重み−父の言葉に救われて
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 「うーむ」私は新年度からの娘達の進学塾の費用明細を見て唸りました。上の娘は新高3で、来年はいよいよ受験なのですが、上の娘の塾の月謝だけで月々の住宅ローンの支払額を超えてしまったのです。これに下の娘の塾の月謝を含めると、月々の住宅ローン支払額の1.5倍に、2人の娘の私立高校の授業料を合わせると、住宅ローン支払額の2.5倍に達することが判明しました。

 つまり、
娘2人の教育費だけで私の給与の手取りの半分近くを占めることとなり、これに住宅ローンを合計すると、給与の手取りの約7割を占める計算になりました。当然、残り3割で家族4人が生活できるはずもなく、これから少なくとも1年間は(今までもそうでしたが)、貯金の取り崩しが続くことになります。

 しかし、これは何も
私の娘達が贅沢に受講科目を取っているからではなく、周りの友人に合わせたごくフツーの取り方のようでした。娘の通う学校は、確かに裕福なご家庭も多いのですが、私のような一般サラリーマンの家庭ももちろんたくさんいて、皆さんどうされているのかです。

 マンションを購入する前、私も
ローン支払いシミュレーションをして、娘の大学受験期は厳しい収支となることを見ていたのですが、いざその時期になってみると、本当に苦しいです。ただ、一方では、「これを払い切れるということは、あと1つや2つは小ぶりのマンションが買えるということだなっ」妙な自信まで芽生えました(もちろんこれから30年間払い続けるのは無理です)。

 住宅ローンと教育費、それは親にとって二大テーマです。どちらも家族のため、子供のために、両親が歯を食いしばらなければなりません。私の妻もパートに出始めてもうすぐ1年になります。

 私が思い出すのは、
私が高校受験を目前に控えた34年前の1月のことです。柄にもなく父が、私と母を呼び、目の前に座らせました。

 「お前、L高校を受けてみんか」

 私は思わぬ父の言葉に目が点になりました。私は当然、地元の県立高校に行くつもりで勉強していました。L高校とは、隣県の私立進学校で、試験はおそらく来月、受かるかどうかもわからず、万が一合格しても家から通うことはできず、寄宿舎生活となるはずでした。私はあまりの無謀な提案に激しくかぶりを振り、即座に拒否しました。

 「お父さん、そら無理やが」

 母は何も言いませんでしたが、心配そうでした。父は「そうか」とぼそっと言い、3人の珍しくかしこまった場はそれで終わりになりました。父はそれ以来、このことについては一切触れなくなり、私は地元の県立高校に進学しました。

 この事実は私の中でも
遠い記憶の彼方にあったのですが、先日、進学塾の明細書を見ていたとき、ふとこの時のやり取りを思い出したのです。そして、あれから34年後の今初めて、私は父の気持ちがわかったような気がしました。

 当時、私は
国立大学の附属中学校に行っていましたが、そこに附属高校はなく、また、私の住んでいた県には、私立の進学高校がありませんでした。高校は市内で学区制がとられており、私の住んでいる場所の県立高校は、進学成績では市内の他の県立普通科高校に比べ最も劣っていました。私の兄はそれを嫌ったのか、全県募集対象の新設の違う高校の理数科に入りました。しかし、文系の私は理数科に行くつもりが全くなかったため、地元県立高校でよし、と考えていたのです。

 私の
父は、9人兄弟という子沢山の家庭の末っ子として生まれ、戦後余裕のない中で育ってきました。成績が良かったため祖父母から1回だけチャンスを与えられ旧帝大を受験しましたが失敗、祖父母との約束どおり高校卒業と同時に地元銀行に就職しました。当時は珍しくないこととは言え、ずいぶん悔しかったのではないかと思います。

 おそらく父は、
のほほんとした私が自分と同じ失敗をするのではないかと心配したのでしょう。私は3人兄弟で、上の2人の兄は既に東京で大学生として別々に暮らし、これに私まで寄宿舎生活になったら、生活は四重になり、その5年前に建てたばかりの住宅ローンもあるのに、今考えても、どうにも無謀極まりない申し出でした。母親は既に重労働のパートに出て、日々くたくたでした。それでも父は、母の了解の下、「L高校を受けてみんか」と私に言ってくれたのです。

 今、
娘達の塾の緻密な勉強方法を目の当たりにして、その受験に徒手空拳で向かっていた田舎者の私がいかに無知だったか、わかるような気がします。たまたま受かったから良かったものの、それはある意味では奇跡で、ある意味では無謀でした。受験の苦さを経験していた父は、その無謀さもよく分かっていて、親が無謀さを背負うか、子が無謀さを背負うかの選択肢の中で、自ら無謀さを背負おうとしたのでしょう。

 住宅ローンの重み、教育費の重み、日々ずしずしと重たいですが、父が私にかけてくれた言葉を思い出すたびに、不思議と目の前が明るくなるのでした。

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| 住宅ローンその他融資 | 20:12 | comments(8) | trackbacks(0) |
金融機関は一見さんはお断り!−天の時、地の利、人の和で融資を勝ち取る
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★ 私が分譲マンションを契約して7年、実際に住み始めて5年になろうとしています。それまで貯めていたお金を妻の分までつぎ込んだため、日々のキャッシュフローは潤沢とは言えず、「これでよかったのかなあ」と思うこともあります。不動産の本を読んだら、「居住用不動産は収支バランスからはマイナスでしかない」という下りがあり、ちょっとショックを受けたりしていました。

 したがって、
キャッシュが乏しいので、マンションの買い替えやこれ以上の不動産の買い増しはとてもとても、と思っていたら、「案外そうでもないよ」と言ってくれる不動産屋さんがいました。私の場合は頭金を多く入れたために、相対的には住宅ローン残額が少なく(本人はそれでも支払いがきついと思っていますが)、年収に比してまだ不動産を購入できる融資枠があるというのです。

 「えっ、そうなの?まじ?」こんなブログを書いているぐらいですから、私は他の人よりも不動産が好きなのでしょう。もう1戸マンションが買える、と思っただけでわくわくし、夢のセカンドハウスを、などと都心のモデルルームに1LDKを見に行ったりしていました。

 しかし、冒頭の
「居住用不動産はマイナスでしかない」という言葉に戻るとすれば、セカンドハウスを買うと私の資産表はダブルマイナスがついてしまいます。むしろ、今の資産表をバランスさせるべく、プラスの不動産、つまり収益用不動産に目を向けるべきではないか、と思い始めたのが今年に入ってからです。

 収益を上げるためには
利回りが大事になります。そうすると、都心の価格の高い低利回り物件ではとても事業が回りませんので、物件見学は都心から一転して横浜、埼玉、千葉、東京都市部など郊外に向かうようになりました。

 収益物件と言っても、
中古又は新築区分マンション、中古又は新築アパート1棟もの、中古又は新築マンション1棟もの、中古又は新築ビル1棟もの、中古戸建て、駐車場など、いろいろな種類があります。そして、不動産投資のスタイルも人によってさまざまです。

 私は
中古アパートから見始めて、それから新築アパートに関心が移行し、最近は「待てよ、建売の新築アパートを買うぐらいなら自分で土地を見つけて建てた方がよくはないか」と、だんだん自分で話の難しい方向へ持っていっています。おかげでまだ収益物件を購入できていませんが、その過程でさまざまな体験ができ、勉強になっています。

 まだ
不動産投資の入口にも立てていない私が不動産投資の何たるかを書くことは「10年早い」のですが、私なりの体験談や感想もこのブログで書いていきたいと思います。

 まず、私が実感したのは、
初心者がぶち当たる「融資の壁」です。マンションを買ったときにも住宅ローン審査がありましたが、難しさはその比ではありません。

 住宅ローンはある意味、日本全国ユニバーサルな既製商品です。ある程度の所得があり、借入履歴がホワイトであれば、非常に低い金利でフルローンで35年間借りられます。私たちはほとんどストレスなく住宅ローンを借りることができ、その背中の重みに気付くのは住宅ローンを借りた後です。住宅ローンとは、金融機関が私たちの人生に背負わせる重荷であるわけです。

 これに対し、
収益物件に対するローンは事業性融資であり、上記に述べたとおり、融資枠の設定額の多寡などその人の属性に負う部分も勿論ありますが、むしろ「その事業に融資して大丈夫なのか」という観点から審査がされます。こうなると、きちんと会社に長年勤め続けていてその会社が安定しているなど単に属性がOKなだけでは融資をしてくれないのです。

 特に、収益物件を一つも持っていない
未経験者は、「事業をうまく運転している」との実績がありません「この人に、このタイミングで、この物件の購入に対して融資をして大丈夫なのか」という金融機関の問いかけに対し、購入希望者は、うまく相手方を納得させなければなりません。実際、私はこの数カ月で融資審査をいくつか受けましたが、半分くらいはNGを食らっています。

 傾向として言えるのは、
自分が直接金融機関に持ち込んだ融資申請は、否決される割合が高くなり、OKが出ても「その土地ではこの程度しか担保価値が無い」と杓子定規な対応をされて自己資金を多く入れる必要があったり、適用金利が高かったり、融資年限が短くされたり(融資年限が短いのが一番痛いです)と、うまくいかないことがほとんどです。

 一方、この融資を仲介業者さんにお願いすると、
同じ金融機関でも途端に自己資金が少なくすみ、低い金利で長く借りられたりします。しかも、その度合いも、仲介業者さんによって異なっているので厄介です。私が経験したのは、次のような事例です。

 A仲介業者が長い間かけて交渉してくれてようやく得られたP銀行の融資条件が、B仲介業者では冒頭から提示された。その理由は、B仲介業者社の方がP銀行の上層部と付き合いがあったからである模様。ちなみに、会社規模は、A仲介業者の方がB仲介業者よりはるかに大きい。なお、C仲介業者が普段付き合いのないP銀行に、私からの依頼で融資相談をしたところ、これが同じ銀行かと思うくらい、にべもなかった

・ D仲介業者に出入りしていたQ銀行を通じて融資申請をしたところ、決算月ということもあってフルローンのOKが出た。一方、C仲介業者が普段付き合いのあるQ銀行支店幹部に融資申請をしたところ、Q銀行がやらないとされる物件種別に対し、Q銀行では初回は提示されない金利でOKが出た。ただし、自己資金を1割は入れろとのことであった。

 このように、
事業性融資はケースバイケースの判断になるだけに、付き合いの「深さ」と「高さ」がものを言います。付き合いの「深さ」とは、その仲介業者がその金融機関に持っていく融資案件が多ければ多いほど、融資条件は良くなるということです。付き合いの「高さ」とは、その仲介業者がいかに意思決定権者である金融機関の上層部に直接話を持っていけるか、ということです。

 これを
「いかにも日本的な、透明性の低い閉鎖社会」と言うこともできますが、むしろこれらの融資の積み重ねが、その仲介業者を通じて持ち込まれる事業の信頼性・安定性を高め、リスクを低く抑えさせている、と言った方が適切でしょう。
 
 私はこれを
「天の時、地の利、人の和」が融資を決める、と思っています。すなわち、「天の時」とはその時々の金融政策の方向性や金融機関の融資姿勢「地の利」とは購入者の属性や、立地など物件の状態「人の和」とは頼れる仲介業者とそこからつながる金融機関とのネットワークです。

 そして、
孟子は、「天の時は地の利に如(し)かず、地の利は人の和に如かず」という有名な言葉を残しています。つまり、天の時(金融緩和政策や積極的な融資姿勢)を得ていても、地の利(購入者の属性の良さや対象物件の立地等の条件の良さ)がなければ成就することはできず、地の利を得ていても、人の和(仲介業・金融機関との良きつながり)がなければ、これもまた、達成することはできない、ということです。

 考えてみれば、物件という情報を得るところから融資が完了して物件を所有するまで、これらの
関係者が私とコンタクトをとり合い、私のために時間を割いてくれないと、私個人では何もできないわけです。それは、単なる金銭上のお付き合いを超えている部分があると、最近感じるようになりました。

 不動産による収益事業という
一見ドライで過酷な社会が、実は「人の和」が何よりも大切な核になっていることを知った点が、私のこの数カ月の収益物件探しの最大の収穫だと思っています。

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| 住宅ローンその他融資 | 20:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
無理しない住宅ローンのススメ−再びハイな相場に乗せられないために
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★ 5月28日付suumo横浜・川崎・湘南版の「今週のNEWS」によれば、国土交通省が三大都市圏で新築マンションを買った人を調査したところ、住宅購入資金(自己資金と借入金の合計)平均は3,400万円でした。これは過去5年では2番目に低い金額です。このうち住宅ローンなどの借入金は過去5年で最も少ない2,136万円で、自己資金比率は逆に最も高い37.2%になっています。

 最近の低金利を反映して、
住宅ローン年間支払額は110万円と過去5年で最も少なく、年収に占めるローン返済負担率も17.0%で最も低くなっています。また借入金の内訳は民間ローンと固定金利のフラット35が約45%ずつを占めています。民間ローンの金利タイプでは変動率が64.6%を占め、過去5年で最も高くなりました。

 低金利の変動型は人気が高まっていますが、無理をせず借入額を抑える人が多くなっているようです。

 以上がsuumoの記事の概要です。この記事は、国土交通省が本年4月25日に公表した『住宅市場動向調査』に基づいていますので、以下その内容について見てみることとします。

 まず、
住宅購入資金ですが、過去5年の経緯を見ると、リーマンショック後の平成21年が4,049万円と最も高く、その翌年の平成22年が3,129万円と急減平成23年に3,594万円と回復したものの、平成24年には3,400万円と再び減少しています。

 これに対し、
自己資金比率は上半期が不動産プチバブル期だった平成20年が35.0%と最も高く平成21年は31.8%とやや減少一番急減したのは平成22年で26.8%平成23年は26.7%と同じく低迷したのですが、平成24年は37.2%と急回復、最も自己資金比率が高くなりました。

 これをどう解釈するかはなかなか難しいのですが、ストーリーを作るとすれば、
リーマンショックの影響が給与減などで国民に直接来たのが平成22年で、このときに住宅購入資金を減らしながら、かつ、自己資金を出す余裕もなく、苦しさのドン底であった、と考えられます。平成24年にはようやくその苦しみから脱してきたものの、過去のストレスを教訓として、購入価格は無理をせず、かつ、自己資金を多めに入れるという行動に出たと推測されます。

 もっとも、実際には
平成22年のマンション市場はリーマンショックからの影響を脱して復調し、価格も上昇傾向でしたので、上記はやや皮膚感覚とは異なるストーリーであることは否めません。

 面白いのは
自己資金の内訳で、好調だった平成20年には預貯金等が、リーマンショック後の平成21年には不動産売却が、低調だった平成22年・平成23年には贈与が、回復した平成24年には遺産相続が多くなっている点です。プチバブルでお金が潤沢にあった平成20年にはキャッシュリーマンショックで不動産価格が急落した平成21年にはあわてて手持ちの不動産を売却し、底だった平成22年・平成23年には親から贈与を受けて何とかしのぎ、回復気配が見えた平成24年には遺産相続で得た金を不動産で固定化する、といったところ(こじつけ気味ですが)でしょうか。

 また、
借入金の内訳もちょっと面白いです。平成24年は民間金融機関・住宅金融支援機構がいずれも低調で、何が伸びているかと言えば、勤務先や親戚・知人なのです。もしかすると、金融機関では所得条件等ではねられた人たちが、勤務先や親戚・知人に借りてマンションを購入しているのかもしれません。これも長引いた不況の現れ、と解釈しようと思えばできます。

 借り入れた資金の返済期間については、平成24年はおしなべて短くなっています。借金は早く返したいとする堅実派が増えていることの表れなのでしょう。このほか、住宅ローンのある世帯の割合、住宅ローン年間支払額、住宅ローン返済負担率がいずれも過去5年間で最低です。

 「A君、あんな一等地にマンション買っちゃって、毎月のローン支払額が30万円らしいよ」不動産プチバブルの真っ盛りのころ、私が東急東横線の電車の中で聞いた若い男女の会社員の会話です。あの頃は社会全体が気が大きくなって、気宇壮大なマンション購入や、それにホイホイとお金を融資する金融機関という構図が成り立っていました。今、A君はどうしているでしょうか。

 しかし、せっかく堅くなったと思われるマンション購入スタイルが、昨年末から再びハイな気分の相場に一転しています。人間とは過去を忘れやすい生き物で、それでも生きていけるのですからまあ良いと言えば良いのですが、むやみな火傷をしないためには常に足元をしっかり見ておくのが大事だと思います。

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| 住宅ローンその他融資 | 20:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
住宅ローン金利は下がるのか?それとも・・・乱高下の国債市場
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★ 今月12日付日本経済新聞は、「動揺続く国債市場 日銀、金利安定へ躍起」と題した記事を掲載しています。概要は、以下の通りです。

「黒田東彦総裁率いる日銀の異次元緩和決定から1週間。急速に円安・株高が進む一方、債券市場には動揺が広がっています。市場に大量の資金を供給して長期金利を押し下げようという日銀の狙いに反し、金利は乱高下。金融機関が貸出金利をかえって引き上げるなど「誤算」も生じました。ショックを和らげ、長期金利を低位安定させるため、日銀は躍起になっています。

 この1週間、債券市場は不安定な値動きが絶えませんでした。長期金利は過去最低の0.315%まで低下した後、0.6%台まで急上昇異次元緩和の影響を消化しきれず、市場は金利の落ち着きどころを見失っています。

 メガバンクなどは
貸出金利の指標の長期プライムレート(最優遇貸出金利)を約1年半ぶりに引き上げました。長プラの決定要因である5年債利回りが緩和前から約3倍に上昇したためです。短期から超長期まで「市場金利全体を低下させる」(黒田総裁)という狙いはまだ達成できていません。

 異例の措置を次々と繰り出し、市場の動揺を抑え込もうとした黒田日銀。「市場との対話」の一環として、11日に金融機関との意見交換会を開催した日銀の対応を、アール・ビー・エス証券の井川雄亮債券ストラテジストは「思っていた以上に柔軟だった」と評価しました。一方で、バークレイズ証券の森田長太郎チーフストラテジストは「日銀が大量の国債を吸い上げることで、売買できる国債の量が極端に少なくなる過剰な金融緩和の弊害は大きい」と指摘します。日銀が進むのは債券市場が抱えるリスクを避けながらの「狭き道」になります。」

 以上が日本経済新聞の記事の概要です。
日銀の政策が世界の注目を集めています。「ヘリコプター・クロダ」との異名は、天から札束を降らすようにも見える大胆な金融緩和策を評したもので、その劇薬的効果が、現在のところさまざまな副作用を生んでいます。

 その
最たるものが債券市場の金利の乱高下です。本日の長期金利は0.650%まで上昇(価格は下落)、約10日前に記録した過去最低の長期金利0.315%と2倍以上となっています。まさに乱気流に巻き込まれたヘリコプターのように制御能力を失ってしまったかのように見えます。

 今回の
日銀の緩和政策の前までは、市場では住宅ローン金利の一段の低下が噂されていました。早ければ4月にも、と期待されていたわけですが、当面は現状維持、これが4月上旬の金利0.4%台を保持していたならば、薄くとも安定的な利ざやが稼げる住宅ローンへの金利の下げ余地が生まれ、5月こそ更なる低金利が実現していたかもしれません。

 しかしながら、これだけ
金利が不安定な動きになると、少なくとも「落ち着きどころがわかるまでは住宅ローンの金利改定は様子見」というスタンスにならざるを得ないのではないかと思います。それどころか、住宅ローン金利の指標でもある長期プライムレートの引き上げが1年半ぶりに行われたように、むしろ緩和前と比較して高くなった金利を基準として、住宅ローン金利も引き上げ方向に向かう可能性すらあります。

 そもそも
景気回復期には、企業が設備投資を積極的に行うため資金ニーズが増大し、金利は上昇しやすい傾向にあります。現在のところ、民間投資の動向が金利に影響を及ぼすほど活発化していないと考えますが、REIT市場が急騰したように、これも一つの「ムード」に左右される世界でもあります。

 一方、大幅な金融緩和とは、
各金融機関が日銀から大量の資金供給を受けるということでもあります。銀行が個人や企業への貸し出しを増やさなければ、緩和マネーは銀行にとどまって実体経済には染みわたりません。

 もう一つの要因として、これまで民間銀行は貸出金を大きく上回る預金を抱えており、余剰資金を国債に振り向けて収益を上げてきました。今後は大規模緩和に踏み切った日銀によって大量の長期国債が買い占められてしまう可能性があり、銀行の資金運用はさらに難しさが増しています。

 したがって、民間銀行は
企業の事業再編などを促して積極的に貸出先を掘り起こしていく必要がありますが、安倍政権の「三本の矢」の一つとしての「民間投資を喚起する成長戦略」は、他の二本の矢である「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」に比べて効果を挙げるのに時間がかかります。資金需要がない中で、金融機関はやむなく住宅ローン獲得競争に向かわざるを得ない、という構図です。

 このように、今回の日銀・黒田総裁の金融緩和政策は、
住宅ローン金利にとっても、静かな湖面に大きな石を突然投げ込んだかのような、大きな波紋を呼び起こしました。この波紋が落ち着いたとき、長期金利はどちらの方向にトレンドとして向かうのか、そしてそれを受けた住宅ローン金利の動向はどうか、マンション購入検討者や住宅ローン借換検討者にとっても、目の離せない日々が続きそうです。

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| 住宅ローンその他融資 | 19:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
住宅ローン減税拡充決定!−消費税アップ前と後ではどちらが得なのか?
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★ 自民党税制調査会は本日、2013年の税制改正大綱を決定しました。これまで幾度か本ブログでも書いてきているように、来年度の税制改正において、マンション購入検討者にとってもっとも関心が高かったのが住宅ローン減税の拡充でした。というのも、消費税率が8%となる来年は、ちょうどリーマンショック以来継続してきた5年間の住宅ローン減税が切れる年であり、かつ、消費税率アップに伴って、当初から住宅ローン減税の拡充が議論されてきたからです。

 昨年夏には、
減税期間15年、減税(税額控除)幅最大1千万円という史上最強の住宅ローン減税案も新聞紙上をにぎわしましたが、昨年末からは減税期間10年間、減税幅は原則最大500万円と過去最高額に並ぶレベルでの検討がなされ、最終的には、減税期間10年間、減税幅最大400万円で決着しました。

 減税幅が最大500万円から最大400万円に引き下げられたのは、
5年前はリーマン・ショックという、1929年の世界恐慌以来の世界経済への深刻な危機を克服するためであったこと、今回はそれと比較すると、消費税率の3%ないし5%の上げ幅の吸収という目的に限定され、そこまでの大判振る舞いをする必要がないと判断されたことによるものと思われます。

 ちなみに、
リーマン・ショック後の措置を決めたのは麻生総理ですし、今回の措置を実質決めたのも麻生副総理兼財務大臣ですから、そのあたりは肌感覚として麻生財務大臣にもぴったりくるものだったのでしょう。

 一方、今回の住宅ローン減税は、これまでの措置と比べて
よくなった面もあります。従来は制度開始初年度が減税幅が最も大きく、その後段階的に縮小していくのが常でしたが、今回は消費税率が平成14年4月、平成15年10月と二段階の上げとなることを考慮し、4年間は減税幅を最大400万円で据え置くこととされました。ただし、これまでの減税期間が5年間だったのに対し、今回は4年間に縮小され、減税総額の帳尻が合わされています。

 また、住民税の減少につながるとして地方の抵抗もある
所得税控除後の住民税からの控除上限額も、これまでの年間9.75万円から13.65万円に拡大しました。これは、一昨年末、消費税増税のうちの地方の取り分が当初想定より地方に有利に決着したことの見返りでしょうか。

 そして、増税負担の軽減策として大きな目玉であった
「住民税を控除してもなお引ききれなかった部分の給付措置」については、「税制措置とあわせた全体の財源を踏まえながら検討を進め、遅くとも今夏までに内容を示す」とされました。

 これは、
給付措置は、税額控除と性格が根本的に異なることによるものと思われます。つまり、税額控除は「歳入の減」ですが、給付措置は「歳出の増」となるので、前者は税当局で判断できますけれども、後者はむしろ予算措置に絡む話となり、税制調査会だけの議論ではすまないとされたのだと推測します。

 また、給付となると、
税務署というより住民に近い市町村の仕事になることも想定され、その場合はしっかりと事務フローを作り、財源手当てもしたうえで、地方の理解を得なければなりません。このような制度設計には時間がかかる、と判断したのでしょう。

 なお、私が個人的に気になっていたのは、
消費税率が8%となる来年4月の前で、かつ、今の制度では住宅ローン減税が切れてしまう来年1月〜3月の取扱いですが、これは、来年3月まで現行制度(年間控除限度額最大20万円、総額最大200万円)を継続するという常識的なラインとなりました。

 さて、こうなると、
消費税率が8%に上がる来年4月の前と後では、どちらがマンション購入にとって有利となるか、ということを考えるのが普通です。これは、消費税率が10%に上がる再来年10月の前と後との比較でも同様です。

 まず、前提として、消費税は建物価格にしかかりません。物件価格のうち建物対土地の割合はさまざまですが、私の経験則としては、タワーの場合は建物:土地=7:3程度、タワー以外は建物:土地=3:7程度が目安かなと感じています。

 物件価格の中で消費税がよりかかる
タワーの場合、例えば5千万円の住戸を購入すると、建物価格は上記の目安で3,500万円で、消費税アップ分は、税率8%(3%アップ)のとき105万円、税率10%(5%アップ)のとき175万円となります。このとき住宅ローンを3千万円借りる場合は、現在の制度と比べて減税幅が100万円上乗せに、4千万円借りる場合は200万円上乗せになります。

 つまり、
貨幣の時間的価値を無視してごく単純に言うとすれば、上記条件では、消費税率8%のときは3千万円超、消費税率10%のときは4千万円超の住宅ローンを借りたときに、現在制度と比較して「割に合う」こととなるでしょう。ただし、毎年の減税額はローン残高が減っていくにつれて減少していきますので、「損か得か」をしっかり判断したいのであれば、貨幣の割引率等も考慮したうえで、この点綿密に計算する必要がありそうです。

 一方、
タワー以外の物件で5千万円の住戸を購入すると、建物価格は上記の目安で1,500万円で、消費税アップ分は、税率8%(3%アップ)のとき45万円、税率10%(5%アップ)のとき75万円と、ハードルはぐっと低くなり、住宅ローン3千万円の借入で消費税アップ後の方が現行制度より有利と考えられます。

 気になるのは、
消費税率8%のときも10%のときも控除限度額が最大400万円で変わらないので、消費税率8%の期間に物件を購入してしまおうとする「二次的駆け込み」が生じないか、ということです。与党の判断は、これを考慮して控除限度額は4年間ずっと400万円で同じ額を維持しているのだということなのでしょうが、この点は消費税率10%上げの直前の年に、そのときの不動産市況や経済動向を見ながらあらためて判断される余地があるかもしれません(ちょっと甘い考えでしょうか?)。

 以上のような計算は、また私の思い違いがあるかもしれませんので、
話半分でお読みいただければと思います。でも、何となく「今回の消費税アップ前とアップ後ではどちらが得なのか」という問いには、シミュレーションができそうな気がしています。どなたかネット上でそのシミュレーターを作っていただけると嬉しいのですが。

 もちろん、
一生の大きな買い物ともなり得るマンションは、消費税アップによる百万円単位の損得計算だけで買うものではないと思いますので、最後に付言いたします。

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| 住宅ローンその他融資 | 19:43 | comments(2) | trackbacks(0) |
単身女性ほど住宅ローンを早期完済?−そのゴールデンルールとは
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★ 昨年の年末のことです。私は会社同士のお付き合いで、夜に食事会をしていました。両社とも5名ずつ、偉い人から担当まで、長テーブルにずらっと並んで座り、なぜだかその日はナイフとフォークを使いながら、イタリア料理を食べていました。

 私の目の前には、
40歳代前半と思われる独身女性Bさんが座りました。とても明るい感じのよい女性で、相手会社の重役Aさんからいろいろ話題を振られると見事に切り返し、場を盛り上げていました。

 「いやあ、Bさんは仕事も凄いけど、オフも凄いんだよ」とAさんは上機嫌でしゃべっていました。聞いてみると、会社の仕事以外にNPOに所属し、休日はそのリーダー役として活動し、その世界では結構有名なのだそうです。すると、Bさんは、冗談めかしてこう言いました。

 「それだけじゃないですよ。私はもう住宅ローン完済しましたから」

 「ええっ!」

 それまでの男性たちの余裕のある和やかな顔が一瞬にして驚愕の表情に変わりました。何が凄いと言って、これほど凄いことがあるのかと、男性陣は皆痛いところを突かれたように、お互い顔を見合わせたのです。

 私自身を振り返ってみると、
住宅ローンを借りたのは4年少し前で、住宅ローン総額は3千万円を少し超えるくらい、2年前に、少しでも有利な金利をとろうと早くも借換えをして、悪戦苦闘をしながら毎月払っていますが、現在ようやくローン総額の1割程度を返したところで、まだまだ先は万里の長城のように遠そうです。

 Bさんがいつマンションを購入(まさか戸建てではないでしょう)し、どれくらいの額を住宅ローンで借り、いつ返し終わったのかは聞かなかった(その場でしつこく聞くのは確かに変です)のですが、失礼ながら勝手に想像してみることにします。


 独立心の強いBさんですから、今から10年前の30歳代そこそこで早くも1LDKのマンションを購入、勤務地である大手町に都営三田線で一本で行ける「白金高輪」駅から徒歩5分、専有面積は40崢度のマンションとしましょう。当時はマンション価格が底に近い頃で、上記と同じ条件の『パークホームズ白金高輪アーバンレジデンス』坪単価219万円からありました。

 ここでBさんは
3千万円のマンションを購入、それまでの貯金を崩して頭金を2割入れ、2,400万円を10年固定1.8%・35年ローンで借りました。毎月の返済額は77,000円で、維持管理費・修繕積立金を合わせても92,000円となり、それまで文京区千石(仮定)の家賃10万円の賃貸マンションを借りていた時と比べて、毎月の出費はむしろ減りました。

 この後すぐにBさんは順当に課長代理へと昇進し、給料もぐんとアップしました。住居に係る費用は毎年110万円程度で、以前より安いくらいですが、年収は700万円を超えました。しかも、Bさんは休日はNPO活動に没頭し、出費らしい出費がありません。結局、毎年1月に繰上返済(年末は住宅ローン減税を受けるために1月に延ばしています)を200万円ずつすることができました。それでも、毎月使えるお金は住居費なしで20万円程度あり、1人で生活するには十分でした。

 結果として、
住宅ローンは10年で完済、35年ローンの時は利子を837万円払うべきところ、10年間で216万円の利子支払いで済み、621万円も利子支払いを節約できました。

 考えてみれば、これは
単身のキャリア女性であれば決して不可能なことではありません。私自身、住居費、子供たちの教育費、税金、社会保険料等を除けば、年間450万円程度で4人家族を養っています。Bさんが毎年300万円程度を繰上返済を含めた住宅費に使ったとしても、税金、社会保険料控除後に年間230万円程度が残り、私たち一家よりもゆとりある生活ができます。

 また、Bさんは
休日の出費が少ないのですが、これも現代の女性の特徴だと思います。Bさんのようにアクティブではなくても、最近の女性は休日を家で過ごしていることが多いようです。私たちの時代は、貧しさから豊かさへ向かう途中でしたので、むしろ休日は買い物・レジャーに忙しく出かけていたのですが、はじめから豊かな今時の女子はその点落ち着いています。

 結局、Bさんはほとんど無理をせずに、気が付いたら40歳代初めで住宅ローンを完済してしまい、今や毎月20,000円程度(管理費が少々上がったと仮定して)の出費で立派な白金高輪(仮定)の1LDKマンションを所有していることになったのでした。

 こう考えると、やはり
マンションを所有するなら若い独身時代から開始した方が良いでしょう。しかも、郊外ではなく、都心・城南など人気のある場所で、もちろん無理のない範囲の金額で、しっかりした1LDKのマンションを購入すべきです。

 私のように40歳代半ばでマンションを購入してしまうと、
頭金はかなりの額を当初用意できたとしても、大きくなった子供たちの教育費等で繰上返済はなかなかできません。そんな私でも、30歳代までは、今より年収はずっと少ないのに、通帳にたまるお金の使い道に困り、子供たちの傷害保険を9年分一括納入したりしていたのを懐かしく思い出します。

 逆に
若い世代に足りないのは、立地に対する意識や知識です。私は特にそうだったのかもしれませんが、40歳代手前でマンションの購入の検討を開始するまで、首都圏でどこが人気の場所で地価が高く、どこがそうでないのか、という頭が全くありませんでした(「銀座は高いんだろうな」ぐらいの知識でした)。

 反省を込めて言えば、繰り返しになりますが
「(Bさんのように)若いうちから意識を持ってマンションを買え」ということです。私の娘たちにはそのようにアドバイスしたいと思いますし、10年後くらいに一緒に物件を検討してあげるのが今から楽しみです。

 早々とマンションを完全所有したBさんは、その気になれば今の
白金高輪のマンションを人に貸し、芝公園(仮定)あたりに2つ目のマンションを購入することもでき、これは現在のマンションの賃貸収入も併せて、もっと早く住宅ローンを完済することが可能です。言わば幾何級数的に富は蓄積されていくわけで、まさに「富める者は富み」の世界になります。肝心なのは、若い時期に早くそのレールに乗ることでしょう。


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| 住宅ローンその他融資 | 21:12 | comments(2) | trackbacks(0) |
10年固定ローン金利1.35%超で借りている方は借り換えがお得?
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 今月2日付の産経新聞によれば、大手銀行の多くが12月から住宅ローン金利を引き下げました。指標である長期金利が低下しているのに伴う措置で、当初10年間を固定金利にするローンの金利は前月から0.05%下がり、1.15%〜1.3%と過去最低水準になりました。一方、病気の際に返済を軽減できるなど新たなサービスも登場しました。消費税増税を前にした駆け込み需要を狙い、金利以外で他行との違いを出す動きも進んでいます。

 住宅ローン金利の基準となる
10年物国債の先月30日の利回りは一時、0.695%平成15年6月以来、約9年5カ月ぶりの低水準まで低下しました。こうした市場動向に合わせて三菱東京UFJ銀行など大手行の多くは10年固定ローンを中心に金利を引き下げました。

 低金利競争に拍車をかけているのが平成26年4月に予定されている
消費税引き上げです。来年9月までに契約を結べば、引き渡しが26年4月以降になっても現在の税率5%が適用されるため、各行とも「千載一遇のチャンス」(大手行)と駆け込み需要の取り込みを狙っています。

 一方、低金利競争が進み、
ローン金利に差がなくなりつつあるため、各行は住宅ローンに付随するサービスの強化を進めています。みずほ銀行は、がんなどの8大疾病に加え、骨折などけがをした場合でも、最大1年間のローン返済を補償するサービスを10月下旬に始めました。従来の補償と比べ、申込件数は約10倍と好調です。

 新生銀行は金利は据え置いたものの、今月1日から繰り上げ返済をしている人を対象に、
収入の減少や急な出費の際に月々の支払額を一時的に少なくできるようにしました。りそな銀行は年中無休の相談窓口を大阪市内で展開するほか、土日営業の窓口を増やし、新規顧客の開拓を進めています。

 以上が産経新聞の記事の概要です。住宅ローン金利については、ずいぶん前から
「今が底、今が底」と言われてきましたが、10年物国債金利は史上最も低かった平成15年金利に近づいてきました。私は2年前、「今が底」と思い、かなりの優遇をいただいて10年固定ローン1.3%で借り換えをしました。ところが、大手都市銀行である三井住友信託銀行で、今月は10年固定金利が1.15%になったと聞き、仰天しました。

 それでは話を単純化するために10年固定ローンに限った場合に、
現在どれくらいの金利で10年固定ローンを借りている人がこの三井住友信託銀行の10年固定ローンに借り換えると得するのでしょうか。

 まず、考えなければならないのは、現在の住宅ローンは借りてから何年経っているか、ということです。例えば借りて7〜8年経っているのであれば、1.15%の低金利でさらに10年間借りられるということで、それだけでメリットが大きくなります。ただし、住宅ローンを借りた際に保証料を払っているとすれば、償還が進んでいる分保証料の返還は少なくなり、その分の持ち出しが出てきます。逆に借りて間もないのであれば、現在払っている保証料をほぼそのまま新しい保証料に充てられるという点はあります。

 次に、借り換えをするとそれだけでさまざまな
手数料や税金がかかります。私の経験では、これらの手数料・税金に30万円程度は見ていた方がよいと思います。一方、例えば借りて5年経過している場合、今回の保証料の持ち出しは15万円〜20万円程度と思われます(なお、手数料方式で当初支払っている場合は、今回の保証料約60万円程度がとりあえずそのまま持ち出しとなります)。

 このように考えると、
借りて5年経過している上記の場合、住宅ローンを借り換える手間暇も考えて、少なくとも50万円〜60万円程度は借り換えてメリットがないと意味がないと思われます。

 例えば
3,000万円を30年間、金利1.15%で借りた場合、10年間の支払総額は1,183万円、10年後のローン残高は2,113万円となります。これに対し、私の現在の金利である1.30%の場合の10年間の支払総額は1,208万円、10年後のローン残高は2,127万円となり、金利1.15%の場合より支払総額25万円+ローン残高14万円=39万円のメリットで、これでの借り換えはきついです。

 次に、金利を少し上げて
1.35%とすると、10年間の支払総額は1,217万円、10年後のローン残高は2,131万円となり、金利1.15%の場合より支払総額34万円+ローン残高18万円=52万円のメリットとなり、ぎりぎり効果があるとも判断できます。

 こうして見てくると、計算上、
金利1.35%超で10年固定ローンを借りている方は、借り換えた方がお得、ということになります。また、当初の保証料が0円の住宅ローンを借りている場合でも、合計100万円程度のメリット(支払総額68万円+ローン残高37万円)が出てくる金利1.55%超で借り換えの効果があると認められます。

 通常、
借り換えのメリットがあるのは、金利差1%以上、残高1,000万円以上、残り期間10年以上と言われていますが、これは古くからの言い伝えのようなもので、実際にはさまざまなバリエーションがあるようです。今回は固定10年同士のシンプルな比較なのですが、0.2%〜0.4%の違いでも借り換える意味があるのではないかとの結果になりました。

 現在、
既に10年物国債の利回りは上昇をはじめ、昨日は0.780%に達しました。新政権で国債が増発されるのではないかという懸念から、今後は金利が上昇するとの観測が大勢で、今度こそ今の金利が当面の底となる可能性があります。

 これらの計算には私の思い違いがどこかにあるかもしれませんので、あまり自信はありませんが、上記の通り、
固定10年の住宅ローン金利1.35%超で借りている方は結構いらっしゃるように思われます。また、今回取り上げた記事のように、他にもいろいろな魅力的な商品が出ていますから、少しでも住宅ローン負担を減らしたい方は、今のローン金利水準がそれほど変わらないうちに、一度ファイナンシャルプランナーや金融機関にご相談されるのも一考だと考えます。

(注)コメント欄にあります通り、2012年12月28日にトリスさんより、保証料の持ち出しについては「5年ですと10万円では済まない人が多いのではないか」というご指摘がありました。ご指摘の通りで、私の記憶違いで過少記載をしてしまいました。あらためて試算をしてみた結果、当初保証料の持ち出しを5年経過で「保証料の持ち出しは約10万円」としていた記述を「保証料の持ち出しは15万円〜20万円程度」とさせていただきました。
 この点、お詫び申し上げますとともに、ご指摘に深く感謝いたします。(2012年12月29日)


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| 住宅ローンその他融資 | 02:16 | comments(2) | trackbacks(0) |
自民党政権奪還へ−期待されていた住宅ローン減税の大幅拡充への影響は?
JUGEMテーマ:マンション

★ 漫才日本一を決定する年末特番「THE MANZAI2012」で、神田うの弟の涙を見ていたら、画面は急に選挙特番に切り替わり、投票時間の終了時間である午後8時のカウントダウンのゼロの数値とともに、「自民299、民主62」というFNNの議席予測が目に飛び込んできました。

 選挙前から何度も
自民優勢が伝えられ、自民党への政権交代にもはや意外感はないものの、「やっぱりこれだけ票を取ったんだ」とある種の驚きはありました。しかも、公明党の議席予測が32ですから、自民・公明で合計すると議席数は321となり、自・公で過半数を取っていない参議院が議案を否決しても衆議院の再可決で議案を通過できる3分の2の議席数を取れるところまでの水準となっています(もちろん、現在は予測段階ですので、320議席までいけるかどうかは現時点では「うかがう勢い」です)。

 そこには、
選挙結果が一方に振れやすい小選挙区制度の特徴が表れているのですが、それはさておき、気になるのが、政権交代が起こって、民主党政権では予定されていた「住宅ローン減税の大幅拡充」がそのまま実行されるのかどうか、という点です。

 本年9月4日の本ブログ記事『住宅ローン減税期間15年、最大1,000万円!−最強の住宅ローン減税登場?』では、消費税増税による住宅需要の減退を防止する対策として、
「減税期間を今の10年から15年に延長し、減税額も最大で1千万円規模に増やす」「年末時点のローン残高から減税額をはじく控除率も今の1%から2%に引き上げる方針」という、購入検討者にとっては嬉しいニュース(単なる観測記事という見方もあります)が並んでいました。

 しかしながら、その後本日の解散総選挙となり、
政府の検討は事実上ストップ、住宅ローン減税等の方針を決める税制改正大綱の策定も年明けにずれ込んでいます。住宅ローン減税の大幅拡充の実施は2014年からが予定されていますので、大勢に影響はないのでしょうが(このままだと2013年入居の方が住宅ローン減税額200万円で最も少なくなり、マンション販売に影響が出るのではないかと思いますが…)、もしその住宅ローン減税拡充の施策が止まってしまうと、「住宅ローン減税額1,000万円の皮算用が0円に(泣)」ともなりかねません。

 そこで、今回の総選挙の自民党の公約集『政権公約 J−ファイル2012』を見ると、
住宅の取得について、次のような記述がありました。

「住宅の取得については、取引価額が高額であること等から、消費税率の引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいので、平成25年度以降の税制改正及び予算編成の過程で総合的に検討し、消費税率8%への引上げ時及び10%への引上げ時にそれぞれ十分な対策を実施します。」

 このように、自民党においても、消費税増税時の住宅購入への影響を十分考慮している模様で、この点は現政権与党である民主党と変わらないスタンスのようですから、まずは一安心です。そもそも、今回の消費税率引き上げ法案の成立は、民主・自民・公明の3党合意に基づいて行われており、今回成立した「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」には、第7条第1号チとして、次のような規定が盛り込まれています。

「住宅の取得については、取引価額が高額であること等から、消費税率の引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ、一時の税負担の増加による影響を平準化し、及び緩和する観点から、住宅の取得に係る必要な措置について財源も含め総合的に検討する。」

 この法律と自民党の政権公約を比較すると、ほぼ同じことを少しだけ時期を明らかにして述べており、その精神は当然のことながら、自民党政権においても引き継がれることとなります。

 しかし、その前提として、
「自民党政権になると消費税率を引き上げないのではないか」という論点があります。これは自民党政権だからというより、もともと法律においても景気条項が消費税率引き上げの条件として入っていました。この判断時期が来年第2四半期と言われており、だからこそ当該時期の景気を考慮して大型補正予算がこれから組まれるとの報道なのですが、いずれにせよ、当該時期の景気動向を踏まえた判断は自民党政権で行われることとなります。

 自民党の
安倍総裁は、選挙期間中「景気動向がおもわしくなければ消費税率の引き上げは行わない」と明言しており、足元の景気が悪化している現状では、果たして来年第2四半期に良い数値が出るかどうかは、(日銀短観は先行きは改善の見通しとしているものの)微妙なところです。

 上記の住宅ローン減税の大幅拡充の施策については、
消費税率引上げによる悪影響の防止が前提となっていますので、消費税率引上げを行わないとした場合には、住宅ローン減税の大幅拡充も行われない、というのが論理的な道筋です。

 「消費税が上がらないなら住宅需要の減退も起こらないから別にいいではないか」というのが正論ですが、現在報道されている案は、例え消費税が増税されてもそれを上回るインセンティブにより、住宅購入を刺激しようという施策に見えただけに、マンション購入検討者にとっては、「むしろ消費税が上がってくれた方が得をする」ケースが多かったように思います。

 さらに、現行制度では
2014年以降の入居は住宅ローン減税が打ち切られてしまうので、購入検討者にとってはダブルパンチで、まさに「減税額1,000万円のはずが0円に」という状態になりかねません。

 そうはいっても、最近
住宅ローン減税の実施が実際に打ち切られたことはなく、次の施策で事実上延長ないし拡充されてきたので、消費税率引上げが実施されなくても、国交省は何らかの施策を提案してくる期待もありますが、その元となる理屈が乏しくなるだけに、不安は大きくなります。

 とりあえずは
来年冒頭の税制改正大綱が一つの焦点であり、今後、住宅購入をめぐる政策と消費税率引上げの方向性への判断に注目する必要がありそうです。

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