中央区、江東区の9割超は液状化の可能性あり!−要注意は足立・葛飾・江戸川
JUGEMテーマ:マンション

★ 5日早朝は久しぶりに大きな地震でした。初めは小刻みな揺れが長く続き、夢うつつで「うう、地震か…?」と思ったら、がたがたっと揺れが来ました。幸い私が住んでいる武蔵小杉は恐怖を感じるほどの揺れではなかったのですが、あらためて私達が不安定な地盤の上で生活していることを実感させられました。

 そこで気になるのが
液状化の問題です。浦安ではいまだに液状化被害の影響から完全に脱したとは言えず、地震後も長く残る課題として見過ごすわけにはいきません。分譲マンションについては液状化対策はしっかり施してあると思いますが、そのエリアがもともと液状化を起こしやすいところかどうかは、知っておく必要があると思います。

 本ブログでは
2011年の東日本大震災の半年後に、『23区で地価が下落しやすいエリアとは?−今後はブランド神話の崩壊も?』と題して、大震災の影響で進行していた地価下落の状況を記事にしていますが、その際「東京都では今後、液状化予測の見直し等を進めていく」と書いています。この見直しについては、昨年3月に、『東京の液状化予測』としてまとめられていますので、あらためて取り上げてみたいと思います。

 この予測では、
揺れの大きさを1923年の関東大地震並み、すなわち震度6弱を想定しています。液状化について、本報告書は、それ自体が直接人命にかかわることは極めてまれであるものの、上下水道・電気・ガスなどのライフラインへの被害木造住宅の傾斜・沈下など、「一般的には液状化による災害は財産に対するものや地震後の生活の不便さといったものと考える」としています。

 本報告書によれば、
東京低地には、有楽町層上部と有楽町層下部とよばれる軟弱な沖積層と、七号地層とよばれるややしまった沖積層が分布しており、液状化の発生する可能性があるのは、ゆるい砂層である有楽町層上部と、その上に人工的に盛られた表土層のうち砂でできている部分だということです。

 そして、
東京において、液状化の可能性を考えなければならない場所は、次の3つです。ただし、については、地形上その範囲は谷底に沿う形で狭く限られています。

1 荒川流域の東京低地
2 多摩川流域の多摩川低地
3 石神井川や神田川、大栗川、三沢川等の中小河川が台地・丘陵地を刻んでできた河谷底(谷底平野)


 そして、特に液状化が発生しやすい地形は、次のとおりです。

1 過去に水面であったところが陸になった「旧水面上の盛土地・埋土地、旧河道」や「干拓地」
2 現在の河川敷や湿地などが含まれる「頻水地形」


 これに対して、意外と液状化しにくいのは、昔の海岸線に沿ってできた砂礫質の微高地である「砂(礫)州・砂(礫)堆」です。ただし、同じ微高地でも自然堤防での液状化の程度は、一般の低地とそれほど変わらないということです。

 ややこしいのは、
人工的な盛土であっても、砂で盛土されていれば液状化しやすくなるのに対して、粘土やロームであれば液状化の発生を抑制するとされていることです。こうなると素人ではその地点が液状化しやすいのかしにくいのか、判断しがたいことになります。

 したがって、結局は
液状化予測図(マップ)を見て、自分が住んでいるエリアが液状化しやすい場所かどうか、確認することになります。地図では見事に液状化の可能性があるエリアが東西で分かたれていて、北から板橋区、北区、荒川区、台東区、千代田区、港区、品川区、大田区にその境界線があり、この境界線より東が液状化の可能性がある地域、西が液状化の可能性がない地域となります。液状化の可能性がある地域のうち、上記のとおり荒川水系と多摩川水系では、液状化の可能性が高い地域となっています。

 液状化の可能性が高い地域を挙げると、次のとおりになります。なお、ここに出てこない文京区、豊島区、新宿区、渋谷区、練馬区、目黒区、杉並区、世田谷区、中野区は、液状化の可能性が高い地域が存在しません

1 足立区 39.6%  2 葛飾区  38.5%  3 江戸川区 34.9%
4 大田区 20.5%  5 中央区  16.0%  6 江東区  13.1%
7 墨田区  8.8%  8 北区    6.5%  9 台東区   5.7%
10 荒川区  5.3%  11 港区    3.4%  12 品川区   2.4%
13 板橋区  1.2%  14 千代田区  0.6%


 これを液状化の可能性がある地域まで広げると、次のとおりになります(数値は液状化の可能清華が高い地域の割合を含みます。)。

1 墨田区  99.4%  2 葛飾区  99.1%  3 足立区 98.8%
3 江戸川区 98.8%  5 中央区  92.8%  6 江東区 92.3%
7 荒川区  91.0%  8 大田区  74.2%  9 台東区 73.0%
10 北区   55.1%  11 港区   35.3%  12 品川区 35.0%
13 板橋区  28.6%  14 千代田区 24.7%  15 文京区  2.0%
16 豊島区   1.9%  17 新宿区   1.2%  18 渋谷区  0.8%
19 練馬区   0.7%  20 目黒区   0.4%  21 杉並区  0.2%
22 世田谷区  0.1%  22 中野区   0.1%


 この2つを見比べると、液状化のレッドゾーンが足立区、葛飾区、江戸川区なのですが、墨田区、中央区、江東区、荒川区も、実に9割超の土地が液状化の可能性ありとしてカウントされています。大田区は面積が広いだけに、液状化の可能性が高い多摩川流域と、その心配がない池上以北がはっきりと分かれています。

 23区では液状化の可能性がない区はないのですが、
文京区、豊島区、新宿区、渋谷区、練馬区、目黒区、杉並区、世田谷区、中野区はその区域面積がごくわずかで、これはこれらの箇所が上記の「河谷底」に限られているからでしょう。

 あらためて液状化の可能性が高い要因を区ごとに見てみると、
葛飾区、江戸川区、江東区では、沖積層のうち、人工的な盛土層のすぐ下に分布する有楽町層上部とよばれる細砂やシルト質細砂を主体とするもろい地層が厚く堆積していることが挙げられます。墨田区や足立区南西部では、墨田区が大正期に、足立区南西部では昭和期都市化が始まって盛土のために土地を掘り下げて池ができ、その後にその土地を砂で埋め立てたためにもろい地層が人工的に造られてしまったと推測されます。

 現在、
タワーマンションがラッシュで注目されている豊洲、晴海、勝どき、月島、有明エリアも、そのほとんどの区域で液状化の可能性があり、局所的に液状化の可能性が高いスポットがあります。これらのエリアのタワーマンションは、建物自体は液状化対策で大丈夫でしょうが、上下水道、電気、ガスなどのライフラインについては復旧に時間がかかる可能性があることを認識しておいた方が良さそうです。

『分譲マンション・アップデート』へ


| 地震・防災 | 20:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
一流マンションに次々と不具合発覚!−現場では一体何が起きているのか
JUGEMテーマ:マンション

★ 4月2日付ケンプラッツによれば、川崎市は3月31日、同市内で建設中の超高層マンション「パークタワー新川崎」で、4階部分の柱と梁の一部にひびや剥離が見つかったことから、不具合のある部分などを解体・撤去し、再施工すると発表しました。

 販売主である三井不動産レジデンシャルの資料によると、同マンションは鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造で地下2階、地上47階建て、延べ面積は7万5,861.66平米で全670戸、事業主は、三井不動産や三井不動産レジデンシャル、近隣地権者らが出資する鹿島田駅西部地区再開発、設計・監理者は松田平田設計、施工者は清水建設です。2012年8月に着工し、4〜30階までは15年3月下旬、31〜47階は同年5月下旬の入居を予定していました。敷地は、鹿島田駅西部地区第一種市街地再開発事業の区域内にあります。

 川崎市の発表によると、同マンションに
不具合が見つかったのは3月12日です。4階の柱と梁の一部にひびと剥離が発生していました。プレキャスト工法を採用していましたが、4階部分の柱と柱の接合部に充填剤(高強度無収縮モルタル)を注入しないまま、5階と6階、7階の一部の施工を進めたので、4階柱の一部に許容を超えた荷重がかかったことが不具合の原因としています。

 4月中旬から、不具合が発生した部分を解体・撤去したうえで、再施工する予定です。三井不動産レジデンシャルは4月10日以降に契約者らに説明を行う予定だということです。4月1日時点では、公式ウェブサイトやモデルルームは閉鎖、販売の受け付けはしていません

 三井不動産広報部の担当者は日経アーキテクチュアの取材に対し、
「契約者など関係者には深くおわびする。今後、関係行政などと協議し、誠意をもって対応していく」と回答、清水建設コーポレート・コミュニケーション部の担当者は、「事業主とマンションの契約者には深くおわびする。今後、責任をもって対応していきたい」とコメントしています。

 以上がケンプラッツの記事の内容です。
最近、たて続けに大手3社の高級マンションに不具合が発生しました。

 第一に、昨年12月に内部告発で発覚した『ザ・パークハウスグラン南青山高樹町』です。原因は、雑誌報道によれば、「6,000のスリーブ(配管のために開ける穴)設計に対して600箇所でスリーブが開けられていなかったり、位置が間違っていた上に、調査をせずにコアボーリングをしたために鉄筋が切れてしまった箇所もあった」ということです。

 第二に、本年2月に施工会社の大成建設が気づき、売主の積水ハウスに報告した『グランドメゾン白金の杜ザ・タワー』で、計34本あるRC柱のうち19本で、主筋を固定する補強筋(拘束筋)の一部が設置されないままコンクリートが打設されていたというものです。

 そして
第三に、上記記事の『パークタワー新川崎』で、4階部分の柱と柱の接合部に充填剤を注入しないまま、5階と6階、7階の一部の施工を進めたので、4階柱の一部に許容を超えた荷重がかかり、4階の柱と梁の一部にひびと剥離が発生したとあります。

 上記3件は、
いずれも工事のやり直しとなっています。特に、『ザ・パークハウスグラン南青山高樹町』はほぼ完成していただけに全面解体・再建築となり、今後39.5ヶ月の工期が予定されています。本物件は、三菱地所レジデンスの高級マンションブランド「ザ・パークハウスグラン」シリーズ第一弾で、しかも発覚がネット上の内部告発というお粗末なものだったため、そのショックは極めて大きいものがありました。

 これら
不具合物件の共通点は、いずれもスーパーゼネコンが施工会社であるということです。すなわち、『ザ・パークハウスグラン南青山高樹町』が鹿島建設、『グランドメゾン白金の杜ザ・タワー』が大成建設、『パークタワー新川崎』が清水建設です。

 私達は
この事実から何を読み取ればいいのでしょうか。一つは、元請が大手であればあるほど、孫請の連鎖が発生し、目が届きにくくなるのではないか、という論点です。特に東日本大震災の復興需要、マンション建設ラッシュ等で現場の人材は払底し、工期も厳しくなって、無理な工事が続いているのではないかとも推察されますが、その杜撰さに気づくチェック機能が大手ほど働きにくくなっているのかもしれません。

 しかし、第二には、
大手だからこそ、不具合の発覚及び対応が迅速に行えた、とも言えます。『ザ・パークハウスグラン南青山高樹町』の顛末はあまりに衝撃的で、スーパーゼネコンほど自社施工物件に敏感になったと言えます。その結果見つかった第二、第三の不具合物件、という可能性もあります。

 逆に言えば、
第一物件が発覚しなければ、第二、第三物件は発見されなかったかもしれません。また、たとえ発見されたとしても、(そうは思いたくありませんし、ゼネコン各社も強く否定するでしょうが)公にされなかったかもしれません。

 そして、
スーパーゼネコンだからこそ、たとえ全面解体・再建築になったとしても耐えられるだけの体力(財力)があったわけで、これが中小ゼネコンであれば、あの姉歯物件で倒産したヒューザーのように、ひとたまりもなく姿を消したはずです。なぜなら、ゼネコン自身、多額の借金をして建設工事をしている場合があり、いったんこのような事態となったら、融資していた金融機関が一斉に融資を引き揚げる可能性が高いからです。

 したがって、
中小ゼネコンの物件であれば、施工ミスを見つけること自体が会社の存亡に関わることから、そのようなインセンティブが働かないのではないでしょうか。まさかとは思いますが、見つかっても「見て見ぬふり」をされる可能性はないでしょうか。

 あの
ヒューザー事件の後も、耐震性に欠陥がある物件が複数、たて続けに見つかりました。しかも、そのどれもがやはり、一流デベロッパーとスーパーゼネコンの組合せの大規模マンションで、いろいろ批判されながらもきちんとした対応がありました。今回とあまりにそっくりな「その後」の展開に、私は逆に「その他」の物件の安全性に危機感を覚えます。

 私は最近、
モデルルームのアンケートで、魅力を感じるポイントとして、「大手だから」という趣旨の選択肢に必ずマルをしています。それはブランド名にひかれていると言うよりも、何かトラブルがあった時の対応能力が大手と中小では全く異なるであろう点に着目しているからです。

 しかし、一方では、
大手が手掛けるタワー物件、大規模物件は、施工に技術を要するものが多く、末端の施工会社の技術能力・監理能力が結局どこの現場でもあまり変わらないとすれば、それだけミスが起きやすいとも言えます。逆に「よくある」地上10階建前後のペンシル型の小規模物件であれば、相対的に標準的かつシンプルな技術で小さな施工会社が直に請けても対応可能であり、そのために目がよく行き届くとも言えます。

 いずれにしても、
マンションの施工は、購入者がその良し悪しを判断することがほぼ不可能で、指摘も手直しの指示もできない部分です。ある意味、「運を天に任すしかない」という不条理な世界なのですが、それでもマンションは売れていくという現実が、その再発を防止できない大きな理由なのでしょう。

『分譲マンション・アップデート』へ


| 地震・防災 | 20:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
大地震が来たらタワーマンションはどう崩れるか−実証された超高層の壊れ方
JUGEMテーマ:マンション

★ 本日付のケンプラッツでは、『実験で分かった超高層の壊れ方』という興味深い記事をアップしています。以下にその概要を記します。

「実験は、2013年12月9日から11日にかけ、
防災科学技術研究所・兵庫耐震工学研究センターで実施されました。防災科研、京都大学、鹿島、清水建設、竹中工務店、小堀鐸二研究所の6者による共同研究です。

 試験体は2000年の改正で建築基準法が現行の性能規定に移行する以前、
1990年ごろに一般的だった設計・施工を再現したもので、鉄骨造ラーメン構造の18階建てです。試験台に載せるため3分の1に縮小しましたが、高さは25.3m、重さは420トンに達し、振動実験としては世界最大規模です。

 崩壊は、何度も繰り返し加振したことで、下層階の構造部材が塑性化したために起きました。柱と梁の接合部の破断、1階柱脚の局部座屈により下層階が大変形し、上層を支えきれなくなったのです。今回、実験で確認された崩壊現象について、小堀鐸二研究所の小鹿紀英副所長は『防護フレームがなければ、下層の5階分を上層部が押し潰す格好となっただろう』と解説しています。

 実験が確認したのは、
崩壊に至る一連の過程です。使われた地震波は、東海、東南海、南海地震の3震源域が連動したという想定で、マグニチュードは8.7です。入力は「東京・大阪・名古屋における平均レベル」で応答速度110cm/秒、「局地的な最大レベル」で同180cm/秒としました。建基法が「倒壊・崩壊してはならない」と規定する「極めてまれに発生する大地震」は、同80cm/秒に相当します。

 最大レベルとなる
同180cm/秒で揺らした際の試験体の屋上部分の最大水平変位は、実スケールに換算すると片側へ92.4cm動いたことになります。最大層間変形は57分の1で、設計要件の2倍近くに達しました。複数の梁の端部が塑性化し、亀裂が入った部位も出ました。

 長周期地震動に共振した建物が、大振幅で長時間揺れ続け、振り回されるように下層階が繰り返し変形を受け、徐々に上層階の荷重に耐えられなくなって圧壊する─これが、プロジェクトが想定した超高層の崩壊過程です。

 加振回数は3日間で計14回徐々に加振レベルを大きくしていきました。応答速度300cm/秒で揺らした場合の最大層間変形角は28分の1。応答速度420cm/秒まで増幅した波による3回目の加振で、崩壊しました。

 『ほぼ想定通りの結果。構造設計の際に想定していない倒壊に至るまでの余力について、定量的なデータを得られた』鹿島技術研究所の高橋元美・上席研究員はそう話します。今後、建物の健全度を即時評価するモニタリングシステムの開発も進めます。」

 以上がケンプラッツの記事の概要です。難しい言葉が並んでいますが、要は、
東海、東南海、南海地震の3地震が連動したとしても、それだけではタワーマンションは倒壊しない、ということのようです。

 つまり、その際の
マグニチュードは8.7で、建築基準法が「極めてまれに発生する大地震」を大きく超える応答速度180cm/秒で揺らしたとしても倒壊せず合計14回、徐々に加振レベルを大きくし、同420cm/秒で崩壊した、というのですから、1990年代の建物であってもそれこそ巨大地震を超える非現実的な揺れを何度も何度も加えないと崩れない、という結果です。

 ただ、
建物は確実に大きなダメージを受けます。上記記事のとおり、応答速度180cm/秒で揺らすと屋上部分は片側へ92.4cm動いたことになり、複数の梁の端部が塑性化、つまり変形したまま元に戻らなくなったうえに亀裂も入る、ということです。この修復には費用が相当かかることでしょう。

 これとの関連で、本実験で
大きな意味があるのは、構造設計の際には想定していない倒壊するまでの過程についてデータが得られた、ということです。倒壊過程やそれまでの余力まで解析が可能になれば、ビルが設計要件を超える大振幅で揺れた際でも、構造体がどの程度健全か、継続利用できるかなどが判明するわけです。

 個人的に興味深かったのは、
「高層ビルは下部から崩壊する」ということです。私は、タワーマンションは、途中からぽっきり折れて、中層階から高層階の住戸がまっさかさまに落ちていく様子を想像してしまっていたのですが、考えてみればそうなるためには猛烈に強い圧力が上空から来なければ不可能で、地面が揺れる地震からそのような力が起きるはずはないのでした。

 あの忌まわしき9.11テロで崩壊した
世界貿易センタービルも、下部から崩れ去っていきました。このように、タワーマンションを支える最も重要な部分は低層部にあり、そこに負荷がかからないように、免震装置は最下層で力を吸収し、高層階はできるだけしなやかに揺れてあげることで力を発散させています。

 その意味で、
タワーマンションは、実は地震のリスクに最も敏感で、各部が協力し合って全身で建物を守っている美しい建築物なのかもしれません。

『分譲マンション・アップデート』へ


| 地震・防災 | 20:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
あなたのマンションの立地は低湿地帯?−大震災から2年、明治の古地図に学ぶ
JUGEMテーマ:マンション

★ 3月8日付住宅新報によれば、国土交通省国土地理院はこのほど、湖沼や水田など『水』に関係する土地の区域を抽出した『明治前期の低湿地データ』を公表しました。液状化が発生する可能性を調べる際の、参考としてもらう狙いです。対象区域は、関東(東京・神奈川・埼玉・茨城の各一部と千葉県全域)と近畿(大阪・兵庫・京都・奈良・滋賀・和歌山の各一部)です。

 地理院では、
「各地方自治体が進めている液状化対策の見直し作業で活用してもらえれば」と話しています。また、同じく地理院が公表している、地形分類を示した『土地条件図』を不動産業者が閲覧するケースが多いとして、低湿地データに関してもその需要があるとみています。

 以上が住宅新報の記事の概要です。今は都会としてにぎわう街並みも、
人工的に手が加えられる前は、さまざまな地形をしていたことは想像に難くありません。私たちは表面上のにぎわいだけでその土地の価値を判断しがちですが、東日本大震災に代表されるように地震大国である日本では、私たち自身がその土地の由来をきちんと把握しておく必要があります。

 よく言われるように、
ヒントとなるのは地名です。地名に「水」「沼」「池」などや「さんずい」が付く場合には、湿地だった可能性がありますし、「谷」であれば低地だった可能性、逆に「山」「丘」であれば高台だった可能性があります

 東急線沿線で言えば、渋谷・多摩川・綱島・洗足・奥沢・洗足池・池上・蓮沼・沼部・矢口渡・二子玉川・高津・溝の口・鷺沼・長津田などは低地や水辺だったのでしょうし、逆に代官山・自由が丘・大倉山・武蔵小山・西小山・大岡山・旗の台・御獄山・緑が丘・尾山台・宮崎台・藤が丘・青葉台・すずかけ台などは、高台に位置するものが多かったのでしょう。

 上記のように、地名を沿線で追っていくと、
渋谷の次に代官山、西小山の次に洗足など、高地と低地が隣接して出てくることが分かります。「山あれば谷あり」というのは自然な地形であり、例えば東急目黒線や東急東横線に沿った中原街道を自転車で走ってみると、高地と低地が交互に出てくるさまがよくわかります(これが私のような50歳手前のサイクリストにはきついのですが)。

 したがって、
自分の住んでいる地点がどのような場所なのかは漠然とエリアでとらえることは正確ではなく、それこそ古地図で確認するのがもっとも確実かと思います。その意味で、今回の国土地理院のデータ公表は、時宜にかなったものと言うことができます。

 それでは試しに、
国土地理院の該当のサイト(http://www.gsi.go.jp/bousaichiri/lc_meiji.html)を開いてみることにします。データを見るには、電子国土Webシステム(プラグイン版)の稼動環境が必要ですので、まずこれをダウンロードします。

 その後に新しいブラウザを開いて使用開始となるのですが、私のPCでは動作が遅く、自由自在というわけにはいきませんでした。この
データは容量が結構ありそうですので、古いPCでは若干不自由するかもしれません。

 この地図を用いて、例えば人気の
港区を見てみると、湾岸部は山手線外側がきれいに海となっており、この一帯は明治初期以降、埋め立てられてできたことが一目瞭然です。また、西麻布1丁目及び2丁目、白金1丁目及び3丁目、赤坂8丁目南部あたりが水田又は田になっていますが、これら以外には低い土地が少ないと言えます。

 一方、
その南に広がる大崎、五反田、南品川は水田又は田の地帯が結構広がっています。そして、南大井から南は23区の一大低湿地帯と言っても過言ではない地形となっています。したがって、大田区は総じて低地であり、このことが昨年4月20日の本ブログ記事『首都直下地震で被害の大きい区、小さい区はどこ?−23区安全度ランキング!』大田区が震災被害の大きい区ワースト1となっている一因と考えられます。

 なお、大田区の一大低地帯は、
多摩川をはさんで対岸の川崎市にまで及んでおり、私が住んでいる武蔵小杉も元は水田又は田の地域であったことがわかりました。私はまったくそんな知識なしに武蔵小杉のマンションを購入しましたが、もし事前に知っていたら躊躇したかもしれません。

 そう思うと、今の住まいに満足している私は
「むしろ知らなくてよかったかな」などと不謹慎なことを考えてしまいますが、やはりそれは正しい姿勢ではなく、低湿地であればなおさら、そのマンションの防災対策や行政の取組に目を向けるべきだと思います。東日本大震災勃発から明日で2年、今一度自分の足元を見つめなおす機会としたいものです。

『分譲マンション・アップデート』へ


| 地震・防災 | 21:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
港区のタワーマンションに津波の危険?−港区が津波被害想定を発表
JUGEMテーマ:マンション

★ 本日付日経新聞によれば、東京都港区は巨大地震が起きた場合の津波被害想定を独自に試算しました。太平洋側を震源にマグニチュード8.2級の地震が起きて2.4メートルの津波が来た場合を想定しています。地震の規模は都の予測と同程度ですが、液状化や防潮施設の損傷などを加味して4つのパターンで浸水の規模などを予測しました。

 約300年前の江戸時代に実際に起きた地震をモデルに津波被害を試算しました。水門や防潮堤が壊れずに機能し、地盤も液状化や沈下しなければ、浸水の深さは最大で60センチメートルです。浸水面積は沿岸の一部の約8ヘクタールにとどまります。

 一方で
防潮堤などが損壊し、液状化で地盤が50センチメートル沈下した最悪の想定では、「浜松町」駅や「田町」駅の周辺で津波により浸水する恐れがあるとしました。浸水はJR山手線内側の芝公園一帯にも及びます。浸水の深さは新交通ゆりかもめ「日の出」駅周辺などでは1.5メートルに達し、浸水面積は143ヘクタールに広がるということです。

 港区は今後、予測を基に民間のビルを住民が一時的に逃げ込める
「津波避難ビル」に指定するなど防災対策に取り入れていく方針です。

 以上が日経新聞の記事の概要です。東日本大震災の発生を受けて、行政は
従来の被害想定を見直しており、国の見直し想定については、本年9月1日の本ブログ記事『南海トラフ巨大地震の死者は32万人!−23区で被害の大きい区はどこ?』でご紹介したところですが、各自治体とも、さらに詳しい地域の被害シミュレーション及びそれに対する対策の策定に取り組んでいます。

 港区は、国の想定でも最大津波高が3メートルに達する可能性があるとされ、相当な危機感があると考えられます。上記記事の内容は、今月19日に港区が独自の調査に基づいて発表した『【改定】港区地域防災計画と港区防災街づくり整備指針』をレポートしたものです。

 この中での注目は、『港区 津波・液状化シミュレーション』です。

 まず、
津波シミュレーションですが、防潮施設(防潮堤、水門、古川の護岸)の機能不全や液状化による地盤沈下、そして古川への津波の遡上をも考慮したところ、元禄型関東地震(M8.2)が発生した場合に、被害が甚大となるケース(防潮施設が損傷し機能しない、液状化により地盤沈下が50)では、区内の浸水面積が 143.5ha となり、一部の地域では最大1.5m程度の浸水深が予測されました。

 まず、有名なマンションエリアで心配になるのが
「芝浦アイランドは大丈夫か」ということですが、ここはしっかりと護岸工事がされているためか、浸水被害はほとんど想定されておらず、一安心です。一方、芝浦アイランドから北向かいの運河沿いは、浸水の度合いが深く、最悪の場合約1mに達しそうな箇所もあります。有名マンションで言えば、『パークタワー芝浦ベイワードオーシャンウイング』はやや影響を受けるかもしれません。

 最も浸水度が深い
「日の出」駅周辺は、ほとんどが事業所ビルなので、一般の居住者の方への影響はわずかだと思われます。他方、案外浸水度が高いのが「芝公園」駅周辺で、『パークハウス芝タワー』や最近完売した『パークタワー芝公園』近辺は最悪50cm程度の浸水があるように地図上では見えます。

 この程度の浸水深の場合、
きちんと注意していれば人命にかかわる被害が生じる可能性は小さいと思われますが、1階部分の浸水がもたらす物的被害には留意すべきでしょう。

 次に、
液状化シミュレーションですが、港区は、東部の海に面した地域が、概ね埋立により形成されているため、最悪の事態を想定し、港区にとって震度が最大となり液状化の危険度が最も高いと考えられる地震を対象として、独自の調査が行われています。

 その結果、
東京湾北部地震(M7.3)が発生した場合に、区内で液状化の可能性が高い地域は、おおむねJR線以東の海に面した地域や「新橋」駅周辺に分布するほか、内陸部の一部にも点在することが予測されました。

 これを見ると、
お台場は液状化に弱い地域となっており、『ザ・タワーズ台場』はその中にあります。ただし、同マンションがある港区台場2丁目は、東京都の他の調査では「安全な街」にランキングされており、この点の整合性はとってほしいところです。

 また、液状化の危険地域は幅広く、
芝浦アイランド『コスモポリス品川』『シティタワー品川』など港区港南の有名タワー群も、そして、「新橋」駅や「虎ノ門」駅周辺液状化の可能性の高いエリアに入ってきます。これに対し、青山、六本木、乃木坂、表参道、白金台、高輪台周辺は、台地部などの古い地盤のために液状化の可能性が低いとされています。

 もちろん、タワーマンションであれば、
液状化防止を含めた地盤対策はきちんとなされているものと考えられます(⇒コメント欄のご指摘の通り、港南三丁目のタワーマンション群は、同町の沖積低地の表層部から比較的浅い場所にある強固な東京礫層に杭を打ち込むことで、確たる地震対策が行われています(2015年5月22日付記))。その前提で、自分が住んでいる地域がどういうところで、いざ大地震が起きたときに、どのような状態になり得るのか、あらかじめ知っておくことは非常に大切なことだと思います。

『分譲マンション・アップデート』へ


| 地震・防災 | 19:36 | comments(6) | trackbacks(0) |
23区で地震時に危険な密集地はどこ?−津波・倒壊・火災の三重苦と向き合う
JUGEMテーマ:マンション

★ 今月12日付毎日新聞によれば、国土交通省は同日、地震などで大規模火災が起きたり避難するのが難しかったりする「著しく危険な密集市街地」が全国17都府県41市区町の197地区5,745ヘクタールに上ると発表しました。危険度の高い「木造密集市街地」(木密)の中で一層危ない地区を抽出したものです。国は、こうした地区を2020年度までにおおむね解消する目標を掲げ、自治体と共に建物の不燃化など対策を進めていますが、財政難や住民の高齢化といった事情もあり難航しています。

 調査は、東日本大震災発生後に全国の市区町村に調査票を配布する形式で実施し、今年3月1日時点のデータをまとめました。木密のうち、建物が不燃化されていないことなどによる
「延焼危険性」(燃え広がりやすさ)、道路の狭さや建物の倒壊を考慮した「避難困難性」(逃げにくさ)を指標に、より危険な地区を絞り込みました。

 その結果、
最も広かったのは大阪府の2,248ヘクタール(11地区)で、東京都1,683ヘクタール(113地区)、神奈川県690ヘクタール(25地区)、京都府362ヘクタール(13地区)が続きました。

 自治体の約9割は、建物の不燃化・耐震化や避難経路・避難場所となる空き地の確保などの対策を実施中としました。しかし、避難・防災訓練や防災・避難マップの作製などは6割弱にとどまっています。

 国や自治体が進める
建物の建て替え促進や道路・公園整備は、自治体の財政難や所有者の資金不足だけでなく、地主や大家、居住者との権利関係の複雑さも絡み、進んでいないのが現状です。高齢住民の中に生活環境の変化を嫌う声があることも要因の一つということです。

 国交省住宅局は
「迅速な初期消火には自治会の防災訓練が有効な手段。近隣で助け合う『共助』の意識を高めることが大事だ」と話しています。

 以上が毎日新聞の記事の内容です。この記事は、国土交通省が今月12日に発表した『「地震時等に著しく危険な密集市街地」について』を基にしたものですので、以下その内容について触れてみたいと思います。

 まず、この資料の別紙1には、『「地震時等に著しく危険な密集市街地」の地区数・面積一覧』が掲載されています。これによれば、
東京都の著しく危険な密集市街地は23区に限られており、面積順にランキングにすると、以下のとおりです。

1 墨田区  19地区 389ha  2 北区  21地区 270ha
3 品川区  23地区 257ha  4 中野区  9地区 152ha
5 荒川区   8地区 126ha  6 足立区  8地区 107ha
7 世田谷区  6地区 104ha  8 豊島区  5地区  84ha
9 大田区   4地区  61ha  10 目黒区  3地区  47ha
11 渋谷区   3地区  45ha  12 台東区  3地区  29ha
13 文京区   1地区  13ha


 ただし、上記はあくまで自治体からの報告に基づいている点は要注意です。当該自治体が非常に危機感を持っている場合には面積を広めに出すでしょうし、それほどでもない自治体は「該当なし」などと報告しているかもしれません。

 このことを前提にとした上で、国土交通省の資料の別紙3の地図『東京都の「地震時等に著しく危険な密集市街地」の区域図』を見ると、上記の
密集市街地は、大田区南部の一部を除いて、「東京」駅から4キロ〜13キロの円を描くゾーン内にあることがわかります。

 特に、
JR山手線内にはほとんど密集市街地がなく、山手線を取り巻くように、その外側に広がっているのが特徴です。これはおそらく、高度経済成長期に市街地がスプロール化し、行政がその人口急増に対策を打てないまま住宅が密集したことによるものでしょう。

 なお、上記の地図には地名がありませんが、その代表例として、特に甚大な被害が想定される木造密集地域(木密)のうち、地域危険度が高いなど、特に改善を図るべき地区として、
東京都が不燃化特区制度の先行実施地区に指定している地区を上記ランキングに沿って挙げると、次のとおりです。

1 墨田区 京島周辺、鐘ヶ淵周辺東
2 北区  十条駅西
3 品川区 東中延1・2丁目、中延2・3丁目
4 中野区 弥生町3丁目周辺
5 荒川区 荒川2・4・7丁目
8 豊島区 東池袋4・5丁目
9 大田区 大森中
10 目黒区 原町1丁目・洗足1丁目


 阪神・淡路大震災や東日本大震災で経験したように、地震の被害で恐ろしいのは、地震の揺れそのものに加えて、その後に起こる火災や津波などの二次的な被害です。そして、密集市街地は、「津波・倒壊・火災」の三重苦となると言われており、大震災で想定されている死者のかなりの部分は、これら密集市街地の被害によるものです。

 私たちが
これらの地域のマンションに住んでいる場合は、自宅の倒壊は免れている場合が多いでしょうから、むしろこれら被災した地域住民の方々にいかに手を差し伸べ、共存していくか、ということが課題となるでしょう。防災訓練等において、日常的に地域の方々と連絡を取り合うことが重要だと思われます

『分譲マンション・アップデート』へ


| 地震・防災 | 22:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
あなたが検討中の物件は大丈夫?−新築マンション揺れやすさランキング!
JUGEMテーマ:マンション

★ 今月7日付の本ブログ『特に揺れやすく、大地震が来やすい23区はどこ?−3,800万人が軟弱地盤に生活』では、防災科学技術研究所「地震ハザードステーション」をご紹介しましたが、このデータに基づいて、町名単位でその地域の揺れやすさを判定してくれるページを発見しました。

 これは、朝日デジタルの『揺れやすい地盤 災害大国 迫る危機』のページの記事下部で、ここに
町名単位まで入力すると、自動的に「表層地盤増幅率」が計算され、かつ、その町の地形の種類まで表示されるという優れものです。この数値が大きいほど揺れやすく、2.0を超えると「特に揺れやすい」場所となり、注意が必要ということになります。

 そこで、
このサイトを活用して、現在販売中の新築マンションで、「揺れやすさワースト10」と「揺れにくさベスト10」を出してみたいと思います。ただし、すべてを調べ上げるには相当な労力が必要ですので、ここでは現在販売中である東京23区の大規模マンション(総戸数200戸以上)かつタワーマンション(地上20階建て以上)の33物件に限定することとしました。

 まず、
揺れやすさワースト10は、次のとおりです。数値は、表層地盤増幅率です。

1 ヴェレーナ王子     北区豊島5丁目    2.468690 後背湿地
2 ザ・パークハウス青砥  葛飾区青砥7丁目   2.382481 三角州・海岸低地
3 (仮)三河島駅前南地区PJ 荒川区東日暮里6丁目 2.374637 三角州・海岸低地
4 ザ・グランアルト錦糸町 墨田区江東橋2丁目  2.284825 干拓地
5 パークタワー東雲    江東区東雲1丁目   2.264235 埋立地
5 プラウドタワー東雲キャナルコート  江東区東雲1丁目   2.264235 埋立地
7 シティタワーズ豊洲ザ・ツイン   江東区豊洲3丁目   2.260717 埋立地
7 シティタワーズ豊洲ザ・シンボル  江東区豊洲3丁目   2.260717 埋立地
9 ザ湾岸タワーレックスガーデン  江東区東雲2丁目   2.258962 埋立地
10 Brillia有明Sky Tower  江東区有明1丁目   2.257086 埋立地
10 シティタワー有明    江東区有明1丁目   2.257086 埋立地


 地盤が軟弱な地域というと、どうしても埋立地を考えてしまいますが、上記のランキングを見ると、埋立地よりも後背湿地、三角州・海岸低地、干拓地の方が揺れやすいことがわかります。もちろん、これらの大規模マンションでは軟弱な地盤への対策を措置済みであり、例えば、ランキングトップの『ヴェレーナ王子』では、合計58本の強度に優れたコンクリート拡底杭を地表から約43〜45.5m以深の強固な支持層まで貫入しています(強固な地盤に達するまで約43〜45.5mというかなりの深さを要することは否めません)。

 次に、
揺れにくさベスト10は、次のとおりです。数値は同じく、表層地盤増幅率です。

1 コンシェリア西新宿TOWER'S WEST 新宿区西新宿6丁目 1.438583 ローム台地
2 クレストタワー品川シーサイド     品川区東大井1丁目  1.442492 砂州・砂礫洲
3 パークコート千代田富士見ザタワー 千代田区富士見2丁目 1.456429 ローム台地
4 パークコート六本木ヒルトップ    港区六本木1丁目   1.472042 ローム台地
4 アークヒルズ仙石山レジデンス   港区六本木1丁目   1.472042 ローム台地
4 THE ROPPONGI TOKYO  港区六本木3丁目   1.472042 ローム台地
8 ザ・タワーレジデンス大塚 豊島区北大塚1丁目  1.486914 ローム台地
9 パークタワー滝野川    北区滝野川6丁目   1.516816 ローム台地
10 OWL TOWER       豊島区東池袋4丁目  1.531725 ローム台地


 2位の『クレストタワー品川シーサイド』が砂州・砂礫州という意外な地形で地盤の固さがあることを示していますが、それ以外は、強固な関東ローム層の上に立地していることが揺れの少ない必要条件となっています。1.4〜1.5という数値は「場所によって揺れやすい」レベルを表しており、スケール上は中程度の揺れ方なのですが、都区部では地層として優良な地域と言えるでしょう。

 地域別に見ますと、
ワースト10に挙げられた区は葛飾区・荒川区・墨田区・江東区という城東エリア中心で、ベスト10に挙げられた区は新宿区・品川区・千代田区・港区・豊島区という都心・城南・城北エリア中心でした。北区はワーストにもベストにも顔を出していますが、これは北区が荒川沿いを中心とする地盤軟弱エリアとそれ以外の地盤の固いエリアの両方を併せ持つ地域だからと言うことができるでしょう。

 実は
私の住んでいるマンションは、表層地盤増幅率2.359941という、とても揺れやすい後背湿地に立地しています。大規模マンションとして構造上、地震対策はきちんと施されていると考えているのでそれほど心配はしていませんが、それでも住んでいるエリアがどのような地域なのかを知っておくのは重要なことです。皆さまも、上記のサイトを活用して、ご自身が現在お住まいになっている町の揺れ具合がどのようなものなのか、確認してみることをお勧めします。

『分譲マンション・アップデート』へ


| 地震・防災 | 20:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
特に揺れやすく、大地震が来やすい23区はどこ?−3,800万人が軟弱地盤に生活
JUGEMテーマ:マンション

★ 今月6日付朝日新聞によれば、日本の人口の3割にあたる約3,800万人が、地震で揺れやすい軟弱な地盤の上に住んでいることが分かりました。軟弱な地盤は首都圏や大阪圏を中心に都市部で広がっており、巨大地震に見舞われると甚大な被害が生じる可能性があります。分析した独立行政法人の防災科学技術研究所(防災科研)が11月、東京で開かれる日本地震工学会で発表します。

 地盤が軟らかいと地震による揺れが増幅しやすく、地中の水が噴き出したり家が傾いたりする液状化現象が起きることもあります。防災科研の研究グループは、地震波の伝わり方などで調べた地盤の固さと国勢調査に基づく人口分布を重ね合わせて算出しました。

 地震による揺れやすさは
表層地盤増幅率で示され、1.6以上になると地盤が弱いことを指します。防災科研の分析では、2.0以上(特に揺れやすい)の地域に約2,200万人、2.0未満〜1.6以上(揺れやすい)の地域に約1,700万人が暮らしていることが判明しました。1.6未満〜1.4以上(場所によっては揺れやすい)の地域では約2,200万人が住んでいました。

 1.4以上の地域は国土面積の9%、1.6以上は6%にすぎない一方、
軟弱な地盤は関東や大阪、濃尾、福岡など人口密度が高い平野部に広がります。大都市の住宅密集地並みの過密地域(1キロ四方に1万5千人以上)の場合、住民の半数以上が軟弱な地盤で生活していることになるということです。

 研究グループは、海溝型と活断層型の地震の発生確率に地盤の揺れやすさを加味した
地震動予測地図も活用しました。全人口の4割強にあたる5,300万人が「30年以内に26%以上の確率で震度6弱以上の揺れに襲われる地域」に住んでいると判明しました。発生確率を「3%以上」とした場合、全人口の8割にあたる約1億人が6弱以上の揺れに見舞われることが分かりました。

 防災科研の藤原広行・社会防災システム研究領域長は「表層地盤増幅率が1.4程度の地域でも、平野であれば深部の地盤が軟らかい可能性があり、大きな揺れになるケースも考えられる。専門機関の
ハザードマップなどで住む場所の地盤を確認してほしい」と指摘しています。

 以上が朝日新聞の記事の内容です。この記事は、防災科学技術研究所の『地震ハザードステーション』にも表示されているマップの詳細な分析について、同研究所が11月に発表する内容を事前に報道したものと思われます。

 具体的な分析については、その発表を待つ必要がありますが、その概要については、上記のマップを眺めているとおおよその見当がついてきます。

 まず、記事の前半で触れている
「表層地盤増幅率」ですが、このマップによれば、やはり東京湾沿岸部及び荒川・江戸川の沿岸部が特に軟弱な地盤となっています。市区町村名で言えば、中央区・江東区・大田区・荒川区・足立区・葛飾区・江戸川区・三郷市・浦安市・川崎市臨海部は、ほぼ全域が2.0以上(特に揺れやすい)です。

 これに次いで、
港区・台東区・墨田区・品川区・北区・川口市・八潮市・千葉市・船橋市・木更津市・習志野市・袖ヶ浦市などが、行政区域の約半分が2.0以上(特に揺れやすい)となります。これらの結果、日本の中枢機能の大部分が地盤の特に弱い地域にあることが分かります。

 記事の後半で触れている
「地震動予測地図」についても、上記の「表層地盤増幅率」とほぼ重なりますが、23区で言えば、上記に加えて品川区の大半が「30年以内に26%以上の確率で震度6弱以上の揺れに襲われる地域」に入ってきます。

 江戸の町は、海洋交通・河川交通とともに発展してきました。当時は陸路よりも、大量の物資を迅速に運搬できる船舶により経済が繁栄していましたから、人々は必然的に海沿い・川沿いに住むようになりました。その街の成り立ちを引き継いで現在の首都・東京があるわけですので、東京に住み、働く以上、地震とのお付き合いは宿命とも言えます。

 このような環境の下でマンションを購入するには、まず購入を検討するにあたって、ご自身の事情から考えて、上記のような危険性を考え併せても、やはりそのエリアに住む必然性があるかどうかを自らに問うことだと思います。

 そして、それでも当該エリアに住む必要がある、あるいは住みたいと思われる場合には、やはり
当該マンションの防災対策を最重要事項の一つとすべきと考えます。それは第一に建物の構造、第二に災害時の設備対策、第三に防災備蓄の有無ということでしょう。その他、マンションを取り巻く周辺環境、マンション内のコミュニティの作りやすさなども考慮にいれる必要があります。

 また、総じて地震の危険度が高い都心部にあっても、
千代田区・文京区・新宿区・渋谷区・目黒区などは、上記エリアより相対的に安全度が高くなっています。都心勤務者であれば、大震災時に帰宅困難者とならないためにも、勤務地へのアクセスの良さはやはり重要です。

 東日本大震災を受けて、今後来るべき
地震の予測や被害想定はかなりデータが充実してきました。今後重要なのは、こういった貴重なデータを有効に活用できるかどうかという点です。それは、行政のみならず、また、災害時のみならず、私たち一人一人の普段の生活におけるさまざまな備えや判断−例えばマンション購入においても−において、個々人が自覚を持って対処すべき問題なのでしょう。

『分譲マンション・アップデート』へ


| 地震・防災 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
南海トラフ巨大地震の死者は32万人!−23区で被害の大きい区はどこ?
JUGEMテーマ:マンション

★ 本日9月1日は防災の日でした。9月1日が防災の日となっているのは、1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災にちなんだものです。そして、この日に合わせるかのように、南海トラフ巨大地震の被害想定などが8月29日に公表されました。

 これによれば、
死者数は最大で32万3,000人で、そのうち津波による死者は全体の7割の23万人に達するとされています。死者数は東日本大震災の死者・行方不明者(約1万8,800人)の17倍で、国の中央防災会議による2003年の三連動地震想定の死者2万5,000人の13倍となっています。

 これは、東日本大震災における津波等の被害状況を基に、
再度算定しなおしたものなのでしょう。これだけ被害想定数が違うと、これまでの数値とは何だったんだ、という気もしますが、危機管理とは最悪のケースに備えることですから、遅ればせながら正しい方向に向かっているといえます。

 それでは、
南海トラフ巨大地震が発生した場合の東京都区部における被害想定はどうでしょうか。内閣府の防災情報のHPから、東京都区部の被害が一番大きくなる「駿河湾〜紀伊半島沖に大すべり域+超大すべり域」を基に拾ってみることにします。

 まず、
最大津波高は、中央区、港区、江東区、品川区、大田区で3メートル、江戸川区で2メートルとなります。最も高い高知県土佐清水市、黒潮町の34メートルと比較すれば10分の1の高さですが、臨海部ではマンション1階部分は津波がかぶる高さとなります。

 次に、
浸水面積は、大田区で30ヘクタール、江東区で20ヘクタール、品川区で10ヘクタールとなります。1ヘクタール=1万屬任垢ら、大田区で30万屐江東区で20万屐品川区では10万屬箸いΔ海箸任后6菫澗里量明僂らすると大きな数値ではありませんが、ピンポイントで浸水した地域は被害が発生することになります。

 第3に、
津波到達時間は、江東区が186分、中央区が187分、品川区が194分、港区が256分となります。東京湾が奥まっているだけに、他のエリアと比較すると到達時間が遅めになっています。

 第4に、
最大震度は、大田区が震度5強となるほかは、全ての区で震度5弱になっています。

 以上、4点を見てみると、
南海トラフ巨大地震が東京都区部にもたらす被害の想定は、震源から多少離れているだけに、日本の他のエリアと比べるとやや軽いものと言えそうです。

 一方、
被害を受けやすいエリアは、本年4月20日付の本ブログ『首都直下地震で被害の大きい区、小さい区はどこ?−23区安全度ランキング!』にて危険度トップとなった大田区が、南海トラフ巨大地震の被害想定においても、「津波到達時間」の要素を除いて全てトップなっています。これは、多摩川を有する低地帯である大田区の地形上のハンデが影響していると考えられます。 

 なお、有識者会議は、
防災対策による軽減効果も試算しています。深夜に発生した地震の10分後に7割の人が避難を始め、津波避難ビルに逃げ込めれば、津波による死者数は最大で8割減らせるということです。

 ということはやはり、
普段からの訓練が大事だということになります。今日は土曜日でもありますので、防災訓練を本日行われた方は少ないと思いますが、一定規模以上のマンションであれば1年のどこかで防災訓練が実施されるはずです。おっくうがらずに、自分や家族の身を守るために積極的に参加したいものです。

『分譲マンション・アップデート』へ


| 地震・防災 | 22:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
3連動地震は、東日本大震災の数倍揺れる−高層マンションの恐怖
JUGEMテーマ:マンション

★ 本年5月22日付の読売新聞によれば、高層ビルを揺らす長周期地震動による揺れの強さが、南海トラフの地震では東日本大震災と比べて、東京都心で2〜3倍、大阪府の湾岸部では5倍になることが、東京大学の研究でわかり、千葉市で開かれている日本地球惑星科学連合大会で21日発表しました。

 東大総合防災情報研究センターの古村孝志教授らは、
南海トラフで起きるマグニチュード8.7の東海・東南海・南海の連動地震を想定し、60階建て以上の建物を大きく揺らす長い周期の揺れがどのように伝わるかを研究しました。

 東日本大震災では、揺れの速度は東京、大阪とも高層ビルの最上階で毎秒0.5メートル程度でした。今回の分析で、都心で同1〜1.5メートル、大阪では同2.5メートルになると推計されました。

 以上が読売新聞の記事の概要です。昨年3月11日の
東日本大震災におけるタワーマンションの揺れはどうだったのでしょうか。私もタワーマンションに住んでいますが、東日本大震災の発生時刻には家族全員がタワーマンション内におらず、身内で誰も経験していません。部屋の中では、建てかけていた時計がぱたんと倒れるくらいの被害(?)で住んだことから、それほど大きな揺れではなかったのだろうとは推測できます。

 一方、妻の親友のご両親は、
湾岸タワーに住んでいるのですが、東京を襲った7〜8年前の大きな地震のときには、ぐわんぐわんと大きく揺れたのだそうです。一口に大地震と言っても、地震波の性格によってもかなり揺れ方が違うようです。

 そこで気になるのが今回のニュースです。
南海トラフ(なんかいトラフ)は、四国の南の海底にある水深4,000m級の深い溝(トラフ)のことで、非常に活発で大規模な地震発生帯です。この北端部は、駿河湾内に位置していますので、東海・東南海・南海のそれぞれの地震が想定されるわけです。

 そして、これの「連動」地震とは何か、というと、江戸時代以前まで歴史をさかのぼると
東海地震、東南海地震、南海地震はほぼ同時、または短時間内に発生したことが確認されており、揺れと巨大津波により甚大な被害を受けているのだそうです。これを指して、「3連動地震」と呼んだりしています。このように、南海トラフにおける海溝型地震は、一定の間隔で起こる「周期性」と同時に起こる「連動性」が大きな特徴となっているということです。

 今クローズアップされているのは、このように、
我が国の大動脈とも言うべき首都圏・東海圏・関西圏を同時に襲う南海トラフにより引き起こされる3連動地震です。これはもちろん、甚大な被害が想定されますが、その際の高層タワーマンションへの影響は、特に高層階に住んでおられる方々は最早逃げ場がないだけに、「運を天に任す」ような状態になってしまいます。

 上記記事によれば、
揺れの速度は、都心では2倍から3倍になるとのことです。これは60階以上の建物を想定しており、日本のマンションは『パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー』59階建てが最高ですから、厳密に言うとあてはまるマンションはないわけですが、しかし少なくとも50階以上の階数を持つタワーマンションはそれほど状況は変わらないのではないかと思われます。

 正直、東日本大震災の2倍から3倍の揺れと言われても、
どの程度の揺れになるのか想像もつきません。しかし、おそらくその恐怖度は、その乗数である4倍から9倍くらいになるのではないか、と個人的には推測します。まして大阪の5倍の揺れとは、どんなものになるのでしょうか。

 実は、1月以上前の本年4月7日の読売新聞の記事では、同新聞の科学部記者が書いているだけに、より具体的なデータが出ています。この記事によれば、
東日本大震災では、高さ100メートル以上の超高層建物を大きく揺らす周期2〜6秒の「長周期地震動」が、首都圏ではあまり強くなく、速度は毎秒20〜50センチ程度だったので、10分間以上揺れ続けたものの、構造被害はなかったのだそうです。

 これに対し、
3連動地震では、同じ周期の長周期地震動は強く、速度は毎秒50〜100センチと予測されました。これは、高さ60メートル以上の超高層ビルの耐震性を確保するため、建築基準法で設計用の基準とした「告示波」(地盤の揺れ)の速度を一部で上回り建物の崩壊までは至りませんが、損傷の可能性があるということです。

 しかし、タワーマンションにおける
「建物の崩壊」とはどういう意味で、「損傷」とはどの程度のものを指すのでしょうか。これも非常に気になります。

 次に、
3連動地震によって引き起こされる津波の情報です。本年4月1日の読売新聞によれば、最大の津波高は、太平洋沿岸で従来の想定の約2〜3倍に上り、高知県黒潮町の34.4メートルをはじめ、11都県90市町村で10メートル以上となります。静岡県御前崎市の中部電力浜岡原子力発電所付近は、震度が7、津波は同社の想定を超える21メートルが予測されました。

 上記の最大の津波高が予想されている高知県の太平洋岸ですが、私はたまたま、ちょうど1年前に高知県の太平洋岸のある市に社用で出張したことがあります。その街は、
本当に岸際まで住宅や商店街や田畑が貼りつき、素人目で見ても危ない状態に思えました。取引先の地元の方は、「津波が来たらどうしますか」という私の質問に「どうしようもないですねえ」と言っておられました。

 津波は、23区でも10m以上が想定されています。人口が密集しているだけに被害は甚大で、高層タワーマンションも、基底部や低層階の建物部分に大きな損傷を被ることとなります。

 さらに、本日5月23日付の読売新聞では、
太平洋の巨大な岩板(太平洋プレート)が東日本の下に沈み込むスピードが、東日本大震災前と比べて平均で約1.5倍、2003年以前に比べると約3倍に加速していることが、北海道大学の研究で明らかになったことを報じています。

 地震でプレートの引っかかり(固着)が広範囲で破壊されたためとみられますが、大きな地震が近年起きていない北海道・根室沖や三陸沖北部では、地震のエネルギーが急速に蓄積している可能性もあります。

 こう見てくると、
南海トラフから太平洋プレートまで、大震災の危険には日本全国事欠きません。その中にあって、タワーマンションの高層部に住むということは、大地震により引き起こされるあらゆるリスクに丸腰で向き合っている感があります。確かに免震装置や大量の防災資材、倉庫の備蓄等はこれへの対策で有効なのでしょうが、根本には、どんなに備えを十分に施しても、自力ではどこへも脱出できない無力感が漂ってしまうことが、タワーマンションの欠点なのかもしれません。
 
『分譲マンション・アップデート』へ


| 地震・防災 | 22:18 | comments(0) | trackbacks(0) |