首都圏、縮小の動き−空き家は23区にも

JUGEMテーマ:マンション


★ ずいぶん前の記事になってしまいましたが、本年1月3日の東京新聞には、「空き家 首都圏浸食」との見出しで、地方だけではなく、首都圏でも空き家が増加しているとの記事が掲載されました。これによれば、首都圏1都6県で、空き家率が10%未満の自治体数が、2003年から2013年までの10年間で半減し、125自治体から56自治体になったということです。また、15%以上が空き家の自治体が10年前の1.6倍の65自治体になりました。

 人口が減る自治体が出てきたのに、住宅数は増加を続けており、空き家の解体や利活用が進んでいないことがうかがえる、としています。また、
空き家率が新たに10%を超えた自治体は、都心にサラリーマンを送り込んできたベッドタウンも目立つということです。宅地開発で膨張を続けてきた首都圏が、縮小に転じつつある構図も浮かび上がっています。

 これは、5年に1度実施される総務省の「住宅・土地統計調査」を基に、東京新聞で空き家率を算出したものです。
空き家率が10%以上に転じたのは、青梅市、八王子市、立川市、飯能市、柏市などがあります。2013年の首都圏における空き家率上位は、次の通りです。

1 栃木県那須町  50.5%  2 千葉県勝浦市 36.8%  3 神奈川県湯河原町 33.4%
4 千葉県いすみ市 28.6%  5 千葉県鴨川市 26.3%
 

 また、東京都に限ってみた場合の空き家率上位は、以下の通りです。

1 豊島区 15.8%  2 大田区  14.8%  3 武蔵野市 14.1%
4 中野区 13.7%  5 千代田区 13.3%


 那須町の空き家率が50.5%ということは、戸建ての半分が空き家、ということでしょうか。何か数字のからくりがありそうな気もしますが、とにかく空き家が多いのは確かなようで、那須町役場のHPを見てみると、「空き家バンク」なるものが作られていました。

 那須町「空き家バンク」に登録され、
現在売却または賃貸を申し出ている空き家は3件のみで、うち2件の売却価格が800万円、1,100万円となっています。空き家が多いのであればもっと出物がありそうなのですが、那須町の物件を探している方のブログによれば、結局「よそ者に売る(貸す)のはどうも」ということで抵抗が強いようです。

 一方、物件を探している方も、当然のことながら実現したい生活があるわけで、
要求水準がかなり高くなっています。結果として、売主(貸主)・買主(借主)双方の事情で、空き家はなかなか埋まりません

 東京都においても、23区で唯一「消滅可能性都市」としてリストアップされた
豊島区を筆頭に、なんと地価の一番高い千代田区まで、空き家率が高くなっていることがわかります。ただし、これらの地域は賃貸需要が極めて高いことから貸家(貸アパート、貸マンション)が大変多く、かつ、流動性も非常に高いので、スポット的にとらえた場合の空き家率が高くなってしまうのでしょう。

 しかし、私は東武東上線沿線で、埼玉県の中でも都心へのアクセスが良好な都市に降り立ったとき、
駅前でありながら朽ち果てたようなアパートがいくつも無残な姿をさらしているのを目の当たりにして戦慄を覚えたことがあります。

 おそらく昭和40年代の高度経済成長期には、人口が急増して都心を中心とするドーナツ化現象が進行する中で、
地方から上京してくる若者をターゲットとした風呂なし、トイレ共同のアパートがいっぱいできて、家賃を年々上げていっても借り手が引きも切らないような状況がこの都市にもあったのでしょう。

 しかし、そのような
時代遅れの物件は一気に廃れ、建て替えても需要が覚束ないようなエリアが増加しています。杉並、中野エリアを見れば、バス・トイレの一応付いた古い物件が家賃3万円程度で借りられるようになっており、上記のような上京してきた若者の住み家として機能しているため、埼玉の都市まで足を伸ばして物件を探す必要がなくなってしまったのです。

 そして、このような
「賃貸需要エリア」は都心一点に向けてますます縮小しています。首都圏の郊外における膨大な空き戸建てと、23区内における無残な空きアパート、空きマンションが、相乗効果的に首都圏を蝕む惨状が、既に始まっています。

『分譲マンション・アップデート』へ


| ノウハウ・経験談 | 20:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
人格を磨けばお宝マンションが手に入る?−仲介手数料の価値

JUGEMテーマ:マンション


★ 28日付の夕刊フジは、『仲介業者は人で選ぶ 侮れない「街の不動産屋」、深い経験値と地元ならではの収集力』と題して、榊淳司氏のコラムを掲載しています。以下その概要を掲載します。

「マンションをはじめとした
不動産の売買について、最も詳しい情報を持っていて、相場観も確かなのは、地元できちんと店を構えている個人商店的な不動産屋さんだったりします。明るい感じで、表に貼り出されている物件情報も最新のものに更新されている業者。人を2人以上雇っている感じのお店がポイントです。

 なぜならば、そういう業者は
地元密着で不動産屋としてのビジネスを成立させているからです。地元の人々にある程度信頼され、実績を上げているのです。大手の仲介業者の場合、担当者の入れ替わりが激しいのですが、地元密着型の不動産屋なら、社長が変わることはまずありません

 彼らは地元の人々を顧客にしながらビジネスを継続しなければいけないので、
何よりも信用を大切にします。したがって、手堅い取引を手掛けることが多いのです。そして、何よりも深い経験値と地元ならではの情報を持っています。『××マンションは先月×階の部屋が××××万円で成約した』といった具体的な情報を耳に入れています。

 今のようにネットが普及して、政府の指定流通機構のような制度ができても、
現場情報は貴重で、ネットにはない情報があるのです。不動産の売買ほど人間臭いものはなく、比較的単純な中古マンションの売買だけでも、数字だけを追う大手系列が独占できるほど単純なものではなく、ましてや不動産全般にわたると、その取引風景は多様で、街の不動産屋にとって活躍の余地は大きく、購入者としては頼りになる場合が結構多いのです。」

 以上が榊氏のコラムの概要です。私もこのコラムを読んで、過去に経験した不動産屋さんとのやり取りを思い出しました。

 本コラムで出てくるようなまさに
「街の不動産屋さん」に気になる貼り紙がありました。手書きの文字で、相場から見れば安い物件が、「お宝」の雰囲気ぷんぷんで書かれているのです。中に入ろうとしましたが、あいにく営業時間を終了したのか、鍵がかかっています。安いといっても私が購入できる範疇を超えていたので、諦めてその場を後にしました。

 しかし、
帰宅してもその物件が気になって仕方がありません。一晩悩んだ末に思い切ってその不動産屋さんに電話してみることにしました。しかし、その「電話する」という行為が間違いのもとでした。

不動産屋さん「はい、●●です」
私「××と申します。あの、お店に貼り紙のあった〇〇、どんな物件が見せていただけないでしょうか」
不「…失礼ですが、どちらの××さんでしょうか。
もしかして、業者さんではないですよね?
私「あ、いえ、業者じゃない、というか、個人の××ですが…」
不「私どもにご登録いただいているお客様には××さんという方はいらっしゃいません。店舗に注意書きをしていましたように、
まず私どもの店舗にご来店いただき、身分証明書と資産状況などを確認させていただいて、この方なら、という方としか、お取引はしないこととしております。」
私「あ、貼り紙を見たときはもう暗くてその注意書きを見落としてしまいました…」
不「貼り紙をさせていただいた物件は、
昔からよく知っている地場の売主様との信頼関係で当社のみお預かりしたものです。真剣に物件を探されていらっしゃる方で、身元のしっかりした方でないと、売主様へのお取次ぎができません。もし本当に当物件をご希望でしたら、まず当店へおいでいただき、身元を確認させてください」
私「…すみません。決して怪しい者ではないのですが、そこまでの覚悟があるかどうか、
まずは自問してみてお店にお伺いいたします」

 最後は
電話に向かって何度も頭を下げながら、私は電話を切ったのでした。怪しくはないにしても、気持ち的には「すみません、つい、出来心で」というところに近いものもあったので、それっきりのお付き合いになってしまいました。

 ネットでは今や簡単に物件を問い合わせることができ、
「ご一緒にポテトもいかがですか?」みたいなノリで類似物件が複数掲示されて同時に問い合わせできるので、まったく自覚がない物件で業者から電話をもらい、その後も電話攻勢鳴り止まず、といったことも私はしばしば体験してきました。それで、今回の出来事には大いに驚愕したのです。

 おそらく
ネット全盛の時代の前には、このような信頼関係で売買する地場に強い不動産屋さんが普通だったのでしょう。それが売る側も買う側も、手間ひまと人間関係を省いて効率的に売買し、儲けに走る時代にネットが変えてしまいました。しかし、その中で頑なに昔のやり方を変えない不動産屋さんが、今やお宝物件を取り扱える希少な存在として見直されています。

 仲介手数料とは、まさにこのような仲介に対して払うべきものであり、それなら3%+6万円(×消費税)の上限料金も惜しくはありませんレインズで拾ってきて売買を強いる昨今の現状こそが、仲介業者の存在意義への疑問につながっているのでしょう。

『分譲マンション・アップデート』へ


| ノウハウ・経験談 | 20:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
地方からの上京者は23区のどこに住む?−見えてきた「ふるさと意識」

JUGEMテーマ:マンション


★ 人口が全国的に減少している中で、東京都を中心とする首都圏への人口集中が問題になっています。ただでさえ乏しくなっている人的資源を首都圏が奪っている格好で、政府にも対策が求められているところですが、それには統計データの分析が欠かせません。そこで注目されているのが、総務省統計局が毎年発表している『人口移動報告』で、本年も1月31日に公表されたところです。

 実は爆発的に人口移動が起こったのは昭和30年代〜40年代の高度経済成長期で、これと比較すると、
今の人口移動量は物の数ではありません。しかし、私がそうだったように、まずは大学入学で上京し、ふるさとに帰っても勤め口がないのでそのまま首都圏に居残るパターンは不変であり、その意味で問題はほとんど解決されていない、と言っていいのかもしれません。

 そこで、私もこの人口移動報告データを使って、どの都道府県から都心への人口流入が多いのか、調べてみることにしました。しかしながら、何分EXCEL初心者のため、千代田区、世田谷区、足立区を手掛けたところで力尽きてしまいましたので、昨年人口移動の千代田区・世田谷区・足立区データの結果のみをご紹介したいと思います。


 昨年1年間に千代田区への人口流入の多かった都道府県は、以下の通りです。

1 東京都 58.2%  2 神奈川県 7.6%  3 千葉県 6.0%
4 埼玉県  4.4%  5 大阪府  2.7%  6 愛知県 1.8%
7 北海道  1.6%  8 福岡県  1.5%  9 宮城県 1.1%
10 兵庫県  1.1%


 千代田区への人口流入は、58%は都内移動、これを含めて76%は1都3県内の移動です。その他の上位都道府県も大都市を抱える都道府県ばかりで、元々千代田区に住んでいた方が赴任で一時的に地方に勤務し、その方が戻ってこられるなどの移動が大半ではないかと推察されます。その意味では、千代田区は純粋な意味では地方の人口を奪っているとは言えないとも考えられます。

 次に、23区中最大の人口を誇り、住宅地の代表例となる
世田谷区のデータです。

1 東京都 46.5%  2 神奈川県 15.6%  3 千葉県 5.6%
4 埼玉県  5.0%  5 大阪府   3.5%  6 愛知県 2.2%
7 兵庫県  1.9%  8 福岡県   1.7%  9 北海道 1.6%
10 静岡県  1.3%


 千代田区に比べて東京都の割合が大幅に減り、代わりに隣接する神奈川県の割合が大幅に増加しています。面白いのは、兵庫県・静岡県の割合が伸びているのに対し、北海道・宮城県の割合が少ない点です。世田谷区は城南エリアにありますので、より地理的な近さが影響していると言えるでしょうか。

 最後に、23区の中では
比較的庶民的で、かつ、今後成長が見込まれる足立区のデータです。

1 東京都  41.1%  2 埼玉県 14.2%  3 千葉県 9.0%
4 神奈川県  6.3%  5 茨城県  3.2%  6 大阪府 2.9%
7 愛知県   2.1%  8 北海道  1.8%  9 福岡県 1.5%
10 静岡県   1.4%


 東京都の割合はさらに減りますが、代わりに埼玉県の割合が高くなり、神奈川県が千代田区流入割合よりも小さくなりました。千葉県、茨城県という近接県の割合も高まっています。

 これらのデータを見ると、都心中の都心である
千代田区はアッパー層のビジネスを伴う移動、世田谷区は南部・西部方角の都道府県からの移動、足立区では北部・東部方角の都道府県からの移動が大きいことがわかりました。

 例えば世田谷区に対する兵庫県、静岡県の移動割合の高さなどからわかるように、私たちは
ふるさとにできるだけ近いロケーションに住む傾向があると言えそうです。それは何かあったらすぐ故郷に帰れるよう、無意識のうちに住む場所を故郷との近さで選択している可能性があります。

 そう考えると、私たちは
いくら都会に住もうが潜在的な意識は常にふるさとにあるのであって、ふるさとを心の糧としながら日々生きているのだとも言えそうです。

『分譲マンション・アップデート』へ


| ノウハウ・経験談 | 20:09 | comments(2) | trackbacks(0) |
今、お買い得な中古の3Aタワーマンションは?−低層階が狙い目か

JUGEMテーマ:マンション


★ 皆が憧れる3A(麻布、青山、赤坂)のタワーマンションは、今や新築で買おうとすると平均坪単価1,000万円で驚かなくなってきました。しかし、平成20年のリーマン・ショック後は3Aのタワーマンションが最も価格が暴落し、坪単価400万円程度で購入できた時代もありました。今となってはそんな時代が夢のようでもあります。

 しかし、中古のタワーマンションであれば、何とかお買い得なものはないでしょうか。中古物件の売却は個々人の都合等もあり、相場があっても1戸1戸の物件で価格設定が異なります。
時間をかけて辛抱強く物件をウォッチしていけば、「こ、これは…!」というものが出てくるはずなのですが、一般にはそんな根気よく探し続けられる人はまずいない、ということと、例え見つかったとしても購入環境が許さなかったり、購入の決断がなかなかできなかったりで、理想の物件を入手できるのは至難の業です。

 さし当たり、
今の中古マンション市場で目を引くタワー物件はないでしょうか。HOME'Sの中古マンション売買ポータルサイトで港区3Aタワー物件を以下の通りピックアップしてみました。相場は、『マンションナビ』を参考にしています。

● ザ・パークハウス西麻布レジデンス 2014年5月築
 21階住戸44.99平米の1LDKが7,980万円(坪586万円)ですが、相場では8,310万円で、4.0%割安です。また、11階住戸70.09平米の2LDKが12,200万円(坪575万円)ですが、相場では13,540万円で、9.9%割安です。

● グランスイート麻布台ヒルトップタワー 2014年1月築
 19階住戸76.71平米の2LDKが14,680万円(坪633万円)ですが、相場では15,530万円で、5.5%割安です。また、9階住戸40.1平米の1LDKが6,588万円(坪543万円)ですが、相場では6,990万円で、5.8%割安です。

● SAION SAKURAZAKA 2009年11月築
 4階住戸103.66平米の2LDKが16,800万円(坪534万円)ですが、相場では19.550万円で、14.1%割安です。

● パークコート赤坂ザタワー 2009年6月築
 12階住戸62.04平米の1LDKが9,580万円(坪510万円)ですが、相場では10,160万円で、5.7%割安です。

● 赤坂タワーレジデンス Top of the Hill 2008年4月築
 9階住戸85.5平米の2LDKが14,900万円(坪576万円)ですが、相場では16,100万円で、7.5%割安です。また、9階住戸50.83平米の1LDKが9,180万円(坪597万円)ですが、相場では9,550万円で、3.9%割安です。

 以上、探せば結構相場より安い物件はあるといえばあるようです。
特に安かったのは、SAION SAKURAZAKAの4階住戸で、本マンションはもともと外国人賃貸用に建築したところ、リーマン・ショックの影響で想定していた富裕外国人投資家層が一斉に引き揚げ、やむなく(?)分譲に回した物件で、当時平均坪単価369万円と破格の安さで売られた物件でした。

 これらの「割安」住戸の共通点は、
低層階住戸が大半であるということです。これは、高層階住戸がタワーとしての眺望を活かして強気で価格設定をする投資家が多いのに対し、低層階は実需が多く、次の住替え等の必要性からあまり価格的に無理をしないということ、またそれでも十分売却益が出ること、などが理由として考えられます。

 また、これらの「割安」住戸は、1戸を除き、
坪500万円台で購入することができ、上記すべてが築浅タワーマンションであるにもかかわらず、坪1,000万円を目指す新築3Aタワーマンションとの価格差が拡大しつつあります。少なくとも3Aタワーマンションに関しては「新築信仰」にこだわる必要はないのではないか、というのが実感です。

 
『分譲マンション・アップデート』へ


| ノウハウ・経験談 | 22:57 | comments(2) | trackbacks(0) |
離婚でもめる二大要素?−「子ども」と「マンション」

JUGEMテーマ:マンション


★ これは知人から聞いた話です。その知人の友人Aさん(男性)は、4年前に離婚して親の実家に身を寄せています。これはAさんが何も不貞を働いたわけではなく、「性格の不一致」ということです。もともと友達からの紹介で付き合い始め、早々に結婚したAさんでしたが、残念なことにお互いの気持ちが離れていくのも早かったようです。

 離婚協議には1年以上かかったそうです。離婚が早かった割にはAさんは子どもをもうけ、家族のために奥さんの実家に近い埼玉にマンションを購入していました。そして案の定、「子ども」と「マンション」でもめることとなりました。

 まず、子どもは奥さんが引き取り、育てていくことになり、そのための
養育費を毎月、Aさんが支払うことになりました。次にマンションについては、Aさんが全額負担し、住宅ローンを組んで購入したのですが、奥さんは「子どもを育てるためにはこのマンションが必要」と主張して譲りませんでした。Aさんはやむなく、奥さんが住宅ローンの半額を奥毎月支払うという条件で合意し、自分のマンションを出ることになりました。

 しかし、元奥さん(ここから元奥さんと表記します。)による
住宅ローンの半額振込みは3カ月で途絶えました。こうなると、賃貸とは異なり連帯保証人や保証会社が付いているわけではありませんので、「支払わずに居座る」方が強くなります。Aさんは何度か元奥さんに文句を言ったそうですが、元奥さんから何やらばーっとまくしたてられて撃退されてしまい、それから4年近く、元奥さんから1銭も取れていないそうです。

 実はAさんの口座からは住宅ローンだけではなく、このマンションの
管理費・修繕積立金・駐車場代も毎月引かれています。つまり、元奥さんは、まったく無料でマンションに住み続けていることになります。駐車場にはAさん所有の自動車があったのですが、これも元奥さんによって売却されてしまいました。しかし、実家へ帰る足がなくなった元奥さんはこのことを後悔したらしいのですが、元奥さんの実家の親御さんがマンションに車で訪ねてくるときのために駐車場は借り続けている状態とのことです。

 本来なら近所に住んで、実情を知っている親御さんが元奥さんに注意するか、又は親御さんがAさんにお詫びしながら支払うのが筋だと思われますが、
そ知らぬ顔をされているようです。

 一方、Aさんによれば、
Aさんが子どもに会うのには寛大で、毎週会っているとのことです。私はそれを聞いてほっとしました。

「離婚したら普通はお子さんに会わせてくれなくて苦しむことが多いんだよね。この点、Aさんにとって救いだね」
「いや、それがだな」

 Aさんが子どもに会うのは毎週土曜日、それもAさんの実家ではなくて、Aさんが追い出された埼玉のマンションまで1時間近くかけて朝から出かけるのだそうです。そこでは当然、元奥さんと顔を会わせることになるのですが、
元奥さんは毎週土曜日は息抜きの日と決めていて子どもの世話をAさんに任せ、エステに行ったり買い物に行ったりと、好きなことをしています。

「つまり、A君は
無料で雇われたベビーシッターということだな」

 Aさんは毎週土曜日は朝から晩まで子どもの世話をすることとなり、子どもと遊ぶのはもちろん、洗濯や食事の準備など
家事の一切を行うことになります。子どもはAさんと元奥さんが離婚しているとは知らず、Aさんがどこかに単身赴任でもしていると思っているようです。

「でも、子どももどこかで会話を聞いているのか、この間A君としりとりをして遊んだら、「り」のつく言葉で
「り・こ・ん」と答えたそうだ。子どもなら普通「り・ん・ご」だろ?「あ、「ん」が付いたから○○ちゃんの負けだね〜」と言ってごまかしたらしいが」

 「子どもも小学生になったので、そろそろ住宅ローンの折半について再度トライする」とAさんは決意を新たにしているらしいのですが、これまでの経緯を踏まえると、
見通しは暗いです。

 しかし、私は話を聞いているうちに、
これも一つの人間関係なのかなと思い始めました。客観的にみると全く理不尽なのですが、それはそれでAさんと元奥さんとの間で培われてきた結びつきですし、お子さんとの絆もそうです。ただ、「再婚したくても、住んでもいないマンションの住宅ローンという負債を抱える男は相当なハンデですよね」というAさんの言葉にも重みがあり、早く良い方向に事が進展していくことを祈っています。

『分譲マンション・アップデート』へ


| ノウハウ・経験談 | 22:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
マンションは夫より妻の職場に近いところに!−共働きママの苦労と生きがい

JUGEMテーマ:マンション


★ SUUMOの11月8日号は、「共働きに理想の街」と題して特集を組んでいます。私はてっきり具体的な街の名前が出てくるのかと期待して手に取ったのですが、実際の中身は「通勤」「生活利便性」「子育て環境」についての働く女性の「街選びの希望条件」の統計を取ったもので、やや思っていたものと違いました。しかし、これはこれで参考になると考えましたので、以下にご紹介します。

 まず、
『通勤』については、「妻の勤務先が近い方がよい」との回答が80.0%、「夫の勤務先が近い方がよい」との回答が20.0%です。妻に聞いているので当然と言えば当然ですが、やはり家事・育児が女性の役割となっている現状を表しているとも言えるでしょう。

 通勤スタイルは、
「立って20分」が73.0%、「座って40分」が27.0%です。また、「通勤1時間未満で今の家賃より高めのマンション」が62.5%、「通勤1時間以上だが今の家賃並みで買えるマンション」が37.5%でした。交通利便性を最優先する今のライフスタイルを反映していると言えます。例えば「中目黒」駅最寄りだと「座って20分」で都心に行けるのですが、マンション価格や家賃はとても高くなります。

 次に、
『生活利便性』です。買い物環境は「仕事帰りにすぐ立ち寄れる駅前の商店街」が69.0%、「少し遠いが週末のまとめ買いに便利なショッピングモール」が31.0%となり、毎日少しずつ買い足す派が多いという結果になりました。週末に作り置きをする・しないなど、料理の仕方による違いがあるのかもしれませんが、「土日までそんなことをしたくない」ということかもしれません。しかし、欧米だと週末のまとめ買い派が多くなりそうなイメージがあります。

 近くに欲しいスーパーは、
「日用品から食料品まで」総合スーパーが67.0%、「手頃な価格で買い物できる業務用スーパー」が24.5%です。やはりなんでも揃う総合スーパーが時間短縮の点で価格の安さより優るということでしょう。平日の夜に子供と外食するのは、「ファミリーレストラン」が48.0%、「回転寿司」が28.0%、「フードコート」が18.5%です。小さいお子さんがいると、「ファミリーレストラン」ならまず安心です。しかし、我が家の場合は「平日の夜」ではなく「休日の夜」でした。

 ひとりでリフレッシュしたいときに近くに欲しいのは、
「マッサージや鍼灸院」が29.5%、「洋服や雑貨などショッピングができる店」が25.0%、「カフェ」が24.0%、「スポーツジムやヨガスタジオ」が17.0%でした。私なら「座って読める本屋」でしょうか。「マッサージや鍼灸院」がトップとは、共働きママの疲労度が現れているようです。

 第三に、
『子育て環境』については、保育園の場所について、「自宅の近く」が85.5%、「駅の近く」が10.5%、「会社の近く」が4.0%で、やはり何かの場合にすぐ対応できる「自宅の近く」がダントツ人気です。また、保育園のサービスについては、「近くにあって利用時間などの融通が利く保育園」が82.0%、「遠くても英語や体操教室など独自の保育サービスを提供する保育園」が18.0%、保育園の行事やイベントについては、「保護者がかかわるイベントがあまりない保育園」が77.0%、「バザーや夏祭りなど保護者主催のイベントが多い保育園」が23.0%となっています。やはり共働きママにとっては、できるだけ負担感の少ない保育園が好まれるようです。

 小学校は、
「1学年3クラス以上で全校児童数が多い学校」が57.0%、「1学年2クラス以下の全校児童数が少ない学校」が43.0%でした。大規模校では役員などの役が回ってきにくいといった視点もあるようです。医療環境では、「小児科のみの個人病院」が75.5%、「入院も対応できる総合病院」が24.5%と、意外にも小規模個人病院が人気でしたが、これは病院に行く機会が多いので、気軽に行けることを重視する傾向があるようです。

 最寄駅までの距離は、
「環境重視で10分程度離れた静かな環境」が52.0%、「利便性重視でとにかく駅チカ」が48.0%と、これも意外な結果でした。子供のためを思うと「なるべく環境は静かな方が」という声が多数とのことで、「10分程度であれば遠くはないので、静かな住環境の方が子供のためにもよい」という判断でしょう。

 一方、街の雰囲気は、
「駅前や買い物施設などこれからも発展が期待できる再開発の街」が80.0%、「昔ながらの祭りや伝統が引き継がれる歴史ある街」が20.0%でした。選択肢がやや両極端な気もしますが、「再開発の街」の利便性、建物の耐震・防災、行政のサービス面がポイントと言えそうです。

 家族で過ごす休日は、
「バーベキュー場や広大な芝などがある家族で過ごせる大きな公園」が62.5%、「子供向けのプレイスペースやイベントのある大型商業施設」が37.5%で、お金があまりかからず、自然の中で遊べる大きな公園が人気です。確かに公園は、親にとって子供を遊ばせる場として「行けば何とかなった」記憶があります。

 そして、マンション選びの声は、
「総戸数100戸未満の小規模マンション」が56.0%、「総戸数100戸以上の大規模マンション」が44.0%と、予想を裏切って小規模マンションの選好の方が高くなりました。小規模の方が管理が行き届き、住民同士の連携が密になるとの視点があるようです。

 これらの結果を見ての感想は、
「共働きママは疲れているのだな」ということでした。多少価格が高くても勤務先への距離が近いマンションを購入し、通勤経路にある駅前の総合スーパーで毎日食事等の買い物をし、自宅の近くのあまり手のかからない保育園にお子さんを送り迎えし、リフレッシュにはマッサージや鍼灸院に通う日常です。

 一方、
子供のことはとても大事にしています。そのためには最寄駅まで多少距離があっても静かな環境で、かつ、子育て世代のコミュニケーションもとりやすい小規模なマンションを好んでいます。子供のことをよくわかってくれる個人病院を好み、週末には買い物まとめ買いよりも家族で過ごせる大きな公園で子供の笑顔を楽しみにしています。

 アンケートからは、
首都圏のワーキングマザーの苦労と生きがいが垣間見えるようで、私はしばらくじっとアンケート結果のいくつもの円グラフを眺めていたのでした。

『分譲マンション・アップデート』へ


| ノウハウ・経験談 | 20:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
女性のマンション購入が人生を豊かにする理由

JUGEMテーマ:マンション


★ 今日の通勤電車でのことです。いつものように夢ともうつつともつかぬ時間を過ごしながら座席に座っていると、途中から乗ってきた30歳代の男女と思しき2人の会話が耳に入ってきました。

「今、どこに住んでいるんですか?」
「○○です」
(私「おっ、いいとこ」)
「あっ、そこ私も住もうと考えたことがあるんですよ」
「ああ、そうですか」
「マンション、買ったんですか?」
「いやあ、妻がそれを買ってましてね。そこに転がり込んだというか」
「へええ。いいですね」
「いや、いいのかどうなのか」
「いいですよ。だって奥さんも○○さんも支払いに余裕ができたじゃないですか」
「まあ、私も家賃支払わなくてよくなりましたから」
「そういえば、最近、うちの会社でもマンションもう一戸投資で買う人増えてるみたいで」
「え、そうなんですか?私の知り合いは、株はやってもマンションは額がでかすぎてどうかと」
「その人たちも、初めのうちはだまされた、とか言ってたんだけど」


 思わず耳をそばだてて聞いていたのですが、ここであえなく私の乗り換え地になって下車しました。

 本ブログでも以前、
単身女性がマンションを購入するメリットを挙げていたのですが、その一つとして、人生の中で資産形成としても、あるいは結婚生活のスタートとしても役に立つと書いていた記憶があります(どの記事だったかは見つけられませんでした)。

 現代は女性の方がしっかりしているので、シングルマンションを購入する大多数は女性です。これらのマンションは、立地が良く、かつ駅に近い23区内の1LDK・40平米程度の物件が多いのですが、
これらの間取り・専有面積は、若い2人が一緒に住むにも十分なスペースがあります。

 男性は賃貸の場合がほとんどでしょうから、一緒に住む気持ちを固めたら、自然と女性所有のマンションに居つくことになるのでしょう。これで男性は賃料を払う必要がなくなり、その分女性のローンの半分を負担すれば、
別々に住むより住居費はかなり助かるはずです。

 そして、赤ちゃんができ、その子が小学校に上がるまでは1LDKで暮らせないことはないので、
女性が購入してから約10年くらいはそのマンションに住み続け、その後にローンのない男性の給与収入を活かして、2LDK又は3LDKの立地の良いマンションを購入すればいいわけです。

 女性の購入したマンションはその際売却してもいいのですが、持ち続けて賃貸に出した方が家計としては助かるでしょう。万が一
離婚という事態になったとしても、女性はそのマンションを貸し続けても、あるいは売却してもよいわけで、再生活のスタートが容易となることでしょう。

 もちろん単身女性が
結婚という選択肢をとらなくても、マンションという資産が拠り所となってくれますし、私が以前お話した単身女性の方は、早いうちにローンを完済してしまって、ずいぶん余裕のある生活を送っていらっしゃるようでした。

 マンションが投資に向くかどうかは別として、
立地さえ間違わなければ資産になることは確かです。男性でも女性でも、できるだけ若いうちに無理をしない範囲で実需用のマンションを購入することがその後の人生を豊かにすると、私は信じています。

『分譲マンション・アップデート』へ


| ノウハウ・経験談 | 23:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
タワーマンションは何を破壊したのか−「駅近・大規模・タワー」神話の功罪

JUGEMテーマ:マンション


★ 私がマンションを探し始めた10数年前、見に行ったのが杉並区の奥にある大規模高級マンションでした。最寄駅からは15分かかるのですが、広大な敷地に威容を持ってマンションが立ち並んでおり、そのデベロッパーの当時の最高級ブランドの名を冠していました。

 そのマンションの高層階(といっても5階とか6階なのですが)から街並みを見渡すと、
第一種低層住居専用地域に整然と並んだ区画の大きい戸建ての家々の屋根が夕日に映えて、「ほおお」と思わず声を出しながら、惚れ惚れと眺めたのを昨日のように思い出します。

 駅徒歩15分には遠さを感じましたが、だからといってその頃は、
駅近は必ずしもマンション選択の絶対条件ではありませんでした。駅徒歩5分は「ありがたい」と思ったものの、駅徒歩2分とか3分とかになると、逆に「大丈夫か?」と思ったものです。

 つまり、それくらい近いと
「住環境としてありなのか」という懸念がありました。駅前の繁華性は子育てや落ち着いた生活にマイナスであり、必ずしも憧れの対象ではなかったのです。そもそもそのような立地に一定規模のマンションが建つことが困難で、ファミリー向けの広さがある物件は新築ではほとんどありませんでした

 この常識を覆したのがタワーマンションです。戦後の時の経過を経て各自治体が老朽化・狭隘化した駅前再開発に手掛け始めたのもこれに貢献しました。
タワーマンションであればそれほど広大な敷地でなくとも上に伸ばすことによって大規模化することができ、これを自治体の総合設計制度が後押しをしました。

 この
総合設計制度は、建設敷地内に公共空地を確保することにより容積率、高さ制限、斜線制限などを緩和するもので、結果として駅前にはきれいに整備された気持ちのよい公共緑地空間が生まれ、その中心に誇らしげにそびえるタワーマンションが続々と誕生しました。

 このようにタワーマンション住民は、
駅近でありながら整備された住環境と生活利便性を同時に手に入れることができました。そして、このことが中古市場でも評価されて一般マンションよりかなり高い価格で取引されるようになりました。

 初期のタワーマンションは、今のように通常のマンションと価格差を設けることが少なかったため、
当時のタワーマンション購入者がそれを中古で売るとかなりの売却益を得ることができるようになり、このことがさらにタワーマンション価格を高めていきました。

 かくて
2010年代には「駅近・大規模・タワー」マンション神話が確立していきました。この3要素さえ入っていればリセールで損をすることはない、という神話でもあり、リーマンショック後の一時の低迷期を除けばこの傾向はほぼあてはまっていると言ってよいでしょう。

 しかし、マンション購入者の数が増加しているわけではない昨今、「駅近・タワー・大規模」に需要が集中しているとすれば、
必ずとばっちりを受けているエリアがあるわけで、それがすなわち「駅遠・低層・小規模」マンションとなります。用途地域でいえば第一種低層住居専用地域であり、これまで「最も住環境の優れたエリア」として人気が高かった第一種低層住居専用地域がだんだんと不人気化しつつあるように思われます。

 冒頭述べた杉並のマンションも、
中古市場では分譲時価格より約1割安く取引されているようです。すなわち、杉並の優良住宅地に建つ一流デベのマンションの坪単価が230万円から200万円に下落する一方で、湾岸埋立地のタワーマンションの坪単価が200万円から300万円に上がっているイメージです。

 埋立地・再開発地などごく限られた場所と条件でしか建たない
大規模タワーマンションが、23区内のほとんど大部分のその他のエリアで長い間はぐぐんできた住宅地の系譜と歴史を、一瞬のうちに破壊しているように思えてなりません。それはひいては、東京23区としての総体としての力を弱めていく方向にしか働かないのではないか、と危惧しているところです。

『分譲マンション・アップデート』へ


| ノウハウ・経験談 | 22:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
タワマン福祉村−究極のコンパクトシティ

JUGEMテーマ:マンション


★ 約10年前、私が武蔵小杉でマンションを購入したとき、当時の再開発計画でモデルルームで聞いたのは、「武蔵小杉の駅前に1万人の街が誕生します」という触れ込みでした。あれから武蔵小杉のマンション事業は一層進展し、さらに数本のタワーマンションが「武蔵小杉」駅を中心に作られていますので、この「駅前の街」に住む人口は、1万人〜2万人の間となっていると思われます。

 今、
人口1万人を切っている日本の市町村数は、2015年の国勢調査で512団体となっています。日本の市町村数は現在、1,741団体ですので、約3割の市町村が武蔵小杉の「駅前の街」より人口が少ないことになります。そして、それらの市町村は、その多くが広い面積を有した農村部にあり、過疎化・高齢化が進んでしまった地域です。

 そこでは、年老いた住民達が小規模な集落に点在して住み、日常の買い物や病院への通院など、
生きていくために必要とされる最低限の生活にさえ不便を感じている状態です。生活のネットワークの維持のため、NPOが福祉タクシーを運営したり、高齢者の中でも比較的元気な方々が何とか集落を持ちこたえさせる工夫をしたりしながら日々をしのいでいます。

 しかし、
これらの状況が好転する見込みは全くと言っていいほどなく、高齢化がさらに進むにつれて、酷な言い方をすれば、集落自体の「死」を待つしかありません。これが、三大都市圏や地方の都市圏を除いた大部分の日本の姿なのです。

 このような深刻な問題を解決するため、あえて極論を申し上げるとすれば、
小規模市町村の中心地に複数のタワーマンションを建築し、そこに全住民に住んでもらうことはどうでしょうか。

 土地代は大都市圏に比べればはるかに安いので、団地形式でもよいのですが、それだと高齢者の足では距離がありずぎ、苦痛を感じさせてしまいます。
「高齢者が徒歩5分圏内ですべてが済ませられる街」を目指すためには、タワーマンションの集中建設が効果的だと考えます。

 その街の
中心部には、役場はもちろん、ショッピングセンター、病院、公園、集会所、警察署、消防など、住民が必要とするありとあらゆる機能を取りそろえます。役場は、住民票を基に、すべての住民の居場所がわかりますし、役場内の機能の連携によって、それぞれの住民の健康状態も常時把握し、必要があれば毎日でも見回りを行うことができます。

 皆がご近所ですから、
コミュニティも発達し、住民同士で助け合うこともできますし、何より普段の生活が孤独になりづらくなります。マンションの部屋に引きこもる高齢者も出てくるでしょうが、そこはお隣同士や役場が介在して元気づけることができるでしょう。

 こうなると、
集住地域以外の広大な空地をどうするのか、という問題が出てきますが、そこは法人に賃貸し、アメリカのように大規模農地化して「稼げる農業や林業」を目指してはどうでしょうか。農地等になりがたい土地に関しては、国土保全の観点から国・都道府県・市町村が分担して管理していきます。

 「そんな莫大な費用をどこから捻出するのか」ということですが、今でも地方自治体は、その属する広大な区域を管理し、そこに点在して住む住民に行政サービスを提供するために、毎年多額の予算を計上し、支出しています。これを
究極のコンパクトシティにして行政サービスや管理費用を極限まで効率化することができれば、タワーマンションを複数建設し(人口1万人程度であれば、1世帯1.5人、1タワー800世帯として、8〜9棟必要になります)、そこに全住民を無償又は安価で住まわせたとしても、長期的にはペイすると考えます。

 もっとも、
そんな街が果たして理想の街なのかと問われれば、心が寒くなるところもあるのですが、地方が地方として生き残っていくためには、このような極端な発想で地域を守るしかないのではないか、とも思えるのです。

『分譲マンション・アップデート』へ


| ノウハウ・経験談 | 21:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
もしも私が家を建てたなら−時代が映す理想の姿

JUGEMテーマ:マンション


★ 朝日新聞の土曜日版「be」の第2面「もう一度流行歌」では、過去の大ヒット曲を振り返る記事が連載で掲載されています。少し前ですが、この面に1973年12月発売の小坂明子の大ヒット曲「あなた」が取り上げられていました。小坂明子のデビュー曲にして、発売から1ヵ月後にはオリコンシングルチャートで7週にわたり1位を獲得、売り上げは200万枚を突破し、テレビからは毎日毎日この歌が流れていました。

 私は当時小学校4年生で、父親の仕事の関係で県庁所在地から小さな町に引っ越し、町営住宅に住んでいました。3Kの間取りに家族5人がひしめいて住んでいたのですが、しかしこの時父親は元の市への引越しを見越してマイホームを計画、私はそのカタログを盗み見て、勝手に
マイホームの空想を広げていました。

 そんなときに口ずさむほど覚えていたのが、小坂明子の「あなた」でした。


「もしも私が 家を建てたなら
 小さな家を 建てたでしょう
 大きな窓と 小さなドアーと
 部屋には古い 暖炉があるのよ
 真赤なバラと 白いパンジー
 小犬の横には あなたあなた
 あなたがいてほしい
 それが私の 夢だったのよ
 いとしいあなたは 今どこに

 ブルーのじゅうたん 敷きつめて
 楽しく笑って 暮らすのよ
 家の外では 坊やが遊び
 坊やの横には あなたあなた
 あなたがいてほしい
 それが二人の 望みだったのよ
 いとしいあなたは 今どこに

 そして私は レースを編むのよ
 わたしの横には
 わたしの横には
 あなたあなた
 あなたがいてほしい      」


 この歌は、小坂明子自身が当時付き合っていた彼とうまくいかなくなった時の切ない気持ちを一気に書き上げたものでした。ピアノの弾き語りによる素晴らしい声量のドラマチックな曲調は、一度聴いたら耳を離れなくなるほどの名曲なのですが、もちろん歌詞の内容も人々の気持ちにぴたりと馴染むものでした。

 その背景には、
1970年代のマイホームに対する願望が見えてきます。

 「家は大きくなくていい。ささやかな家を持ちたい。ちゃんと庭があって、芝生なんかを植えて、そこで夫と子供が楽しそうに遊んでいる。私は庭に向いた大きな日当たりのよい窓からその様子をにこやかに見守りながら、夫と子供の洋服となるレースを編んでいる。

 部屋はいつもきれいに赤いバラと白いパンジーを飾り、青いじゅうたんを敷き詰めて、寒い時には暖炉をくべる。小犬も飼って、家族で楽しく笑って暮らすのが理想」


 「暖炉があるのに家は小さいのか?」と疑問は待ちましたが、確かに私が当時抱いていたマイホームのイメージも概ねそのようなものでした。小さな庭付き一戸建て、妻は子供を大事にする最愛の夫とともに暮らす専業主婦で、家事やペットの世話をしながら家庭を大切に守っていく、といったものです。

 実際、その
家族の姿は、まさに自分の父親、母親の暮らしぶりから連想される範囲内での理想でした。それから40年を経て、これらの理想が今のライフスタイルとこんなに大きく異なってくるとは思いもしませんでした。

「もしも私が家を買ったなら 駅近のタワマンを購入したでしょう
 ダイレクトウインドウと ディンプルキー付きの玄関ドアと
 共用部にはシンボリックな オブジェがあるのよ
 植栽計画は四季折々の樹木と草花を配し
 小型犬なら ペットもOK

 オレフィンシートのフローリング 敷きつめて
 トリプルセキュリティで 安心して暮らすのよ
 坊やが遊ぶ 場所は無いけど
 坊やの横には あなたあなた あなたがいてほしい
 それが共働きの二人の 望みだったのよ
 いとしいあなたは 今どこに

 そして私は LINEをするのよ
 わたしの横には わたしの横には
 あなたあなた あなたがいてほしい      」


 9月28日に発表された国土交通省の不動産価格指数によれば、マンションの不動産価格指数は初めて130を突破、この約3年で3割もの大きな上昇となる一方、一戸建ての指数はリーマンショックで大きく下落した後にほとんど上がっておらず、私たちの選好が一戸建てからマンションへ完全に転換したことがわかります。

 しかし、
「マイホームを買いたい」という気持ちは、それにより実現したい「理想の姿」があってこそ、のはずです。小坂明子の「あなた」の時代は、それがはっきりと見えていました。しかし、今のマイホームの理想の姿とは、一体何から紡ぎだされたものなのでしょう。

『分譲マンション・アップデート』へ


| ノウハウ・経験談 | 23:39 | comments(4) | trackbacks(0) |