在庫増加、回転率低下、評価損計上ー今後の不動産販売はネガティブストーリーか

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★ 10日付日本経済新聞によれば、不動産会社が抱えるマンションやホテル、施工中物件などの在庫が増えています。3月期決算企業41社の在庫を集計したところ、2020年3月期末では約4兆8,000億円と10年前比で7割増えました。低金利や販売の伸びを背景に在庫を積み増してきましたが、足元では新型コロナウイルスが直撃、需要の低迷が長引けば値引きや評価損の計上を迫られるリスクが高まります。

 2010年3月期から2020年3月期まで継続比較できる41社を対象に調べました。
2020年3月末の在庫は4兆8,000億円と、10年で約2兆円増えました。

 不動産各社は
戦略的に在庫を積み上げてきました。所得水準の高い共働き世帯「パワーカップル」やインバウンド(訪日外国人旅行客)の増加を受け、都心やその周辺でタワーマンションやホテルなどの開発を活発化してきました。不動産投資信託(REIT)という売却ルートも増えました。

 金融緩和が各社の借り入れ負担を抑え、在庫を急いで消化しなくても財務負担は重くなりませんでした。低金利は購入者側の負担も軽くし、需要を下支えしました。

 1年間に在庫が何回入れ替わるかを示す
在庫回転率は2020年3月期は1.64回で、この5年で0.25ポイント低下、大手を中心に物件を長く抱える傾向が強まっています。

 ところが、
コロナショックで市場が急減速しました。不動産経済研究所によると、5月の首都圏新築マンション発売戸数は前年同月比82%減で単月としては過去最低の水準となりました。「落ち込みが続けば、売り主はキャッシュバックや割引を検討せざるをえない」(ニッセイ基礎研究所の渡辺布味子准主任研究員)との懸念が出ています。

 大和不動産鑑定が5月に行ったアンケート調査では、全用途平均で54%がコロナ収束後の不動産価格がコロナ前よりも下がると答えました。用途別では
ホテル(86%)や住宅(57%)などで下落予想が多くなっています。「ホテルでは3割ほど値下がりする物件が出てきてもおかしくない」(国内証券)との指摘もあります。

 大手は「住宅の投げ売りは基本的に行わない」(野村不動産ホールディングスの芳賀真グループ最高財務責任者=CFO)と強気姿勢ですが、中堅以下のホテルなどでは影響が顕在化しています。トーセイは6日、新型コロナの影響で2020年11月期に76億円の在庫評価損を計上すると発表、いちごは2020年2月期の連結決算で74億円の販売用不動産の評価損を計上しました。

 リーマン後は不動産各社が資金繰りのために損失覚悟で売却を急いで利益を圧迫しましたが、現在は
「銀行が融資を引き揚げて資金繰りに詰まる状況ではない」(SMBC日興証券の田沢淳一シニアアナリスト)状況です。低金利は長期化しそうで、住宅購入の意欲は戻る可能性もあります。

 それでも新型コロナの感染が収束せず需要の低迷が長期化すれば、
評価損が膨らんで体力のない中堅以下の不動産会社を中心に業績に打撃になりかねません。

 以上が日本経済新聞の記事の概要です。
販売在庫の増加と在庫回転率の低下、アンケート調査の下落予想、トーセイの評価損計上を材料に、ネガティブ予想をストーリーに書いた記事です。もちろん、金融緩和の継続、住宅購入意欲が戻る可能性など基調が変わらない中では、ポジティブ予想で記事を組み立てることもできました。

 それでもある程度はネガティブ予想も「なるほど」と思わせる
納得感のある良い記事に仕上がっています。確かにリーマンショックを経てマンション市場は寡占状態になり、少しのことではびくともしない大手デベロッパー揃いとなって不動産市場を支えていますが、それでも中小デベロッパーが引き続き存在することも事実です。

 「地方移住の問い合わせが急増」といった今流行りの記事のようにはならないと思いますが、少なくとも
当分の間は需要が戻らないと判断した場合には、体力に乏しいデベロッパーが見切り売りに走る可能性は十分にあります。また、資金繰りが厳しくなくても、業者は資金の回転が命なので、資金投下を新たに行いたい物件が出てきた場合には多少損を出しても現金化を選ぶ傾向にあります。

 コロナショックが
不動産市場の選好に変化をもたらしたのは確かで、今まで土地値を釣りあげてきたホテル用地がだぶついてくることが見込まれます。今まで買い負けてきたマンションデベロッパーが駅近好立地に反応し、積極的に札を入れることもあり得るでしょう。

 最近もう買えないと見ることをやめていた都心の新築マンションをあらためて調べると、その
価格の高さはさらに際立っていました。それでも買う層はどれくらいいるのか、買う層を求めてデベロッパーは皆我慢比べを続けるのかーある大手デベが手早い利潤を求めてその列から抜けたら価格トレンドは一気に変化するかもしれません。 

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| 市場動向 | 19:08 | comments(0) | - |
今、企業の継続に疑問の不動産会社はどこ?ー中堅デベロッパーの宿命

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★ 週刊東洋経済7月4日号は、『激震!不動産』と題して特集を組んでいます。その中で目を引いたのが「不動産・ゼネコン 経営危険度ランキング」です。

 財務の健全性を見る指標に
負債資本倍率があります。有利子負債を自己資本で割った倍率で、1倍を下回れば健全というのが一般的な見方です。以下は、不動産・建設の上場企業を前期末の負債資本倍率が高い順にランキング化したものです。上位ほど有利子負債の負担が重く、財務が脆弱と言えます。数値は、1倍以下が望ましいとされる負債資本倍率です。

1 レオパレス21* 20.90  2 リーガル不動産 11.65  3 省電舎HD* 10.53
4 トラストHD 10.13  5 エスボア 7.37  6 アルデブロ 7.19
7 プロパスト 5.05  8 ビジネス・ワンHD 4.89  9 THEグローバル社* 4.21
10 APAMAN 3.93


 また、下の表は、不動産と建設業の時価総額減少率ランキングです。6月12日と、TOPIXが今年最高値をつけた1月20日を比較しました。TOPIXは6月12日、高値比マイナス10%まで戻していますが、下記各社は戻りが鈍くなっています。数値は、時価総額減少率です。

1 THEグローバル社* ▲50.8%  2 ウェルズ・マネジメント ▲50.7%
3 AMBITION ▲50.2%  4 ツクルバ ▲46.2%  5 ランドビジネス ▲44.6%
6 ファーストブラザーズ ▲44.4%  7 日本グランデ ▲43.5%
8 ティーケービー ▲41.9%  9 コスモスイニシア ▲39.1%
10 エムジーホーム ▲39.0%


 社名に*がついているのは、「継続企業の前提に関する注記」又は「継続企業の前提に関する重要事象等の記載」のある会社で、すなわち、企業としての今後の継続性に市場から疑問符がつけられている会社だと言えます。上記では、レオパレス21、省電舎HD、THEグローバル社の3社となります。

 まず、
レオパレス21については、建築したアパートの施工不備問題が響き、本年3月期の自己資本比率はわずか0.7%となりました。希望退職を実施し、補修工事を縮小する対策を取る予定です。

 そして、話題となっているのが
THEグローバル社です。分譲マンションでは、「ウィルレーナ」シリーズや「ウィルローズ」シリーズで知名度を上げた中堅デベロッパーです。この分譲マンション事業は堅調なのですが、近年流行りのホテル建設を積極的に手掛け、特に京都に集中投資してきました。
 
 しかも、通常デベロッパーは、「建築して終わり」で果実を得るのですが、
投資家に売却してリースバックするビジネスモデルを採用しました。いわば不動産売買と賃貸の一挙両得を狙ったわけです。

 当初は順調に見えた方式でしたが、
既に京都はホテル業が飽和化しており、さらにコロナ禍による外国人宿泊者の劇的な減少が追い打ちをかけ、それでも投資家に賃料を支払わなければならないという苦境に陥っています。同社が5月15日に発表した決算短信で、企業の継続性に不透明さが生じたとして「継続前提に関する注記」(疑義注記)が付けられることになったのです。

 こうしてみると、
リーマンショック直前に融資を膨らませるだけ膨らまして消えていった新興デベロッパーの姿を想起させます。勢いのある中堅企業は、さらに成長して大手を目指すためには背伸びをしなければならず、その過剰投資で失敗してしまうのもある意味ではセオリーとも言えます。

 多くの中堅企業が夢破れて消え去っていくのがデベロッパーの歴史でもあり、1980年代、1990年代のマンションの旧分譲主を見ると、大手を除いてはほとんど生き残っていません。最近の数少ない成功事例で絶好調なのはオープンハウス・ディベロップメントぐらいでしょうか。

 しかし同社も、同業者の買収等は成功していますが、
多角化を志向するあまり、米国不動産投資にまで乗り出しているのは危うさを感じます。負債資本倍率が高くなるのは不動産業の特徴でもあり、今後の不動産業界の行く末に注目が集まるところです。

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| ノウハウ・経験談 | 19:40 | comments(0) | - |
新型コロナの影響と狼少年ー真の投資家が狙うべき不動産とは?

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★ 14日付INVEST ONLINEによれば、JLL日本法人が2020年5月26日、不動産投資家(デベロッパー、アセットマネジャー、資産管理会社、国内外ファンド、金融機関等)が市場をどのように見ているか、投資意欲などについての調査を発表しました。

 この調査によると、
投資家の約75%が今後も積極的に不動産へ投資する考えをもっています。「物件のクオリティさえよければ新型コロナウイルス発生前と変わらぬ価格で新規投資を積極的に行う」は7.7%とやや少なかったものの、「価格調整があれば新規投資を積極的に行う」が67.2%と多くの投資に前向きな姿勢が見られます。

 また、物件取得価格水準については
「5〜15%下落する」と考える投資家が65.5%と一番多い結果となりました。投資家の実に約9割が「5%以上下落する」と回答し、新型コロナウイルス感染拡大の影響が不動産価格の下落につながり、一定の価格調整があると見ていることがわかりました。

 また、今後の投資戦略については、
オフィス、レジデンシャル、物流という回答が多く、全体の6割以上を占めています。インバウンド需要に支えられてきたホテル、リテール(商業施設)については、コロナの影響が大きく、投資対象としての関心は低位に留まっています。

 オフィスは依然として人気ですが、景気に比較的左右されず安定感のあるレジデンシャルや、契約形態が長期であり生活必需品の需要増に伴って追い風となっている物流への関心度が高くなっているようです。

 今後の投資で
最も重要な点は「価格の妥当性」という回答が多かったですが、それを確信できるだけの情報が不足していることがあげられます。投資意欲は旺盛であるものの、現時点では様子をみている投資家が多いということが、このアンケートからうかがい知れます。

 以上がINVEST ONLINEの記事の概要です。不動産を売る方ではなく、買う方から現状をどう見ているかがわかって興味深い調査です。

 結論から言えば、
不動産投資家の買い意欲はコロナ禍を経ても旺盛です。できればお得な物件を安く買いたい、というのは投資スタンスというより人間の欲望であり、コロナ禍をその好機ととらえ、不動産価格が下落するところをうまく買いたい、という心理が出ています。

 しかし、おそらくは
そんな気持ちが買い手の顔に出ている間は、不動産は安くなりません。不動産価格が本当に下落するのは、売り手が「こんな損する不動産投資から早く足を洗いたい」と売りを焦り、買い手が「こんな損する不動産投資に手を染めるのは愚かだ」と見向きもしない世相が現れるときなのです。

 世間には
コロナの影響で不動産価格は暴落する、とする週刊誌の記事がいっぱい出ています。「暴落する」と煽る方が「変動せず」と書くよりもはるかによく読まれ、週刊誌が売れるからであり、はっきり言ってそれ以上でも以下でもありません

 「暴落する」と書かれると
オーナーは心配になり、買い手は喜び、どちらにしてもこの記事を読まずにはいられなくなります。筆者にとっては、一部で狼少年と言われても、ならば狼少年に徹した方が市場の需要は圧倒的にあるのです。

 今回のコロナ騒動で
民泊施設だけは本当に痛めつけられ、誰もが民泊業から足を抜けようともがいています。上の理屈からすれば、今この時に民泊業に進出する人こそが真の裁定機会を狙う投資家と言えるのでしょう。

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| 市場動向 | 20:08 | comments(0) | - |
新型コロナウィルスは不動産業界に影響を与えるのか?

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★ まさかここまでとは、と影響が深刻なのが新型コロナウィルスです。クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号における寄港判断をきっかけとして国内外で大問題となり、日本は今や感染が最も懸念される国の一つとなってしまいました。

 政府の要請した小中高校の一斉休校から
国民生活への影響が身近なものになっています。広範な経済活動に大きな影響が出始め、株価も大きく下落しています。不要不急の外出は控えるように言われており、マンションのモデルルームへの来客数の減少、売り出し時期の延期なども予想されるところです。

 これらについてのレポートはまだ見つけられないのですが、
不動産投資についての影響については、この業界の最大手サイトである『楽待』が緊急アンケートを行っており、その結果が3月2日に記事となって掲載されました。

 それがコラム『新型コロナウイルス、不動産業界への影響は?』です。これは
不動産投資家500人と不動産会社70社に緊急アンケートしたものとなっています。

 まず、
不動産投資家500人では、影響があると答えた人が171人(34%)、影響がないと答えた人が217人(44%)と、影響がないと答えた人の方が多くなっています。

 具体的な影響として目立ったのが
「設備が入荷されずにリフォームができない」ということです。トイレやユニットバスなど、水回り関連設備の不足による影響が顕著で、ちょうどリフォームや新築の工事が進んでいたところにこの騒動が重なり、大幅な工期の遅れが出ているという声が多数聞かれました。

 住宅設備の納期が遅れている背景には、
製品によってはそのほとんどが中国で生産されている、という事情があります。「特にトイレの納品遅れが深刻」だということで、「トイレは、日本の大手メーカー3社が国内のシェアを9割握っており、その3社に部品を提供する中国の工場がすべてストップしている。再稼働の見込みも立っていない」とのことでした。

 同様の品不足は東日本大震災でも経験したものの、当時は東日本の工場の被害だったため西日本の工場に発注すればよかったのですが、
今回は日本国内の全エリアで製品や部品が不足しており、おそらくあと半年くらいは品薄状態が続くのではないかともみられています。

 水廻り部品の調達の遅れは投資用物件には限られないでしょうから、
新築マンションの部材調達にも影響があるものと思われます。3月引き渡しの物件はさすがに設備設置済で影響ないのでしょうが、現在内装工事中の物件には遅れが出るかもしれません。

 また、分譲マンション業界には関係ありませんが、投資用物件としては特に
外国人旅行者がよく利用している簡易宿泊業で影響が甚大だと思われます。簡易宿所の2月は売り上げが50%ダウン、3月の予約はゼロ」「昨年旅館業を取得して始めたホテル形式物件の売上が全くなくなってしまった」などの声が寄せられています。

 次に、
不動産会社70社の回答では、「影響がある」が44社(62%)と、「影響がない」12社(17%)を大きく上回りました。不動産投資家は自分に影響があったかどうかという視点から答えがちなのに対し、不動産会社は接客体験からより広く答えているのだと思います。

 「問い合わせ数が減少した」「イベントの開催等が行えず集客ができない」「来店予約が『コロナが怖いので』とキャンセルになった」など、不動産会社からは直接的な影響を訴える声が目立っています。また、個人投資家と同じく、不動産会社にも設備の品不足の影響が出ている模様です。

 また、店舗物件に関しては、テナント物件の飲食店経営者から
「外食を控える人が増え、客足が鈍っている。家賃の支払いが遅れる」と連絡があったという報告もありました。不動産業界では今でも来店者数が重要な指標ですが、新型コロナウィルスに伴ってお客さんのご来店が鈍ってきているとのことです。
 
 こう見てくると、
新型コロナウィルスの不動産市況に与える影響は「何らかある」と見るのが順当なようです。それが短期で終わるのか、長きにわたるのかによって、不動産価格まで影響があるかどうかが見極められると思われます。

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| 市場動向 | 19:15 | comments(2) | - |
新築マンション着工件数回復−明るい兆しか、あるいは崩壊の序曲か

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★ みずほ信託銀行が発表した『不動産マーケットレポート2019年12月号』によれば、国土交通省が発表している「建設着工統計」によると、全国の住宅着工戸数の3割を占める東京圏では、貸家の着工戸数が減少しているのに対し、分譲住宅の着工戸数は増加基調で推移しています。特に今年は分譲マンションの着工戸数の増加が顕著で、地域別では東京23区や横浜・川崎エリアなどが好調です。

 まず、
貸家の減少傾向ですが、2017年半ば以降ほぼ一貫して減少しています。直近のピークは2017年8月の41.1万戸で、元年9月には32.8万戸となり、ピークからは25.3%も減少しました。不動産投資用の融資の締め付けが本格的に始まったのが2年前の9月でしたから、その影響は如実に表れていることがわかります。

 一方、
分譲住宅は、振れを伴いつつも2018年半ば以降は増加基調で、足元の着工戸数はほぼ拮抗しています。その内訳を見ると、一戸建てが緩やかな増加傾向であるのに対し、分譲マンションは、2017年後半から2018年前半にかけての減少基調が底を打ち、回復が目立ちます。

 統計を見ると、
分譲住宅の着工戸数の直近の谷は本年5月の24.2万戸ですが、6月26.2万戸、7月27.2万戸、8月27.7万戸、そして9月には29.5万戸までに増加しました。この数値は、リーマンショック以降の中期スパンで見ても結構高い水準です。

 2019年以降の地域別の分譲マンションの着工戸数を見ると、
東京23区の着工が、2018年後半から増加基調となっています。また、神奈川県も、2018年の着工戸数を上回る水準となりました。一方、その他の地域は、千葉県で大型着工があり増加しましたが、東京23区以外と埼玉県の着工戸数が低調で、全体で2018年と同水準にとどまっています。

 本年は、
都心エリア、湾岸エリア、城東エリア、横浜・川崎エリアの着工戸数が6千戸を超え、これら地域は2018年と比較しても1千戸以上増加しています。また、着工戸数4千戸前後の城北エリア、城南エリアも2018年の戸数を上回っています。一方、城西エリア、さいたまエリア、湘南エリアは2018年を下回っています。

 東京23区については、2019年は、
江東区は4千戸前後となり、これら湾岸エリアの区が、引き続き分譲マンション着工の中心的なエリアです。また、区の着工戸数も2018年から大きく増加し、3千戸を超えました。このほか、新宿区、台東区、大田区の3戸で2千戸を超えました。

 以上が上記レポートの内容です。
新築マンションの販売不振が伝えられて久しいのですが、足元では着工需要が旺盛なのが確認できました。在庫管理の観点からすれば、販売在庫が積みあがりつつある現在、新規の仕入れは控えるのがセオリーです。
 
 にもかかわらず、各デベロッパーとも(?)販売戸数を増やそうとしているのは
「ちょっと何をしているのかわからない」状態ではあります。マンション評論家は、マンション建設が引き続き活発な理由として、リーマンショックを経て分譲マンション業界が体力のある大手の寡占状態であること、大手デベロッパーはマンション専業ではなく販売不振でも影響が軽微であること、パワーカップルなど価格が高くてもついてこれる購入者層が出現していること、などを挙げています。

 つまり、
売り急ぐ必要は全くなく、買える方を相手に気長に売っていった方が、値崩れを起こしてマンション市場を崩壊させるよりよっぽどよい、と考えているのでしょう。観察していると、大手デベロッパーはそれぞれ競争相手というより、協業相手なのであり、マンション市場を高い価格で保つよう努力する協同組合(ギルド)なのだと考えた方がしっくりきます。

 それは、違う角度からは
巨艦タイタニックのようにも見えます。例え沈みゆくとわかっていても、日々の営みをやめることはできません。仕入がなければプランはできず、プランがなければ建築はできず、建築がなければ販売はできないのです。大手デベロッパーを頂点に業界皆がそれに依存して生きている構図では、売れようが売れまいが全員が共倒れするまでやり続けるしかない‐案外そんな心持ちなのかもしれません。

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| 市場動向 | 22:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
中国人が好む立地とは?−王さんの思い出

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★ もうずいぶん前のことですが、不動産仲介会社の王さんにお世話になったことがあります。気になる物件があって、電話で問い合わせたところ、案内に来たのが王さんでした。

 電話に出た人が女性だったので、てっきり女性社員が来るのだと思って待ち合わせ場所できょろきょろしていたのですが、それらしい人が見当たりません。冬の寒い日で、20分くらい吹きさらしの場所で待っていたところ、同じく隣でガタガタ震えていた青年がやおら携帯を取り出して
「〇〇サン、コナイヨ!〇〇サン、コナイヨ!」と私の名前を連呼し始めたので、ようやく彼が案内人だとわかりました。

 王さんは日本の大学に留学してそのままこの仲介会社に就職したとのことでした。当時は中国経済が絶好調で、多くの中国人が日本の不動産を求めて日本にやってきていました。不動産所有が認められていない中国と異なり、日本ではお金さえ出せば誰でもたやすく不動産のオーナーになることができます。しかも、長年のデフレの影響で、東京の不動産は、名だたる世界の主要都市の中で格段に価格が安く、資産価値の観点からも中国人に飛ぶように都心のマンションや土地が売れていったのです。

 そんな
中国人の「爆買い」を当てにして、この仲介会社は王さんを雇ったのでした。と言っても、日本人相手の時には補助に回されるらしく、王さんは私を車で待つ日本人社員のところに連れていく役割だったのです。ぬくぬくと暖房の効いた車内で待っていた日本人社員に対し、寒風に吹きさらされた王さんと私には、いつしか国境を越えた連帯が生まれていました。

 見に行った物件は、「自由が丘」駅徒歩10分圏内の中古戸建でした。格安に思えましたが、敷地と道路に大きな高低差があり、1階部分は地下に沈んでいました。それでも見学者は後を絶たなかったようで、スピード感に気圧された私は、それ以上のステップを踏むことができませんでした。

 その夜、仲介会社から来たメールの送信者は日本人社員ではなく、王さんでした。


「もっといい物件あるよ。見に来ますか」

という言葉と、でかい写真をばこばこ貼り付けた奇怪なメールに情熱を感じ、私は思わず次の週末のアポを依頼しました。

 次の土曜日、今度は王さん一人が車で迎えに来てくれました。


「正直言うと、こないだの物件、全然いいと思わないね」
「んー、確かに土地の形状に難ありだけど」
「いや、そうじゃなくて、なんで自由が丘がいいのよ。値段が高いだけで、全然面白くないじゃない」
「んん?日本人の憧れの場所だけど」
「自分は東横線とか田園都市線とか魅力を感じないね。東急線はダメ。街並みがきれいなだけ」
「そのきれいな街並みがいいんだけど」
「気取っていて、中国人には人気ないヨ」
「じゃあ、王さんはどの場所がお薦めなの?」
「日比谷線の入谷とか三ノ輪とか。池袋も。にぎやかで面白い。そこなら飛ぶように売れるヨ」
「ふうん」

 日本人には西洋への憧れがあり、きれいな邸宅地が従来から人気でした。最近は駅近が重視されるようになりましたが、繁華性はむしろマイナス要因となる場合もあります。中国人の感覚だと、むしろ下町に近い活気が好まれるかもしれません。そこにはいい意味での人間臭さがあり、「人が人として住んでいる」という実感があるのでしょう。それはそれで、何となく理解できるものがありました。

「中国人はね、気に入った物件があると、価格をつり上げる」
「日本でも売値が上がることはあるよ」
「いや、買うほうね。1億円で競争になると、1億1千万円出すとか。日本だと売るほうが困っちゃう」

 王さんがおすすめした物件は、確かにその価値はわかるのですが、やはりどことなく「これじゃない」感があって、丁重にお断りしました。

 それでも王さんは週に1,2度は、カタコトの日本語とともにコンスタントに物件資料を送ってくれました。しかし、やはり趣味は合わず、ついにある日王さんに電話しました。


「王さん、やっぱり無理だわ」
「そうか?東横線にしようか?」
「うーん…ちょっと今仕事が忙しくなって。余裕ができたら電話する」
「…そうか。約束だよ。日中友好のために」

 それから3年後、私は思いきって王さんのいた仲介会社に電話しました。

「王なら1年前に退社しましたよ」

 中国ではその後、中国人の海外不動産投資を抑制するための法律ができ、日本の不動産へのお得感が薄れたこともあって、中国人の不動産投資のための訪日はめっきり減ってしまいました。王さんもまた、新しい可能性を求めて、違うフィールドに旅立ったのでしょう。

 日本と中国の関係は、今年は習近平国家主席の訪日が予定されるなど、ようやく
雪解けモードになってきました。しかし、私と王さんの日中友好関係は未だ果たされないままでいます。 

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| ノウハウ・経験談 | 20:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
ばたばたと人辞めていく秋の暮−不動産転売屋に厳しい年の瀬

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★ 私は、実需の分譲マンションの情報のみならず、投資用物件の情報を流してくれるメールもいただくようにしています。実際、投資用物件の動きは、実需物件の動きよりも速く、不動産市場の動向を占うのに適しているとも思われます。また、実需物件で指標となるのは坪単価ですが、投資用物件の場合は利回りとなり、異なる視点から市況を感じることもできます。

 そんな投資用物件を扱う業者の担当者さんから、
この半年間で4通ほど、転職や退職のメールをいただきました。お一人は結構魅力的な利回り物件をズバッと送ってくれる方だったのですが、ある日突然、「このたび一身上の都合で◯◯生命の営業職に転職しました。」とのメールが届きました。「あれだけ魅力的な物件を揃えていたら、かなり儲けているだろうなあ」と思っていたので、びっくりしました。

 もう一人の方は、やはりアグレッシブに売り込みをかけていた会社代表でした。メールは毎日のように着ていたのですが、半年くらい前から
メールの文面に愚痴が出るようになり、ある日突然会社名を変更し、そこから取り扱う物件がしょぼくなり、メール配信もとぎれとぎれになったのですが、つい最近、また会社名が代わったメールが届きました。まるで業(ごう)のように不動産業界から足を洗えないようで、先行きが心配です。

 残りの2通は、チームで物件を紹介してくる業者です。この会社も毎日複数メールで提案があるのですが、果たしてどの程度反響があるのだろうかと見ていた矢先、そのチームのシニアと思われるお一人から、
「一身上の都合で退職することとなりました」とのメールが届き、その2、3日後に、それに影響されたかのように、同じ社の若手から同様のメールが届きました。

 このように律儀に退職をメールで報告してくれる方は
ごく少数派でしょうから、おそらくかなり多くの方が不動産投資業界から足を洗いつつあると思われます。

 もちろん、この背景にあるのは
「スルガ・ショック」です。今、不動産投資業界は、ほとんどは「三為(さんため)業者」になっているのだそうです。「三為業者」とは不動産の転売屋のことで、かつ、物件を仕入れるときに自社の登記を入れずに売主から買主に直接登記を移転する(新・中間省略登記=第三者のためにする契約(=三ため))ことにより、登記費用・登録免許税・不動産取得税等を免れる業者のことです。

 これだとまさに物件を「横流し」できるわけで、費用をほとんどかけずに転売の売却益を得ることができます。しかし、「スルガ・ショック」で金融機関の融資が厳しくなり、買手がいなくなってしまったので、今度は逆に、売主に支払った手付金(物件価格の5%程度)を失い、多額の違約金(物件価格の20%程度)が請求されるリスクが出てきてしまうのです。

 こうなると、
アグレッシブに突っ込んだ業者ほど多数の売れない物件を抱えてしまい、手付金喪失・違約金請求の束に悩まされることになります。会社としては立ちゆかなくなり、社員としては自発的に辞めていくか、人員整理の対象になるかの場面に立ち至るようになります。

ばたばたと人辞めていく秋の暮

 例年お正月は、投資用不動産がばんばん売れていくシーズンでした。来年の年明けは、一体どのような光景が広がっていることでしょうか。

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| ノウハウ・経験談 | 22:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
急成長の不動産会社はリスク大ー個人が破綻の道連れにならないために

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★ 今、不動産投資家の間で、「新築物件は買うな」ということが言われているそうです。新築物件は、融資が出やすい上に、修繕費をしばらくは心配する必要がなく、しかも利回りも実は中古と比べて遜色なかったりするなど、魅力十分なのです。

 それがなぜ「買うな」なのかというと、
「請け負った業者が、建物の完成前に倒産したり行方不明になったりするリスクがあるから」なのだそうです。現在、投資用物件に対する金融機関の融資姿勢がとても厳しく、投資用物件を手がけてきた業者も当てが外れ、現場をいっぱい抱えたままにっちもさっちもいかなくなっている業者が存在するおそれがあるのです。

 上に掲げた新築物件のメリットも、当然ながら
建物ができてこそのメリットです。資金決済は、土地は現物との即時取引になりますが、建物の請負の場合は、工事に合わせて3回程度に分けて支払うのが通常です。工事を行うための資金が常に先行する格好になるので、ここに「持ち逃げ」の余地が生まれます。

 特に金融機関の融資を受けて建築する場合には、目も当てられません。
建物ができなくても、金融機関は返済を求めてきます。まさに業者間の連鎖倒産みたいな悪夢が、個人の財産の上に重くのしかかってくることになります。

 このような状況が生まれてしまった原因は、このブログでも何度か言及しているとおり、
シェアハウス「かぼちゃの馬車」を巡る現実離れした不動産投資スキームと、それを下支えしたスルガ銀行の融資です。普通一般人には買えない1億円単位の投資物件を高い金利で融資を易々と実行してきたスルガ銀行の融資スタンスは、まさにリーマンショックのサブプライムローンとそっくりです。

 ところで最近、話題を呼んでいるのが
東京五輪の競技施設工事を請け負っていたエム・テックの破綻です。埼玉の中堅ゼネコンの破産がなぜ波紋を広げているかというと、震災復興等を手がけて急拡大してきた同社は、今月1日時点で全国の現場88カ所に約300億円もの工事を抱えていたからです。東京五輪の施設建設工事を含め、これら建設事業が全てストップするとともに、売掛金等を有した多くの下請け事業者が苦境に陥ることになりました。

 エム・テックの破綻の発端は、破産した関連リース会社との不透明な循環取引が明るみに出て金融機関の信用をなくし、無許可の港湾工事を行ったとして全国の自治体から指名停止を受けるなど、
官民双方からコンプライアンス上の問題を指摘され、致命的な措置・処分を受けたことでした。

 エム・テックとしては、特に後者については、許可更新を怠り、さらに深夜工事まで行っていたという
内部チェック体制の欠如が招いた結末でした。急拡大した業者は、その事業規模にふさわしい内部体制を持つに至らず、目先の事業の受注と実施、財務面では利益計上と返済だけに追われて足元を救われてしまうのです。

 これには、「かぼちゃの馬車」事業を実施していたスマートデイズも、それに融資をしていたスルガ銀行も
共通点があります。スマートデイズは本事業によって急成長し、スルガ銀行は高利の融資が大量にさばけて大きな利潤を生み出して「地銀の優等生」になり、このループから抜けられなくなったのです。

 私も「かぼちゃの馬車」事業への勧誘メールを受け取ったことがありますが、利回りが低いとされる23区物件(「高田馬場」駅徒歩10分内というのもありました。)
少なくとも10年間サブリースで利回り8%保証という「新しい投資手法」に、魅力を感じながらもヤバさも感じて、返信したことはありませんでした。

 おそらくはスルガ銀行も、キックバックを得て取り次ぐ仲介業者も、
「あり得なさ」を感じつつも、大きな利益を得てしまった以上、やめられなくなってしまったのでしょう。やめた理由が「そもそも事業の持続性がないから」となると、これを推進してきた幹部が責任を問われてしまうからです。

 同じような
きな臭さは、不動産事業に限らず、全ての急成長事業者に存在します。昔、マネーの虎に出演していた経営者は、その後多くの方が事業に失敗してしまったように、一握りの事業者だけが「きな臭さ」を脱却できてさらに大きく飛躍し、残りの多くは口を広げて待つ失敗者の海に沈んでいくことになります。

 思えばコインチェックをはじめとした
大手の仮想通貨事業者も今年、セキュリティの不備、コンプライアンス意識の欠如、内部統制体制の甘さなどを次々と露呈し、身売りを余儀なくされました。

 不動産業界も、投資分野にかぎらず、
私達個人を相手にするマンション事業者、戸建て建売業者等も、だんだんと事業環境が厳しくなっていくにつれ、破綻の道を歩み始めているものがあるかもしれません。特に急成長事業者には要注意です。

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| ノウハウ・経験談 | 22:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
投資物件は価格下落傾向−内向きなマンション販売にも停滞の影

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★ ファーストロジックが4日発表したところによれば、不動産投資サイト「楽待」における投資用不動産市場調査7〜9月期の結果は、次の通りです。(調査期間:2018年7月1日〜同年9月30日、対象:期間中に「楽待」に新規掲載された全国の物件)

 投資用区分マンションの利回りは7月に下落したものの8月に上昇し、2カ月連続の上昇となりました。物件価格は7〜9月の3カ月間で下落を続け、1年ぶりに1,500万円を割りました

 一棟アパートの物件価格は7月に一旦上昇しましたが、8月、9月は2カ月連続で下落しました。

 一棟マンションでは表面利回りが8月、9月と2カ月連続で上昇。物件価格は下落傾向にありましたが7月に上昇。8月にはまた下落し、2億円を割っています。

 以上がファーストロジックの発表資料の概要です。

 次に、
健美家では、全国の収益(投資用)不動産のマーケット状況を把握するために、健美家に登録された物件(以下「登録物件」)とメールで問い合わせのあった物件(以下「問い合わせ物件」)の市場動向を定期的に調査しており、2018年7月〜9月期の調査結果は、次の通りです。(調査対象:健美家に登録された収益(投資用)不動産(区分マンション/一棟アパート/一棟マンション)

 区分マンション
  利回り7.75%(前期比+0.06ポイント)
  価格1,394万円(同▲2.11%)
 一棟アパート
  利回り8.86%(同▲0.05ポイント)
  価格6,613万円(同▲1.88%)
 一棟マンション
  利回り8.05%(同▲0.01ポイント)
  価格15,607万円(同▲4.42%)

 以上が健美家の発表資料の概要です。

 今不動産投資用サイトとしては、第一にファーストロジックの「楽待」、次に健美家社の「健美家」がポピュラーだと思われます。その2社が対抗するように四半期ごとの調査レポートを出しているのですが、
今回は両者とも、区分マンション、一棟アパート、一棟マンションいずれも価格が下落傾向となりました。

 特に
区分マンションの価格下落が大きいです。額の大きい一棟マンション、一棟アパートの価格下落は、投資用ローンの審査が厳しくなり、自己資金が必要となってきている流れから致し方ないと思われますが、物件価格が小さく、少額の自己資金でも比較的買いやすい区分マンションも価格が下落しているのは注目です。

 すなわち、区分マンションは少額で買いやすく、管理の手間も相対的にかからないことから、
投資初心者も含め裾野が広いと考えられます。そこで価格が下落しているということは、不動産投資熱が一般に冷め始めているのではないか、とも思われるのです。

 これは、
新築分譲マンション市場にも影響します。最近の分譲マンションの都心集中、高額化は、投資目線の購入が多くなっていたからです。これら投資需要が衰えるとすれば、分譲マンション市場の売れ行きも鈍ってくるはずです。

 実際、私が「おや」と思ったのは、都心や城南・駅近・大規模タワーマンションで価格が良心的と思われる
注目物件のモデルルームに行っても、従来感じてきた購入検討者の熱気といったものが感じられなくなっていることです。何よりもモデルルームの規模が小さくなり、それすらもあまり埋まっていません。営業担当者のトークも心なしか、熱がこもっていないように聞こえます。

 思い起こせば、港区の湾岸タワー競争で『芝浦アイランド』に競り勝った『キャピタルマークタワー』のモデルルームのシアターでは、
映像に合わせて座席が左右に揺れ動くという意味不明の効果を皆が楽しみ、言わばモデルルームがレジャーランド化していたわけですが、それは「気分をハイにして購入意欲をかきたてる」時代の明るい雰囲気もあったからなのでしょう。

 今や
こぢんまりした商談スペースで省力化されたPC画面映像をお定まりで眺めて説明を受け、事務的にモデルルーム外へと送り出される私たちは、連れ合いと気難しい顔で「こんな高い価格じゃやっぱり買えないよね」と何の感慨もなく言い合うしかない市況です。

 「これをどうしてもほしい」という気持ちが皆からなくなれば、実需であれ投資用であれ、そのマンションの価格が中古市場で上がっていくこともありません。不動産バブル崩壊といった劇的な展開は考えづらいですが、今のトレンドのようにわずかながらも不動産価格が徐々に下落し、長い年月をかけて一層停滞していくというシナリオはありうる展開なのではないでしょうか。

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| 市場動向 | 20:54 | comments(2) | trackbacks(0) |
スルガショックで融資不況到来−不動産投資業界の苦境

JUGEMテーマ:マンション


★ 不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」では、毎月、新規に登録された全国の収益物件3種別(区分マンション/ 一棟アパート/ 一棟マンション)のデータ(物件数、物件価格、表面利回り)を集計し、最新の市場傾向として取りまとめていますが、8月1日に、2018年7月分のデータが次の通り公表されました。

■区分マンション

価格は1,391万円(前月比-1.07%減)で2016年11月以来20カ月ぶりに1,300万円台まで下落表面利回りは7.76%(同+0.10ポイント上昇)と上昇に転じました。

■一棟アパート

価格は6,730万円(前月比-0.93%減)で僅かに下落。表面利回りは8.82%(同-0.12ポイント低下)と低下しました。

■一棟マンション

価格は15,585万円(前月比-5.36%減)と2017年10月以来9カ月ぶりに15,000万円台まで下落。表面利回りは8.04%(同-0.02ポイント低下)と横ばいでした。

 以上が健美家の調査結果です。私は毎月、本調査に関する記事を読んでいますが、
収益物件が3種とも価格が下落したというのは近年珍しいと思います。

 もちろん、物件価格は上下するので、来月はまたいずれかの種別の価格が上昇することも普通にあり得ることだと考えます。しかし、最近、仲介業者さんから直接聞いたり、配信される不動産投資関連メールを読んでいると、
不動産投資業界は現在、相当苦境にあるようです。

 きっかけは、
日銀のゼロ金利施策で収益減に苦しむ金融業界が、少しでも金利を稼げる不動産投資用ローンにこぞって頼り、融資条件の甘い低金利ローンを大量に出した結果、実需無視のアパート・マンションが続々と建設され、不動産投資バブルが招来されたことに端を発します。

 金融庁は昨年春頃から各金融機関への注意喚起を図り、特に昨年9月から金融機関は少なくとも1割は自己資金を求めるようになりましたが(それまではフルローンが容易に引けていました)、不動産投資バブル期に無茶な高金利高額投資用ローンをシェアハウス等に大量に認めてきたスルガ銀行が、先行きを危ぶんでシェアハウス大手のスマートハウス関連物件への融資を急にストップしました。

 シェアハウスへの融資に積極的だったのはほとんどスルガ銀行一本だったことから、
スマートハウスはたちまち破綻、物件購入とともにサブリースをスマートハウスに全面的に委ねていた投資家は億単位の借金を抱えて苦境に陥り、その過程においてスルガ銀行、仲介業者の意図的な融資審査資料の偽造が発覚し、いまだ泥沼状態に陥っています。

 そして、このスルガショックを受けて、
各金融機関の融資姿勢はますます硬化し、今は「少なくとも2割自己資金」が求められるようになりました。これに困ったのが不動産仲介業者と物件を過大に抱えて売り抜けようとしていた不動産投資家です。

 それまでは1億円超の物件にフルローンないしオーバーローンが付いて飛ぶように売れ、仲介業者には
その都度数百万円単位の仲介手数料が入っていました。ところが、2割自己負担が求められると、購入する投資家は自己負担+仲介手数料・諸費用で、億単位の物件には3千万円程度の拠出が求められることになります。

 見ようによっては当たり前のことで、1億円超の物件を購入するのであればそれくらいの資金は用意しているだろうと思われがちですが、最近参入してきたサラリーマン投資家は、それまで甘かった属性審査を背景に、レバレッジをいっぱいに効かせるフルローンで購入していたので、これらの
裾野層が一気に退場する羽目になりました。

 羽振りの良かった
仲介業者は急に取扱いが細り、あるいは物件規模が5千万円以下の少額物件に縮小し、収益が悪化しています。元々零細業者が多い業界でもありますから、人知れず廃業していく業者も多いと聞きます。したがって、今回の収益物件の価格の下落は、このよう不動産投資市場の市況の悪化を背景にしているのかもしれません。

「スルガは本当に余計なことをしてくれた」

 私が会った仲介業者さんは、吐き出すように言っていました。金融機関へのエビデンス提出が厳格になり、物件はあっても購入希望者が融資でことごとくはねられているとのことです。このような暗い雰囲気が実需のマンション市場に波及しないことを願っています。

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| 市場動向 | 19:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
不動産はハッピーエンドをもたらさない?−価値ある物件も価値ない物件も争いの種に

JUGEMテーマ:マンション


 「この不動産を巡っては親族が骨肉の争いをしていまして…」

 知り合いの不動産業者さんに聞くと、こんなお話を聞くことが時々あります。一例としては、所有者の男性がさまざま好き勝手をしてしまって、親族の気持ちも彼から離れていったのですが、いざ体の調子が悪くなって先が見えてくると、疎遠だった親族がわらわら集まってきて、男性の財産の相続についてもめはじめたそうです。まだ亡くなってもいないのに、相続を主張する親族も親族ですが、その防衛のために換金を急ぐ男性も男性です。

 また、不動産の売買で、時折
弁護士が間に入っている物件があります。任意売却の場合もありますが、相続絡みの場合も多いです。上記のように親族それぞれが相続の権利を主張し、にっちもさっちもいかない場合には、物件を売却して皆で分け合う方法が取られます。人気の場所であれば弁護士が入札の方式を取るなどして思わぬ高値で売れる場合もありますが、換金を急いで安値で売却される場合も多いです。

 「この物件、大幅に値を下げました。買いませんか?」

 確かにお聞きすると、かなりの安値です。「どうしたんですか?」と事情を尋ねると、仲介業者さんは、

「実はこの物件のオーナーが突然大病を患いまして…入院資金や手術資金などでまとまったお金が早急に必要になっったそうです。」

 このオーナーの方は、不動産投資には熱心に取り組まれていましたが、生命保険や医療保険の手当はあまりされておられなかったのでしょう。投資にまわすお金のわずかな部分を保険料に当てればよかったのでしょうが、「後悔先に立たず」です。

 しかし、こういった「売れる不動産」は今や日本の中で一握りしかなく、
その他大勢は「売れない不動産」です。相続の際、「負動産」として親族間で押し付けあうことも多く、こちらも悩みの種です。

 「今日はこれから田舎に帰って、親が残した土地・建物をどうするのか家族会議をするんだ」

 同僚のA君はため息をついて言いました。A君のご両親が住んでいた家は、幸いにも地方にあって売れないことはない立地なのですが、誰も住まないので売りたくもあり、しかし長年の愛着ある家を簡単には手放したくない感情が兄弟にもあり、しかしそうだとすれば、田舎に一人残っている姉にその管理を押しつけることになり…と悩みは深いようです。

 このように見てくると、
不動産とは、それが価値を持つものにしろ、持たないものにしろ、最終的には人を悩ませる存在になってしまうことが多いようです。ある人が責任をもって完全に所有している場合には問題は起こらないのですが、人間はいつか衰え、そして亡くなるものです。

 骨肉の争いにしろ、押し付け合いにしろ、不動産があるばっかりに起きる争いは多いです。不動産購入は相続税対策でもあるのですが、のこと自体が相続争いのタネにならないよう、十分に気を配りたいものです。

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| ノウハウ・経験談 | 23:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
不動産投資ローンが通らなくなっている−自主規制がもたらすバブル崩壊の序曲

JUGEMテーマ:マンション


★ この土日は日本列島を台風が直撃しています。おかげで、私は予定していた「TO DO リスト」が全てできなくなってしまったので、かえって手持ち無沙汰になりました。こんな時にどうかとも思いましたが、ちょっと気になっていた土地や戸建てなどを不動産屋さんに案内してもらうことにしました。

「すみません、こんな時に」

 私が謝りながら挨拶すると、仲介業者のAさんは、にこやかに言いました。

Aさん
「いえいえ、いいんですよ。お勤めの方は土日しか休みがありませんからね」

 現地を実際に見ると、ネット上の情報以外にいろいろなものが見えてきます。駅からのルートが坂道だったり、車は通ると言われても道が狭くてものすごいテクニックが必要そうだったり、モノによっては駅距離も少しごまかしていたりして、「だからこの値段なのね」と思うことも少なくありません。結論は残念ながら「今ひとつかな」という印象でした。

Aさん
「そういえば、最近は融資が随分通りづらくなりまして」

私「え、そうなんですか。今までこんなに低金利で住宅を買う絶好の環境だったのに」

Aさん
「いえ、住宅ローンはいいんです。投資用ローンがこの9月からすっかり厳しくなりまして」

 確かに最近、ネットでは融資が通りづらくなっているとの情報を見かけていました。近年、低金利に苦しむ地方銀行などが、その活路をアパートローンに求め、採算性を度外視して融資を出し続け、結果としてアパートローンの融資残高が異様に膨れ上がっている状態となり、金融庁がこれに憂慮を示している、との内容でした。

Aさん
「この春から不動産投資に積極的に融資する銀行が徐々に減ってきてはいたのですが、どうも9月に金融庁からお達しが出たみたいで、そこからピタッと融資の流れが止まったんです。」

 Aさんによれば、それは金融庁のお達しが直接の命令だったというより、各金融機関がそれをおもんぱかって「自主規制を始めた」ということのようです。この点、いかにも日本の金融機関らしいところです。

Aさん
「いやあ、びっくりしましたよ。それまで百発百中で融資が通っていたのに、そこから十に一つか二つしか通らなくなったんですから」

「…ということは、収益物件が売りづらくなってきた、と」

Aさん「そうですねえ。例えば、今春に強気のバブル価格で出していた物件を、慌てて値下げする動きが出ています。まあ、初めの値段が高かったので、それでもお買い得感はないですけど」

 Aさんが見せてくれたチラシは、1億円近い値が付いていた投資物件が8千万円台前半まで、約1,500万円値下げされていました。

Aさん
「でもですね。このまま行くと、銀行の第4四半期の業績はがくっと落ちちゃうわけで、それは株主も許さないと思うんですよね。だから、9月〜10月は自粛していても、おそらく11月、12月には融資が戻る、と見ています。」

 「果たしてそうかな」と私は内心思いました。思い起こされるのは1990年台の不動産バブルを一気に破綻させた大蔵省の総量規制です。1990年3月、大蔵省は、行き過ぎた不動産価格の高騰を沈静化させるため、「不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑える」施策を採ったのでした。

 しかし、この政策は、
予想をはるかに超えた急激な景気後退の打撃(いわゆるバブル崩壊)を日本経済にもたらし、その後の「失われた20年」を日本に招来する要因の一つとなりました。もっとも、不動産バブルの崩壊は総量規制だけが原因ではないわけですが、そのきっかけの一つになったのは確かです。

 日本の金融機関は、お上に反抗するような風土ではなく、
自主規制を始めた以上は、それが業績を悪化させようが、そのまま歯を食いしばってしまう気がします。困るのは川上の銀行というより、川下の不動産業者、建築業者、仲介業者です。

 高値売却を目論んで不動産を所有したり、建築したりする行為は、その
大部分を短期融資で賄っています。これが思うように売れないと、現に自転車操業を行っている数多くの零細不動産業者は倒産するしかなく、そもそも銀行が融資をしてくれないと廃業するしかありません

 当時の総量規制も、
地価高騰へのハードランディングを意図したわけではないのに(当時もそういう評価ではありませんでした)、結果として日本経済に壊滅的なダメージを与えました。今回の「ソフトな自主規制」も、株価14連騰に湧く日本経済を崩壊に導く可能性がゼロとは言えないでしょう。

 現下の不動産バブルが、9月からの「融資の自主規制」により、裾野から徐々に綻びていくのか否か、注意深く見ていく必要がありそうです。

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| 市場動向 | 21:39 | comments(6) | trackbacks(0) |
都心不動産は相続税対策の商品に−不動産はもはや利回りでもなくなった

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★ 10月14日付のダイヤモンド・オンラインでは、『富裕層が不動産を買うと節税になる仕組みとは?』と題して、以下のような記事を掲載しています。後半部は著書の本の紹介が中心ですので、前半部のみご紹介します。

「プライベートバンクの顧客がすでに高齢の場合には、
資産を増やすことの優先順位は高くありません。それよりも喫緊の課題が相続税対策です。そして相続税対策に不動産保有が効果てきめんなことは、よく知られています。ご存じの方も多いでしょうが簡単に説明しましょう。

 日本の土地の価格は複雑で、1つの土地に「実勢価格」と「公示地価」、「相続税路線価」「固定資産税路線価」という4つの価格があります。実勢価格とは実際の市場で売買されている価格で、公示地価は国土交通省が毎年調査して発表する、土地取引や土地税制評価の基準となる価格。相続税路線価と固定資産税路線価は、それぞれの税金を決める基準となるものです。

 そして、相続税対策としての不動産保有でポイントになるのが、実勢価格と相続税路線価の違いです。


 路線価は多くの場合、実勢価格の70〜80%程度です。つまり1億円で購入した不動産でも、相続税・贈与税を計算する際には7000万円〜8000万円の資産と見なされ、税額は実際の資産価値よりも低くなるということ。タワーマンションを購入して節税をおこなう「タワマン節税」が数年前に話題になりましたが、これは実勢価格と相続税評価額の乖離による節税効果を狙ったものでした。

 また、
相続人がその住居に実際に住み、一定の条件を満たすことで相続税評価が8割も減額される「小規模宅地等の特例」や、マンションやアパート経営に活用することで減税される「貸家建付地の優遇措置」など、不動産にはさまざまな形で相続税評価額を減らせる仕組みがあります(2015年より贈与税・相続税の最高税率のアップがおこなわれ、また相続における基礎控除枠の減少で相続税の対象になる人も増えたため、このあたりの知識は富裕層以外の人にとっても重要です)。

 すでに使い切れない資産を持つ富裕層は、資産を「増やす」ことよりも「減らさない」ことに対するニーズが強いため、この税金対策の提案は富裕層にとって非常に刺さりやすいわけです。

 よって、富裕層がてっとり早く資産を圧縮して相続税を減らしたいのであれば、
不動産を買い漁ることが有効な手段です。その際には当然、売買手数料や仲介手数料が発生しますが、不動産を買うことで相続税が仮に数千万円、数億円抑えられたら十分ペイできるのです。そういったシミュレーションもプライベートバンクがおこないます。

 一般の人はそのような不動産の買い方はできませんから、これも一種の富裕層限定の資産運用法といえるでしょう。

 ちなみに、相続対策を目的とした不動産投資が多いといっても、日系のプライベートバンクだけでなく、外資系のUBSやクレディ・スイスでも不動産担保ローンを扱っており、不動産投資の支援をしています。株や債券などの金融商品を担保にして、借りたお金で不動産投資をするような柔軟な運用戦略も各社ごとに用意があります。また、プライベートバンカー自身が独自に不動産投資会社とネットワークを構築しているケースもあり、
個別でキックバックを受けとっているという噂もかつてよく耳にしました。」

 以上がダイヤモンド・オンラインの記事の概要です。本日、私が目にした大手不動産仲介会社のチラシは、
「不動産の投資物件を探しています」というものでした。1物件の金額水準は1億5千万円までで、複数戸を次々と購入するような勢いのチラシでした。利回りは表面で4%あればよい、とのことです。

 表面利回り4%というと、
ローンを組むとまずは足が出る水準となります。しかし、今回の依頼主はすべてキャッシュで購入する意向とのことです。マンションでは毎月の管理費・修繕積立金もかかりますし、賃料も下落していきますから、購入分を取り戻すには25年どころか30年超はかかる計算です。

 そうだとすると、これは
有り余るキャッシュを持ってしまった個人又は法人の節税対策ではないか、という気がします。個人の場合は上記のような解説なのでしょうし、法人については詳しくはわかりませんが、例えば社宅としての購入ならば経費として損金算入できるなど、さまざまな会計処理上のメリットがありそうです。

 マンションの売却を考えている方は、
このような誘いに乗ることも一つの方法でしょう。もちろん仲介会社の適正価格への査定は入るのでしょうが、相手が待ち構えているだけに売りやすく、厳しい指値も回避できる可能性が高いと思われます。もっともこのような広告は仲介会社の誘い水に過ぎず、実際にはそんな虫のいい話はなかった、ということもあり得ます。

 郊外の実需のマンションの売れ行きが鈍っているというのに、
都心の高額マンションがまだまだ好調なのは、こういった背景があるのでしょう。不動産はもはや、価格を追求する実需でも、利回りを追求する投資でもなくなり、評価額を減じるための相続税対策の商品となりつつあります。一般人からすればこの如何にも不合理な売れ方が日本経済を引っ張っているのだとすれば、好景気の実感がわかないのも「むべなるかな」という気がします。

 額に汗して労働し、長年かけて貯金してきたお金で、ささやかなマイホームを建てる−そんな
日本人の古き良き夢が懐かしく思い起こされる今日この頃です。

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| ノウハウ・経験談 | 22:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
5千万円物件が売れずに8千万円物件が売れる理由−不動産市場の不都合な真実

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★ ニッセイ基礎研究所が9月7日に発表した『不動産クォータリー・レビュー2017年第2四半期』では、現下のマンション市況に関する指標についても随所に言及しています。以下にその概要を記します。

「全国の住宅着工戸数は、貸家が全体の着工戸数を下支えし、
年率換算で100万戸の高い水準で推移しています。首都圏分譲マンション価格は上昇が続き、契約率は好不調の目安である70%を下回ることが多くなっています。首都圏マンションの契約戸数を価格別にみると、2014年以降、5千万円未満では契約戸数が大幅に減少し、8千万円以上で増加傾向が見られます。」

「主要都市の賃貸マンション賃料指数は、東京や札幌、福岡をはじめとして、
概ね上昇基調にあります。ただし、首都圏の居住用賃貸物件の成約数は、アットホームによると16ヶ月連続で減少しており、必ずしも需要は強くありません。貸家着工の増加から、首都圏の賃貸マンションの空室率は上昇傾向にあります。」

「2017年第2四半期の
東証REIT指数(配当除き)は、3月末比▲4.6%下落し1年4カ月ぶりに1,700を下回りました。Jリート投信(上場ETFを除く)からの換金売りが続き需給環境が悪化しており、年初からの東証REIT指数の下落率は8.7%に拡大しました。REIT市場が調整色を強めるなか、エクイティ資金の調達を伴う大型取引が手控えられており第2四半期の取得額は大きく鈍化しました。
 足もとのファンダメンタルズは依然として良好です。賃貸市況の回復と金融コストの低下によって、市場全体の分配金利回りは4.0%に上昇しNAV倍率は1.1倍まで低下したため、
バリュエーションの魅力度が高まっています。」

「2017年4−6月の不動産売買高は8,227億円(前年比+29%増)となり、3四半期連続で前年同期の水準を上回りました。利回りの低下や不動産価格の上昇を背景に、
東京周辺部や地方圏における取引比率が高まっています。今年に入ってからは、横浜みなとみらい地区や天王洲、品川シーサイド、大阪などでの高額取引が目立ちます。海外投資家の売買が急増していることも、2017年に入ってからの特徴です。
 取引額の増加は、不動産投資市場がピークにあるとされる比率が2/3に達し、
売り時と判断する投資家が増えていることを背景にしています。」

 以上が同レポートにおける抜粋です。住宅着工戸数の増加は、目下の建築業の市況にはプラスなのでしょうが、
「作り過ぎではないか」と心配する声が多いのが昨今の状況です。総務省の調査によれば、昨年1年間の世帯数の増加は409,599戸に過ぎません。これに対し、住宅は年間100万戸増えているわけですから、単純に考えれば60万戸は余剰と言えます。この傾向が継続するならば、不動産市場にどのような未来が待っているかは明らかです。

 ここ2、3年で、団塊ジュニア世代が40歳代に突入しました。団塊世代の第一次ベビーブーム、その子どもたちである団塊ジュニア世代の第二次ベビーブームに続く
第三次ベビーブームの波はついに現れませんでした。今後は人口増加の見込みが全く立たなくなったという意味で、深刻な事態です。

 ただ、団塊ジュニア世代が就職した平成一桁の時代はまだ「勝ち組」と言える時代で、その次に来る平成二桁時代に就職期を迎えた世代は「就職氷河期」にぶち当たり、企業が体力温存に走って非正規雇用を大幅に増やしました。新自由主義が蔓延した社会の風潮もこれを後押しし、
現在30代となった彼らの平均年収は従来より低いレベルにとどまっています。

 上記のレポートでは、「5千万円未満では契約戸数が大幅に減少」とありますが、これは
住宅第一次取得者層のヤングファミリーのマンション購入が大幅に減っていることを意味すると思われます。それは、専業主婦と子どもがいて郊外にマンションを求める従来型の家族の購買力が大きく低下していると言えるのではないでしょうか。いや、そもそも結婚できるだけの収入力のある男性が急減しているのではないかとも思われます。

 かたやマンション契約が「8千万円以上で増加」しているのは、
夫婦共働きの2馬力の家庭が力を増していることの現れといえます。夫婦それぞれが年収700万円を得ていれば、2人で年収1,400万円となり、8千万円超のマンションを購入することは十分可能です。「女性活躍」「働き方改革」という目標からすれば好ましい傾向、と言えるのかもしれません。

 しかし、そのような
順風満帆な家庭はごく少数で、少数の「勝者」と多数の「敗者」の格差が広がっているような気がしています。少数の勝者の需要によって賃料も押し上げられているのでしょうが、全体に及ぶほどの力強さはなく、投機的な投資は行われてもその裏には逃げを打つ不動産オーナーの大量売却があって、市況の先行指標といえるREIT指数は2015年の水準をも下回っています。

 東京の人口も、今から10年にも満たない2025年にはピークを迎え、その後は減少の一途をたどり、かつ、高齢化は他の都市を上回るハイペースで進行していきます。私たちはこれらの「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」の存在をわかっていながら、それに目をつむることに慣れきってしまったようです。
 
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| 市場動向 | 22:16 | comments(2) | trackbacks(0) |
PER検索でお宝物件見つからず−「あばたもえくぼ」が不動産投資の醍醐味

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★ 中古マンションに関するポータルサイトは数多くありますが、「オウチーノ」では収益力(PER)で販売中の中古マンションを検索できます。マンションにおけるPERとは、購入した物件を賃貸に出した場合、何年で購入価格を回収できるかを計算するものです。つまり、PERは、

  PER(収益力)=物件価格÷物件の年間想定家賃

であり、
これで割り出した値が低ければ収益力の高い物件と判断され、値が高くなれば収益力の低い物件と判断することになります。「オウチーノ」のポータルサイトは、PERの値で並び替えることができるのがユニークです。

 それでは、
東京23区の現在販売中の物件で、PERの低い物件を順に挙げてみることにします。以下の通りです(〇倍は、PERの倍率を表します)。

・ コンチネンタルハイツ志村坂上 4倍 「志村坂上」駅徒歩3分 1980年築
・ 朝日五反田マンション 5倍 「五反田」駅徒歩4分 1978年築
・ 阿佐谷凌雲閣マンション 5倍 「南阿佐ヶ谷」駅徒歩1分 1973年築
・ バイエルハイツ 5倍 「西新井」駅徒歩19分 1978年築
・ 東陽町ダイヤモンドパレス 「西大島」駅徒歩13分 1980年築


 例えば、「コンチネンタルハイツ志村坂上」では、29.07平米のワンルームが440万円、坪単価50万円です。想定賃料が7.8万円ですので、表面利回りが21.3%、実質利回りが13.9%となります。「朝日五反田マンション」では、46.34平米の2DKが1,200万円、坪単価86万円です。想定賃料が20.3万円ですので、表面利回りが20.3%、実質利回りが17.7%となります。ただし、いずれも旧法借地権マンションです。

 所有権マンションの中では、
「バイエルハイツ」が32.4平米の2DKで500万円、坪単価51万円です。想定賃料が7.4万円ですので、表面利回りが17.7%、実質利回りが15.7%なります。ただ、「バイエルハイツ」は最寄り駅から徒歩19分かかります。「南常盤台ハイム」であれば、「ときわ台」駅徒歩7分で、45.72平米の2DKが980万円、坪単価71万円であり、想定賃料12.5万円ですので、表面利回りが15.4%、実質利回りが13.5%、しかし築48年の1969年築となります。

 築年数の新しさで選べば、
「ソフィア西綾瀬コンサイスハウス」が築15年の2002年築、「五反野」駅徒歩4分、間取り4SLDK、専有面積110.16平米で2,630万円、坪単価79万円です。想定賃料21.0万円で票面利回りが9.6%、実質利回りが8.6%なのですが、実際の賃貸付けは苦労するかもしれません。

 ということで、私は
PERを検索していけば結構楽に「お宝物件」が見つかるのではないか、と思っていましたが、それこそ「帯に短したすきに流し」で、これといった物件に出会えませんでした。しかも、オウチーノのポータルサイトは想定賃料がやや甘い印象があり、実際にはもっと低い賃料しかとれないのではないかと思います。

 それでも「コンチネンタル志村坂上」や「朝日五反田マンション」などは、
現金買いできる人には旧法賃借権でも何ら問題ありませんし、「バイエルハイツ」はすぐ近くにドラッグストアがあり、自転車通勤に慣れている世帯には手頃な賃料の物件と言えます。同じように「南常盤台ハイツ」にしても「ソフィア西綾瀬コンサイスハウス」にもそれぞれ長所があります。

 要は、賃貸物件というのは、
どんな住戸でも「あばたもえくぼ」でそれをポジティブにとらえてくれる人が一人でもいればOKなのです。すべてに優れた八方美人のマンションであれば物件価格が高く、投資としては成り立たないわけで、あばた(=リスク)を同時に買っているからこそ不動産投資の醍醐味があると言えるでしょう。

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| 市場動向 | 20:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
儲かるタワマンに鉄則あり?−賭け続ける勇気と撤退する勇気

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★ 6日付HARBOR BUSINESS ONLINEは、栗林篤氏の記事『「儲かるタワマン・儲からないタワマン」の違いとは? NHK出演のタワマン空中族が語る』と題して、外資系企業に勤める平原さん(仮名)の実例を挙げつつ、わかりやすく解説しています。その概要は、次の通りです。

『自宅を転売して、タワーマンションからタワーマンションへ移り住む人達を指す造語が
「空中族」です。彼らは自宅売却で得た値上がり益を元手に、さらにグレードの高い物件を手に入れることで資産形成を行っています。空中族たちが織りなす短期スパンでの住み替え活動は、さながら新手の錬金術といったところで、まさに昨今の不動産バブルの象徴とも言えます。

 空中族の平原さんが今回新たに申し込んだタワマンが
「パークタワー晴海」です。三井不動産レジデンシャルが分譲する地上48階、総戸数1,076戸からなる大規模タワーマンションです。平原さんにとって、パークタワー晴海が4軒目のマイホームということになります。

 同マンションに申し込んだ理由を平原さんは「
大規模なタワーマンションであることが第一条件となります。なぜなら、その規模の大きさから決められた期間内に大量の戸数を捌く事情があるため、特に第一期の販売で価格設定に歪みが生じることが多いのです」と説明しています。

 「
再開発地域に建つので、現状より利便性が向上することが期待できました。それは現在の価格設定にはまだ織り込まれていない、プラス要因が存在するということを意味します。竣工後、それらが物件価格の上昇、あるいは維持に寄与してくれる可能性が高いのです」

 ほかにも、外溝部の
コンセプトデザインを手がけるのが、テーマパーク運営に定評のあるオリエンタルランドというのもパークタワー晴海の特徴です。人気テーマパークを彷彿とさせるコンセプト型の外溝は、同マンションの人気、ひいては資産価値を高める要素のひとつとなり得ます。
 
 平原さんに
タワマン選びの4か条を教えてもらいました。

・大規模タワーマンションの第一期に購入すべし
 供給量も多く、評判が確立される前の第一期こそが最大のチャンスです。

・情報の歪みを見つけ、積極的にリスクテイクすべし
 再開発前で不便である、土地が所有できない定期借地権付マンションである、同時期に多くの物件が供給されるなど、これらは一見デメリットですが、将来においてリスクを軽減することが可能なので検討の価値があります。

・ファーストクラスではなく、ディスカウントされたエコノミーシートを狙うべし
 誰もがほしがる南向き角部屋や、オーシャンビューは最初からプレミア価格が設定されています。むしろ北向きや、低層階などの部屋を狙ったほうが、将来、価格上昇の伸びしろが残されており出口でキャピタルゲインが期待できます。

・最悪自分で住み続ける覚悟を持つべし
 景気が悪くなれば希望価格で売却できないこともあります。仮に思惑と違う結果になっても、その時は自己使用して後悔しない物件を選んでおけばQOL(Quality of Life)は下がりません。』

 以上がHARBOR BUSINESS ONLINEの記事の概要です。
「タワマン空中族」という言葉は初めて知りました。確かに理屈ではその通りであるところ、なかなか実践には勇気が出ないものなのですが、実際やってらっしゃる方がおられるということで、うらやましい限りです。

 タワマン選びの4か条については、つまり、果敢に賭けに打ってでよ、ということなのだと思います。誰もがうらやむ立地、評価が確立しているタワマン、素晴らしい眺望の高層階、であれば、もちろん価格は高いのです。これらの逆を行く条件でありながら、しかし将来の希望もある、という物件を攻めるのです。

 しかし、
街の将来性を期待されながらなかなかテイクオフできないエリアもたくさんあります。私たちは成功例だけに目を奪われますが、そうなっていない地域を挙げよ、と言われれば、いろいろ思い当たる場所はあるはずです。

 賭けに出る回数が多ければ多いほど、チャンスもリスクも高くなります。不動産は、研究を重ねることで、カジノや株よりは勝つ確率は高いと言えそうですが、ローンというレバレッジが大きいだけに、負けた時の損失は一生背負うものになりかねません。また、おそらく掛け金は、勝てば勝つほど大きくなっていくものと思われ、カジノと同じく、どこかでやめないと最後はLOSERとなる可能性大です。

 やはり
最も重要なのは、4か条の最後の条件「自己使用して後悔しない物件」ということでしょう。また、「掛け続ける勇気」とともに「どこかで賭けをやめる勇気」も必要かと思われます。所詮投資はゼロサムであり、プロでも判断を誤る不動産投資に、私達一般人が人生を賭ける必要はどこにもないからです。

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| ノウハウ・経験談 | 19:59 | comments(2) | trackbacks(0) |
都心一等地で利回り10%を実現!−不動産投資における素人の強み

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★ 私の知り合いで、こつこつと不動産投資を行っているAさんがいます。区分マンション投資なのですが、スカイコートなど大手の投資用区分マンションを購入するのではなく、ネットでよさそうなものを見つけて、手をかけてモノにしていくやり方です。

 昨年、Aさんは、ネットサーフィンをしていたところ、「ありえない」と思える価格の安い都心マンションを見つけました。そこは、
新築マンションで購入すれば、現在では坪1千万円でもおかしくない羨望の立地なのですが、そのマンションの価格はなんと坪単価120万円を切っていたのです。

 もちろん、築年数は古く、
昭和40年代に建てられたマンションでした。普通は新耐震がどうかを気にするAさんでしたが、この価格水準であれば度外視です。早速、仲介している会社の担当Bさんに電話しました。

 しかし、Bさんのノリが今一つ悪く、まるで
現地の案内をためらっているような雰囲気さえありました。不思議に思いながら現地を見に行くと、予想以上に古ぼけた外観にまず驚きました。部屋の中は、段ボール箱が山積みになって、とてもまともに生活していた雰囲気ではありません。

「実は任意売却物件でして、競売がもう来月に迫っています。」
「ああ、それでこんな状態なんですね」
「で、一番申し上げにくいのが、このマンション、管理組合がないんです」
「えっ!?」
「だから、修繕積立金はゼロなんです。もう古くて外壁も見ての通りですから、先行きは保証できません」

 Bさんによれば、問い合わせは多いものの、この話をした途端に個人客はみな敬遠してしまうそうで、Aさんもきっとそうなるだろうと思い、Bさんは案内に乗り気ではなかったのでした。競売標準価格はもっと安く、坪単価75万円程度のため、債権者である金融機関は少しでも高く売ろうと、任意売却を選択したのでした。

「じゃあ、この建物は、建てられてから半世紀近く、まったく修繕していないということですか」
「いや、そういうわけじゃなくて、10数年前に外壁と屋上防水をやり直しています。本マンションには元売り主のご子息Cさんが住んでおられ、Cさんが各戸に呼び掛けてお金を集めたようです」
「あっ、じゃあ全く管理されていないわけではないんですね」
「ええ、Cさんが毎月数千円集めて、建物全体の清掃とかやっておられるようです」

 Aさんは仲介業者Bさんと別れた後、思い切ってCさんの部屋の扉を叩きました。そして、Cさんが誠実かつまじめな人で、マンション各戸のオーナーともしっかり連絡を取り合っていることが確認できました。さらに、家に帰って土地価格を調べたところ、対象住戸の土地の持分の路線価がなんと今回の売値を上回っていることがわかりました。

「これはひょっとしていけるかも」

 数日悩んだ末、Aさんは、Bさんに電話を入れました。

「え、買われますか」
「はい」
「いくらで札を入れますか。実はプロの業者が複数、指値を入れようとしてますので、競争になりますよ」
「・・・満額で買います」
「それで本当にいいんですね?それならAさんにお売りします」

 その後、Aさんは金融機関に話を持ち込んだのですが、いつ取り壊されるかもわからない築古物件への投資のため融資に強い難色を示されました。しかし、最後は土地値で融資全額を担保できる点が決め手になって、何とか資金を確保し、競売寸前で融資が実行されました。リノベーション費用も融資金額に含めてもらい、業者を選択の上スケルトンからのフルリノベーションを実施、あまりの古さにリノベーション業者も悪戦苦闘しながら4か月かけて完成、これを賃貸に出したところ即座に借り手が見つかり、維持管理費が毎月数千円と安いため、都心の一等地で実質利回り約10%で運用が実現しています。

「ほう。まさにしてやったり、ですね」

 Aさんが依頼した賃貸管理会社の代表からは感心したようにこう言われたそうです。もちろん賃借人が付くまでに約半年を要し、その間の労力と悩みは並大抵ではなかったようですが、「いい経験をさせてもらった」とAさんは思っているようです。

 これは、
Aさんが素人だから、相手の言い値で購入し、手間とコストをかけてしまったのですが、逆にそのような素人でなければ、この物件を購入できませんでしたし、上記のような成功はなかったでしょう。もちろん、これが将来も「成功」と言えるかどうかわかりませんが、Aさんが引き続きこつこつと運営していけば、そんなに心配はいらない気がします。

 私たち
一般個人の不動産購入者は、業界で「エンド」と言われます。業者にとってみれば、最後にすべてのコストを背負って多額のお金を払ってくれる存在です。ただ、「エンド」は「エンド」なりの強みがあり、それは、じっと辛抱強く、不動産を愛着を持って持ち続けられる、ということです。これが実は、結果的に富を最大にする王道ではないかと感じています。

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| ノウハウ・経験談 | 20:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
投資用不動産が全種別で価格下落−上昇はピークを過ぎ、下落トレンドへ

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★ 12月5日付時事通信によれば、投資用不動産の全物件種別で価格が下落しました。中でも一棟アパート、マンションの価格は前月と比較して10%以上下落しています。前月には全物件種別で利回りが上昇していたことも合わせて、投資用不動産価格の上昇トレンドはピークを過ぎ、下落トレンドに転じたことが伺えます。

 新規掲載された一棟アパートについては、表面利回りが前月比で0.20ポイント上昇、問合せ物件の表面利回りも0.07ポイント上昇しました。物件価格は前月比で761万円下落、問合せ物件の物件価格は18万円上昇しました。

 新規掲載された一棟マンションについては、表面利回りが前月比で0.18ポイント上昇、問合せ物件の表面利回りは0.03ポイント下落しました。物件価格は前月比で2,872万円下落、問合せ物件の物件価格も742万円下落しました。

 新規掲載された区分マンションについては、表面利回りが前月比で0.36ポイント下落、問合せ物件の表面利回りも0.27ポイント下落しました。物件価格は前月比で25万円下落、問合せ物件の物件価格は137万円上昇しました。

 以上が時事通信の記事の概要です。本記事は、不動産投資サイト「楽待」を運営するファーストロジックの12月5日付プレスリリース『2016年11月期投資用不動産の市場動向』によっていますので、以下その内容をみていくこととします。

 まず、一棟アパートについては、11月の新規掲載物件の
平均築年数が前月より5年1か月新しくなったにもかかわらず、価格は761万円の下落となり、これは、前月価格6,828万円から11.1%も下落しました。5年1か月も築年数が新しくなった理由は、新築物件の掲載が増えたからだということです。

 しかし、通常、新築物件の利回りは中古に比べて低くなるのが通常なのですが、新規掲載物件全体の表面利回りはむしろ0.2ポイント上昇しています。
今月価格6,067万円は、2014年4月以来2年半ぶりの低い水準で、表面利回り9.58%は、2015年9月以来の高い率になっています。

 次に、
一棟マンションについては、価格は2,872万円の下落となり、これは、前月価格23,867万円から12.0%も下落しました。新規掲載物件全体の表面利回りは0.18ポイント上昇しています。

 ただ、前月価格23,867万円は、ここ5年間で最も高い価格に跳ね上がっているだけに、その
反動がきているとも解釈できます。それでも下がり方は急で、2016年8月以来3か月ぶりの低い水準となりました。表面利回り7.61%は2か月連続の上昇で、本年では2016年8月、同年6月に次ぐ高い利回りとなっています。

 第三に、区分マンションについては、
価格は25万円下落し、これで3か月連続の下落で1,447万円となり、本年3月以来の低さとなりました。一方、表面利回りは0.36ポイント下落し、今年は3月、9月に続く低い率です。区分マンションの市況はまだら模様といったところでしょうか。

 投資用不動産に関する本件レポートについては、私も毎月見ていますが、
一棟アパート、一棟マンション、区分マンションの3種類とも価格が下落したのは久しぶりです。また、一棟アパートの新規掲載価格(6,067万円)と問い合わせ価格(6,030万円)がこれだけ近接したのは過去5年間の中で初めてのことです。マクロで価格だけ見れば、一棟アパート購入希望者はほぼ要望通りの価格で物件を購入することができることになります。

 投資用不動産の価格、利回りは、実需の不動産より市場トレンドに敏感で、また、
実需の不動産市場の動きを先取りしている傾向にあります。言わば実需不動産の未来図と言えるわけで、高値が続いてきた分譲マンション市場も、ようやく曲がり角にきたとも考えられます。

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| 市場動向 | 19:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
客をはめるのが不動産仲介業−木曜日の電話
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 「どうされますか。こんなお得な物件、二度と出ないと思いますよ」
「…」

緊張の一瞬です。仲介会社の営業マンの若いAさんも張り詰めた声で電話で問いかけてきます。物件としての良さは理解しているものの、「持ち金を出して買う」のが不動産投資です。最後の決断で手が震え、声が震えないはずがありません。

「…じゃあ、買います…」
「えっ、本当にいいんですか?いいんですね?」

なんと、Aさんの方がびびって(?)、「ファイナルアンサー」に対して聞き直しをしてきました。私は思わず笑って言いました。

「Aさんは、この物件を売りたいんですか?売りたくないんですか?」

緊張の糸がほぐれました。小さな物件ではありましたが、改めていろいろ考えた末、私はやはりこの物件を流してしまいました。もしAさんが即座に、「わかりました。良い決断をされました」とぐさりと言ってのけ、「それでは×××…」と事務的に事を進めていたら、私はその後翻意しようにもできなかったことでしょう。

 以前、新築戸建てや投資用物件でHPで様々に問い合わせをしたこともあり、
木曜日になると、私の携帯にいくつかの仲介業者さんから電話がかかってきます。

「実は、○○さん(私)のためにご紹介したい良い物件が出てきまして。どうです、土日にお時間をいただけませんか」

 聞いてみると、まるっきり私の興味から外れた物件であることが大半で、そう告げると、決まって「それでは○○さんのご希望の案件ってどういうものでしょう?具体的にお聞かせ願えませんか」と言われます。要は「ご紹介したい良い物件」は大概の場合どうでもよくて、これをダシにして何とか売れる物件を見つけたい、ということに過ぎません(しかし、電話で答えた希望案件の内容が次回の紹介で活かされたことはほとんどありません)。

 この種の電話で着信音が鳴っているときに電話に出られなくて、後からコールバックをしてみると、「○○さんのために」と言っている割には、
「えっと…何でしたっけ」みたいな返事が返ってくることもしばしばです。要は「○○さんのために」なるかどうかはどうでもよくて、不特定多数にばらまく「撒き餌」に対して食いついてくる客を見つけたい、ということに過ぎません。

 木曜日に携帯が鳴るたびに、私は電話をかけている営業の現場を想像してしまいます。バックにいる上司が
「おらおら、お前らまだ客とのアポもとれねえのか」と怒鳴り散らす中、若手営業マンが一斉に電話にむしゃぶりつき、適当な物件を紹介しながら何とか現場に誘い出す糸口を見出そうとがんばる(あるいはがんばるふりをする)風景です。

 その中には、たまに私が興味を持つ物件が出てくるのですが、私が
「じゃあ、見に行きますか」と言うと、電話口で「え、マジすか」と言われたことがあります。電話をする営業マンは、実はほとんど誘いに乗ってくることを期待せずに電話をかけているのかもしれません。

 いざ現場に誘い出すことに成功すると、営業マンがとるべき次のステップは、
,箸砲く現場から本社まで客を連れてくること、または△修両譴杷禀嫋斂製颪鮟颪せること、のいずれかです。現場が遠方で離れているときは△諒法がとられ、比較的現場から近いときは,諒法がとられる傾向にあります。,任蓮本社に着くと必ず上司が出てきて「こんこんと」購入の説得をされ、結局買付証明書を出すか出さないか、の判断に迫られます。

 以前、私が若い営業マンBさんと同じ日に2物件を見て、後に見た方の物件をなかなか気に入り(Bさんは前者オシで、後者は予備用でした)、言われるがままに買付証明書を書いたところ、Bさんはほっとしたように言いました。


「いやあ、○○さん(私)の本日のお時間が無駄にならなくて本当によかったです!」

もちろん、Bさんの本心は、「いやあ、おれの今日の時間が無駄にならなくてホントよかったよ。マジ勘弁www」ということなのです。

 営業の間ではよく、
「この客にはこの物件をはめて」みたいな言い方がされていて、客の前でもうっかり「はめる」という言葉を口走ったりしますが、要は客とは彼らにとって「はめる対象」なのであって、別に客のことを思って物件を勧めているわけではありません。
 
 しかし、そんな寒々とした営業方法に嫌気がさして辞めていく若者も多いようで、ふと気か付くと、私のメールアドレスを他の営業が使いまわしたりしているので、聞くと
「Cは先月辞めました」と告げられたことも何回かあります。

 冒頭の会話で「えっ、本当にいいんですか?」と聞き直してくれた
Aさんは、人間としてはいい人なのですが、電話の直後に「またかよ!お前はいつもはめ方が甘いんだよ!」と上司からどやされたのではないかと心配です。この荒っぽい業界を生き抜くのは容易ではないな、と実感した出来事でした。

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| ノウハウ・経験談 | 18:41 | comments(2) | trackbacks(0) |
大人気の『パークリュクス白金高輪』は投資対象として適格性があるのか
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★ 最近、港区新築マンションで久々に盛り上がったのが『パークリュクス白金高輪』です。売主が三井不動産レジデンシャルという最大手一流デベロッパーで、「パークリュクス」シリーズ最大規模、港区アドレスで「白金高輪」駅徒歩5分という、どこをとっても条件として非の打ちどころがありません

 しかも、専有面積23平米台ではありますが、2,800万円台からこのマンションが購入できました。三井不動産レジデンシャルとお付き合いのある土地所有者が相対取引で売買したこともあり、土地値が抑えられたことが背景にあります。平均坪単価は442万円台と最近の相場からは格安ととらえられ、購入申込みが多数に及び、総戸数161戸(事業協力者住戸を含む)もありながら第1期で10戸を残して売りに出し、先着順住戸を2戸残して全て成約と、完璧に近い第1期販売を成し遂げました。

 一方、「パークリュクス」シリーズですので、かなりの住戸が投資用を意識して作られ、販売されています。
果たして本マンションが投資用として成り立つのかどうか、具体的に検証してみることにしました。前提として、賃貸付けには全く困らない場所でしょうから、計算を単純化するために空室率は0%(あり得ませんが)としてみます。

 本マンションの中で最も表面利回りが高いのは2階住戸の1K、
専有面積25.50平米に対し販売価格3,048万円(坪単価395万円)で、想定月額賃料が125,000円ですので表面利回り4.92%です。ここから毎月の管理費+修繕積立金15,960円を引き(実質利回り4.29%)、さらに賃貸管理手数料(安いところもありますが、標準的には賃料の5%+消費税)月額6,750円を引くと、毎月の手残りが102,290円となります。

 ここで投資用ローンをフルで借りたとします。仮に
金利1.775%、融資期間30年で全額融資を受けた場合には、毎月の返済額は109,261円となり、月6,971円の赤字となります。これに毎年の固定資産税・都市計画税が10万円ほどかかるとすれば、毎年約18.4万円、月にして約1.5万円の持ち出しをしなければなりません。

 もちろん当初に自己資金を入れれば赤字は解消します。例えばセオリーとして、
物件価格の30%を自己資金とすると、ローンの毎月支払額は76,497円となり、毎月25,793円のプラス、固定資産税・都市計画税を徴収された後の手残りは年額約21万円となります。しかし、当初の自己資金は914万円入れていますので、この自己資金を回収するだけで43年超かかります。

 もっとも、想定家賃125,000円は固めの数字で、ノーブランドの賃貸マンションを含めての相場ですから、
実際にはこれより1〜2万円家賃が高いことも十分期待され、その場合にはフルローンでも何とか赤字にならなくても済むかもしれません。ただ、家賃は通常年に1%ずつ落ちていくともされており、これはブランドマンションでも抗えませんので、いつかは赤字転落とならざるを得ないことでしょう。

 さて、毎月の家賃収入(インカムゲイン)に期待ができないとすれば、
最終的な売却収入(キャピタルゲイン)が当てにされていると考えられます。つまり、毎月のローン返済のほとんどを家賃収入で賄っていけば、それだけ残債が減っていき、売却した時の手残りが期待できる、ということです。

 例えばフルローンを組んだ場合の残債の年数変化は、5年後2,646万円、10年後2,206万円、15年後1,726万円、20年後1,201万円、25年後627万円、30年後ゼロとなります。東京カンテイによれば、
平均築年数19.5年の「白金高輪」駅最寄りの中古マンションの売り希望価格の平均坪単価は345万円となっています。

 これはファミリータイプの価格水準であり、投資用物件は需要が限定されるためにこれより価格が落ちるとされていますが、一方では三井不動産レジデンシャル物件のブランド力があるため、プラマイゼロでイーブンとしてよいでしょう。また、これはあくまで売主の希望価格ですから、実際の
成約価格はここより6%落ちると仮定し、坪単価324万円と考えます。

 この場合の対象物件の売却価格は2,499万円で、残債は上記の通り1,201万円ですから、ローン残債全額を支払った後、1,298万円が手元に残ります。ただ、対象物件の購入初期費用が約150万円、毎年の赤字分が20年で約450万円、売却費用が売却価格の4%として約100万円、これらを控除した残りから長期譲渡所得の税額2割(約120万円)を引いて、ようやく
キャピタルゲイン478万円を手にすることができます(正確には毎年赤字分は各年の確定申告で処理し、減価償却計算もあるのですが、煩瑣ですのでここでは単純化しています)。

 上記のシミュレーションは、20年もの間、空室率0%、賃料が100%維持され、変動金利も今の低金利のままで、内装に全く手をかけず、管理費・修繕積立金の改定もなく、ごく順調に賃貸業が営まれ、現在の好調な相場が維持された場合に達成できるものです。つまり、
本マンションの中で最も好条件の住戸でも、20年もの間、毎月赤字を出し続けながら苦労して、ひやひやしながらも結果的に順調にいって手に入れられる額が478万円(1月当たり約2.0万円)であることを、レバレッジを効かせる不動産投資としてどう考えるか、ということです。もちろん、不動産価格が今より高騰していくことも可能性としては十分あり、その際にはキャピタルゲインが数千万円に及ぶことも考えられます。

 一方、東京カンテイによれば、
2年前の「白金高輪」駅最寄りの中古マンションの売り希望価格の平均坪単価は288万円でしたので、この水準に戻るだけでキャピタルゲインは150万円に減り、将来さらに1割下落して平均坪単価が260万円となればキャピタルゲインは逆に16万円の赤字となってしまいます。

 もちろん、そんなことを恐れていては投資はできない、そんなに落ちるはずもない、と判断することもできます。いずれにせよ、最も立地が良く、かつ、価格もリーズナブルと思われる
『パークリュクス白金高輪』でさえ、投資対象として適格性があるかどうか頭を悩まさなければならないのが、不動産市場の現状であるということでしょう。

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| ノウハウ・経験談 | 21:31 | comments(4) | trackbacks(0) |
エクセレント蒲田(中古)−安定した収益が期待できる利便性○物件
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★ 京急本線「梅屋敷」駅より徒歩5分、同線「京急蒲田」駅より徒歩10分の場所に立地する1989年12月築・地上5階建・総戸数35戸の『エクセレント蒲田』です。

 アドレスは大田区東蒲田1丁目です。東蒲田は、大田区の南東部に位置し、北部は大森中に、東部は北糀谷に、南部は呑川を境に南蒲田・西糀谷に、西部は第一京浜を境に蒲田に接しています。主に住宅地として利用されています。

 「梅屋敷」駅から本マンションまでは徒歩5分です。同駅東側を出て、駅前交差点を通過、すき家とファミリーマートのある三叉路を南下していった場所に立地します。「京急蒲田」駅からは徒歩10分で、同駅を出て第一京浜を北東方向に歩き、大田区総合体育館の角を右折してしばらく歩いた右手に所在します。

 面積643.55平米の敷地は北側接道で、上記の大田区総合体育館は弓道場や大小合わせて4つの体育館があります。このほか、ツルハドラッグや東蒲小学校、大森東四郵便局、地域の交流の場である大森西図書館が近隣に所在するなど、利便性に優れています。

 清潔感のある明るい佇まいのホワイトタイル貼りの外観で、
エレベーター、防犯カメラ、24時間セキュリティ、耐震構造、24時間ゴミ出し可と充実しています。管理形態は全部委託の巡回方式となっています。きれいに保たれた敷地内からも管理の良さが感じられます。
 
 間取りはワンルーム〜1K、専有面積は14.30平米〜17.10平米でシングル向けです。西向きをメインとした各住戸のバルコニーは、クリアパネル仕様となっていて自然の光と風が感じられる空間を実現しています。1階にはコインランドリーが設置されています。

 各住戸の玄関には下足入れが設けられ、収納スペースもあり限られた居住空間を効率よく使えるように工夫が見られます。浴室は
3点ユニットバスタイプでコンパクトにまとめられていて、キッチンも家事動線に配慮して配置されています。室内は柱の出にくい構造で、すっきりとした住空間を演出しています。

 対象住戸は地上5階建て建物の4階に所在する専有面積16.2平米の1K、バルコニーは西向きとなります。玄関を入ると右手にキッチン、左手に3点ユニットバスがあり、廊下を直進すると洋室となる典型的な1Kタイプ、間口の広さが比較的広いのが利点です。なお、洗濯機置場を後付けしたのは良いのですが、冷蔵庫置場が見当たらないのが気になります。また、バルコニーからの眺望は、目の前の建物で遮られており、これもあって採光を確保するため、上記のクリアパネル仕様となっているのでしょう。
 
 販売価格は850万円、坪単価173万円です。各ポータルサイトで対象住戸の自動査定を行うと、『マンションナビ』では699万円〜800万円、『イエシル』では686万円、『マンションマーケット』では729万円〜800万円、『ふじたろう』では606万円、『HOME'S不動産アーカイブ』では729万円〜913万円でした(面積等を対象住戸に合わせて補正しています)。

 これらの自動査定の
平均は726万円、坪単価148万円となり、販売価格は17%割高との試算結果です。なお、本物件は集金代行契約条件付きのオーナーチェンジ物件ですが、現在月額5.8万円で賃貸中であり、表面利回り8.18%、実質利回り6.6%です。

 もし
利率3.0%、融資期間25年でフルローンを組んだ場合、毎月返済40,307円、管理費+修繕積立金が月額11,470円ですので、手残りが6,223円となります。この手残り額を多いとみるか、少ないとみるかは、各々の投資スタンスによることとなるでしょう。

 築後27年物件としてはもう少し利回りが欲しいところですが、物件の
利便性は良く、安定した不動産投資が期待できそうです。

 種別:中古マンション
 名称:エクセレント蒲田
 価格:850万円 (税込)
 所在:大田区東蒲田1丁目
 交通:「梅屋敷」駅徒歩5分
 面積:専有面積16.2平米

詳細はこちら(ノムコムより)
エクセレント蒲田

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| 中古マンション 大田区 | 20:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
天気晴朗デナクナレドモ波高シトモイヘズ−投資市況で分譲マンション市況を占う
JUGEMテーマ:マンション

★ 5月8日付不動産投資ニュースによれば、不動産投資情報サイト健美家(けんびや)は5月2日、2016年4月分の「投資用不動産マーケットトレンド」を発表しました。健美家に新規登録された全国の投資用不動産(区分マンション、一棟アパート、一棟マンション)のデータを集計し、最新の市場傾向として取りまとめたレポートです。

 レポートによると4月の
区分マンションの価格は、対前月比1.58%(22万円)上昇の1,413万円で、ほぼ横ばいです。表面利回りは、0.11ポイント減の7.73%で、過去1年間で2番目の低水準となりました。

 一棟アパートの価格は、対前月比2.19%(132万円)下落の5,892万円です。一方で表面利回りは、前月比0.03ポイント増の9.22%と、微増ながらも上昇に転じました。
 
 一棟マンションの価格は、対前月比1.30%(189万円)減の1億4,367万円です。3か月連続で低下しており、過去1年で最安値となっています。表面利回りは対前月比0.04ポイント増の8.31%で、わずかながらではあるものの上昇となりました。

 以上が不動産投資ニュースの記事の概要です。投資用不動産の記事ではありますが、
一般に居住用不動産よりも敏感に市況に反応する傾向があるので、今後の分譲マンションの行方を占う意味でも参考になるかと思います。

 なお、この記事は不動産投資ポータルサイトで知られる株式会社健美家のプレスリリース『投資用不動産マーケットトレンド2016/05』によっていますので、以下その内容をみていくこととします。

 まず、
4月の新規登録件数は、区分マンション、売りアパート、売りマンションとも増加しています。特に区分マンションの増え方が顕著で、3月前の1月の新規登録件数から26.4%も増加しています(この間の売りアパートの登録件数は13.6%増、売りマンションの登録件数は6.4%の増)。区分マンションの投資家は「今を売り時」とみて、こぞって所有物件を売り始めたようです。

 一方、
区分マンションの価格は上がっています。1月の販売価格は1,362万円、4月が1,413万円と3.7%価格が上昇しています。これに対し売りアパートの価格は、1月の5,858万円から4月の5,892万円へ0.6%の上昇、売りマンションの価格は1月の15,517万円から14,367万円へと7.4%下落しています。

 表面利回りを見ていくと、区分マンションは1月の8.00%から4月の7.73%へ下落し、過去1年間で2番目に低い率となりました。また、売りアパートは1月の9.32%から9.22%へと下落、売りマンションは8.27%から8.31%へとほぼ横ばいです。

 このように、
投資用不動産の市況に劇的な変化があるわけではないものの、特に区分マンションの所有者が高値を欲して売りに出す事例が増加しています。区分マンションの買主にとっては、購入の選択肢が増えるのはうれしいものの、価格はより高くなり、利回りはより縮小しているわけですから、あまり嬉しい状態ではありません。

 見方を変えれば、区分マンションの所有者が、
先高観が細っている様子が見て取れます。しかし、先行きを悲観して売り急いでいるほどでもないので、高値維持のまま販売戸数が増加し続けている状況です。

 買主にとって
お買い得は、現在むしろ1棟マンションの方ですので、1億以上の資金力のある方は1棟マンションを購入した方がキャッシュフローは優れています。また、最も利回りが高いのは売りアパートの方ですので、キャッシュフロー重視の方は手ごろなアパート投資を考えるのもいいでしょう。

 「買いやすく、売りやすく、管理しやすい」区分マンションは最も人気が高いのですが、これは居住用不動産においても、手間のかかる一戸建てより分譲マンションが最近好まれる傾向と軌を一にしているかもしれません。いずれにせよ、本件プレスリリースのような投資用不動産の動向をみると、分譲マンションの今後の価格動向も、「先行きを注意してみるべきだが、たちまちに価格下落が顕在化していくわけではない」とまとめることができるでしょう。

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| 市場動向 | 23:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
新築マンション市況じわじわ回復?−新価格に慣れ相対的な割安物件に注目
JUGEMテーマ:マンション

★ 3月16日付ロイターによれば、民間の不動産経済研究所が同日発表したマンション市場動向によると、2月の首都圏マンション発売戸数は前年比13.9%減の2,237戸となりました。3カ月連続で減少しました。

 首都圏のマンション
契約率は72.9%と、好不調の分かれ目とされる70%を3カ月ぶりに上回りました。

 1戸当たりの価格は前年比1.4%上昇し、5,773万円でした。マンション販売在庫数は前月末比221戸減少し、6,119戸となりました。

 一方、
3月の発売戸数については4,500戸と見込んでいます。

 以上がロイターの記事の概要です。本記事は、不動産経済研究所の『首都圏のマンション市場動向−2016年2月度−』を基にしていますので、以下その内容を見ていくことにします。

 まず、2月の発売戸数は2,237戸です。
2月としては1991年以来25年ぶりの低水準ということです。ただし、2月はもともとマンション販売の少ない月であり、2014年が2,651戸、2015年が2,598戸ですから、昨年比の落ち込みは多少大きいものの、意外な数値ではないかもしれません。本年1月の発売戸数1,494戸よりは多くなっているので、3月にどれくらい伸びるかがポイントです。

 契約率は1月が58.6%と散々な結果でしたが、
2月は72.9%と持ち直してきました。2月に盛り上がったのは『ルジェンテ千代田神保町』で、46戸中43戸を即日完売、「神保町」駅徒歩3分という都心立地にもかかわらず、平均坪単価376万円台と、同じ町内で2014年販売の『シティインデックス千代田神保町』(「神保町」駅徒歩2分、平均坪単価367万円台)とそれほど変わらない価格水準が魅力でした。間取りは投資用にも使える全戸1LDKで、過熱する最近の不動産投資の流れにも乗った形です。また、高額物件では、『BLUE HARBOR TOWER みなとみらい』第3期販売22戸が順調に完売しています。

 1戸あたり価格は昨年12月を底に2か月連続の上昇となり、
中長期トレンドとしても価格上昇の波が2015年1月を底に続いています。今月は23区と千葉県は単価が下がったのですが、都下・神奈川県・埼玉県で大幅アップとなったのが影響しています(注:コメント欄の通りすがりさんのコメントにある通り、都下の単価大幅アップは『シティタワー国分寺』の70戸即日完売の影響が大きいと考えられます。通りすがりさん、どうもありがとうございます)。

 新規発売を抑えた効果なのか、2月も前月に引き続き在庫数が減少しました。現在在庫数は6,119戸で、前年同月からはまだ約1千戸多い状態です。2月のタワー物件の発売数は前年同月からは減少したものの、契約率は80.7%と、前月の契約率32.0%から大幅に回復しました。

 私は先日、久々にモデルルームを訪問してみました。行先は
『パークリュクス白金高輪』のモデルルームで、「白金高輪」駅徒歩5分で平均坪単価450万円程度、特に低層階では坪単価300万円台後半の住戸もあり、「買いを誘う価格帯」でした。モデルルームは大変盛況のようで、3月中は予約で一杯とのことでした。

 一時期心配されたマンション市況ですが、株価も落ち着きを取り戻し、根強い中古マンション人気に支えられる形で、
高騰した新価格帯の中で相対的にリーズナブルな物件に注目が集まりつつあります。ある意味、この価格水準に購入検討者の目が慣らされた結果ともいえます。

 消費税率の10%アップ凍結がマスコミ報道では取り沙汰されています。税率アップは駆け込み需要を生みやすいという意味で短期的にはプラスなのですが、来年の税率アップ後の市況を考えれば、
消費税率据え置きの方が購入検討者にとってもマンション業界にとっても好ましいとも言えます。

 マイナス金利の導入が即、新築マンション購入に結びついている状態ではないものの、これも「じわじわ」くることでしょう。総じて言えば、2月は市況の一時的な落ち込みを乗り越えて明るさが見えた結果ととらえることもできそうです。

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| 市場動向 | 20:29 | comments(2) | trackbacks(0) |
その物件はあるの?ないの?−仲介業者の撒き餌商法
JUGEMテーマ:マンション

★ 業者「○○さん(私)はどんな物件を探していらっしゃるんですか」
私「お得な物件です」
業者「は?」

 そんな会話をして業者さんから「ではまた今度」と電話を切られる私ですが、たまにメールで
「お得な物件」情報が流れてくることがあります。悲しい性で、「お得情報」だと物件がどんなものでもパクリと食いつこうとするのが私です。でもこの「お得な物件」、いまだによくわからないことがあります。

 1件目は昨夏、
目黒区内、東急東横線人気駅徒歩10分内の20平米中古ワンルームマンションで価格が500万円台、利回りは12%という物件がメールで送られてきたときのことです。これが足立区、葛飾区の便の劣る駅最寄りなら確かに存在するのですが、何せ目黒区東横線駅近物件です。速攻で資料請求しました。

 その後、業者Aさんとやり取りし、仲介をお願いする場合に不可避な
個人情報をAさんに提供しました。しかし、送られてきた販売図面があまりに簡易なものだったので、「変だな」と首をかしげた翌日に、物件が不動産投資用ポータルサイトからぷつっと消えてしまいました。

 「あっ、売れちゃったか!」

 私はあわててAさんに電話すると、
「いや、まだありますよ。ローン組むなら進めましょう」との返事です。言われるままに融資に必要な個人情報を提供しましたが、不安にかられて他の業者Bさんに物件がレインズに載っているかどうか確認してもらいました。

 「変ですねえ。そんな物件レインズにはありませんよ。大丈夫ですか?」

 Aさんに問い合わせると、「売主さんの都合でレインズに載せないこともあるんです。」との答でした。怪しんで一人で現地に行ってみると、確かに空き家となった当該物件は存在していました。古いながらも気に入って、浮き浮きしながらAさんにローン打診結果を問い合わせると、Aさんは、「すみません。売主さんにお電話したら、ついこの間売れたそうです。」との返事で終わってしまいました。

 もう1件は、つい最近のことです。
世田谷区の東急線沿いで、普通なら考えられない価格の土地情報がメールで流れてきました。早速資料請求をしてみると、その土地に付されたネームから売主がわかりましたので、電話をしてみると、「その土地ならこの間契約を済ませました」との意外な返事でした。確かにネット上では販売された痕跡は検索上出てくるのですが、物件情報はすべて削除されていました。

 「?」と思いながら仲介業者Cさんに電話すると、
まだ案内可能だというのです。Bさんは、「その物件、かなり見学希望が入っていまして、もちろん見れますが、他にもいくつか回りましょうか?」と提案してくるので、「いえ、私はこの物件が見たいのです」と答えました。

 現地案内当日はBさんではなく、Cさんに指示された
新人社員がやってきました。一通り物件を見て気に入り、翌日、建物の相談をしようとCさんに電話したところ、Cさんは、「すみません。その物件は昨晩、お申込みが入っちゃいました。またよろしくお願いします」との返答でした。その後、あれほど連日来ていたCさんからの物件紹介メールはふっつりとなくなってしまいました。ちなみに、この土地もレインズ未掲載でした。

 果たして上の2物件は
売り物としてあったのでしょうか、なかったのでしょうか。確かに現物はそこにあっても、既に誰かと契約済みだった可能性もないとは言えず、業者も「お得な物件」だけに、「あー残念!たった今お申込みが入りました」と言えば済んでしまいます。

 前者のワンルームでは私は
融資のためかなり詳細な個人情報を提供してしまい(その後ずいぶん心配しましたが今のところ何事も起こっていません)、後者の土地では、Cさんは私を含め複数の客を引っ張り出し、他物件への誘導の営業をかけることができました。

 「お得な物件」は単なる撒き餌だったのか否か、私には知る由もありません。このような気持ち悪い状態を防ぐには、日頃から信頼できる仲介業者さんと人間関係を作っておくのが一番だ、ということのようです。

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| ノウハウ・経験談 | 23:55 | comments(2) | trackbacks(0) |
不動産価格は反転を始めている?−23区大規模ブランド物件が売れない理由
JUGEMテーマ:マンション

★ 10月11日付の不動産投資ニュースによれば、不動産投資サイト「楽待」を運営するファーストロジックは10月6日、同サイトの物件レポート「2015年9月期 投資用不動産の市場動向調査」を発表しました。

 調査対象は、
2015年9月1日〜9月30日の期間中に「楽待」に新規掲載された物件、問合せのあった物件(対象:全国)です。

 新規掲載された
一棟アパートの表面利回りは9.74%で、前月比0.30ポイント上昇、問合せ物件の表面利回りも11.48%で、0.11 ポイント上昇しました。新規掲載物件の物件価格は6,707万円で前月比40万円上昇、問合せ物件の物件価格は5,460万円で133万円下落しました。

 新規掲載された
一棟マンションの表面利回りは8.16%で、前月比0.22ポイント上昇、問合せ物件の表面利回りは9.56%で、0.05ポイント下落しました。新規掲載物件の物件価格は20,016万円で前月比1,658万円下落、問合せ物件の物件価格も18,399万円で1,061万円下落しました。

 新規掲載された
区分マンションの表面利回りは8.32%で、前月比0.04ポイント下落、問合せ物件の表面利回りは10.29%で、0.26ポイント上昇しました。新規掲載物件の物件価格は1,449万円で前月比61万円上昇、問合せ物件の物件価格は1,111万円で73万円の下落となっています。

 以上が不動産投資ニュースの記事の概要です。上記は、ファーストロジックのプレスリリース『2015年9月期 投資用不動産の市場動向調査』を基にしていますが、内容的には上記記事でほぼ網羅できています。

 上記の見方としては、
利回りが「上昇」すると物件の「売り圧力」(供給)が「買い圧力」(需要)より強まっている状態で、利回りが低下すると、その反対となります。一般的には、不動産価格が上昇すると利回りは低下し、下落すると利回りは上昇します。

 そして、上記の通り、
直近の9月の傾向では、一棟アパートも一棟マンションも利回りが上昇しています。物件の利回りは、単月では上昇・下落を繰り返すので、もう少し長い期間で見ないとはっきりした傾向は出てこないものの、一棟アパートと一棟マンションがそろって利回りが上昇することは、久しぶりのことです。

 一方、
区分マンションは引き続き利回りの低下傾向が見られます。ただし、区分マンションの場合は個人投資家のすそ野が広く、また、23区物件の割合が大きいので、全体傾向を見るにはやや信頼性に欠けるところがありそうです。

 また、
不動産投資の動向は、実需としてのマンション購入動向に先んじて動く傾向があります。機を見るに敏な投資家としては、そろそろ価格の反転が近い、と判断しているのかもしれません。

 もうひとつ、気になるニュースは、同じく10月11日にzakzakで掲載された『新築が売れない…「初めて住まいを買う人」向けのマンション開発はすでに限界』という記事です。

 この記事によれば、
販売現場が目標を達成して凱歌を挙げている一方、用地仕入れや事業企画部門は憂鬱になっており、その理由は、土地価格が高騰しているためマンション販売価格も高くせざるを得ないが、そのような需要は都心の富裕アジア層や相続税対策以外にはないからだ、と言います。

 実際、
都心から少し離れてしまうと、23区以内の住宅地として人気の場所でも、大規模物件の販売がどこも苦戦しています。それも中小デベロッパーではなく、大手の一流ブランドでさえそのような傾向で、申込みが思うように入らずなかなか販売に踏み切れないところが増えています。

 これは、そのような物件の立地は、
日本人には人気の邸宅地でもアジア層の知名度は必ずしも高くなく広大な土地を有する大規模物件は、タワーと比べると相続対策としてのうま味が劣るからでもあります。かといって、一般のマンション購入検討者が購入するには価格が高くなりすぎています。

 例えば
人気沸騰の『Brillia Towers 目黒』の平均坪単価が600万円するのなら、23区内の人気地であれば、山手線外と言えども、その6掛けの平均坪単価360万円でも良さそうですが、その価格水準ではお客が付かないのが現状です。

 実際、
都内勤めのサラリーマンが購入できる限界は6千万円台で、この水準はここ10年程変化がありません平均坪単価360万円となると、サラリーマンには2LDKまでしか買えず23区物件の購入をあきらめざるを得なくなっています。

 投資用物件の利回りの反転と都心以外の物件の不振は、「買うのをやめたくなるほど不動産価格が上がってしまった」という意味で根っこはつながっており、活況を続けてきた不動産市場への警鐘としてとらえるべきだと考えます。

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| 市場動向 | 22:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
タワー節税で子孫が苦しむことに?−評価変更は国税当局の胸先三寸
JUGEMテーマ:マンション

★ 10月2日のBusiness Journalは、『やっぱりタワーマンション購入はこんなに危ない!節税対策の罠、巨額負債抱える恐れも』と題して、現在の相続対策でのタワーマンション購入に警鐘を鳴らす記事を掲載しています。長文の記事ですので、以下に要約してご紹介します。

『旬刊 速報税理』本年7月11日号は、“タワーマンション節税術”について「評価方法がパブリック・コメントにかけられる模様」と報じました。

 相続税を決める際に資産として不動産がある場合は、国税庁による評価方法で課税率が決まります。現状当局の不動産評価の方法は、土地全体の面積に対する物件の床面積で決まります。タワーマンションのように上層部と下層部で価格がまったく違っても、広さが同じであれば評価も同じとなります。また、タワーマンションなどは戸数が多く、一戸当たりの所有面積が狭くなり、相続税を計算する際の評価は相対的に低くなります。結果的に現金を相続するより大幅に節税できるというものです。

1億円を相続した場合、課税率は30%となり、控除額700万円がついても約3000万円の相続税が発生します。しかし、1億円でタワーマンションの高層階を購入して子供に相続させた場合、評価額は時価に関係なく面積で決まり、仮に評価額が3000万円だったとすると、課税率は15%となり、控除額が50万円、計400万円の相続税を支払うだけですみます。さらに、もしも今後、物件が値上がりして利幅が出れば、普通に相続するよりもプラスの遺産になります。』

 こうした
評価の差額を利用した方法が流行するのは、ここ数年の都心を中心とした不動産バブルが背景にあります。投資目的の需要が高まり、資産価値は上昇に上昇を重ね、相続税対策者からすると、節税どころか利幅も出せるのではという期待は膨らみ、結果的に相続税対策による購入が、不動産バブルの一翼を担っています。

相続税対策で物件を購入する際に、わざと借金をして購入する方も多くいるようです。被相続人の借金は相続資産として合算されます。たとえば本来は5億円だった相続額を3億円の借金をすることで、2億円に圧縮できます。さらに借入金の3億円で節税効果がありそうなタワーマンションを購入することによって、さらに節税効果となります。場合によっては相続税を1円も払わなくていいというケースも生じます。相続した子供は元本や金利を返済するのに十分な運用ができれば、もしくは将来的に物件の価値がどんどん上がって借入金より多くなれば、問題はないわけです』

 しかし、
2011年に参考となる判例が出ています。2007年7月、被相続人が入院、この時点で意思能力がないにもかかわらず、翌月に相続人が代理となってタワーマンションを2億9,300万円で購入、同年9月に被相続人が死亡後、相続人は約6,000万円の評価で相続を申告、翌年7月、その物件を2億8,500万円で売却したというものです。これが税務当局によって相続税を逃れる租税回避という行為と見なされ、結果的に時価評価となり、約3億円の相続として課税されました。

 つまり
タワーマンション節税術は、合法ではあるが状況によっては税務当局の判断で否認されてしまうグレーな行為に当たります。

『当局は、
大抵は個別で処理しますが、問題が大きいと判断すれば評価体系そのものを変えてしまうことは難しいことではありません。不動産鑑定でいう『効用比』という評価方法に変えるという方法もあるのです。そうなるとタワーマンションのような上層階ほど価値が高い場合など、低層階と違いをつけることができます。その気になれば、法令より変更が容易な通達で半年後にでも規制することはできます

 相続人が事情を知らずに相続後すぐに売却したり、相続前に社会的問題視されて評価方法が変わってしまえば、その途端に節税効果はまったく意味がなくなるいうことです。」

 元の記事はまだ続きますが、今回は前半部分を要約しました。
「タワーマンションによる節税」大々的に謳う書物等が出版され、その手法が浸透したのか、高額タワーマンションの上層階の需要は「相続税対策」だ、と解説されます。それでも「ン億円」という財産を惜しげもなく100平米もない床面積の1室に代えてしまう度胸はすごいな、と思っていました。

 しかし、それは
2つの「根拠」からくる度胸で、第一に、上記の評価手法により相続税の評価が劇的に下がるということ、第二に、相続財産を売れば売却益さえも見込める可能性があるということです。そして、前者は後者を補っていて、価格下落リスクがあっても、相続税の支払い額の多寡と考え合わせればOKで、事実、2011年判例では、買値よりも低い売値で早々に売却し、利益(?)を確定させています。

 つまり、これは
前者の相続評価で利益を確定させ、後者の売却であわよくば利益を上乗せする手法です。そして、記事にある通り、さらに多額の借金を重ねれば、相続税はゼロとなり、本来払うべき相続税額(例えば1億円の試算であれば約3千万円)までは「損切りしても損しない」理想的な(?)状態となります。被相続人のローンに団体信用生命保険がついているのであれば、その支払いの途中で死亡した場合、不謹慎な言い方ですが、さらにおいしい(?)状態となります。

 ただ、
忘れてならないリスクは、不動産投資の教科書にもある通り、「制度変更リスク」です。税当局はおそらく、「おいしい手法」が流布し、本来税金を支払うべき富裕層が税金を支払わない状態を最も嫌います。ましてそれが、上記記事にある通り、通達1本で「あるべき姿」に変えられるのに変えない、というのは徴税側にとって「コケンにかかわる」状態とも言えるでしょう。

 それでは、
課税当局がなぜ、すぐに通達変更に踏み切らないのかと言えば、上記記事に続く部分で指摘されている通り、その社会的・経済的影響をやはり慮っているのでしょう。これだけ不動産市況が活況であり、かつ、不動産バブルではないかと言われている中で、下手に「正しい姿」に持っていくと、それだけで脆いバランスの上で成り立っている「バブル」的市況が影響を受けかねない、ということも懸念しているのではないでしょうか。トラウマのように財務官僚の脳裏をよぎるのは、1990年代の不動産バブルを一挙に収縮させた「総量規制」の悪夢だと思われます。

 いずれにしても、
富裕層が次々と大金を投じて行っている「タワーマンション節税」は、税務当局の掌の上で踊っているに過ぎないことになります。国税庁の人事異動で評価変更に積極的な幹部が所管部署に来ようものなら一発で状況がひっくり返るかもしれません。裁判で争ったとしても、「課税の適正化の一環」として訴えた方が敗訴する可能性は高くその時残る巨額の負債は、そのままご子息にいくリスクがあることも、十分に認識しておく必要があるでしょう。

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| ノウハウ・経験談 | 22:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
マンションとマイナンバー−住宅ローン減税、固定資産税、不動産登記との関係は?
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★ テレビのCM等で「マイナンバー」という文字を見るようになってきました。マイナンバーとは、内閣官房のHPによれば、「住民票を有する全ての方に対して、住所地の市町村長が指定する番号」のことで、「原則として、一度指定されたマイナンバーは生涯変わらない」ということです。

 何のためにマイナンバーをつけるかというと、「国の行政機関や地方公共団体などでは、社会保障、税、災害対策の分野で保有する個人情報とマイナンバーとを紐づけて効率的に情報の管理を行い、さらにマイナンバーを活用して、同一の者に関する個人情報を他の機関との間で迅速かつ確実にやり取り(情報連携)することができるようになる」ということで、「各人のマイナンバーを記載した「通知カード」を平成27年10月以降、市区町村から送付するので、そこでマイナンバーを確認できる」とされています。

 要は、今まで
行政で各業務ごとに振っていた番号を共通化することで、情報の管理を効率的に行おうとする目的でマイナンバーを各人に振るということのようです。この10月以降、「通知カード」が送られてくるので、自分のマイナンバーはそれで確認できるとのことです。

 それで、
「国民の皆様には、年金・雇用保険・医療保険の手続、生活保護・児童手当その他福祉の給付、確定申告などの税の手続などで、申請書等にマイナンバーの記載を求められることとなり」「税や社会保険の手続きにおいては、事業主や証券会社、保険会社などが個人に代わって手続きを行うこととされている場合もあるため、勤務先や証券会社、保険会社などの金融機関にもマイナンバーの提出を求められる場合がある」とされています。

 マンション購入がマイナンバーと関係するとすれば、おそらく税の分野が中心でしょう。マイナンバーの税への利用については、「国民が税務当局に提出する確定申告書、届出書、調書等に記載。当局の内部事務等に利用」とありますから、税の分野では幅広く利用され、税務当局に提出する書類にはマイナンバーの記入が求められると思っておいた方がよさそうです。また、記入されたマイナンバーは、様々な税務調査にも活用されるのでしょう。

 たちまち
気になるのが、マンション購入時に適用される住宅ローン減税です。これについては、国税庁のHPを探すと、「住宅ローン控除等の申告手続を行う際には、住民票の写しの添付が必要となっておりますが、社会保障・税番号制度導入により、添付が不要となります」とあり、ささやかながら住民票取得の手間と費用が軽減されるというメリットが記載されていました。

 では、
毎年支払う固定資産税・都市計画税はどうでしょうか。残念ながら明確に記載された資料はネットからは拾えなかったのですが、総務省HPの「番号制度導入に伴う市町村課税システムの改修に係る論点(ガイドラインに盛り込むべき事項)について」では、固定資産税にマイナンバーが付けられることを前提にシステム改修の論点を論じていますので、やはり固定資産税にもマイナンバーが付くことになる模様です。

 一方、
不動産登記については、同じ総務省のHPに、「現時点で「マイナンバー」「法人番号」の記載が予定されていない登記異動通知」(「法人番号」というのもあるのですね)とありますので、不動産登記にはマイナンバーも法人番号も付けられないようです。マイナンバー制度は、「社会保障、税、災害対策の分野」で使用するとされていますので、それには該当しないとの判断だと考えられます。

 マンション購入・保有と行政のかかわりについて、ざっと思いつくのは以上のようなことですが、もっと様々な場面でマイナンバーの記入が必要なのかもしれません。特に、不動産投資の場合は、税金との関わりがより密接ですので、いろいろな調書にマイナンバーが必要になってくるのでしょう。

 私が感じたのは、週刊誌などでは
「マイナンバーであなたの資産が丸裸に!」みたいなタイトルも踊っていますが、これまでの行政関係の手続きに、マイナンバーを追加して記入することで、より正確性を期そうとしているに過ぎないのではないか、ということです。そもそもその手続きをもっと簡単にしてほしい、という思いもありますが、間違いが少なくなったり、時間がかからなくなったり、添付する資料が減ったりするのは、基本的に歓迎すべき方向だと思います。

 もっとも、
今後皆が心配するような使い方が行われないよう、行政にもチェックできる体制を整えてほしいものです。

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| ノウハウ・経験談 | 17:32 | comments(0) | trackbacks(0) |
マンション需要が再び復調傾向に−キャリア女性のたくましい資産形成力
JUGEMテーマ:マンション

★ 4月17日付不動産投資ニュースによれば、不動産経済研究所は同月16日、3月度の「首都圏のマンション市場動向」などを発表しました。これによると3月の首都圏におけるマンションの発売戸数は、前年同月比4.0%マイナスの4,457戸です。契約率は前年同月比0.2ポイントダウンの79.6%でした。1戸当り価格は5,186万円で、前年同月比で29万円(0.6%)のダウン、しかしながら、1平米当り単価は73.6万円と、0.6万円(0.8%)アップしています。

 首都圏の即日完売物件は、8物件293戸でした。なかでも人気の高かったのが、中央区の「プラウド日本橋三越前」でした。平均価格7,087万円で、72戸を即日完売競争率は平均1.47倍ですが、人気物件は希望者が多く、6倍の高倍率となっています。

 次に人気だったのは小金井市の「Brillia小金井桜町 1期」でした。平均価格4,751万円で、21戸を即日完売しました。競争率は平均で1.04倍、最高で2倍でした。また、3月の超高層物件(20階以上)は12物件410戸で、前年同月比60.3%の減契約率は79.0%となっています。

 以上が不動産投資ニュースの記事の概要です。本記事は、不動産経済研究所の『首都圏のマンション市場動向−2015年3月度−』が基になっていますので、このレポートを中心に見ていきたいと思います。

 まず、
3月のマンション発売戸数は、年度末ということもあり、前月比では71.6%増と大幅に増加しましたが、昨年同月との比較では4.0%減とやや少なくなっています。ただ、前年は消費税率アップ前の追い込み月でもありましたので、その意味では健闘していると言ってよいでしょう。

 契約率は、昨年10月、12月が好調の目安とされる70%を久しぶりに切ってしまい、先行きが懸念されましたが、年が明けて再び契約率が上昇し、3月は79.6%と、昨年7月以来の高い契約率を記録しました。地域別契約率をみると、都区部78.8%、都下79.7%、神奈川県83.4%、埼玉県76.6%、千葉県82.2%と、どのエリアも好調でしたが、とりわけ神奈川県と千葉県が8割を超えているのが目立ちます。

 1戸当たり価格が5,186万円と、近年では比較的安い月となったのも、このような神奈川県・千葉県の好調ぶりの反映でもあるのでしょう。面白いもので、好調だった神奈川県、千葉県では、1戸当たり価格も単価も上昇しており、そのほかの地域は価格も単価もダウンしています。好調なエリアは物件も人気があるものが販売されており、価格もその人気を反映して強気に設定される傾向にあります。

 注目されるのは、在庫数が再び上昇傾向にあることで、前月末比でも20戸増加し、5,218戸となりました。昨年3月末時点では3,828戸でしたので、この1年で1,390戸も増加したことになります。これは、住友不動産等が高額な大規模タワーマンションを数多く手がけ、ゆっくりと販売していることも影響しているのでしょうか。一方、超高層物件の契約率は79.0%復調傾向です。

 タイプ別戸数ごとの契約率は、次の通りです。

1K 95.7%  1DK 94.1%  1LDK 85.7%  2LDK 83.1%
3LDK 79.0%  4LDK 75.7%


 このうち1Kと1DKは投資向けが主流と思われ、投資家の旺盛な需要が確認されます。間取りが大型になるにつれて契約率が下がっていくのが最近の傾向でもあります。なお、販売総戸数のうち3LDKが占める割合は77.7%に達し、今でもファミリー向けが販売の中心であることがわかります。

 価格帯でみると、3,000万円台が926戸、4,000万円台が1,453戸、5,000万円台が732戸、6,000万円台が449戸、7,000万円台が335戸と、4,000万円台が最も多いことが分かります。都区部に限ってみると、3,000万円台が285戸、4,000万円台が453戸、5,000万円台が284戸、6,000万円台が305戸、7,000万円台が279戸と、4,000万円台が最多であることに変わりはないものの、6,000万円台、7,000万円台になっても発売戸数が他のカテゴリーとそれほど変わらないのが特徴的です。一方、都区部の4,000万円台は、1DK〜2LDKのシングル又はディンクス向けが主流と思われます。

 「最近はおひとりさまの需要がすごいです」  
 
 モデルルームの営業の方からよくそんなお話をお聞きします。特に30歳代〜50歳代のキャリアを積んだ女性マンション購入意欲が強く、その年収も高いことから、住宅ローン審査もすんなり通ります。「結婚した場合には貸せばよいし、独りの場合にはそのまま住み続ければよい」ということで、その前提条件としては、「都心の利便性の高い人気地」となります。

 今日の昼どき、
「アッコにおまかせ」を見ていたら、離婚騒動で持ちきりの米倉涼子さんの追跡レポがあり、これによれば、米倉涼子さんは現在、マスコミを逃れて高級ホテル住まいなのですが、別居のために以前二人で住んでいたマンションをリフォーム中とのことで、これとは別に、1LDKマンションを倉庫代わりに使っているとのことでした。

 したがって、
米倉さんは今、おそらく独身の頃住んでいた1LDKマンション結婚前に住んでいたマンション、そして結婚してからご主人と住んでいたマンション3つに移り住み、そのうち少なくとも2つは米倉さんの所有のマンションであることがわかります。「なるほど、キャリアのある女性は資産をこうやって増やしていくのか」と、私は、妻と下の娘とそばをすすりながら、そのたくましさに感心したのでした。

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| 市場動向 | 00:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
東横線VS田園都市線の地価勝負は東横線圧勝?−三軒茶屋、用賀を狙うなら今か
JUGEMテーマ:マンション

★ 3月18日付日経新聞によれば、国土交通省が同日発表した2015年1月1日時点の公示地価は、全国の商業地が前年比0.0%7年ぶりにマイナス圏を脱して下げ止まりました。住宅地を含む全用途は0.3%下落しましたが、マイナス幅は5年連続で縮小しました。大規模な金融緩和で不動産取引が活発になり都市部の地価を押し上げました。ただ地方は下落が続いており二極化も鮮明です。

 全国の住宅地は0.4%下落し、マイナス幅は14年から0.2ポイント改善しました。商業地は0.5ポイント改善しました。上昇が目立ったのは都市の商業地で、東京、名古屋、大阪の三大都市圏は上昇率が1.8%となりました。札幌、仙台、広島、福岡の地方中枢都市も2.7%上昇しました。

 全国で最も上昇率が高かったのは北陸新幹線の開業で再開発が進む金沢(17.1%)です。最高額地点は9年連続で東京・銀座の「山野楽器銀座本店」(1平方メートルあたり3,380万円・上昇率14.2%)でした。日銀の大規模緩和で資金調達がしやすくなり、都市部の商業地は企業や不動産投資信託(REIT)の取引が活発です。海外の企業やファンドによる投資も多くなっています。

 地方は持ち直しが遅れています。三大都市圏の全用途平均は0.7%上昇して2年連続のプラスですが、地方圏は1.2%下落しました。住宅地、商業地とも都市圏はプラス、地方圏はマイナス明暗が分かれています。

 都市圏の住宅地は2年連続で上昇しましたが、上げ幅は0.4%と前年(0.5%)からやや縮小しました。東京などの都心部の住宅地は高い伸びですが、都市近郊は上昇が一服して都市圏の中でも二極化しています。昨年4月の消費税増税によって2014年の住宅着工が前年比9%減の約89万戸5年ぶりに前年実績を下回ったことが響きました。建築資材や労務費の上昇で建築コストが上がっていることも住宅投資にはマイナスです。

 以上が日経新聞の記事の概要です。
予想通りの地価上昇ですが、マンション価格の急上昇に比べれば比較的穏やかな上昇で、やはり昨今の都心タワーマンションの価格上昇は、むしろ人件費、資材価格の高騰の影響が大きいのでしょう。

 さて、以下は
よりミクロに地価上昇の動向をみていきたいと思います。23区内の地点で、地価上昇は当然とした場合、むしろ上げ幅が小さい点をピックアップすると、次のとおりです。

【新宿区】大久保
【台東区】根岸、三ノ輪、柳橋、東上野、浅草橋、日本堤、浅草
【墨田区】文花、亀沢、千歳、立川、八広、横川、墨田、両国、押上、東駒形
【江東区】北砂、亀戸、大島、南砂、辰巳、東砂、石島、清澄、森下、有明、東雲、佐賀
【目黒区】中町
【大田区】大森北、東雪谷、中馬込、東糀谷、南六郷、蒲田、仲六郷、下丸子、南雪谷、西馬込、東嶺町、田園調布、新蒲田、中央、西糀谷、大森中、田園調布南、南馬込、池上、西蒲田、東六郷、東馬込、東矢口、大森西、多摩川、羽田、千鳥、大森南
【世田谷区】桜上水、上馬、南烏山、大原、上野毛、東玉川、喜多見、新町、鎌田、上祖師谷、瀬田、宇奈根、祖師谷、弦巻、桜丘、岡本、赤堤、梅丘、砧、深沢、玉川、世田谷、代田、船橋、経堂、羽根木、松原、宮坂、奥沢、大蔵、野沢、若林、野毛、上用賀、下馬、三軒茶屋、給田、北烏山、粕谷、上北沢、尾山台、用賀
【中野区】新井、鷺宮、沼袋
【杉並区】成田東、下井草
【豊島区】千川、南長崎
【北区】西が丘、上中里、東十条
【荒川区】荒川、南千住
【板橋区】前野町、大山東町、高島平、徳丸、志村
【練馬区】平和台、●大泉学園町、春日町、貫井、関町北、東大泉、早宮
【足立区】綾瀬、●鹿浜、西新井、東保木間、竹の塚、●本木北町
【葛飾区】東金町、●水元、青戸、立石
【江戸川区】東小岩、船堀、東小松川、中葛西、中央

 …実は、世田谷区までで全地点を追うのに疲れてしまい、中野区以下も膨大な地点数が想定されたため、以降は主要地点に限って記載しています。掲載基準は、地価の前年比較で数値(割合ではありません)の上げ幅が一ケタにとどまっているものとしています。●は、前年と同額の地価だった地点です。

 したがって、
上記地点の記載がない区(千代田区、中央区、港区、文京区、品川区)全地点で数値の上げ幅が2ケタ以上だったことになります。都心3区+教育環境等で人気を集める文京区+山手線新駅発表で勢いづく品川区(* 山手線新駅及び「品川」駅は港区所在であるとのコメントをいただきました。ご指摘ありがとうございます)のラインナップは納得のいくものです。

 しかし、
その他のエリアでは、地点地点では高騰しているところもありますが、全体としては、上げ幅は昨年に比べて緩やかです。例えば、東京スカイツリーの所在する墨田区押上エリアの上昇かなり落ちついてきており、上記の通り、地価上昇の小さな地点としても顔を出しています。

 また、
江東区では、辰巳、有明、東雲といったタワーマンション、大規模マンション所在地の地価上昇も小幅にとどまっています。これら地域ではタワーマンション、大規模マンション分譲が目下のところピークを過ぎており、開発需要がやや低調だったことによるものと思われます。

 大田区においても、かつては大規模マンション開発競争で熱を帯びていた下丸子がすっかり落ち着きました。邸宅地であまりに有名な田園調布、またそのお隣の多摩川エリア地価上昇は緩やかです。

 さて、ここで
注目したいのが目黒区と世田谷区の地価上昇の勢いの違いです。目黒区で地価上昇が鈍かったのは中町のみで、ここは東急東横線の各駅からいずれも10分以上かかるエリアに位置します。一方、世田谷区で地価上昇率が小さい地点は多数挙げられており、人気地として知られるブランド地が目白押しです。

 特に
東急田園都市線沿線でみてみると、上馬、瀬田、弦巻、岡本、深沢、玉川、野沢、若林、上用賀、下馬、三軒茶屋、用賀と、多くの地点がピックアップされます。全体としては田園都市線各駅からやや遠い地域が多いのですが、それでも三軒茶屋、用賀といった田園都市線の駅近地点も含まれています。

 ひるがえって、
東急東横線については、世田谷区奥沢は「自由が丘」駅エリア、世田谷区深沢は「都立大学」駅エリアとも言えますが、少なくとも「学芸大学」駅〜「渋谷」駅間では掲示された地点がありません。その意味では、二大人気路線である東急東横線と東急田園都市線の間でも勢いに差があり、現時点では東横線沿線の人気が優っていると言えそうです。

 私は最近、
土地販売のサイトも閲覧していますが、確かにプライシングはマンション価格の爆発的な上昇に比べればはるかに穏やかです。しかし、本年に入ってから、リーズナブルな土地はあっという間に売れてゆき、いつまでも残っている物件との間で売れ行きの「二極分解」現象が起きています。マンション価格の上昇に出遅れている土地物件で、人気ブランド地ものに目を付けるなら今のうち、ということかもしれません。

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| 市場動向 | 20:36 | comments(4) | trackbacks(0) |
芦花公園明穂ハイツ(中古)−1,000万円ジャスト、自宅・投資双方に向く2DK
JUGEMテーマ:マンション

★ 京王線「八幡山」駅より徒歩5分、同線「芦花公園」駅より徒歩7分の場所に立地する1977年8月築・名穂産業旧分譲・田中建設施工・地上7階建・総戸数29戸の『芦花公園明穂ハイツ』です。

 アドレスは杉並区上高井戸1丁目です。上高井戸は、杉並区の南部に位置し、隣接する世田谷区に突き出すように地域を形成しています。町域の北部は杉並区久我山・高井戸西・高井戸東に、東部は杉並区下高井戸に、南部は世田谷区上北沢・八幡山・南烏山に、西部は世田谷区北烏山に接しています。南端付近は京王線の駅があり、駅周辺や幹線道路沿いにビルや商店、北端付近には生産緑地等が点在するほか、その他全域に戸建住宅・共同住宅が多く存在するエリアです。

 上高井戸の名は、かつての
高井戸宿が1604年に上高井戸宿と下高井戸宿に分けられたことに端を発します。江戸後期には宿場町としての役割を終え、上高井戸村が1889年に下高井戸村と合併し高井戸村上高井戸となった後、高井戸村は1926年の町制施行を経て、1932年に杉並町、井荻町、和田堀町と合併し、杉並区の一部を形成することとなりました。

 町域南東端に京王線
「八幡山」駅、環八通りを挟んで西側に「芦花公園」駅が設置されているほか、中央自動車道、国道20号、環八通り、放射第5号線など、町域の周囲を幹線道路に囲まれているため自動車交通の便がよく、南北のJR中央本線「荻窪」駅、小田急小田原線「成城学園前」駅方面へは路線バスも利用できます。

 本マンションもそのような
交通の要衝に立地します。古くは上記の高井戸宿が存したところで、環八通りと甲州街道(国道20号線)のクロスするエリア、また、「八幡山」駅へは東へ徒歩5分、「芦花公園」駅へは西へ徒歩7分、いずれもフラットな道のりです。

 環八通りの高架に入る道を左にそれて細い通路状の道路を入っていく道ですが、環八通りの交通音・排気ガスから無縁ではないでしょう。1階部分には店舗が入り、なかなかにぎやかです。商業施設は、「八幡山」駅前のオオゼキ、「芦花公園」駅前のサミットなどのスーパーや商店街が利用できるほか、近隣にドン・キホーテ、マクドナルド、ジョナサン環八沿いにあり、単身者にとってはとても便利です。また、バルコニー側には隣接マンションの提供広場が広がっており、開放感と安らぎを感じさせます。

 対象住戸は、
地上7階建て建物の中層階に当たる4階に所在する専有面積35.75平米の2DKです。南東向きバルコニー日照・通風良好です。玄関から入ると7帖のDK、その向こうに6帖の和室と4.5帖の和室があります。2つの和室ともワイドスパンのバルコニーに面しており、恵まれた条件です。水廻りは玄関左手にまとめられ、トイレ・浴室・洗面所が独立しており、これはこれで使い勝手が良さそうです。

 販売価格は1,000万円ジャスト、坪単価92万円です。『マンションナビ』で対象住戸の自動査定を行ったところ、900万円(坪単価83万円)〜1,100万円(坪単価102万円)で、1,000万円はちょうどその中間値となりました。

 もし本物件を
住宅ローン(変動金利0.775%、35年)で全額借りる場合には、毎月返済額が27,192円、管理費月額が10,500円、修繕積立金月額が18,700円ですので、合計56,392円が毎月の支払額となります。事業用ローンを90%融資(変動金利2.0%、30年)で借りる場合には毎月返済額が33,265円、これに管理費と修繕積立金を加えて毎月の支払額が62,465円です。

 不動産投資で購入する場合、
想定賃料は月額8万円程度でしょうから、手残りは管理委託費5%とすると13,535円固定資産税・都市計画税などを年額から差し引くと、毎月1万円程度の手残りかもしれません。

 フルリフォームを行う場合には、1平米当たり3万円程度とすると、約100万円〜150万円程度ではないかと思われます。自宅用で快適に住むか、投資用として賃料をアップさせ、あるいは売却してキャピタルゲインを得るか、元値が安く、間取りの良さがあり、シングル向きの居住環境があるだけに、出口が様々に考えられる楽しみな物件と言えるでしょう。

 種別:中古マンション
 名称:芦花公園明穂ハイツ
 価格:1,000万円 (税込)
 所在:杉並区上高井戸1丁目
 交通:「八幡山」駅徒歩5分
 面積:専有35.75平米

詳細はこちら(ノムコムより)
芦花公園明穂ハイツ

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| 中古マンション 世田谷区 | 22:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
不動産ブームは継続?−投資は過熱、実需は低調の困惑の日々
JUGEMテーマ:マンション

★ 12月12日付のブルームバーグによれば、不動産市場では、14日の総選挙を経て安倍政権が続投すれば、脱デフレの経済政策に変更はなく、投資・開発ブームが続くとの見方が多くなっています。ただ、住宅については地価上昇や建設コスト高騰に4月からの消費増税も重なり、販売不振への懸念も生じています。

 ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)の調査によると、
日本国内の不動産取引額は、安倍政権発足直後の2013年から増加を始め、2014年は11月までで約4兆3,000億円となっています。2015年は5兆5,000億−6兆円に拡大すると予測しており、2007年の「ミニ・バブル」当時の7兆円超に近づくことになります。

 不動産ブームを支えるのはアベノミクスの「第一の矢」である日本銀行の大規模金融緩和によるマネー流入です。基準地価(7月1日時点)で商業地は2年連続、住宅地は6年ぶりのプラスに転じました。また、「第二の矢」の財政出動で建設需要も底上げされ、安倍晋三首相は選挙戦で成果を訴えています。日経など全国各紙の選挙戦の情勢分析によると、定数475議席に対し自民単独で獲得議席が300を超える勢いです。

 野村証券のアナリストは
「自公連立政権が続くのならばアベノミクスも継続する」とし、「資産価格の上昇や投資の活発化は基本的に続く」との見方を示しました。しかし、マンションなど住宅市場は4月の消費増税以降、低調であり「来年度以降のローン減税の見通しが立つまで低調なままとなるリスクがある」と懸念しています。

 世界的な金融緩和で投資マネーが溢れる中、グローバルに投資機会を探る外国人投資家は、国際的に割安感の残る対日投資を積極化させています。米資産運用大手のブラックストーン・グループは11月、日本の住宅不動産事業を1,900億円超で取得すると発表、シンガポール政府投資公社も10月に、東京駅前のパシフィックセンチュリープレイス丸の内を約1,800億円で取得するなど、大型取引が相次いでいます。

 2020年東京五輪を見据え都心再開発も勢いづいています。森ビルは港区で総額1兆円規模のプロジェクトを計画、三菱地所もビル開発などに1兆円超の投資を表明しています。金融緩和で加速する円安も訪日外国人観光客の増加に寄与し、観光開発を刺激しています。森トラスト・ホテルズ&リゾーツは、安倍政権が力を入れる地方創生「観光業も一つの重要なアイテムだ」とみて、京都に高級旅館を建設します。

 アベノミクス効果で押し上げられた不動産投資市場は、その効果を受けた2年目の今年に入り、一部で過熱感を示し始めています。投資家から資金を集め、オフィスビルなどに投資するJリートは2013年に不動産取得を急増させ、取引のけん引役になりました。今年は好立地のオフィスビルなど優良不動産をめぐって、ファンドやデベロッパーなどとの取得合戦が激化しており、Jリートの資産取得額(引渡日ベース)は1−11月で1兆3,337億円と前年同期比36%落ち込んでいます。

 ヘンダーソン・グローバルは、
不動産投資の期待利回り(キャップレート)は「急速に低下している」と述べました。キャップレートの低下は、物件価格の上昇などにより賃料に対するコスト負担が大きくなってきていることを示しています。

 一方、
住宅販売は4月の消費税増税後の反動減からの回復が遅れています。不動産経済研究所の調べでは、首都圏マンション発売戸数は10月まで9カ月連続の前年割れです。「年明け1−3月のマンション販売や住宅着工があまり戻らないようだと要注意だ」と、JPモルガン証券のアナリストは話しています。

 建築単価は地価上昇や公共事業の増加で3割上昇、しかし、実質賃金が16カ月連続で減少する中、価格転嫁は困難です。マンションや戸建て住宅の分譲を手掛ける中堅デベロッパー、フージャースは「今までの価格帯では建築できなくなっているのに、エンドユーザーの給与は上がっていない」困惑しています。「無理に利幅の薄い首都圏で商売するよりも地方に行った方がいい」と話し、商圏を首都圏から関西や東北地方などにシフトさせていく考えを示しました。

 以上がブルームバーグの記事の概要です。
本日は衆議院総選挙の日で、今後の日本の政治の行き先を決めることになります。自民党が勝てばアベノミクスが継続するということで、この流れは一般的には経済界が望む方向なのでしょう。

 不動産市場に関しても、野田前総理が衆議院を解散した2012年11月より、ほぼ一本調子で上ってきました。その背景には、上記記事で触れられているように、大幅な金融緩和、特に日銀総裁が交代してからの異次元緩和の威力が大きく、日銀自身によるREIT購入など、不動産投資の後ろ盾を政府・日銀がしてくれているようなものです。

 金融緩和は世界的な風潮でもあり、世界各国で大量に刷られたお札は常に行き場を求めている状況です。その時、「ジャパン・パッシング」と言われて軽んじられていた日本についても、国際的な不動産の出遅れ感・割安感が指摘され、海外から資金流入が増大しています。

 しかし、それは
一般市民にとっては、上空を吹き荒れる嵐のようなもので、自分達が関与しているわけではありません。それどころか、投資家が欲しいものも、一般市民が欲しいものも同じ不動産ですから、この動きは一般市民から不動産を吸い上げていく方向にしかはたらきません。

 同一不動産で法人と個人が競合した場合、勝つのは必ずと言っていいほど法人です。個人は申込みをした後、融資に取り組み、そこでOKが出て初めて物件を購入することができます。ところが法人であれば、現金又はプロパーローンで易々と物件を取得することが可能です。売主サイドが、契約まで時間がかかり、あるいは契約してもローン流れのリスクがある個人よりも、即座にキャッシュを目の前に持ってきてくれる法人を好むのは当然です。

 個人が法人に優る唯一の点は、「待つこと」ができることです。あっという間に高みへとさらわれていった不動産再び地上に舞い戻るのは、不動産バブルの崩壊か、あるいは2020年の東京オリンピック後かもしれませんが、辛抱強く待てば、きっと希望のマンションを購入することができます。今のような「困惑の日々」を懐かしく思い出す日も来ることでしょう。

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| 市場動向 | 23:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
遂に下落地点はゼロに−東京圏の直近の地価事情と日本の未来
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★ さる11月28日、国土交通省より平成26年第3四半期(7月1日〜10月1日)の地価の動向を表す「主要都市の高度利用地地価動向報告〜平成26年第3四半期〜(地価LOOKレポート)」が発表されました。これによれば、平成26年第3四半期(7/1〜10/1)の主要都市・高度利用地150地区における地価動向は、上昇が124地区(前回120)、横ばいが26地区(前回28)、下落が0地区(前回2)となり、上昇地区が全体の8割を超えました。

 なお、
上昇124地区のうち、122地区が0-3%の上昇、東京都心の商業系2地区(銀座中央、新宿三丁目)が 3-6%の上昇で、急激な上昇傾向というわけではありませんが、このところ上昇トレンドが継続しているだけに、数年前に比べれば相当な高値となっています。

 国土交通省では、上昇地区の割合が高水準を維持しているのは、
金融緩和等を背景とした高い不動産投資意欲や、生活利便性が高い地区におけるマンション需要等により、商業系地区・住宅系地区ともに多くの地区で上昇が続いていることによると分析しています。このように、今回の地価動向は、上昇地区数が前回と同程度(全体の約8割)を占めるなど、上昇基調の継続が見られます。

 このうち、
東京圏(65)では上昇地区が58(前回53)、横ばい地区が7(前回11)、下落地区が0(前回1)約9割が上昇となりました。平成25年第4四半期以降横ばいが続いていた「美しが丘」「新百合ヶ丘」や、平成26年第1四半期以降横ばいが続いていた「都筑区センター南」といった東京圏郊外の住宅地の地価も再度上昇に転じました。

 下落地区がゼロになったのは平成19年第4四半期以降、ほぼ7年ぶりです。一方、平成19年第4四半期は、6%以上上昇地区が2地点、3%以上6%未満上昇地区が24地点もあり、3%〜6%上昇地区が最も多かったのですが、今期の上昇は上記の通り6%以上上昇地区がゼロ、3%以上6%未満上昇地区が2地点のみです。しかし現在の地価の上がり方は平成19年当時より底堅さがあり、バブルの匂いを感じさせないものがあります。

 今まで
足取りの重かった千葉県でも少し動きがあり、千葉市中央区が下落から横ばいとなりました。また、イメージが云々されてきた歌舞伎町もついに上昇へ、平均坪単価340万円の『プラウドタワー立川』の販売で注目を浴びた立川も横ばいから上昇に転じています。東京圏では、前回より動向が悪化した地区が一つもありませんでした。

 なお、今でも
横ばい傾向を継続している地区は、埼玉県1地区(川口駅東口)、千葉県5地区(千葉港、千葉駅前、海浜幕張、新浦安、柏の葉)、東京都ゼロ、神奈川県1地区(都筑区センター北)7地区のみとなりました。これを見ると、千葉はまだ本格的な回復傾向とは言えないようです。

 最近、
東京では実にさまざまなところで再開発が進行しています。考えてみれば、現在の東京は、50年前の東京オリンピックを契機として形が整えられ高度経済成長期に適合した街の姿でありました。しかし、それから半世紀を経て、人々のライフスタイルが変化し、今の時代にふさわしい街の姿が求められています。

 例えば、
核家族化はさらに進み、単身者の数は増え続け、そのことも手伝って人々はより交通利便性と生活利便性を有する機能的な生活を求めるようになりました。これに伴って、拠点となる街には様々な機能が集約化されてきています。

 一方では
世界的な金融緩和の影響で豊富な資金が生まれ、それが投資と言う形で新しい街の形成に流入しています。必然的に不動産価格は上昇し、今やそれが揺るぎないトレンドになっているように見えます。

 こうして見てくると、
不動産価格の高騰は、新しく生まれ変わる東京への期待の表れと言っていいかもしれません。個人としては今後マンションを買いづらくなるのは痛いのですが、日本の成長のためには現在の不動産トレンドは「好ましいもの」ととらえたいと思います。

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| 市場動向 | 23:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
ハイシティ中野(中古)−賃貸需要ピカイチの中野で手軽な不動産投資
JUGEMテーマ:マンション

★ JR総武線「東中野」駅より徒歩13分、西武新宿線「新井薬師前」駅より徒歩8分の場所に立地するハイシティ杉山商事旧分譲・小川建設施工・地上4階建・総戸数33戸・1983年6月築の『ハイシティ中野』です。

 アドレスは中野区上高田3丁目です。大正時代までの上高田は、田園風景の広がるのどかな町並みでした。火の見櫓や氷川様の狛犬田んぼの川には小魚、東光寺の麦わら屋根の本堂にはお閻魔様、家々には屋敷森があり、豊かな農村の生活がそこにはありました。童謡「たき火」は、この上高田の地で生まれたのだそうです。

 現在は都市化が進み住宅街となっていますが、昔からの古き良き雰囲気は、街の遺伝子として受け継がれてきています。閑静な住宅街は穏やかで、落ち着いて住むには格好のエリアとなっています。

 新井薬師は、真言宗豊山派の梅照院(ばいしょういん)のことで、都内でも有数の著名な中野区最大の寺院です。新井の名は当地で新たに井戸を掘ったことに由来するもので、駅前から山門にかけて、商店街や出店も広がり、地域住民からも薬師様として古来より親しまれています。

 「東中野」駅から本マンションまでは徒歩13分の道のりです。同駅A2又はA3出口から東中野駅前交差点を住宅街に入り、スーパー「ライフ」を右手に見ながら直進、早稲田通り青源寺駐在所前交差点を突っ切ってさらに直進、デイリーヤマザキの角を左折してしばらく歩いた右手に本物件が立地します。

 「新井薬師」駅からは徒歩8分で、こちらは住宅街の中を南東方向に進んで本マンションに向かうルートです。途中にセブンイレブン、ローソン100がありますので、単身者にとっては利便性が高い立地です。

 本マンションは
南西角地に立地し、両隣は電気店や個人商店だったりと、ややごみごみ感はありますが穏やかな街並みに佇みます。南北に長い敷地形状ですので、各住戸は西向きメインの配棟となっています。

 さて、
ハイシティシリーズは、杉山商事昭和40年代後半から分譲し始めた投資用ワンルームです。杉山商事では「ハイシティ」以外に「TOP」シリーズでも名を馳せました。当時からいまだに健在な投資用ワンルームマンション「スカイコート」のみとなっています。

 清潔なホワイトタイルを基調とし、赤のラインをアクセントに使用する外観デザインは「ハイシティ」に特徴的なもので、今でも初々しさを保ち、好印象です。上述の通り、本物件と両駅との間のルートにはスーパーやコンビニが豊富ですが、最も近いコンビニはデイリーヤマザキで徒歩3分、また、まいばすけっとが徒歩4分、セブンイレブンが徒歩5分、スーパーのコモディイイダが徒歩6分となっています。

 対象住戸は、
地上4階建て建物の3階に所在する専有面積14.48平米のワンルームです。バルコニーは北西向きで2.1平米、玄関左手に3点セット(洗面、トイレ、浴室)の水廻りが配置され、水廻りと背中合わせに小さな収納とキッチンがあります。その他のスペースは洋室とされ、玄関から洋室までの間にドアは存在しません。まさに見事なまでの「ザ・投資用ワンルーム」です。

 販売価格は780万円、坪単価178万円です。『HOME'S不動産アーカイブ』によれば、本マンションの過去の売り出し価格坪単価148万円(2008年・1階)〜187万円(2010年・4階)となっており、築年数の更なる経過とのバランスから販売価格をどう評価するかがポイントの一つです。

 もう一つのポイントは、自己使用でないとすれば
投資用としての需要の強さはどうか、という点ですが、一般に中野エリアは利便性を求める若者が多く居住するところで、専有面積の狭い築古ワンルームでも家賃設定を間違わなければ客付けはそれほど困難ではないと思われます。

 実際、
本マンションの33戸はそのほとんどが投資用と推測されますが、現在募集中の住戸は1〜2件程度で、安定した賃貸経営が可能な模様です。その賃料は月額4.5万円〜6万円となっており、管理費・修繕積立金は5千円+5千円=1万円ですので、本物件価格を基礎とした利回りは、表面で6.9%〜9.2%、NETで5.4%〜7.7%となり、築30年超物件にしては人気地中野とは言え、物足りない数値です。

 しかし、
需要は固いと思われますので、現金一括等で購入し、地道にインカムを積み上げながら、ある程度の期間で売却すれば損をする可能性は低いと考えます。専有面積が狭いので、デザイナーズでリフォームしても費用はそれほどかさまず楽しい賃貸経営ができそうです。

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| 中古マンション 中野区 | 20:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
ついに底割れ?−投資家・富裕層ははしゃぎ、実需は沈黙するマンション市場
JUGEMテーマ:マンション

★ 9月16日付ロイターによれば、民間の不動産経済研究所が同日発表したマンション市場動向では、8月の首都圏マンション発売戸数前年比49.1%減の2,110戸となりました。前年比での減少は7カ月連続です。首都圏のマンション契約率も69.6%で、好不調の分かれ目とされる70%を19カ月ぶりに下回りました。

 お盆休み期間を含む端境期新規大型物件の供給がなく、消費増税前の駆け込みがあった前年8月からは大幅な落ち込みとなりました。首都圏は引き続き7割以上の契約率となっている半面、埼玉、千葉など郊外での契約率の落ち込みが目立っています。

 不動産経済研究所では
「高額物件は引き続きいいが、一次取得者の動きが鈍い。消費増税で需要の先食いが見られた可能性がある」とみています。

 8月は1戸当たりの平均価格が2億円を超える首都圏の高額物件の販売もあり、1戸当たりの価格は5,685万円、前年比18.5%の上昇となりました。1992年11月の5,711万円以来の高水準です。

 9月の発売戸数は3,000戸の見込みです。前年9月が5,970戸の発売だったため、ほぼ半減する見通しです。価格上昇傾向にあるなか、業者も需要を見極めるため、販売を後ずれさせている傾向があるということです。

 今後の見通しについて、同研究所では
秋商戦が本格化する10月以降は、消費増税前の駆け込みの影響がなかった2010年から2012年並みの供給があると予測していますが、郊外の低調が続くようだと、4.6万戸─4.8万戸の年間見通しを下回る可能性があるとしています。

 以上がロイターの記事の概要です。
いろいろな要因が重なった結果ではありますが、8月は数値的にはかなり悪い結果となりました。

 発売戸数については、8月はモデルルームも夏休みに入り、閑散期になります。しかし昨年は消費税率アップの前の駆け込み需要があったため、8月も例外的に4,145戸の供給があり、したがって前年比較では今年はほぼ半減となったのです。しかし、消費税増税の影響がなかった2012年8月の供給戸数が2,704戸、今年8月は2,110戸ですので、2年前との比較でも22%減となっています。

 8月のマンション契約率69.6%は、2013年1月の69.2%以来の70%割れです。70%割れの記録は、その前が2012年9月の69.3%、2011年8月の69.9%となっています。つまり、冬休みをはさむ1月と、夏休みをはさむ8、9月は、販売側も英気を養う時期であり、その年の目玉となるような物件の本格的な商戦とはならず、契約率は下がる傾向にあることは確かです。

 ただ、記事にあるとおり、首都圏近郊と位置づけられる
埼玉県の契約率が57.1%、千葉県の契約率が68.7%と低いのが気になります。都区部72.7%、神奈川県が73.6%の契約率ですので、やや二極に分かれた格好です。

 一方、
平均価格は5,685万円と、バブル期並みの高値となりました。これは販売戸数の少なさから、高額物件の影響が出やすかったという要素もあるでしょう。上記記事では1戸当たりの平均価格が2億円を越える高額物件への言及がありましたが、価格上昇は都区部だけではなく、不振だった埼玉県を除いては、都下、神奈川県、千葉県においても二桁の上昇率となっています。

 販売在庫数は3,426戸と前月より158戸減少し、これはよい数値と言えます。夏の新規物件の乏しい期間を利用して、従来在庫の削減に力を入れた結果かもしれません。前年同月比では704戸も減っています。

 タワー物件は11物件212戸で前年比78.6%減と大幅に減らしました。タワーの契約率は50.9%と近年にない低い数値です。前年同月が85.2%でしたので、その低さが際立ちます。9月の販売戸数3,000戸は前年同月の5,970戸から半減の予想、2012年以前も9月は3,000戸台なのですが、その中でも最も低い供給戸数となりそうです。

 都心部の価格帯戸数の契約割合を見ると、次のとおりです。

2,500万円以下 100%  3,000万円以下 100%  3,300万円以下 95%
3,500万円以下  93%  3,700万円以下  81%  4,000万円以下 90%
4,300万円以下  84%  4,500万円以下  84%  4,700万円以下 77%
5,000万円以下  54%  5,500万円以下  62%  6,000万円以下 62%
6,500万円以下  69%  7,000万円以下  41%  8,000万円以下 66%
9,000万円以下  70%  9,999万円以下  87%  10,000万円以上 88%
20,000万円以上 85%  30,000万円以上 100%


 これを見ると、3,500万円以下の1LDK物件は、投資用需要も入って契約率9割以上と売れ行き好調、一方、5,000万円以下〜8,000万円以下については、7,000万円以下の41%を筆頭に、軒並み契約率が7割を切っています。これが1億円内外以上の価格となると再び契約率は85%以上となっています。

 意地悪い見方をすれば、
投資用1LDKか、相続税対策又は外国人需要の億ションがよく売れ、実需としての3LDKボリュームゾーンは契約率がかなり落ちています。つまり、今の相場を引っ張っているのが不動産投資家及び富裕層(外国人含む)なのであって、消費税率アップ等の影響を最も受ける一般サラリーマンの需要減退が顕著です。そして、上記記事にあるとおり、首都圏近郊物件が最近売れないのも同じ理屈だと思われます。

 言うまでもなく
仮需は最終的には実需を根拠としており、実需が伸びなければ結局仮儒の化けの皮ははがれてしまいます。普通に言えば、それは「バブルの崩壊」を意味します。10月には本番となる秋商戦の前の小休止とはいえ、前兆に暗雲を投げかける気になる結果となりました。 

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| 市場動向 | 20:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
タワマンはファイル圧縮ソフト?−相続税増税を勝ち抜く黄金の方程式
JUGEMテーマ:マンション

★ 9月2日付週刊朝日記事は、『タワーマンションで「相続税対策」 評価額を下げる裏技も』という記事を掲載しています。その概要は、以下の通りです。

タワーマンションは相続税対策にもなります。相続税は、持っている資産の評価額によって決まります。タワーマンションは一戸建てと比べて相続税の対象となる資産の評価額を大幅に減らすことができるというメリットがあります。

 相続税は
「相続税評価額」をもとに計算します。現金や預金は持っている額がそのまま評価額となります。1億円の預金は1億円が評価額です。土地の評価額は路線価などをもとに計算します。実勢価格の8割が目安です。

 たとえば、
3千万円の土地を買って一戸建ての自宅を建てたとします。土地の評価額は3千万円の8割、2,400万円となり、この2,400万円に対して相続税がかかります。

 タワーマンションの場合は評価額を大幅に下げることが可能です。マンションの土地の評価額は、マンションの敷地面積全体を路線価で評価し、各戸が持っている床面積に応じて配分、計算する場合が多いのです。

 タワーマンションのように
何百戸という大規模なものであれば、1戸当たりの土地の持ち分が15平方メートル程度と小さくなるので、評価額は購入価格より大幅に下がるわけです。自宅として住み替えると、タワーマンションは購入価格の4割程度まで評価額が下がるといいます。

 購入したマンションを
人に貸せば、さらに2〜3割評価額を下げることができる制度になっています。

 『タワーマンション節税!相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書)などの著書のある沖有人氏によれば、タワーマンションは評価額を購入金額の2割程度まで小さくすることができるといいます。1億円で買ったマンションの評価額が2千万円になってしまうのです。

 相続はいつ発生するかわかりません。タワーマンションは着工から完成まで数年かかります。この間に相続が発生してしまう可能性があることを考えると、すぐに購入できる中古がおすすめだといいます。

 「将来、住居用として売却しやすい3LDKなどファミリー層向けの部屋のほうが値下がりしにくい」(沖氏)

 このように、
資産運用に使え、相続税の節税効果もあるタワーマンションです。自分の目的に合った物件を探してみてはいかがでしょう。ただ、節税を考えるあまり、子どもが親のお金を勝手に使ってタワーマンションを買ったりすると、マンションではなく「購入金額」に相続税がかかってしまうことがあるのでくれぐれもご注意を。

 以上が週刊朝日の記事の内容です。最近、
「タワーマンションによる節税」の記事をよく見かけますが、これもその一つです。これだけもてはやされるのは、相続税増税を控え、節税対策として「目からウロコ」的な視点であることと、このことが最近、都心高額タワーマンションほどよく売れる背景の説明として納得しうるものとなっているからと思われます。

 来年1月からは相続税の基礎控除が現行の6割に引き下げられます。例えば父が死亡し、相続人が母と子1人の計2人だった場合には、これまで基礎控除となる金額は5千万円+1千万円×2人=7千万円だったところ、税制改正後は3千万円+6百万円×2人=4,200万円となります。

 これは
一般サラリーマンでも無関心ではいられない額です。例えば毎年100万円、若いときからこつこつ貯める計画を続けていくとすれば、定年時にはそれだけで相続税対象額に達しそうなレベルになります。相続税は一部の富裕層対象の税金から一般人対象の税金に、その性格を変換させたかのようです。

 それに対抗するための対策としての「タワーマンション高層階購入」を、
目ざとい人は既に実行していたのでした。これは、以下の4つの点で優れていると考えます。

(1) 資産の評価額として圧縮できる

 この点は上記記事の通りですが、税の評価上は2階住戸も50階住戸も同じという性格を突いたものです。これは、資産評価の基準がおかしいというよりも、私達の購入嗜好に基づいた昨今の価格設定が税制上は変だ、と言ったほうがよいのでしょう。

 実際、
マンションが出始めた頃の価格は、1階が2階よりも価格が高く、2階以上はすべて同じ面積であれば同じ価格であった、と聞いたことがあります。低層階が地べたに近くてよいのか、高層階が眺望がきいてよいのか、これは客観的な基準ではなく、専ら主観的な価値観によるものです。

 ですから、
高層階マンションを買う、ということは、税制上は本来低い価値のものをわざわざ高い金を出して買ったことになります。

(2) リセールバリューが高い

 しかし、それは経済的に無駄な行為だと誰も思っていません。というのも、人気が高い住戸は通常、中古市場でも人気が高く、よほど無茶な価格設定でない限り、高値で買った住戸は高値で売れる傾向にあるからです。しかも、キャピタル・ゲインの利ざやは、高額住戸ほど大きくなることが多いのです。

 また、上記記事にあるように、
中古マンションの方が相続対策に向いていると考える人がいれば、強い需要の下で早期の売却が見込める可能性があります。

(3) 賃貸に出せば家賃収入が得られ、かつ、評価額が一層低減する

 もちろん、自分で住んでもよいのですが、相続対策でマンションを複数戸所有するのであれば、そのまま賃貸に回せば家賃収入が期待できます。さらに良いことには、税制上の評価額は賃貸物件とすることで一層低減するというのです。単純に言えば、お金がもらえて税金が安くなるのですから、二重にハッピーです。

(4) ローンを組んで資産を増やせる

 不動産の良いところは、物件を購入する時にそれを担保に多額のローンが低利で借りられることです。つまり、借金も増えるのですが、資産もそれだけ増え家計規模が大きくなります。上記(3)の賃貸と組み合わせれば、賃借人が払う家賃でローンを返済できますので、完済の暁にはわずかな自己資金で大きな資産を獲得することができるのです。

 もし
現金を貯金に回すだけだと、どんなにまじめにがんばっても資産を飛躍的に増やすことは不可能に近いと考えられます。しかし、不動産投資を行うとレバレッジを使えますので、保有資産の時価が1億円を超えることはそれほど難しいことではありません

 もちろん、
不動産は投資規模が大きいので、購入後の価値下落や空室リスク、陥りやすい過剰投資など、いったん失敗すると取り返しがつかなくなるといったリスクの大きさも見逃せません。しかし、その点を割り引いても、相続税対策としての不動産活用は最適解であるような気がします。

 これは不動産仲介業の営業マンが教えてくれた話ですが、その人の顧客に
貯金のほとんど全部をつぎ込んで不動産投資をしている人がいるのだそうです。その営業マンはつい、「そんなに不動産投資をして怖くないですか」不動産仲介業の営業にあるまじき発言をしてしまったのですが、その顧客は、

「いやいや、今は資産の当面の使い道がないので、不動産に代えているだけなんだ。必要があればその不動産を売ればいいわけだしね」

 その顧客にとって
不動産とは、銀行の預金通帳のようなものなのでしょう。換金が遅いという欠点はありますが、銀行だって定期預金をすれば満期に縛られるわけです。まして不動産にすれば、資産評価を自動的に圧縮できるという、ファイル圧縮ソフトのような便利な存在です。

 肝心なのは、
そのようなマンションを複数戸持てるだけの財政的基盤と、その先を見据えてリスクを取りに行く勇気だと思います。

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| ノウハウ・経験談 | 20:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
父さんはバフェット?−それでも儲からない投資術
JUGEMテーマ:マンション

★ 先週末から今週頭にかけて、九州の実家に帰ってきました。つい2ヶ月前も帰ったばかりだったのですが、両親が年をとると、やはり帰る機会があれば帰っておきたいと思います。兄2人も同じ気持ちなのか、9月にはそれぞれ実家に帰るとのことでした。

 私の父と母は全く対照的な性格や行動パターンで、母は家事のほとんど全てをやり、父は仕事を辞めてからは1日1回の自転車での買い物以外はテレビやパソコンで囲碁三昧です。「力仕事も全部私やが」とぶつぶつ母は言いながら荷物を縛ったりしていますが、それは私達子供にとって何十年と見慣れた我が実家の風景です。

 お金に関しても、
母は銀行預金など元本保証のあるもの以外はもってのほかですが、父は節約という観念があまりなく、その割には儲け話は好きで、若い頃から株に手を出し、私が小学生の頃は町営住宅に住みながらラジオからは毎日「株式市況」が流れるなど、今考えれば何ともアンバランスな組み合わせの日常でした。この頃の父はしょっちゅう株の売り買いをし、株屋ばかりを儲けさせ、自分が儲かったという話はとんと聞かず「ほんと、株はすかん」母はますます投資嫌いになっていったのでした。

 それでも
1970年代に、父は今の実家の土地をえいやっと勢いよく買って、どうもふんだんに金をかけて家や庭を造ってからは、株式は父が自ら勤めていた地方銀行のA銀行と関連金融株にしぼった長期保有のスタイルに転じた模様です。時代は右肩上がり、父の長期保有はそれなりに効を奏し、私がバブル絶頂期の1990年11月に東京ベイヒルトンで結婚式を挙げたときは、その費用のほとんどを父の株の売却益でまかなったと聞きました(今思えば、私も甘えていました)。

 しかし、ご存じの通りそこから
バブルは崩壊して時代は暗転、特に金融業はことのほか厳しく大手銀行でも倒産、合併で淘汰が繰り返されました。父の保有していた都銀株はほとんど紙くず同然のところまで行き、また、父の勤めていたA銀行の株も深刻な不況や大型融資の失敗から激下がりしました。

 ただ、
母がこれだけは感心しているのが「お父さんはそんなときでも全く気にせんとよ。私ならとても耐えられんが」ということで、そんな厳しい時代でも父はのほほんと大損を乗せた株式を保有し続けたのでした。ちなみに父の勤めていたA銀行の株は、私が結婚した頃は1,000円を超えていたのがその後は20年以上も株価がさえず、リーマンショック後には300円を切っていました。

 私と母が最もびっくりしたのが、リーマンショックでもういい加減懲りただろうと思っていた矢先、父が「A銀行株を買い増す」と言い出したことです。これは経営難のA銀行が苦し紛れに増資を行い、案の定買い手があまりいなかったのか、大昔からの保有歴をたどって父のところにまで証券会社から勧誘が来たためで、父はそれにほいほいと乗ろうとしていたのです。

 「うんにゃ、お父さん。いかん、使うんなら私のお金を使って」株の素人である母もその危うさを直感したのか、父の貯金ではなく、自分が汗水たらしてパートで貯めてきたお金を百万円単位で父に差し出し、それでA銀行株を買うこととなりました。母はもちろんA銀行株を買いたかったわけではないのですが、そうでもしないと父がどんどん株にお金を消費してしまうと思ったのでしょう。

 そして
皆が予期していたとおり、買い増したA銀行株は下がり続け、3年後には購入時の約半値になりました。しかし、父は毎日株価をチェックしながらもそれを気にする様子でもなく淡々と日々の生活を送っていました。私はこの話題を出すのもはばかられて、ずっとこのことに触れないでいました。

 そして
今回の帰省で、私は「もうそろそろほとぼりも覚めたかな」と、「A銀行株、あれからどうなったん?」と聞いてみました。すると父はにっこり笑い「それがなあ、今は株価が買った時より10%も上がってな。12万円くらい儲けとる」鼻高々に言うのです。

 なるほど、
最近はアベノミクス効果や、今月の意味不明の株価連騰で、A銀行の株も近年久しくなかった上り調子になっています。もし買い増しをした上に株価下落に失望して早々と売却していたら、今頃臍をかんでいたことでしょう。その意味では父の長期保有のスタンスは現時点で正しかったと言えます。

 しかし考えてみれば、
父はその前のA銀行株価1,000円超の時代にいっぱいA銀行株を購入しているため、トータルでは大負けしており、その損失額をカバーできる時代は、おそらく今後も到来することはないと思われます。その意味では父の超長期保有のスタンスは、数字上はネガティブな評価をせざるを得ないかもしれません。

 ただ、
肝心なのは、父本人が、もちろん株価の動きに一喜一憂することはあるのでしょうが(毎日株式欄はチェックしている模様です)、総体としては株式投資を楽しんでいるということです。確かに、これくらいの年齢になると儲かっても使い道がありませんし、全額すったとしても、別に今の生活水準が変わるわけでもありません

 思うに、
投資と言うのは、これくらい気持ちの余裕があって初めて成り立つものかもしれません。私自身の体験や周囲を見聞きしたところからも、株も不動産も小刻みに売り買いをしたのでは、トータルでは「悔いの残る負け」が膨らんでいく傾向があると思います。そうではなくて、株式投資も不動産投資も、その極意は「勝ったか負けたかわからない(気にならない)くらい持ち続ける」ことにあるような気がします。

 天才投資家のウォーレン・バフェットは、一度購入した株は「死ぬまで持ち続ける」ことをモットーとし、巨万の富を築いてきました。私の父も、バフェット並の気の長さで株式を持ち続け、それでちっとも儲かっている雰囲気はありませんが、気持ちの穏やかさは賢人バフェットにひけをとりません。私はそんな父を尊敬し、今後の不動産投資等においても目標にしたいと思っています。

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| ノウハウ・経験談 | 21:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
マンション市場も一寸先は闇?−できすぎだった2013年の資産運用結果
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★ 一昨年の12月23日の本ブログ記事『今年の投資の最大の勝者は国内REIT!−2012年の資産運用結果を振り返る』で書いたとおり、私は一昨年4月から投信への毎月投資を行ってきました。大変個人的なお話なので、ここに書くのもどうかと思いますが、私が行った試みの結果を一応記録に残しておきたいと思います。

 これは、
内藤忍氏と石川貴康氏の共著『不動産投資×証券投資 最強のハイブリッド投資術』に刺激を受けたもので、手間をあまりかけず時間をかけることで資産を構築していこうというスタンスで、「長期」「分散」「低コスト」「インデックス」「積立」の5つのキーワードを基本方針としています。

 内藤氏のお薦めは、日本株式20%、日本債券20%、外国株式30%、外国債券10%、流動性資産20%で、株式:債券:流動性資産=5:3:2、国内:海外=1:1と、株式に比重を置きつつも、債券と流動性資産でバックアップし、また、より成長が見込めるであろう外国投資をしつつ、リスク抑えに国内投資でバランスをとるというものでした。

 私もこれに沿って、
少額投資が可能な各種インデックスファンドについて、毎月決まった日に1万数千円程度を、TOPIX20%、全世界株式20%、新興国株式10%、国内債券20%、外国債券10%、国内REIT10%、外国REIT10%の割合で割り振って積み立てていくこととしました。

 内藤氏のお薦めのうち、
流動性資産の代わりにREITを買うこととしましたが、これにより、投資する資産配分は、株式:債券:REIT=5:3:2、国内:海外=1:1となります。また、リバランスを毎月することにより、より投資割合に忠実であるようにしました。

 一昨年の結果は、同年夏までは国内債券を除いた全てのファンドで損失が出ていましたが、同年9月にまず国内外のREITが持ち直し、続いて全世界株式外国債券、そして新興国株式が黒字転換し、最後に残ったTOPIXも同年11月の衆議院解散時からの急騰により、大幅に収益が改善し、一昨年末のリターンは、次の通りとなりました。

 TOPIX   11.5%  全世界株式 14.4%  新興国株式 15.0%
 国内債券   0.3%  外国債券  10.1%
 国内REIT 15.5%  外国REIT  13.3%
  全体リターン10.5%

 さて、ここから1年間、さらに同じ手法で投資を続けた結果、昨年12月には以下のリターンとなりました。

 TOPIX   42.2%  全世界株式 38.6%  新興国株式 19.2%
 国内債券   1.3%  外国債券  19.0%
 国内REIT 31.7%  外国REIT  18.4%
  全体リターン23.6%

 昨年1年間は、世界的に株も債権も不動産も好調という最高の年になりました。したがって、全ての商品で一昨年と比較して運用成績が上がっています。特に、TOPIXはリターン率が一昨年の3.7倍、全世界株式は2.7倍となり、先進国の株式市場の好調さが際立っていました。

 一方、
昨年はリターン率がトップだった国内リートは、昨年5月までは異常な上昇ぶりを示したものの、その反動が下半期に表れ、リターン率は3番手に後退しています。それでもリターン率は一昨年の2.0倍とかなりなものです。

 それにしても
「できすぎ」の1年でした。私が最近、モデルルームで聞いた話では、昨年は新築マンションに株式投資で得た2千万円、3千万円といったキャッシュを充てる人がかなりいたそうです。昨年マンション市場が活況だったのは、やはりこのような株式市場の高騰が影響しているわけで、不動産市場が株式市場に半年ほど遅れて連動するという傾向も、なるほどそういうことか、と思った次第です。

 上記の投資手法は
本来、長期に継続すべきなのですが、私は昨年12月に上記のリターンをもって全額売却しました。それは、本年になると昨年来の株の譲渡益に20%の税率がかかるからで、今後の株価の動向と天秤にかけて、これが特例期間である昨年末までの10%税率のときに売った方が損をしない(といっても差額は数千円に過ぎないのですが)と考えたためです。

 本年は春先にまとまった資金が必要になるため、この
少額投資はまだ再開していません。今年は午年で、相場の格言では「辰巳天井、午尻下がり」となり、過去も実際に午年には株価が下がっていることも気になっています。おそらく私のように、一般にもこの格言を気にすること自体が株式投資を鈍らせ、格言を現実化させている可能性もあるでしょう。

 株価の勢いが鈍れば、上記のような2千万円、3千万円といった不動産に回す余裕資金も生じにくくなり、マンション市場も停滞するリスクがあります。まさに経済の一寸先は闇ですが、今年も興味を持ってマンション市況を見ていきたいと思います。

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| 不動産投資入門 | 22:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
狙いは新築、40平米、カップル対象?−賃貸トレンドにみる不動産投資
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★ 本年11月30日付suumoジャーナルによれば、アットホーム株式会社は、同社の全国不動産情報ネットワークにおける、2013年10月期の首都圏賃貸物件の成約数・成約賃料について市場動向を発表しました。

 これによれば、10月の首都圏の居住用賃貸物件成約数は18,668件で、
前年同月比3.4%減少し、2か月連続のマイナスとなりました。これは、東京23区で好調に推移してきたマンションが同12か月ぶりに減少し、全体では同17か月(1年5か月)ぶりに減少に転じたこと、また神奈川県で同4か月連続の減少と、市場の停滞が続いていること等によるものです。一方、埼玉県は同29か月(2年5か月)連続増と、好調が続いています。

 1戸あたり平均賃料は、マンションでは、新築が面積の広い物件の成約が好調前年同月比3か月連続の上昇中古は同7か月連続で上昇しました。またアパートは、新築が同10か月連続で上昇しましたが、中古は同3か月連続で下落しています。

 以上がsuumoジャーナルの記事の概要です。12月1日付J-CASTニュースによれば、最近は
新築マンションのみならず、中古マンションも値上がりしており、その理由としては、地価の上昇、新築マンションと比較した相対的な割安感に加え、節税対策としてのマンション投資があるとのことです。つまり、賃貸目的でのマンション購入が物件を動きやすくし、市場が良い方向に回転しているというのです。

 一方、上記suumoジャーナルの記事によれば、
賃貸需要は一進一退で、売買需要ほど好調なわけではありません賃貸狙いでマンションを購入したとしても、借り手が見つからなかったら元も子もないわけで、一念発起して始めた不動産投資も当初からつまずくことになりかねません。

 では現在、
安心して投資できる物件というものがあるのでしょうか。上記記事の元となったアットホームのニュースリリース『首都圏の居住用賃貸物件(10月)』に詳しい分析がありますので、これを見てみることにします。

 まず、
新築と中古の比較では、新築マンションの賃料上昇率が4.7%、中古マンションの賃料上昇率が0.2%と、明らかに新築賃貸物件への選好が見られます。特に、東京都下では新築物件の賃料が16.7%上昇しているのに、中古物件の賃料が4.9%下落しており、その傾向が顕著です。神奈川県、千葉県、埼玉県においても、新築の賃料上昇、中古の賃料下落と、対照的な結果となりました。

 新築の賃料と中古の賃料では当然、
新築賃料の方が高く、どの時代でも新築志向は一定程度存在するのですが、それでも不況期・デフレ期には賃料との兼ね合いから、新築賃料も下落していくのが一般的です。今回の傾向は、景気の先行きの明るさも手伝って、賃借人の中古から新築への移行が始まっているとも考えられます。

 地域別のデータに着目するならば、
神奈川県下の賃貸成約数が2桁の減少率を記録するなど、「神奈川県の一人負け」の様相です。従来、神奈川県は、23区に次ぐ成約件数を誇り、賃料も東京都下に匹敵するものがありましたが、もしかすると、より高い賃料の23区への賃借人の移動があるのかもしれません。もちろん、これとは反対に、より低い賃料の埼玉県・千葉県への移動もあり得るところで、賃借人の「二極分解」という現象も考えられます。

 さらに興味深いのは、
賃貸物件の主流を占めるシングル向き物件(30平米未満)の不振が続いており、ファミリー向け物件(50平米〜70平米、70平米以上)も成約数が減少していますが、カップル向け物件(30平米〜50平米)のみが成約件数が上昇しているのです。

 カップル、といった場合に、
新婚カップルもあれば、結婚していないものの同棲するカップルもいるでしょう。しかし、新婚であれば、最近の晩婚化傾向もありますし、30平米〜50平米より広めの物件を希望するのではないかと推察します。

 とすれば、
むしろ最近賃借人として増えているのは同棲カップルなのではないでしょうか。以前は同棲、というと、かぐや姫の「神田川」的などことなく暗いイメージがありましたが、今はむしろ「ルームシェア」的な明るいムードがあります。

 つまり、
2人とも年収はまだ高くないし、土日以外はどうせ部屋にいる時間も長くないですから、2人で折半すれば、より良い場所に、より良い物件を借りることができる、という合理的な判断をしていると思われます。そう言えば、私の甥も、上京してずっと彼女と2人で23区内の物件を借りて住み続けています。

 したがって、これらのデータを考え合わせると、
今一番需要があるのは、新築、23区、専有面積40平米内外、間取り1LDKの物件ではないかと考えます。1LDK、としたのは、同棲カップルであれば、寝室は1室でよく、また、一般に密着度が高い(?)ので、部屋にいる時間はリビングで2人で過ごす時間が長いだろうと考えたからです。

 これが
新婚カップルだと、生まれてくる子供のスペースも考えるかもしれませんし、ディンクスであれば各々独立した部屋を持ちたがるのではないかと思います。逆に同棲カップルであれば、単身では高すぎて住めない良質の1LDK物件をシェアできるメリットがあるわけです。

 私が昨年まで
購入を検討していた複数の候補物件も新築マンション・40平米・1LDKで、このようなデータを見せられると、「安いうちに買っておけばよかったかなあ」と思いましたが、そこで踏み出せないのも私の私たる所以です。いずれにしても、不動産投資を検討されている方は、よくある20平米内外のシングル向け投資物件だけではなく、このような40平米程度の1LDK新築分譲物件を考えてみるのも一つの方法だと思います。

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| ノウハウ・経験談 | 20:04 | comments(4) | trackbacks(0) |
地価上昇が続く日本経済−下落エリアは早め早めの打開策を
JUGEMテーマ:マンション

★ 国土交通省は、主要都市の高度利用地地価動向を報告した「地価LOOKレポート」(2013年第3四半期)を発表しました。対象地区は、東京圏65地区、大阪圏39地区、名古屋圏14地区、地方中心都市等32地区の計150地区、内訳は住宅系地区44、商業系地区106です。

 当期(13年7月1日〜10月1日)の全体の地価動向は、
上昇が107地区(前回99)、横ばいが34地区(前回41)、下落が9 地区(前回10)となり、上昇地区が8地区増え、全体の約7 割を超えました。今回の地価動向は、前回に引続き三大都市圏の大半の地区で上昇(0-3%)を示すなど、従来の下落・横ばい基調から上昇基調への転換が引続き広範に見られる結果となりました。

 上昇地区が全体の約7割を超えたのは、
不動産投資意欲の回復、住宅需要の増加等により三大都市圏の大半の地区において引続き上昇となったことのほか、京都市や仙台市の利便性の高い地区等における需要増により上昇に転じた地区が生じたことによります。

 三大都市圏(118)のうち、
東京圏(65)では上昇地区が46(前回45)、横ばい地区が15(前回16)、下落地区が4(前回4)と約7割が上昇となりました。また、大阪圏(39)では、上昇地区が28(前回25)、横ばい地区が11(前回14)と約7割が上昇となりました。さらに、名古屋圏(14)では、前回に引続き、すべての地区で上昇となりました。地方圏(32)では、上昇地区数が19(15)、横ばい地区数が8(11)、下落地区数が5(6)と上昇が過半数を超えました。

 用途別については、
住宅系地区(44)では、上昇地区が35(前回31)、横ばい地区が7(前回11)、下落地区が2(前回2)と約8割が上昇となりました。特徴的な地区を見ると、京都市中京区の「二条」、西京区の「桂」で平成19年第4四半期(10/1〜1/1)の調査開始以来初めて上昇に転じたのを始め、5地区で上昇に転じました。

 商業系地区(106)では、上昇地区が72(前回68)、横ばい地区が27(前回30)、下落地区が7(前回8)と約3分の2が上昇となりました。特徴的な地区を見ると、仙台市青葉区の「一番町」で平成19年第4四半期(10/1〜1/1)以来5年9ヶ月ぶりに上昇に転じたのを始め、8地区で上昇に転じました。

 以上が調査結果の概要ですが、
地価は引き続き上昇基調で、しかもその波が地方都市圏にも及び、広範になってきています。購入検討者にとってはつらいですが、日本経済にとっては好ましい傾向と言えます。

 一方、
東京圏は、前回調査では上昇地区が大きく増えたのですが(38地区⇒45地区)、今回の上昇地区は1箇所増にとどまり、大きな変動はありませんでした(前回調査につき、本年8月27日の本ブログ『今は最もバランスの取れた理想的な地価回復期−1年前とは急変貌の地価傾向』)。地価上昇と言っても狂乱的に上がっているわけではなく底上げを伴って順調に価格を上げてきている印象です。

 前回と異動があった地区を見てみると、
横ばいから上昇に転じたのが住宅系地区ではさいたま市新都心、品川区品川2箇所商業系地区では豊島区池袋西口、世田谷区三軒茶屋、武蔵野市吉祥寺、横浜市横浜駅西口4箇所計6箇所です。逆に上昇から横ばいに転じたのが住宅系地区では港区高輪1箇所商業系地区ではさいたま市浦和駅周辺、川口市川口駅東口、台東区上野、横浜市都筑区センター北4箇所計5箇所となっています。

 このように今回は
商業地区で若干異動があり、住宅系はさほど変動がない地価動向でした。商業地区では、どちらかといえば人気エリア繁華街で上昇し、それからはやや離れる商業地区で地価が鈍った格好です。

 また、
地価上昇を4期連続続けている地区は、住宅系地区では江東区豊洲、武蔵野市吉祥寺、横浜市都筑区センター南、横浜市青葉区美しが丘、川崎市中原区元住吉5箇所商業系地区ではさいたま市大宮駅西口、市川市本八幡駅周辺、港区汐留、渋谷区渋谷、渋谷区表参道、豊島区池袋東口、墨田区とうきょうスカイツリー駅周辺、川崎市川崎駅東口、川崎市中原区武蔵小杉9箇所です。いずれも話題のスポット、再開発がなされた地区、人気の高い住宅地で地価の上昇が続いています。

 一方、
4期連続地価が下落している地区は、いずれも住宅系地区千葉市中央区千葉港、浦安市新浦安2箇所3期連続下落している地区は、いずれも商業系地区千葉市中央区千葉駅前、八王子市八王子2箇所です。住宅系地区では東日本大震災でのダメージが残る地区商業系地区では中心市街地の空洞化が忍び寄る地区下落傾向が続いています。

 このように、
マクロでみればバランスのとれた上昇基調を続けている東京圏の地価動向ですが、スポット的に見ると、いまだ傷が癒えないエリア、中長期的な衰退傾向と戦っているエリアが点在しています。肝心なのは、このようなデータを活用して、官民が協力して早め早めに手を打っていくことでしょう。こういうときこそ、地域力が問われるのではないかと思います。

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| 市場動向 | 19:43 | comments(2) | trackbacks(0) |
湾岸がすごいことになっている−それは価値ある物件か、それとも群集心理か
JUGEMテーマ:マンション

★ NET IBニュースでは、9月27日から4日連続で『勝どき晴海の不動産争奪戦ヒートアップ』と題してレポートが掲載されています。最近の湾岸不動産売買の過熱ぶりが報じられていますので、そのポイントを以下にご紹介します。

○ 晴海地区に
"五輪特需"が到来した。勝どきにある不動産業者が「晴海地区を中心とした中央区の開発に力が入るのは明白なので、不動産投資家たちも先を見越して動いています」と言うように、7年後を見据えて、この地区に不動産投資マネーが流入している。

○ オリンピック開催が決定してから、それまで
動かなかった物件が不思議なくらいに動き始めたという。「開催決定を契機に問い合わせが増え始めて、9月後半に入り、問い合わせや見学が殺到して、実際にその場ですぐに購入する方も増えています。3連休は休みがなかったぐらい。五輪開催が決まってから、東京全体で不動産の状況が動き始めたと思いますが、とくに、勝どき付近の中央区の物件の動き方が激しいですね」

○ 住宅用に購入するケースとは別に、
投資用に、投機的なマネーが入ってきている。9月中旬の連休に、千葉県から地主が見学にやってきて、現金で5,000〜6,000万円の物件を数件購入していったという。サラリーマンたちは、銀行のローンの審査をやり終えるのに、通常3〜4日かかる。審査待ちの列をキャッシュで追い抜いて買っていくケースが、ちらほら見られるという。

○ 立地、眺望など
条件の良い物件は、投資家たちによる争奪戦になっている。「以前から買おうと思っていた人は、見学に来て、その場で契約する人が多いですね。好立地の物件に関しては、眺望がどうとか言っているヒマはない

○ 需要側の過熱気味の状況を見て、
供給側は強気になれる。近々、分譲されるタワー型高層マンションのモデルルームの見学・申し込みが五輪開催決定後急増しており、契約数も目に見えて増えているという。高層マンションの建設は晴海地区付近で6棟ほど計画されており、これから分譲される新築マンションは、まだ価格発表はされていないが、売る側はかなり強気に出てくることが予想されている。

○ 勝どきにある不動産業者は、「
中古も含めて、強気のオーナーは、2割3割増しで乗せてくるでしょう。たとえば、現在、3LDK、5,000万円の物件なら、6,000万円あたりまで上乗せしてくるのではないでしょうか。新築なら、価格発表とともに思い切った価格を付けてくる業者も出てくるのでは」と分析。

○ 一方で、実際に住む用に借りる
賃貸マンションの実需では、それほど大きな動きはないという。「晴海付近の街並みが変わり始めるのは、もう少し先ですし、今後、人口が減ってくることと、この付近では新築の供給量も多いので、賃貸で言えば、五輪決定後に大きく動いたということはない。動き出すのは開発がもう少し進んでからか、賃貸では、それほど動かないのではとも思っています」

 以上がNET IBの記事のポイントです。最近私はモデルルーム巡りをしていないので実地で確認できていないのですが、ネット上の掲示板の情報を読むと
「すごいことになっている」ようです。先月は消費税5%による契約の最終月だったこともあり、特に安倍総理の消費税8%上げの決断が判明した9月最終週では、「モデルルームに行ったその日に即契約」という行動も目立ちました。

 マンション購入の決断まで数年かけてモデルルームに行きまくった私としては、
数千万円かけた「人生の決断」を即行えるとは信じられないのですが、私のように迷い始めるといつまで経っても買えないので、ある意味、時間とコストを最大限節約した「賢い判断」とも言えます。結婚も就職もマイホームも「勢い」が大事です。

 最近、
中古マンションは、供給数が減り、販売価格も高くなっています。例えば、流通量が多く、ベンチマークとなり得る『WORLD CITY TOWERS(ワールドシティタワーズ)』の中古物件をフォローすると、これまでは常時10数件の販売住戸があり、価格帯も中層階で坪単価250万円程度だったのですが、今「ノムコム」で販売されている同マンションの戸数は5戸で、坪単価は中層階で坪単価300万円程度に上がっています。つまり、この半年間で、専有面積80平米程度の同マンションの住戸が1千万円くらい価格が上昇しているのです。

 新築マンションの価格もこの夏から急に上昇しました。こちらも、これまで平均坪単価200万円台後半で購入できた湾岸物件が、軒並み平均坪単価が300万円を超えてきています。それでも「高ければ高いほど売れる」という不思議な現象も見られ、売主にとってはいくらでも強気でいける相場になっています。

 やはり首都圏には
「やる気になれば高値物件でも買える」という層が分厚くいるということでしょう。上記記事にあるように、「その場でキャッシュで買う」のはいかにも湾岸タワー物件に似つかわしい光景かもしれません。

 坪単価が上がっても「まだ買える」というムードなのは、
購入検討者がますます専有面積の広さにこだわらなくなってきたこともあります。確かに、これまで専有面積80平米を希望していた人が10平米面積を小さくすれば、かなり選択肢は広がります。

 しかし、
売主が強気の状態のときに購入するのは、それだけ買主が不利な状態を甘受していることになり、相対的にリスクは高くなっています。「相場は気にしない。高ければ高いほど価値がある」という一部の富裕層は別にして、私達一般人は、消費税増税のイベントが終わる3年後、あるいは東京オリンピックが終わる7年後、そしてその先のマンション需給関係頭に入れておくべきでしょう。

 人間は熱に浮かされると、後で冷静になったときに「何であんなことを」と思う行動に出ることがあり、それは、不動産バブル期にも、消費税が3%から5%に上がるときも、不動産プチバブル期にも見られた現象でした。これらの時期に購入したマンションが、いずれもその後の中古市場で価値下落に苦しんだ、あるいは今も苦しんでいる、というのも程度の差こそあれ共通した現象です。

 バーゲンセールで「すごいことになっている」現場では手当たり次第につかむこともモノによっては価値がありますが、高値でも群集心理で「すごいことになっている」現場には近づかない方が安全ではないか、というのが私の個人的な印象です。

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| 市場動向 | 20:22 | comments(2) | trackbacks(0) |
投資用マンションは買って得なのか−毎月赤字・30年シバリで豊かな老後?
JUGEMテーマ:マンション

★ 今月14日付MONEYzineの記事によれば、不動産経済研究所は8月7日、2012年と2013年上期の首都圏の投資用マンション市場動向を発表しました。

 調査結果によると、
2012年に発売された投資用マンションは143物件で、戸数は6,966戸でした。前年と比較すると物件数は43物件(43.0%)増、戸数は1,668戸(31.5%)増となり、大幅増となりました。2012年の平均価格は2,382万円で、前年より51万円(2.1%)の下落、1平方メートルあたりの単価は96.8万円で、前年より0.8万円(0.8%)下落しました。2,500万円以下の物件のシェアは75.7%で、前年より0.9ポイント増加しました。

 また、
2013年上期(1月〜6月)に供給された投資用マンションは73物件で、戸数は3,330戸でした。前年同期は72物件、3,574戸の供給で、1物件増えたものの戸数は6.8%減少しました。平均価格は2,547万円で、前年同期より188万円(8.0%)の上昇、1平方メートルあたりの単価は98.8万円で、前年同期より1.8万円(1.9%)上昇しています。2,500万円以下の物件のシェアは60.4%で、前年より16.4ポイントの大幅減でした。

 リーマンショックの影響などで、減少傾向にあった
投資用マンションの供給戸数は、2011年から増加に転じ、2012年にはさらに増加しました。2013年上期は前年と同程度の供給があり、物件価格も上昇傾向にあります。

 アベノミクスや超低金利の影響で、
賃料収入を期待する購入者が増加し、投資用マンション市場は活気づいており、ちょっとした不動産投資ブームといえるかもしれません。

 その一方で、投資用マンションの購入者からは、
「家賃相場の下落や空室の増加で期待通りの運用ができない」「売却したくても、ローン残高以上の価格で売却できない」といった失敗例の報告もあります。

 不動産投資は
老後の年金対策として有効などの魅力がある反面、失敗例のようなリスクもあります。購入を検討している人は、こうしたリスクを認識しておくことも重要でしょう。

 以上がMONEYzineの記事の概要です。
景気が上向くと必ず流行るのが投資用マンションです。上記記事のとおり、リーマンショックで一時落ち込んだ供給戸数も2012年に回復し、かつ、2013年は供給戸数は微増ですが、価格の上昇傾向が目立ちます。しかも、2,500万円超の高額物件の割合が増えているようです。

 不動産投資についてはあれこれシミュレーションして、妄想するのが好きな私ですが、
新築投資用マンションだけは、どこに妙味があるのがよくわかりません。例えば、大手投資マンション会社が提唱するのは、「月々1万円程度の支払いで豊かな老後を」というものです。

 「えっ、不動産投資なのに毎月赤字なの?」と思ってしまいますが、要は30年間のローン完済後に「豊かな老後が送れる」ということのようです。しかし、投資用マンションは中古での値下がり率が大きく、中途換金がしにくい欠点があります。年数が経過すれば、室内リフォーム等の費用もかさんできます。これらを辛抱強く30年間我慢しながら、毎月1万円ずつ支払い続けた者だけが勝者となるのです。思わず、「そんなに苦労せんでも…」と言いたくなります。

 それでは、
利回りの比較的高く見える中古区分マンションはどうでしょうか。私が以前会った1棟モノ専門の不動産投資会社の営業の方は、「何が楽しくて中古区分を買うのかわからない」と首をひねっていました。例えば、本日、メールで私の元に届いた情報には、渋谷区区分マンション・築36年・利回り9%の物件がありました。耐用年数から考えるとローンが組めるのは10年、頭金1割とすると、年間37万円の赤字となり、10年間、この数字が好転することはまずありません。

 ただ、10年間我慢し、最低限37万円×10年=370万円余分に支払えば、その後は収入源として働いてくれる、と言えなくはありません。また、中古マンションは新築マンションと比べれば下落幅が緩やかで、かつ、ローン期間が短いため、途中でマンション経営が厭になった時の中途換金もある程度可能です。

 しかし、マンションで投資をするならば、私は、
専有面積40平米超・間取り1LDKの一流デベロッパーの新築・築浅の都心分譲マンションが最も良いと思っています。例えば専有面積40平米で3,500万円のマンションを購入し、月17.5万円で貸すことができれば表面利回り6%となります。頭金1割、投資用ローン金利3%、期間30年で借りた場合、毎月の支払いが13.3万円です。

 これに
毎月の管理費+修繕積立金が1.5万円程度(新築・築浅は修繕積立金が低く抑えられています)とすれば3万円弱は手許に残ります。もっとも、この利益も確定申告時の税金の支払いで消えてしまう可能性が大ですが、少なくとも上記の新築投資用区分マンションより割が良いと思われます。

 そして何より、
一流デベの都心分譲マンションが良いのは、中古市場での値下がりが小さいことです。例えば先ほどの条件で10年後のローン残高は約2,400万円ですが、もし10年後に本マンションの価格が悪く見積もって2割下落したとしても2,800万円で、当初の頭金を差し引いても何とか実質的な売却益が見込める可能性が高くなります。唯一心配なのは空室リスクですが、築浅で都心の人気地ほど高額でも賃貸需要はあるものです。

 このように、
賃貸時には投資用として、売却時には居住用としてセールスできる一流デベ・都心分譲マンションは、分譲価格は張りますが、それだけリスクも低いと考えています。また、専有面積が40平米超の賃貸住宅は不動産取得税がかからないといった初期のメリットもあります。

 逆に
グロスの低さに惹かれて専有面積20平米台のマンションを買うと、一流デベの分譲マンションでも坪単価がそこだけ高いものがあり、中古市場でも永住用としては敬遠され、下落リスクが大きくなります。

 もっとも、本来は、1棟モノのマンションやアパートでないと、本格的なインカム&キャピタルゲインは見込めないと思われます。不動産投資に手軽さを求めるとヤケドをしかねない、というのが私の印象です。

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| ノウハウ・経験談 | 23:38 | comments(6) | trackbacks(0) |
今は最もバランスの取れた理想的な地価回復期−1年前とは急変貌の地価傾向
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★ 8月27日付R.E.portによれば、国土交通省は、主要都市の高度利用地地価動向報告した「地価LOOKレポート」(2013年第2四半期)を発表しました。対象地区は、東京圏65地区、大阪圏39地区、名古屋圏14地区、地方中心都市等32地区の計150地区、内訳は住宅系地区44、商業系地区106です。

 当期(13年4月1日〜7月1日)の全体の地価動向は、
上昇が99区(前回80地区)、横ばいが41地区(同51地区)、下落が10地区(同19地区)です。上昇地区が全体の3分の2に達し、2期連続で最大の変動率区分となりました。

 上昇地区増加の要因は、
利便性の高い商業系地区での不動産投資意欲の高まり、住宅系地区での需要増により、三大都市圏に加え地方圏の一部でも地価が上昇に転じたことなどがあります。

 圏域別の三大都市圏では、
東京圏は上昇が45(同38)と過半数を大きく超えました。大阪圏は上昇が25(同24)、横ばいが14(同15)、下落がありませんでした。名古屋圏は、すべての地区が上昇に転じ、地方圏で、上昇が15(同11)、下落が11(同9)に上昇が下落を上回りました。

 用途別では、
住宅系地区は、上昇が31地区(同26地区)、横ばいが11地区(同15地区)、下落2地区(同3地区)となり、上昇地区が過半数を大きく上回りました。商業系地区では、上昇が68地区(同54地区)、横ばいが30地区(同36地区)、下落が8地区(同16地区)となり、上昇地区数が横ばいの倍となりました。

 以上がR.E.portの記事の概要です。国土交通省の「地価LOOKレポート」について、本ブログで取り上げるのは
1年ぶりで、昨年8月26日の本ブログ記事『ついに地価が底を打った?−足元の動向は地価回復の理想形』では、2012年第2四半期が上昇33地区、横ばい82地区、下落35地区と、上昇・下落がまだ拮抗していました。

 ところが、
その1年後の今回(2013年第2四半期)では、上昇99地区、横ばい41地区、下落10地区と、上昇地区数が3倍、横ばい地区数が半分、下落地区数が3分の1以下となっています。不動産価格は株価よりは変動が緩やかとは言いますが、1年タームで見ればそのトレンドの変化は急激なものがあります。

 東京圏では、上昇45地区、横ばい16地区、下落4地区で、全体に占める割合が上昇69%、横ばい25%、下落6%となっており、全国傾向とほぼ同じ割合です(全国は上昇66%、横ばい27%、下落7%)。したがって、今回の上昇は東京圏のみならず全国的な傾向であることがわかります。これは、国土全体の地価傾向として望ましい方向と言えるでしょう。

 東京圏の下落4地区は、住宅地区で千葉市中央区千葉港地区、浦安市新浦安地区、商業地区で千葉市中央区千葉駅前地区、八王子市八王子地区となっています。千葉市及び浦安市については、東日本大震災による液状化被害のイメージが影響しているのでしょうか。八王子市は、都心からの距離や八王子圏における中心的な地位の維持が課題ということなのでしょう。

 一方、
上昇幅は全体にマイルドになっています。2期前は墨田区東京スカイツリー周辺及び川崎市中原区武蔵小杉で、1期前は墨田区東京スカイツリー周辺上昇率が3%以上6%未満を記録したのですが、今回は上昇地区全てが0%以上3%未満に収まっています。上昇地区が限られていると、投資的資金はそこへ目がけて集中するため価格上昇が突出しやすい一方、上昇地区が広範になると、投資的資金も分散されるということなのでしょう。

 この
4期(1年間)の間に下落から上昇に転じたのが、さいたま市浦和区浦和駅周辺(商業)、千代田区有楽町・日比谷(商業)、港区赤坂(商業)、港区虎ノ門(商業)、新宿区西新宿(商業)、台東区上野(商業)といういずれも東京圏を代表する商業地区で、街の中心にも活気が出てきました。

 これらのことから、
過去と比較しても、現在は最もバランスが取れた理想的な地価回復の時期にあると判断できます。このトレンドが、経済全体に波及し、私達の暮らしがより豊かになるように願っています。

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| 市場動向 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
実需の強さ、投資の弱さ−最近の不動産市場動向
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★ 国内最大の不動産投資サイト「楽待」を運営しているファーストロジックは、不動産投資家を対象に「不動産投資におけるアベノミクスの影響」について調査を実施し、その結果が8月23日に発表されました。その結果は、以下のとおりです。

1.70%の不動産オーナーが「家賃の値上げの予定はない」と回答
「保有物件で賃料の値上げを検討していますか?」との質問に対して、「すでに値上げした」は1%、「値上げを検討している」は10%、「値上げの予定はない」は70%という結果となりました。(調査方法:オンラインアンケート、調査期間:2013年8月9日〜8月19日、回答数:188名)

2.物件価格は下落傾向、一棟アパートは今年最低価格に
2012年11月から高い水準を保っていた一棟アパートの価格が大幅に下落し、今年最低価格となりました。(調査対象:7月中に「楽待」に新規掲載された物件)

●一棟アパート 新規掲載物件の価格は前月比で下落し、今年最低価格となりました(-529万円)。

●一棟マンション 新規掲載物件の価格は前月比で大きく上昇し(+750万円)、変動が続いています。

●区分マンション 新規掲載物件の価格は、前月比で下落しました(-59万円)。  

以上がファーストロジックの行った調査結果の概要です。
好調なマンション市場のニュースが続々と掲載される中、一棟アパートの価格が大幅に下落した、というのは意外な結果です。もちろん、同じ投資物件でも一棟マンションの価格は前月比で大きく上昇しているので、一時的なアップダウンの現象にすぎないのかもしれません

 ただ、私も最近は投資物件を興味を持って見ていますが、以前も書いたとおり、
GWを境に投資物件への不動産投資家の投資意欲がやや鈍ったうに感じています。それまでは驚くような勢いで物件争奪戦が起きていたのですが、今は少し沈静化しています。

 現在は、この春の激しい物件の奪い合いをみて、
「売り時」と見た物件所有者が価格を高く設定(利回りを低く設定)して売りに出していますが、買う側は冷静です。もちろん、良い物件は瞬間蒸発しますが、難がある物件はいつまでも残っており、過熱化している様子はありません

 これは
土地相場においても同様です。私も時折チェックしていますが、戸建てを建てるなら「お買い得だな」と思って春頃に目を付けた都心や城南の土地がいつまでも残っており、当初価格より200万円〜300万円値を下げて現在も販売中です。リーマンショック前の不動産プチバブルの頃であれば、おそらくすぐに売れたはずの土地です。

 中古マンションについても、それほど値を上げているわけではありません。8月21日に東京カンテイが発表した『2013年7月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70平米価格月別推移」』によれば、2013年7月の首都圏中古マンション価格は、前月比−0.3%の2,763万円と僅かに下落し、直近は底値圏での推移が続いているとのことです。

 こうしてみると、
目立って好調を持続しているのは新築マンションだけのような気がします。これにはやはり、消費税増税との関係が見逃せません。つまり、土地にはもともと消費税がかかりませんし、中古物件は、相手方が個人の場合には、それが投資物件であってもなくても消費税は不要です(ただし、仲介手数料等には消費税がかかります)。したがって、今あわてて買わなければならないのは竣工まで時間を要する新築マンションなのであって、全ての不動産にそれがあてはまるかというと、案外そうでもなさそうです。

 すなわち、
今新築マンション市場が好調なのは、消費税アップの前の実需としての駆け込み需要が起きているからだと考えられます。しかし、それを「駆け込み需要」となかなか認定できないのは、そこまでの過熱感がないからで、前回の駆け込み需要期である平成7年前後をうっすらと記憶している私としては、むしろ物足りなさを感じるくらいです。

 しかも、現在の好調なマンション販売を支えている
消費税増税という要素がなくなれば、不動産市場は、大した価格上昇も経験できずに再び冷え込むことも考えられます。もし現在の政権が消費税増税を延期する判断をこの秋に行った場合、好調だった新築マンション市場が逆に落ち込むリスクもないわけではありません。

 不動産プチバブル期を支えたのは、外国人投資家を含めた投資熱でした。対照的に、今のマンション市場を支えているのは、消費税増税を嫌った実需だと思います。前者は将来のリターンを夢見た攻撃的なものであり、後者は将来のマイナスを最小にするための防御的なものです。

 実際、今回の調査のとおり、
不動産オーナーが家賃の値上げを検討できないのも、アベノミクスによる経済効果がまだ社会全般に行き渡っていないことを示しているものと考えられます。そうなると、新築マンションの実需というのも、単なる消費税増税の影に怯えた反射的なものに過ぎず、社会全体の景気の底上げを反映したものではないとも言えます。

 投資熱が引っ張る市況は無謀な価格水準を作りがちですし、防御癖が支える市況は誰も得しない固いムードを創出しがちです。理想的なのは、投資と実需の歯車がうまくかみ合って、その時々の市況が順調に回転することなのでしょう。

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| 市場動向 | 22:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
過熱化する外国人の日本のマンション争奪戦!−その「正しさ」の証明とは?
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★ 今月5日付ブルームバーグ紙によれば、バブル崩壊から20年以上が経過し、すっかり手ごろな値段となった東京の地価に、今後はアベノミクスを背景に地価反転が期待できるとみて、アジアの富裕層や投資家たちが、都心の物件を盛んに物色し始めています。

 日本と台湾を行き来する元キャビンアテンダントのジュリア・チャンさん(48)は、
都内で3軒目の購入物件を探しています。保有資産の分散化に向けて海外でも物件を探し回った結果、「東京の不動産は比較的安くなっており、投資するにはいい買い物だ」と判断しました。

 台湾最大の上場不動産会社、信義房屋不動産の何偉宏社長によると、
今年1−6月に日本で販売仲介した物件は113億円と、昨年1年間の86億円を既に上回っています。顧客間の物件争奪戦は過熱化し、抽選で買い手を決めるようなケースもあります。何氏は、「販売実績が急増したのはアベノミクスと大いに関係がありそうだ」と話します。

 不動産売買・仲介の三倉屋商事が中国語で日本の物件を紹介するホームページを設けたのは3年前です。谷口雅之社長は
「今まで全然反響がなかった」といいますが、昨年末の安倍政権発足を機に「急に台湾、香港から問い合わせがくるようになった」と振り返ります。

 アジア諸国からの引き合いが活発化している背景には、
賃料収入が最高で物件価格の8%にも達するほどの高収益性や、デフレ脱却を目指す安倍政権下での値上がり期待があります。また、香港やシンガポールでは地価が高騰するなか、円安のおかげで外国人にとって日本の不動産は割安感が増しているという側面もあります。何氏は、円安に伴い東京のマンション価格は昨年末に比べて15%安くなったといいます。

 不動産仲介のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのサンジェイ・バーマ最高経営責任者(CEO)は、
アジアの主要都市に滞留していた高額物件への投資マネーが今や、東京に流入し始めていると指摘します。信義房屋の何氏によると、5,000万円以下のマンション(1ベッドルーム)で投資収益は約6−7%と、住宅ローン金利の約2.5−3%を上回っているため、収益を確保できるといいます。

 台湾の大手銀行、中國信託商業銀行 東京支店によると、
1−6月の日本での外国人向け住宅ローン供与額は前年同期の3倍に跳ね上がりました。変動型ローン金利は2−3%と邦銀よりも高いのですが、住宅ローン担当の松本惠娟氏は顧客にとって今が格好の投資チャンスだとして、同行は旺盛な資金需要に応えようとしていると話しています。

 日本の主要都市の不動産価格は1990年ごろのピーク時に比べて半値以下に落ち込んだのに対し、香港は過去5年でほぼ倍増、シンガポールや中国、マレーシア、台湾は25%強も値上がりしました。総合不動産サービスの米ジョーンズラングラサール(JLL)の調べでは、東京の住宅価格は1平方フィート当たり12万−15万円なのに対し、香港は28万−40万円、シンガポールは20万−25万円と、いずれも東京を上回っています。

 さらに今後の地価動向を左右する政策運営にも違いが見られます。
日本はアベノミクスの下で日銀が大規模な金融緩和に踏み切ったこともあり、株価や不動産などの資産インフレ期待が台頭、一方、中国や香港、シンガポールでは、当局が行き過ぎた不動産投機の抑制策に既に動いています。

 少子高齢化で国内の住宅需要が中長期的には縮小に向かう中、不動産業界は海外マネーを取り込もうと、躍起になっています。JLLは日本のマンション販売会を昨年以降、シンガポールで5回、香港で1回開催してきました。同社キャピタルマーケット事業本部の水野明彦氏は、「今年はこれまでにシンガポールと香港で総計100戸以上売れた。12月末までに150−180戸は売りたい」と鼻息も荒くなっています。

 東急リバブル は昨年、
上海に現地法人を設立するとともに、香港やシンガポールなど海外で国内マンション販売を始めました。取締役専務執行役員の北川登士彦氏は、「過去にはデベロッパーが海外に売りに出ていくことはなかった」といいますが、「アジアは欧米と並ぶ経済規模になり、富裕層の比率が高い」と指摘、同社はアジアの富裕な投資家相手に新たな販売チャネルを広げる必要があると判断したということです。

 長い引用でしたが、興味深い内容でしたので、ほぼ全文掲載しました。
外国人勢の日本の不動産買いはたびたび指摘されてきましたが、その需要は一斉旺盛になっているようです。その要素は、外国人の目から見て、地価の安さ+値上がり期待+円安のトリプルポジティブな環境が非常に魅力的に映っているからでしょう。

 不動産価格とは相対的なものです。歴史的に見れば、どの時点を基準に置くかで、現在価値が割高なのか割安なのかが変わってきます(タテの相対性)。また、国際的に見れば、どの国の地価水準を基準に置くかで、やはり割高感・割安感が大きく左右されます(ヨコの相対性)。そして、タテの相対性とヨコの相対性が組み合わさることによって、現在の日本の不動産価格は「大変割安」と判断されているわけです。

 日本の不動産が人気となっている背景の一つには、
購入者層の変化もあると思われます。従来は、我が国の不度運業界にとって外国人とは欧米人のことでした。彼らは自国マーケットもフリーのため、「それでもあえて日本の不動産を買う理由」には、相当厳しい冷徹な判断がなされていると思われます。

 一方、
最近のバイヤーは東アジア・東南アジアの富裕層です。彼らは自国マーケットの規制や不安定な金融政策のリスクを経験しており、それに比べれば日本の不動産は自由かつ安全であると評価していると思われます。また、彼らから見て日本は先進国であり、その先進国日本の不動産を自分は所有しているという満足感もあるような気がします。

 利回りの高さも魅力のようです。記事にあるような表面利回り8%の新築マンションがあるなら私も買いたいですが、そこまで行かなくとも、表面利回り6%の新築マンションであれば、探せば出てくる水準です。ただ、これに毎月の管理費+修繕積立金の支払いや、金利2.5%〜3%のローン支払いを差し引くと、ほとんど手許にキャッシュは残らないのではないでしょうか。それでも外国人の購入意欲が衰えないのは、やはり日本の不動産の値上がり期待(キャピタルゲイン期待)があるからだと思われます。

 彼らは
日本の不動産会社にとってもお得意様です。外国人の投資期待の目から見た不動産評価と、日本人の実需ベースの不動産評価は異なっていることが想定され、実際、日本人には売れないマンションが外国人には好調に売れてゆく現象が見られます。また、遠隔地にあることから彼らの判断は迅速であることが想定され、「手間がかからない」良いお客さんであると考えられます。

 一方、
日本人もマレーシアやタイなどの東南アジアへの海外不動産投資が盛んになっています。投資妙味に絶対の基準があるならば、このような投資対象の相互乗り入れは起こらないはずなのですが、日本人と外国人のどちらが正しい判断を行っているのでしょうか。

 こうして見てくると、要は日本人も外国人も思惑で買っているからこそ、投資判断に違いが出てくるのだと思われます。ある利潤が確定しているのであれば、そこには日本人も外国人も関係なく、利潤の大きな方を選ぶに決まっているからです。

 そのような
合理的判断を誤らせているのが、その人の主観であったり価値観であったり、思い入れであったりします。人間はこの主観を持つばっかりにいつも苦い思いをするのですが、それでも元気で生きていけるのも、人間が主観で生きる動物だからでしょう。

 今回の
外国人の日本買いも、アベノミクスに代表された雰囲気に煽られている結果とも言え、目先のさまざまな好条件も、「そう見るからそうなのだ」ということに過ぎない気もします。さて、このような「日本買い」に日本人も便乗するのが正しいのか、傍観する方が正しいのか、そもそも「正しい」か「正しくない」かという基準の立て方が正しいのか不動産はいつも証明不能なパラドックスだらけです。

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| 最新ニュース | 21:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
金融機関は一見さんはお断り!−天の時、地の利、人の和で融資を勝ち取る
JUGEMテーマ:マンション

★ 私が分譲マンションを契約して7年、実際に住み始めて5年になろうとしています。それまで貯めていたお金を妻の分までつぎ込んだため、日々のキャッシュフローは潤沢とは言えず、「これでよかったのかなあ」と思うこともあります。不動産の本を読んだら、「居住用不動産は収支バランスからはマイナスでしかない」という下りがあり、ちょっとショックを受けたりしていました。

 したがって、
キャッシュが乏しいので、マンションの買い替えやこれ以上の不動産の買い増しはとてもとても、と思っていたら、「案外そうでもないよ」と言ってくれる不動産屋さんがいました。私の場合は頭金を多く入れたために、相対的には住宅ローン残額が少なく(本人はそれでも支払いがきついと思っていますが)、年収に比してまだ不動産を購入できる融資枠があるというのです。

 「えっ、そうなの?まじ?」こんなブログを書いているぐらいですから、私は他の人よりも不動産が好きなのでしょう。もう1戸マンションが買える、と思っただけでわくわくし、夢のセカンドハウスを、などと都心のモデルルームに1LDKを見に行ったりしていました。

 しかし、冒頭の
「居住用不動産はマイナスでしかない」という言葉に戻るとすれば、セカンドハウスを買うと私の資産表はダブルマイナスがついてしまいます。むしろ、今の資産表をバランスさせるべく、プラスの不動産、つまり収益用不動産に目を向けるべきではないか、と思い始めたのが今年に入ってからです。

 収益を上げるためには
利回りが大事になります。そうすると、都心の価格の高い低利回り物件ではとても事業が回りませんので、物件見学は都心から一転して横浜、埼玉、千葉、東京都市部など郊外に向かうようになりました。

 収益物件と言っても、
中古又は新築区分マンション、中古又は新築アパート1棟もの、中古又は新築マンション1棟もの、中古又は新築ビル1棟もの、中古戸建て、駐車場など、いろいろな種類があります。そして、不動産投資のスタイルも人によってさまざまです。

 私は
中古アパートから見始めて、それから新築アパートに関心が移行し、最近は「待てよ、建売の新築アパートを買うぐらいなら自分で土地を見つけて建てた方がよくはないか」と、だんだん自分で話の難しい方向へ持っていっています。おかげでまだ収益物件を購入できていませんが、その過程でさまざまな体験ができ、勉強になっています。

 まだ
不動産投資の入口にも立てていない私が不動産投資の何たるかを書くことは「10年早い」のですが、私なりの体験談や感想もこのブログで書いていきたいと思います。

 まず、私が実感したのは、
初心者がぶち当たる「融資の壁」です。マンションを買ったときにも住宅ローン審査がありましたが、難しさはその比ではありません。

 住宅ローンはある意味、日本全国ユニバーサルな既製商品です。ある程度の所得があり、借入履歴がホワイトであれば、非常に低い金利でフルローンで35年間借りられます。私たちはほとんどストレスなく住宅ローンを借りることができ、その背中の重みに気付くのは住宅ローンを借りた後です。住宅ローンとは、金融機関が私たちの人生に背負わせる重荷であるわけです。

 これに対し、
収益物件に対するローンは事業性融資であり、上記に述べたとおり、融資枠の設定額の多寡などその人の属性に負う部分も勿論ありますが、むしろ「その事業に融資して大丈夫なのか」という観点から審査がされます。こうなると、きちんと会社に長年勤め続けていてその会社が安定しているなど単に属性がOKなだけでは融資をしてくれないのです。

 特に、収益物件を一つも持っていない
未経験者は、「事業をうまく運転している」との実績がありません「この人に、このタイミングで、この物件の購入に対して融資をして大丈夫なのか」という金融機関の問いかけに対し、購入希望者は、うまく相手方を納得させなければなりません。実際、私はこの数カ月で融資審査をいくつか受けましたが、半分くらいはNGを食らっています。

 傾向として言えるのは、
自分が直接金融機関に持ち込んだ融資申請は、否決される割合が高くなり、OKが出ても「その土地ではこの程度しか担保価値が無い」と杓子定規な対応をされて自己資金を多く入れる必要があったり、適用金利が高かったり、融資年限が短くされたり(融資年限が短いのが一番痛いです)と、うまくいかないことがほとんどです。

 一方、この融資を仲介業者さんにお願いすると、
同じ金融機関でも途端に自己資金が少なくすみ、低い金利で長く借りられたりします。しかも、その度合いも、仲介業者さんによって異なっているので厄介です。私が経験したのは、次のような事例です。

 A仲介業者が長い間かけて交渉してくれてようやく得られたP銀行の融資条件が、B仲介業者では冒頭から提示された。その理由は、B仲介業者社の方がP銀行の上層部と付き合いがあったからである模様。ちなみに、会社規模は、A仲介業者の方がB仲介業者よりはるかに大きい。なお、C仲介業者が普段付き合いのないP銀行に、私からの依頼で融資相談をしたところ、これが同じ銀行かと思うくらい、にべもなかった

・ D仲介業者に出入りしていたQ銀行を通じて融資申請をしたところ、決算月ということもあってフルローンのOKが出た。一方、C仲介業者が普段付き合いのあるQ銀行支店幹部に融資申請をしたところ、Q銀行がやらないとされる物件種別に対し、Q銀行では初回は提示されない金利でOKが出た。ただし、自己資金を1割は入れろとのことであった。

 このように、
事業性融資はケースバイケースの判断になるだけに、付き合いの「深さ」と「高さ」がものを言います。付き合いの「深さ」とは、その仲介業者がその金融機関に持っていく融資案件が多ければ多いほど、融資条件は良くなるということです。付き合いの「高さ」とは、その仲介業者がいかに意思決定権者である金融機関の上層部に直接話を持っていけるか、ということです。

 これを
「いかにも日本的な、透明性の低い閉鎖社会」と言うこともできますが、むしろこれらの融資の積み重ねが、その仲介業者を通じて持ち込まれる事業の信頼性・安定性を高め、リスクを低く抑えさせている、と言った方が適切でしょう。
 
 私はこれを
「天の時、地の利、人の和」が融資を決める、と思っています。すなわち、「天の時」とはその時々の金融政策の方向性や金融機関の融資姿勢「地の利」とは購入者の属性や、立地など物件の状態「人の和」とは頼れる仲介業者とそこからつながる金融機関とのネットワークです。

 そして、
孟子は、「天の時は地の利に如(し)かず、地の利は人の和に如かず」という有名な言葉を残しています。つまり、天の時(金融緩和政策や積極的な融資姿勢)を得ていても、地の利(購入者の属性の良さや対象物件の立地等の条件の良さ)がなければ成就することはできず、地の利を得ていても、人の和(仲介業・金融機関との良きつながり)がなければ、これもまた、達成することはできない、ということです。

 考えてみれば、物件という情報を得るところから融資が完了して物件を所有するまで、これらの
関係者が私とコンタクトをとり合い、私のために時間を割いてくれないと、私個人では何もできないわけです。それは、単なる金銭上のお付き合いを超えている部分があると、最近感じるようになりました。

 不動産による収益事業という
一見ドライで過酷な社会が、実は「人の和」が何よりも大切な核になっていることを知った点が、私のこの数カ月の収益物件探しの最大の収穫だと思っています。

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| 住宅ローンその他融資 | 20:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
デベロッパーはこうして倒産する−好調の影でつくられていく倒産予備軍
JUGEMテーマ:マンション

★ リーマンショックが起こる1年以上前の2007年(平成19年)8月1日、不動産市場が絶好調だった頃、私は本ブログにおいて『2009年にはマンション価格が下落する、というシナリオ』と題し、次のように書いています。

都心及び23区内の高額物件は、若手起業家や一握りの富裕層、投資目的の法人・個人買いが中心となり、もはや年収1千万円以下の大半のサラリーマンの手に届く範囲ではありません実需から離れた価格の高騰を「バブル」と定義するならば、もうその段階に入っていると言っても過言ではないでしょう。

 しかし、
デベロッパーは、来年もマンション価格を上げざるを得ません。既に地価上昇を見越した高値で土地を仕入れているからです。今でさえ売れ行きが鈍っているのに、それ以上の価格で販売が盛り返すとは、我が国経済が昔のように奇跡の高度成長路線に入り、よほど国民の所得が急増しない限り、考えにくいことです。

 これらが
案の定売れないとなると、地価高騰に乗ろうとして金融機関から金を借りて新規参入してきた中小の不動産業者はたちまち首が回らなくなります。おそらく再来年当たりには、いくつかのデベロッパーが物件のダンピングを行い、市場から退場していくのではないでしょうか。」

 私がこれまで本ブログで書いた記事の中で、
未来予測としてもっとも当たっていたのがこの部分だと思います。実際に、翌2008年9月のリーマンショックにより2008年秋からバタバタと中小デベロッパーが倒産し、2009年前半には急激な不動産価格の下落に見舞われました。個人の心理の冷え込みもさることながら、そのときは買いに回れる法人がいなかったこと、金融機関も危機を感じて、いっせいに融資を引き締めたことから、こういう時期の不動産価格の急落は必然であるとも言えます。

 しかし、「いくつかの中小のデベロッパーが市場から退場」とは書きましたが、
実際の破綻数は予想以上でした。いったい、どのような仕組みでデベロッパーの中でお金が回っていたのか、興味をそそられたのですが、本日読んだ本がその一端を解き明かしてくれました。

 その本とは、
『ワルが教える最強収益不動産投資』(風間俊二氏著)というもので、ゴールデンウイークの軽い読み物として良いかと思い、図書館から借りてきたものです。まだ初めの方しか読んでいませんが、ワルぶったタイトルや見出しとは裏腹に、内容はまじめな役に立つものとなっています。

 その序章
「プロの不動産屋がつぶれる理由を教えたるわ」「1.こうしてプロの不動産屋はつぶれたんや」によれば、デベロッパーの資金調達か破綻の過程は、以下のようになっています。

 ,泙此
個人であれば、収益不動産の家賃により、不動産価格の急落により売却損が出るのであればその間は持ち続けていればよいのですが、デベロッパーは、不動産好景気の波に乗った形で業績拡大を図るのが自然な姿で、これに伴い様々な出費を行い、従業員も増やす傾向にあります。

◆,海Δ覆襪函
経費は家賃だけで賄えなくなり、「売却益」も不足分の経費に充てることとなります。つまり、不動産が売れないとデベロッパーは資金がショートしてしまいます。

 また、デベロッパーは、
「所有不動産の値上がり分に対する追加融資」で対応することもあります。綱渡り的な方法ですが、不動産価格上昇時はこれでOKです。しかし、下落に向かうと融資が一切受けられなくなり、急激に資金繰りが苦しくなります。

ぁ,気蕕法多くのデベロッパーは、
「プロジェクトローン」を利用しています。プロジェクトローンとは、1年間や半年間の一定期間、借入金の金利だけを支払い、期日が来れば全額返済するものです。つまり、売却益狙いを前提とした融資で、マンション業者はよく利用しています。

金融機関は、地価上昇時代にはプロジェクトローンの期日が来ても簡単に延長してくれますが、地価下落時代に入ると、期間の延長も切り替え融資もほとんど不可能となります。たとえ切り替えをしてくれる金融機関があっても、元本の何割かは融資をしてくれません。

Α.妊戰蹈奪僉爾その不足分を用意できるとよいのですが、大きな金額になるので簡単には準備ができません。そこで資金ショートを起こし、倒産の危機に直面します。 
 
А,海Δ靴
デベロッパーは次々とつぶれ、倒産したデベロッパーの所有不動産が安く売りさばかれるために、相場はさらに押し下げられます。

 このような一連のデベロッパーの行動を
「過剰投資」と非難するのはたやすいのですが、デベロッパー同士が市場で激しく競争する中で、相手方に優位に立つためには、「果敢にリスクテイクをする」のもあるべき経営者の姿です。不動産業の場合は、その負債額が簡単に巨額になってしまうところがあり、結果的に見れば「身の丈に合わない」規模にたやすくなりがちなのです。

 また、
金融機関の融資スタンスは、「業績好調で資金繰りに困っていない時に融資をしたがり、業績不振で資金繰りに困ると貸してくれなくなる」というものです。金融機関からみればリスク管理として当然なのでしょうが、借りる側からは、「この巨額の借金は金融機関に勧められでできたものなのに、いったん調子が悪くなると情け容赦なく切ってくる」恨み節は満載です。 
 
 この春から、各金融機関の融資へのスタンスが積極的になってきました。これに呼応するかのように、デベロッパーは、不動産取得の枠を拡大しつつあります。

 経済の回復が見えてきて、ようやく
景気循環が正の方向に回り始めていますが、上記のとおり、実は好景気による業績拡大には、その会社が破たんへと向かう道筋が構造的にビルトインされていることを、私達マンション購入検討者も肝に銘じておくべきでしょう

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| ノウハウ・経験談 | 21:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
駅徒歩10分、築10年・・マンション市場を支配するナンバー「10」のマジック
JUGEMテーマ:マンション

★ 2月も中旬に入ってきて、大学合格発表も出始めて、賃貸市場が動く時期に入ってきました。私は今日、ある不動産屋さんを訪ねていたのですが、帰り際に赤いほっぺの大学新入生と思われる女の子が両親に付き添われて入ってきました。私は九州から上京したとき、兄が住んでいたアパートに転がり込むことにしていたので、不動産屋を訪ねたことはありませんでしたが、それでも30年前の自分を懐かしく思い出しました。

 学生さんに限らず、
2月は4月以降の新生活に向けて、物件探しが1年でもっとも活発化する時期です。私は、「いったい今の人たちはどんな条件の場所に住みたいんだろう」と思い、帰宅してから『HOME'S 不動産投資』で調べてみることにしました。

 まず、
駅距離ですが、例えば人気の港区で見てみますと、賃貸入居者の希望する駅徒歩は、3分〜10分までの各階層がそれぞれ20%台なのですが、11分〜15分になると希望者が6.1%と、がくんと減ることがわかります。

 この10分圏内人気に対応するように、
家賃相場も徒歩10分内外で大きく変化します。港区ではワンルームで5%、1LDKで9%、2LDKで28%、3LDKで39%の価格差が、徒歩10分内と10分外ではついています。

 次に、
築年数については、港区データでは、賃貸入居者の希望築年数は、6年〜10年が最も多く、11年〜15年は6年〜10年から半減しています。

 これらは賃貸市場における動向ですが、本ブログのテーマである
分譲マンションの市場ではどうでしょうか。三井住友トラスト不動産の2010年のレポート『マンションの駅徒歩時間別の価格差ってどれぐらいあるの?』をみると、「首都圏の駅徒歩時間別中古マンション坪単価」では徒歩9分と徒歩10分「首都圏の駅徒歩時間別新築マンション徒歩1分との坪単価差」でも徒歩9分と徒歩10分の間で大きな落差が生じていることがわかります。10分と11分の間ではないものの、やはり10分に絡んだ場所で変化が生じているところです。

 築年数については、本年2月5日付のsuumoによれば、東京23区の70峇校参然では、新築が5,659万円、築10年以内が5,069万円、築11年〜20年が3,995万円と、築10年以内のものは600万円しか安くなっていませんが、築11年を超えてくると1,600万円以上安くなり、価格差がぐっと大きくなってきます。

 このように、私達はどうも
10という切りのよい数字に弱いようです。昨日のブログでレポートした『パークハウスフォレストリエ』にしても、「千歳船橋」駅より徒歩11分で徒歩10分圏内とならなかったことが「駅から遠い」と一部敬遠される要因となりました。実際は、駅徒歩800m(徒歩10分表記)と810m(徒歩11分表記)では体感的にはほとんど差はないのですが、10という数値はその間に明確なラインを引いてしまいます。

 この傾向は
ネット社会になってさらに助長されることとなりました。すなわち、不動産ポータルサイトにおいて、分譲マンションの検索でも、賃貸物件の検索でも、「徒歩10分以内」という絞り込み条件が必ずと言っていいほど付与されており、たいがいの人はこの検索条件に○をしてしまうのです。この結果、徒歩11分物件は、徒歩10分物件と比較して検索が極端に減ってしまい、そもそも検討者に認知されないという不幸な状態になっています。

 これらの状態を回避するために、
賃貸物件では徒歩11分物件でもおおらかに「徒歩10分」と表記することもあるやに聞いています。本来はあまり適当ではないのでしょうが、そこは徒歩10分圏外の賃貸物件所有者の必死の防衛策ということなのでしょう。

 一方、
中古マンションを狙うなら、築11年以降の物件がお勧めとなります。「築浅」という言葉に定義はないのですが、築10年物件を築浅と言っても不自然ではない世界は存在します。ところが築11年モノはさすがに築浅と呼ぶには憚られてくると考えられます。

 しかし、現時点から考えて、
2002年物件(築11年)と2003年物件(築10年)で物件のクオリティが劇的に変化するかと言えば、そんなことはありません。要は購入する側のイメージの問題で、「築10年ならまだ新しいが、築11年ならもう古い」と思い込んでしまう傾向が、そのまま中古価格に反映されてしまうのだと考えます。

 こうしてみてくると、
モノの価値、というのは、案外いい加減な指標によっているのだな、と思います。逆に言えば、私達が目の前にあるモノに対して価値があるのかないのか決めなければいけなくて、それに対する絶対的な価値判断の基準を持ちえない時に、最も都合がよいのは、10という切りの良い数字なのでしょう。

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| ノウハウ・経験談 | 22:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
儲かるマンションはこれだ!−アベノミクスに勝ち抜く物件を探る
JUGEMテーマ:マンション

★ 本年1月30日付の日経ビジネスでは、『2013年はマンション取得の最後の好機』と題して、私も日頃から『住まいサーフィン』からデータを参照してお世話になっているアトラクターズ・ラボ沖有人社長のインタビュー記事を載せています(リンク先を読むには会員登録が必要です)。

 沖社長によれば、中古と新築の価格差から、
2011年以降は新築指数が中古指数を下回る稀有な時期であったのですが、東日本大震災後の建築費の高騰を受けて新築価格がじりじりと上昇している昨今、2013年は新築の扉がそろそろ閉まるのではないか、としています。

 しかも、
消費税の成立アップやアベノミクスによる緩やかなインフレが今後起こると考えれば、資産はできるだけ早く持った方が良く、2013年はある意味で、「物件取得の最後のチャンス」とも言える、と答えています。

 そして、沖社長は、その際の
マンション選びの鉄則として、次の7つの法則を掲げています。

1 買ってはいけない時期(例えば2007年〜2009年)がある(上記の通り2013年はクリア)
2 単価の高いエリア(東京23区で西は環七の内側から東は荒川の内側まで)が底堅い
3 駅からのアクセス(徒歩10分以内は儲かる確率が40%超)
4 大規模マンションは得をする(200戸超は利回り2%超)
5 タワーはランドマーク性に価値がある(40階以上の物件は儲かる確率が80%超、特に北向き)
6 面積は小さい方が損をする(60岼焚爾六廚辰燭茲蠎要がない)
7 適正価格以下で買え

 その上で、沖社長が提唱するのは、上記7つの法則に当てはまる住宅を10年間で買い換えていく手法です。10年間は家族のライフステージが変わるタイミングでもありますし、これを繰り返すことで資産形成をしていくことができる、ということです。

 なるほど、沖社長のおっしゃることは
データに裏打ちされて説得力がありました。不動産投資に走るより、自宅の買い替えによって、ライフステージに合わせて自然な形で豊かな資産形成をしていくという考え方も共感できます。

 これを実践するのに肝心なのは、
「不景気で不動産購入熱が冷めて価格が安いときにマンションを購入する」ということでしょう。今の時代は不動産価格が一本調子で上がることはなく、下落・上昇の波を繰り返すのでしょうから、冷静な視点で下落地点を見極め、資産価格の上昇に備える、というスタンスが大事だと考えられます。

 それでは、「マンション購入の最後の好機」とされる現時点において、上記
7つの法則にあう物件は、具体的にどれなのでしょうか。まず、1の条件は現在販売中の全物件に該当するとして、2〜6の条件について不動産ポータルサイトに検索条件をかけて絞り込み、最後に7の条件について、『23区新築マンション相場・坪単価ライブラリー』割安とされた物件をピックアップしたところ、次の通りとなりました。なお、5の条件中、40階以上は条件が厳しすぎるので除外しました。

クロスエアタワー
(駅徒歩5分、689戸、42階建、相場通り)
ルミナリータワー池袋(駅徒歩4分、219戸、30階建、7%程度割安)
パークタワー滝野川(駅徒歩3分、245戸、2%程度割安)
ザ・グランアルト錦糸町(駅徒歩4分、279戸、相場通り)
コンシェリア西新宿TOWER’S WEST(駅徒歩5分、612戸、1%程度割安)

 抽出結果は、案外お得度が低いものとなりました。これは、上記サイトが各物件の最低価格と最高価格の中間値と標準相場を比較しているため、上層階に少数の高額プレミアム住戸を有することが多いタワー物件は、本当の平均坪単価よりも高めの中央値が出てしまうからでもあります。

 さて、上記各物件は、その
戸数の多さから長期に販売を続けているものが多く、既に注目度がかなり低下しているマンションも見受けられます。しかし、例えば『ルミナリータワー池袋』などは、試算上の上記ハンデがありながら7%程度割安という立派な数値を出しています。

 あらためてこれらの物件を眺めていると、確かにいずれも
ランドマーク性は十分で、駅から全て5分以内と利便性が高く、しかも割高ではないという点で、いずれも買って損はない物件と考えられます。

 私も新しい物件が出てくると、すぐにそちらに熱中してしまう方ですが、
今後はマンション価格の上昇があることを見込めば、これからはマンション購入熱が低かったやや古くから残っている物件の方がお得度が高いかもしれません。今回の記事は、客観的に見て現状で何が「儲かる物件」なのか、あらためて考えさせられるものでした。 

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| ノウハウ・経験談 | 19:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
THE TOYOSU TOWER(中古)−総合点の高さを誇る豊洲の不動のセンター
JUGEMテーマ:マンション

★ 東京メトロ有楽町線「豊洲」駅より徒歩6分・ゆりかもめ「豊洲」駅より徒歩7分の場所に立地する三井不動産レジデンシャル・野村不動産・三菱地所・東京建物旧分譲・清水建設施工・地上43階建・総戸数825戸の『THE TOYOSU TOWER』です。

 アドレスは江東区豊洲3丁目です。大正12年の関東大震災の瓦礫処理で埋め立てられ、昭和12年7月、この埋立地に町名がつけられる際、将来の発展を願い、豊かな土地になるように「豊洲」と地名が付けられました。

 以後、
工業地として発展し、20世紀後半までに、石川島播磨重工業などの工場、新東京火力発電所などのほかに、さまざまな流通設備が立地し、さらに関係者向けの商店、社宅等もある状況が続きました。この時代に、日本初のコンビニエンスストア(セブンイレブン豊洲店)や、当時珍しかったスポーツクラブ(ドゥ・スポーツプラザ)も設置されました。

 転機は、営団地下鉄(現・東京メトロ)有楽町線の開通で、これに産業構造の転換が後押しし、豊洲センタービルなどのオフィスビルの立地、その後、再開発・区画整理が本格化し、マンション建設ラッシュが見られ、商業地、住宅地への移行が進んでいます。さらに「アーバンドックららぽーと豊洲」など、大規模な商業施設の立地が進み、日々姿が変わっていく過程にあります。

 本マンションの立地する豊洲3丁目は、
枝川改修工事の7号埋立地に成立したエリアです。豊洲の再開発事業の中では「豊洲2・3丁目再開発地区」と呼ばれる豊洲の中心部に位置し、再開発総面積は約50haと都内屈指のスケール、ビジネス・商業・教育と研究・水と緑・住宅が一体の壮大な再開発となっています。

 しかも、その
再開発はおおむね成功したといってよく、豊洲の居住地としての機能・ビジネスとしての機能・商業地としての機能など、飛躍的な発展を遂げました。また、芝浦工業大学豊洲キャンパスが誕生し、教育・研究機能の誘致も実現しています。

 「豊洲」駅から本マンションまでは徒歩6分、同駅1C出口からは江東豊洲郵便局を左手に見ながら北東方向に進み、ビバホームの角を道なりに左折して、再開発とともに誕生した新しい豊洲北小学校を右手に通り過ぎると本マンションのメインゲートとなります。道のりはフラットで快適な通勤・通学路で、豊洲3丁目公園と豊洲運河に囲まれた静かな(休日は公園が野球の試合等でにぎやかです)恵まれた立地です。

 本マンションは、
三井×野村×三菱×東建の一流デベ4社という豪華メンバーの共同開発になります。平成15年にUR都市機構のコンペにより取得した豊洲運河に面する1万6000崢兇梁ちソ蠕彙に、スーパーゼネコンである清水建設が地下約44メートル×64本の杭を基礎とした豊洲エリア唯一の「免震」マンションを建設しました。

 ホワイト×アースカラーの
外観はオーソドックスで、飽きの来ないスタイルをしています。当時の広告には田村正和を起用していましたが、確かに落ち着いた大人の雰囲気がするタワーマンションです。

 本マンションの足元には
4つのガーデンを配し、緑被率40%超の緑溢れる空間を演出しました。共用部分監修には世界のトップブランド店を手がけるギャルド・ユウ・エス・ピイ社を起用し、スカイラウンジ、ゲストルーム、ライブラリー、ガーデンダイニングなど、別棟の共用棟(ヴィレッジハウス)まである必要かつ十分の共用施設を備えています。北東側の運河沿いにはキャナルウォークがあり、休日の散策や親子での遊び場として最適です。

 各戸の専有部分には、IH・エコキュートを標準採用の
「オール電化」仕様で、天井埋め込みエアコン、タンクレストイレ、大理石キッチン・洗面なども標準で装備した高級感のあるものを揃え、リビング・ダイニングの天井高2.65mスケルトン・インフィル(SI)構造としました。

 また、安全・安心面では、
綜合警備保障と提携し、「多重セキュリティで守る」「人の眼で守る」「機械の眼で守る」という 3つの大きなテーマをもとにセキュリティ体制を構築しています。

 ショッピングも通学も10分圏内にあり、23時まで営業しているスーパーがある
スーパービバホーム豊洲には徒歩4分、約190ものショップ・レストラン・シネマ・美術館などがそろったアーバンドックららぽーと豊洲には徒歩6分区立豊洲幼稚園には徒歩8分、お隣の区立豊洲北小学校には徒歩1分区立深川第五中学校には徒歩10分です。

 これだけの好条件と充実した設備・仕様が備わったタワーマンションはあまりなく、総合点が非常に高い物件です。実際、私がモデルルームで会った不動産投資の玄人の方は、本マンションを自宅として購入していました。

 しかし、当時、本マンションの
ネックは価格の高さでした。第1期販売は平成19年6月8日から開始され、販売戸数310戸の平均坪単価は287.8万円でした。時はまさに不動産プチバブルの絶頂期で、かつ、本マンションは豊洲のマンション群の中で最もよい場所に立地していますので、デベロッパーにとっては当然のプライシングだったのかもしれませんが、既に購入者の購入できる価格水準と勢いに乗るデベロッパーの高値戦略に乖離が生じていたように思います。

 マンション専門の記者の方が、販売側が目標とする
平成19年度中の完売は「大楽勝」で達成するだろうという記事を当時書いていましたが、実際の完売は販売開始から3年余りたった平成22年9月下旬でした。もちろん、その間にリーマン・ショックなどが起きた影響が大きいのですが、本マンションの分譲時期がちょうど不動産プチバブルの曲がり角となりました。

 『住まいサーフィン』によれば、本マンションの
中古想定坪単価は251万円で、これに対応する住戸の分譲時の平均坪単価271万円と比較して7.3%の下落となっています。しかし、私としては元値が高かった割に結構善戦しているという印象を持っています。それも、本タワーマンションの完成度の高さを物語っていると言えるでしょう。

 今回の記事は既に長くなりましたので個別住戸のご紹介は省略しますが、現在『ノムコム』で販売されている本マンションの中古物件は5件あり、
15階西向き住戸が坪単価283万円、23階南向き住戸が坪単価326万円、34階南向き住戸が坪単価286万円、同じく34階西向き住戸が坪単価304万円、41階東向き住戸が坪単価279万円となっており、この中では41階住戸が一番お買い得かもしれません。

 豊洲エリアの中で最も条件の良かった
豊洲2・3丁目の再開発はほぼ終了し、その中でも本マンションは最も良い場所を占めているように思います。AKB48用語で言えば、豊洲の不動のセンターとして、今後とも大きな存在感を持ち続けるタワーマンションです。

豊洲3丁目公園越しに本マンションを写したものです。ホワイト×アースカラーのオーソドックスな外観が揺るぎない存在感を持って迫ってきます(以下サムネイルをクリックしてご覧ください)。



本マンション南西側にあるメインゲートです。水盤に彩られたグレーのゲートはあえて高さを低くして、品の良さと高級感を感じさせます。



本マンション南西側にあるメインエントランスです。メインエントランスまでのアプローチはグローブガーデンになっています。



本マンション北西側からロビー部分を写したものです。ガラス張りの二層吹き抜けは開放感が感じられます。ロビーにはクリスマスツリーが飾られていました。



本マンション北側です。手前のガーデンはテラスガーデンという名称で、子どもたちがのびのび遊ぶのに格好の空間です。



本マンション北東側のキャナルウォークです。このキャナルウォークは、写真中央に写る『シティタワーズ豊洲ザ・ツイン』や、この写真とは反対向きの『シティタワーズ豊洲ザ・シンボル』に連なっています。



詳細はこちら(ノムコムより)
THE TOYOSU TOWER

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| 中古マンション 江東区 | 19:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
今年の投資の最大の勝者は国内REIT!−2012年の資産運用結果を振り返る
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★ 
世の中で資産運用ほど難しいものはありません。いや、もっと人として悩むべき難しい問題はたくさんあるのでしょうが、意のままにならないという意味では、人間が自分で勝手に生み出した難問の一つです。この失敗で、これまで何人の人が破産し、絶望してきたことでしょうか。一方では、資産運用で確実な手法を編み出したとして、ノーベル賞までとった学者も現れました。しかし、その手法で資金を無尽に集めたファンドは資金運用に失敗し、数多くの信捧者を巻き添えにして破綻しました。

 そんな難しい投資の世界ですが、
今年は例外的にどのファンドも運用成績が軒並み良かった年でした。11月に日経新聞で読んだコラムには、「今年は95%の投信がプラスに違いない。今年損を出した投信があったとすれば、それはそこの運用担当者がよっぽど考えすぎたのだろう」とありました。その後に最後までぐずついていた日本株が爆上げしたわけですから、上記の95%が98%くらいにまでなっているかもしれません。

 さて、私もご多聞に漏れず、
株の投資では2度痛い目に遭っています。一度目は2006年のライブドア・ショック、二度目は2008年のリーマン・ショックです。

 一度目は調子に乗って信用取引などで1千万円単位の運用をしていたので、
日々数十万円ずつ目減りしていく評価額に夜もおちおち寝れない状態でした。最終的には少し戻したところで身を切るつらさで損切りをしました。二度目は信用取引に懲りて現物株の中期運用をしていたのですが、「もう頃合いか」と入れた指値に数千円届かないところで株価が暴落し、数十万円の収益を上げられるところが、数十万円の損失で泣く泣く損切りをしました。以後、株式の運用についてはずっと封印をしてきました。

 しかし、昨年の今頃、
不動産投資にあらためて興味を持ち始め、読んだ本の中に内藤忍氏と石川貴康氏が『不動産投資×証券投資 最強のハイブリッド投資術』というものがありました。その中で石川氏が「初めの不動産投資くらいローンに頼らず自分の金でやること」と主張し、その当初のタネ銭を貯める方法として、内藤氏が証券を使った長期分散投資を提案していました。

 内藤氏が提案している証券投資は、
手間をあまりかけず時間をかけることで資産を構築していこうとするもので、「長期」「分散」「低コスト」「インデックス」「積立」の5つのキーワードを基本方針としています。そして、次のような分散投資をすれば、長期で運用することにより年平均7%程度のリターンが過去に実現できていたということです。

 日本株式 20%  日本債券 20%  外国株式 30%
 外国債券 10%  流動性資産 20%


 なるほど、これであれば、株式:債券:流動性資産=5:3:2、国内:海外=1:1と、株式に比重を置きつつも、債券と流動性資産でバックアップし、また、より成長が見込めるであろう外国投資をしつつ、リスク抑えに国内投資でバランスをとる、と理想的に見えます。

 この投資方法が何より良いのは、
人間の心理を介在させずにルールに従って機械的に資金を投入し続けることです。投資で失敗する最大の要因は、投資してはならない時期に投資をし、現金に戻してはならない時期に現金化する点にあり、これは人間の欲望や恐怖心が本来あるべき投資方法を誤らせてしまうためです。「自分だけは違うはず」と思って始めた私の株式運用も結果的に失敗だったわけですから、ここは素直に従うしかありません。

 そして、石川氏の指摘も
私の痛いところを突いていました。住宅ローンを抱えている私には手許に自由になる自己資金などはなく、自己資金ゼロで不動産投資ができないか、と甘い考えを持っていたからです。

 その後、
不動産投資も楽ではない、との結論に至ったのですが、将来不動産投資をするかどうかは別にして、ひとまず内藤氏の提案する方法で貯金をしていく決意をしました。そこで、昔手痛い損失を被ったネット証券の口座を確認し、ここで販売している少額投資が可能な各種インデックスファンドについて、毎月決まった日に1万数千円程度を下記の割合で割り振って積み立てていくこととしました。

 TOPIX   20%  全世界株式 20%  新興国株式 10%
 国内債券  20%  外国債券  10%
 国内REIT 10%  外国REIT  10%


 内藤氏との提案の違いは、流動性資産20%をREIT20%(国内10%・海外10%)に変更したところです。内藤氏の流動性資産は、「有担保コール翌日物」なのですが、これを一個人がどう保有していいのか見当がつかず、また、そもそも不動産投資をするつもりだったので、これをREITに替えて、せめてその気分を味わおうとしたわけです。

 これにより、投資する資産配分は、
株式:債券:REIT=5:3:2、国内:海外=1:1と、内藤氏の提案と類似のものが出来上がりました。そして、内藤氏の提案は年次のリバランスなのですが、私はこれを毎月のリバランスにしました。始めからちまちました投資額を毎月ちまちまリバランスしてもしょうがないのですが、投資としての面白さ(手間ひま)をここに見出そうとしたからです。ただし、運用成績の確認は、このリバランスの時に限り、それ以外は見ないようにしました。一度ルールで決めたものを毎日眺めて心配しても(心配する額でもないのですが)仕方がないからです。

 この方式を開始したのが
今年4月で、実は株価をはじめ投資商品がいずれも絶好調だった時期であり、この点からも私の投資下手がわかります。したがって、夏までは国内債券を除いた全てのファンドで損失が出ていましたが、9月にまず国内外のREITが持ち直し、続いて全世界株式と外国債券、そして新興国株式が黒字転換し、最後に残ったTOPIXも11月の衆議院解散時からの急騰により、大幅に収益が改善し、現在全てのファンドに益が出ている状態です。現時点でのリターンは、次の通りです。

 TOPIX   11.5%  全世界株式 14.4%  新興国株式 15.0%
 国内債券   0.3%  外国債券  10.1%
 国内REIT 15.5%  外国REIT  13.3%


 こうして見てくると、最近は株価の急騰ぶりばかりが話題になっていますが、今年の最大の勝ち組は国内REITだったことがわかります。実際、先週金曜日には東証REIT指数は東日本大震災前の水準にまで回復しています。これは、脱デフレを掲げる自民党政権による不動産デフレ脱却への期待と金融緩和を迫られる日銀の更なるREIT買い支えへの期待が相乗効果をもたらしているからです。

 私のささやかな
今年の資産運用の結果は、安全資産としてしか機能しない国内債券の収益の低さが足を引っ張って、全体リターンは10.5%でした。それでも内藤氏が目安とした年平均7%を超えており、期待以上の運用成績と言えます。

 しかし、実は
昨年は、上記7商品ともすべてマイナスの運用成績で、20%超マイナスのファンドも2〜3本あったと記憶しています。したがって、来年は手のひらを返したようにひどいマイナスに沈むかもしれません。中でも、今年は期待感から大きく値を上げた国内REITが来年はどのような動きを示すのか、注目していきたいと思います。

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| 不動産投資入門 | 21:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
安倍政権はマンション購入者に福音をもたらすか?−リフレ政策と資産価値
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★ 今月17日付R.E.portによれば、(株)東京カンテイは17日、2012年11月の三大都市圏・主要都市別の「中古マンション70平方メートル価格月別推移」を発表しました。同社データベースに登録された中古マンション(ファミリータイプ)の「売り希望価格」を行政区単位に集計・算出、70平方メートル当たりに換算したものです。

 首都圏の中古マンション価格は2,814万円(前月比変動なし)と横ばい12年下半期は下落基調が緩やかになっています。都県別では、東京都3,634万円(同0.1%下落)、神奈川県2,422万円(同0.4%上昇)、埼玉県1,827万円(同0.3%上昇)、千葉県1,810万円(同0.4%下落)という結果です。

 神奈川県は9ヵ月ぶりの上昇となりました。主要都市では、東京23区が3,928万円(同0.2%下落)と、ミニバブル後の最低値(3,922万円)に迫りつつあります。横浜市は2,530万円(同0.2%下落)、さいたま市は価格水準の高い中央区で価格上昇したため2,128万円(同1.7%上昇)と上昇しました。千葉市は1,760万円(同0.2%下落)で4ヵ月ぶりの下落です。

 近畿圏の中古マンション価格は1,791万円(同0.8%上昇)、大阪府1,823万円(同0.6%上昇)と兵庫県1,785万円(同0.7%上昇)も上昇しました。中部圏は1,465万円(同0.1%下落)、愛知県は1,484万円(同変動なし)で、ともに底ばいでの推移となっています。

 以上がR.E.portの記事の内容です。価格下落の続く中古マンション市場ですが、
本年下半期は下落幅が緩やかになっています。デフレ下において中古マンションの価格下落は築年数の経過に伴い避けられないトレンドではありますが、景気の良いときには中古価格が上昇を続けることがあり、最近では不動産プチバブル期がこれに該当しました。

 現時点ではそこまでのトレンドは見られないものの、
11月の衆議院解散以来、株価が上昇し続けていることもあってか、若干センチメントは改善しているように思えます。日曜日の選挙で自民党が大勝、自民・公明合わせて衆議院での再可決が可能な320以上の議席をとったこともあり、円安・株高の傾向は一層顕著になりつつあります。

 今の安倍政権への期待は、大幅な金融緩和を柱とするデフレ脱却、そして景気回復です。本日、安倍総裁は日銀の白川総裁と会談し、日銀に2%の物価目標の設定を要請しました。また、自民・公明の連立協議では、大型補正予算の編成で一致を見ています。

 安倍総裁の目指しているのはリフレ政策だと言われています。リフレとは、リフレーション(reflation)の略語で、金融緩和により有効需要を創出することで景気の回復を図り、他方ではデフレを脱却しつつインフレーションの発生を防止しようとするもので、言い換えれば緩やかで安定的なインフレ、すなわち年率換算で数%程度のインフレ率にとどめようとする政策です。

 安倍総裁が日銀に求めたのはまさにそのような
2%のインフレターゲットの設定であり、そのための金融緩和です。リフレ政策が「通貨再膨張」とも訳されるのはそのためです。従来から外国資本が日本に求めてきたのはこのリフレ政策であり、だからこそ今、日本の株式市場はその期待で海外ファンドの資金が大量に流入し、日経平均株価が1万円にも達しようかという急騰振りを発揮しているわけです。

 さて、
不動産がデフレに弱く、インフレに強いとはよく言われることです。デフレ下の不動産の資産価値は目減りする一方ですから、現金を保有してじっとしておいた方が結局得になります。したがって、不動産投資をはじめさまざまな経済活動が停滞し、それがますますデフレをもたらすという、デフレスパイラルの状況に陥りがちとなります。

 これに対し、
インフレ下では、不動産の資産価値などは通貨の価値下落とともに名目上上昇するのに対し、動かない現金を保有しているだけでは逆に苦しくなってしまうため、投資活動が盛んになってきます。これが調子よく回転を始めると経済が循環し、金の回りが良くなり、好景気が到来しやすくなります。しかし、これが加熱しすぎると、いわゆるハイパーインフレも招きかねず、それに給与所得等が追いつかない国民の生活なり経済の諸活動に大打撃を与えることとなるため、「コントロールの利いたインフレ」が必要になってくるわけです。

 こうしてみてくると、
マンション所有者にとっても、購入検討者にとっても、また、マンション業界にとっても、リフレ政策は好ましいことのように思われます。景気循環と同様、個人のマンション購入においても、現に住んでいる住宅の売却益が次の住み替えにつながるような回転が利いてくる状態が到来することになるからです。

 しかし、ここで考えていただきたいのは、
現状における購入検討者の所得状況とマンション価格のギャップの存在です。長引くデフレ状態の中で、給与所得等の減少に悩まされてきた私たちにとって、それに歩調を合わせる形では下がってくれないマンション価格購入意欲をそがれています。まずは、マンション価格が私たちに購入できるだけのリーズナブルな水準に落ち着くことで購入者層の裾野を広げることが、今後のリフレ政策を進める上での出発点として必要ではないでしょうか。

 私は、12月17日の本ブログ記事『販売失速。何が原因なのか?−10月の首都圏マンション市場動向』で、
供給戸数が9月以降減少し販売が失速している、と書きましたが、本日の日経新聞朝刊では異なる分析をしており、供給戸数の減少は「消費増税による駆け込み需要と価格の上昇を予想した開発業者が足元の供給を抑えている」ためだということです。

 つまり、
売れ行き不振による自然減ではなく、いわゆる不動産プチバブルの時に横行した「売り渋り」の前兆のようなものだというのです。私は、こういったところだけは目ざとい不動産業界の体質がとても気になります。今、リーズナブルに物件を提供できる環境にあるのであれば、なぜ適正な利潤でそれを求めている顧客に喜んで供給しようとしないのでしょうか。

 このような「顧客不在」のスタンスが結局、不動産プチバブル崩壊時に、売り渋った挙句に売れなくなった大量の在庫や土地を抱えて、新興デベロッパーがばたばたと倒産していったという事実があるのですが、そのような教訓に学ばず、同じ過ちを繰り返すのがこの業界の宿命なのかもしれません。

 不動産プチバブル期も後半では購入検討者がマンション価格の高騰についていけず、売れ行きは鈍っていました。現在、新築マンション価格は、消費税率引き上げ等による先行きの高値を見越したのか4ヶ月連続で上昇していますが、これに連動するかのように契約率は低迷を始めています。それが悲しいかな、現在の私たちの購買力の実態なのです。

 以上、
リフレ政策が庶民を素通りする単なる上っ面の通貨供給に終わらないように、是非官民を挙げての真の有効需要の創出、マンションで言えば、私たちが相応の買いたいマンションがきちんと買える状況を生み出してほしいと思います。

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| 市場動向 | 19:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
人はなぜマンション投資をしたがり、なぜ失敗するのか
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★ 本日付日経新聞朝刊は、マネー&インベストメント欄で、「マンション投資甘くない」との見出しで、マンション投資の難しさとREITとの比較を行っています。この欄は投資初心者向けにわかりやすく解説することを目的とするもので、それほど新味があるわけではありませんが、よくまとまっていますので、以下にご紹介します。

 まず、
家賃で家計を補う目的の不動産投資には次の3つの失敗パターンがあるとしています。

1.高額な新築ワンルームにこだわる
2.現地を見ない
3.自己資金が少なく多額のローンを組む


 1.については、投資対象として考えると新築は割高だからです。ワンルームの値段は通常、新築時が最高で、駅距離にかかわらず徐々に値下がりします。築10年では23区で新築時の8割程度、大阪市では約6割に下がっているというデータがあります。

 また、新築ワンルームの
表面利回りは年4%台前半ですが、実質利回りは表面利回りマイナス2%程度となります。空き室リスクなどにも備えるためには表面利回りは10%は必要で、そうなると選択は中古が必然となるということです。

 2.については、
リスクの高いマンション投資を行うためには綿密な調査が必要だということです。ここで記事では成功例を挙げているのですが、この方は最初の1戸選びに1年以上かけ、週末は神奈川県から東京都にかけてしらみつぶしに歩き、町並みやマンション価格、家賃を調べ上げるということです。この世界で有名なオリックス銀行も、「融資する側も必ず現地に足を運び物件を見る」と言っています。

 3.については、
多額のローンを組むと、家賃収入がいくら高くても手取りは赤字になりがちです。特にローン返済の元本分は税法上経費にならないので、手取り収入は赤字でも不動産所得が黒字となり、課税される可能性が高いのです。

 これに対し、
REITでは投資法人が持つ賃貸不動産の家賃を分配金として受け取ります。分配金利回りは実質利回りに近く、現在は5%強を確保できます。分配金が減るリスクはありますが、上記の1.のような物件選びをする必要がなく、2.のように靴が擦り切れるほどの現地調査を行う必要がなく、普通は自己資金でしか行わないので3.のように多額のローンを組む必要もありません。

 つまり、マンション投資のデメリットである1.〜3.をすべてクリアしているという意味でREITはお勧めだ、というのがこのコラムの結論のようです。ここまで読むと、これはもしかしてREIT販売促進のための巧みな誘導記事だったのかと苦笑いしてしまいます。

 もちろん
REITにもその商品自体の市場での値下がりリスクがあります。つい3、4年前には実際にREITで大きな損失を被ったり、運用が思わしくないREITの分配金が停止されたりするなど、REIT不信論が高まった時期もありました。現在はREITが絶好調なのでリスクが単に陰に隠れた状態に過ぎないことも注意すべきでしょう。

 とは言え、客観的に見ても、
マンション投資の方がREITに比べてはるかにリスクが高いのは事実です。それなのに、人はなぜマンション投資をしたがるのでしょうか。

 その理由は、上記1.〜3.の失敗の裏返しと言えます。まず、1.新築ワンルームを持ちたいのは、「自分がきれいなマンションのオーナーなのだ」という物的な満足感を得たいのだと思われます。自宅以外に立派な不動産を持ち、それが長年収入を自動的に産み出してくれるというロバート・キヨサキの「金持ち父さん」的な富裕層の世界にあこがれるわけで、そのような実感は、REITではなかなか得られません。

 2.現地を見ない、というのは個人的にもそれはどうかと思いますが、例えば地方のサラリーマンが都心に物件を持ちたいと思えば(実際にこの事例は多いと聞きます)、それは現地を見るだけで時間も手間もかかる話で、おそらく営業の口車にも乗せられて「新築ワンルームなら現物を見なくてもきれいだし大丈夫」と表面の計算だけで決めてしまうのだと思われます。目先の数万円のコストや手間を惜しんで数百万円から1千万円単位の損をするパターンです。

 3.多額のローンを組んでしまう、というのは、そうしないと多額の家賃が入ってこないからです。例えば500万円の自己資金をすべて500万円の物件1戸につぎ込んでしまうと、なるほど借金はありませんが、それで元手の500万円を収益で回収するのには順調に行ってもおそらく20年くらいはかかってしまい、そんな結果のなかなか見えない気の長い投資はほとんどの人が望んでいないのです。これにレバレッジを利かせて5,000万円の10戸構成のアパートを買うと、見かけの収入は10倍近くになります。一気に「金持ち父さん」への道が開けるように思うわけで、これは自己資金100%が原則のREITでは実現不可能なことです。

 要は、
「何とかして楽して今すぐ金儲けをしたい」「富裕層のようなオーナー気分を味わいたい」という誰もが持っているあこがれの気持ち、そのわくわく感がマンション投資にはあり、REITではそのような精神的な高揚感が満たされないのです。そこが私たちに投資マンション業者がつけいるスキになるのだと考えます。しかし、現実にそれが上手くいかないのは、上記の記事にある通りです。

 そういう私もそんな偉そうなことを言える立場ではなく、実際
3〜4ヶ月ほどマンション投資にふらっとしたことがあります。しかし、計算をしてみると、購入額のほとんどをローンで組んだ場合、諸費用+ローン+税金で利回り7%程度は持っていかれて、空き室リスク等も考えれば、表面利回りが9%以上はないとペイしないことがわかりました。

 新築マンションの表面利回りは、どんなに良くても6%台ですから、この時点で既にアウトです。それでは、と中古マンションに狙いを定めましたが、こちらは良い物件はあっという間に売れていきます。私は、これはと思う物件が「不動前」駅周辺で出たのをネットで発見し、すぐに現地に赴いて管理状態もすこぶる良いことを確認したので、さあ連絡しよう、と思ったら既にサイトから消えていました。多数の投資家が鵜の目鷹の目で物件を狙っていますので、公開物件の場合、セオリーには反しますが、「これっ」と思ったら現地など見ずに即座に反応しないと現実には間に合わず、そのためには資金が手許に潤沢にないと太刀打ちできないという矛盾が生まれてしまうのです。

 しかし、この
根底には、現状の自分の生活水準に常に不満があり、「あと●●万円毎月入ってきたらこんなことも、あんなこともできるのに」というあせりの気持ちがそうさせるのだと思います。そして、例えその●●万円が入ってきたとしても、また新たな欲求が生まれ、人間の気持ちは「これでよい」と満足することはありません。

 「自分や家族のために本業以外の利殖の道を」はやる気持ちが、この記事の冒頭に出ているように、次々と投資マンションを購入させ、その結果、そのワンルームマンション5戸分のローンが払えなくなってこれらを安値で売却せざるを得ず、年老いた親の援助も得てようやくローンを完済した50代の男性公務員のような「高い勉強代」を払った失敗事例を数多く生んでいます。毎月の給与が安定している公務員なのですから、そのままじっと堅く貯金を毎月継続していれば、50代では数千万円の資産を貯めていてもおかしくなかったはずなのですが、それでは我慢できないのが人間の性なのでしょう。
 
 パスカルは、
"All of humanity's problems stem from man's inability to sit quietly in a room alone."(人間が引き起こす問題のすべては、人間が一人静かに部屋に座り続けることができないことに起因する)という言葉を残しているそうです。至言というべきでしょう。

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| 不動産投資入門 | 19:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
首都圏の地価は足踏み状態−足元では街の栄枯盛衰を占う様々な動き
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★ 国土交通省は今月22日、『主要都市の高度利用地地価動向報告〜平成24年第3四半期』〜を発表しました。毎回マスコミに取り上げられる本報告ですが、今回はあまり話題になっていません。記者さん達も衆議院総選挙に人手が回されているということもあるのでしょうが、今回の発表ではあまり前回と変動がなく、ニュース性に乏しかったのが主たる原因だと思われます。

 さて、その内容を見ていきますと、平成24年第3四半期(7/1〜10/1)の主要都市・高度利用地150地区における地価動向は、
上昇が34地区(前回33)、横ばいが87地区(前回82)、下落が29地区(前回35)となり、上昇または横ばいを示す地区が121と全体の約80%(前回77%)を占めました。前回からさらに上昇または横ばいを示す地区が増加し、引き続き、横ばいが最多の変動率区分となりました。

 しかし、上昇を示す地区が増えたのは、
仙台市中心部の住宅系地区の住宅需要の増加、大阪圏の商業系並びに住宅系地区の堅調なマンション市況、により地価が上昇に転じたことによるもので、東京圏では上昇地区が1か所減少しました。東京圏では、前回に引き続き横ばいが41と最多の変動率区分となり、上昇地区数(11)と下落地区数(13)がほぼ拮抗する結果となりましたが、上昇地区数が下落地区数を上回る大阪圏や名古屋圏に比べて、やや足踏み状態です。

 今回、
首都圏で唯一改善したのは「川口」駅東口の商業系地区で、3%未満の下落から横ばいに転じました。川口地区の鑑定評価員のコメントを見ると、「消費も安定化し、周辺部ではマンション建設が進み、人口も増加している。引き続き安定した需要が見込まれ駅周辺の地価動向はほぼ横ばいの傾向」とあり、「そんなに盛り返しているわけではないが、下落と判定するほどのことはないだろう」との判断と思われます。

 一方、
首都圏で唯一悪化したのは、市川市の「本八幡」駅周辺の商業系地区で、3%未満の上昇から横ばいに転じました。これについての鑑定評価員のコメントは、「当期は店舗・オフィス賃料について下方修正の動きが強くなったため、当期の地価動向は横ばいで推移した。ただし、今後複数の分譲マンションが竣工し、人口増による収益性の向上が見込まれ、長期的には再開発エリアで商業施設が開業するため、地価の将来動向は緩やかな上昇傾向で推移すると予想される。」と先行きは明るい見通しです。

 この中で、唯一3%以上6%未満の
高い地価上昇を続けているのが「とうきょうスカイツリー」駅周辺の商業系地区です。鑑定評価員は、「当地区はマンション素地を中心に高値の取引が続いているため、地価は上昇傾向にある。スカイツリーの客足は好調で、当地区の賑わいも当面続くことが予想される。これに伴い旺盛な土地需要も続き、需給逼迫による地価の上昇傾向は当面続くと予想される。」と、スカイツリー効果が明確に現れています。

 
4連続四半期上昇し続けている地区は、商業系地区では武蔵小杉のみ、住宅系地区では豊洲と元住吉となっており、大規模再開発エリア及びその周辺が強くなっています。これを3連続とすると、商業系地区の渋谷と都筑区センター北の2か所が加わり、やはり再開発等で街としての活性化が図られているところが元気です。

 逆に
4連続四半期下落し続けている地区は、商業系地区では、「浦和」駅周辺、海浜幕張、有楽町・日比谷、赤坂、虎ノ門、西新宿、歌舞伎町、上野、立川、八王子住宅系地区では、千葉港、新浦安、柏の葉です。商業系地区では、既に成熟してしまった街が、住宅系地区では、大震災による液状化や放射能リスクがあると考えられている街が下落が続いているようです。

 以下、
23区内の地価について、鑑定評価員や地元不動産関係者の声で特徴的なものをご紹介します。

「中国、韓国、台湾等との
領土問題が引き金になって経済的不安要素となりつつあり、不動産市況にもマイナス要因となりかねない状況で、市場は模様眺めの感がある」(有楽町・日比谷:商業系地区)

外国人観光客は東日本大震災前の水準に戻っており、アジア諸国との国境問題による影響は一過性なものと思われる。」(秋葉原:商業系地区)

「7月から9月期は総じて取引が停滞状況にある。」「前期に感じられた秋口からの上昇見通しに反して、今期も景気停滞を反映して取引は鈍い。」(佃・月島:住宅系地区) 

専有面積が小さく分譲単価を低く設定した新築マンションの供給が増えており、これらに対する個人の需要は堅調である。このため、新築マンションの分譲価格は横ばいで推移している。ただし、専有面積が大きく分譲時の単価の高かった中古マンションに対する需要は低調で、これらの価格は下落している。」(南青山:住宅系地区)

「高輪地区は、中古マンションは売り希望価格と買い希望価格にやや開きがあって取引が成立しない状況に変化はなく、取引件数が増えることもなく、価格は横ばいである。戸建住宅地も同様である。」(高輪:住宅系地区)

「隣接する港南地区は、7月から8月に中古マンションの売りが多く出て、値崩れしている。芝浦地区の中古マンションの売り出し価格は変わらないため、港南地区の影響を受け売れ行きが鈍い。」(芝浦:住宅系地区)

「歌舞伎町地区は風俗業が低調で、売買・賃貸市場ともに動きが少ない。歌舞伎町1丁目では飲食の一部が他地域に動いており、歌舞伎町2丁目では駐車場需要が強く、暫定的な土地利用が常態化するなど、地域の空洞化が進み始めた。」(歌舞伎町:商業系地区)

中高層住宅用地は稀少性が高く需要が比較的強いので地価動向は横ばい傾向である。なおマンション賃料は借り手市場が継続しており空室率の改善はあるが賃料等は下落傾向で推移している。」(代官山:住宅系地区)

「大型高層複合施設の開業以降、先端の情報等が集まる渋谷にIT関連企業をはじめ多様な業種のオフィス移転・拡張需要が増えている。さらに、渋谷駅街区基盤整備事業等の開発、再開発事業が進捗することによって、投資対象として有効需要がさらに高まっており、不動産市場・不動産投資市場においては当面この傾向が続く可能性が高く、当地区の地価動向は上昇傾向にある。」(渋谷:商業系地区)

「品川地区の中古マンション市場は、4,000万円から5,000万円の物件が好調であり、タワーマンションでは、東日本大震災の教訓から低層階に人気がある。1LDKの物件は動きが悪い。」(品川:住宅系地区)

「中目黒地区の新築マンションは、現在は坪当たり350万円程度が主流であり、1億円を越える高額物件の動きは悪い。」(中目黒:住宅系地区)

「当地区を含む湾岸エリアの超高層マンションに対する選好性は東日本大震災前の状態に戻っており、また、大震災を機に都心部との良好な接近性も見直され、エンドユーザーのマンション需要は確実に高まっている。」(豊洲:住宅系地区)

「二子玉川地区では再開発による上昇期待を含む売希望価格と、堅実冷静な買主による買希望価格との乖離が依然として大きく、市場の動きが硬直化している。」(二子玉川:住宅系地区)

 一般に人気地と見られているところでも、足元の動きは様々で、興味深いものがあります。これらの動向が一時的なものなのか、今後長く続くトレンドなのかによって、これからの街としての栄枯盛衰が現れてくるのでしょう。

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| 市場動向 | 21:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
老人が早く亡くなればもうかる不動産投資とは?−その過酷さと温かさに学ぶ
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★ 今月20日付YUCASEE mediaでは、『老人が早く死ねば死ぬほど儲かる不動産投資』というショッキングな見出しでフランスのビアジェという古くからの不動産売買を紹介しています。長い文章ですので、以下概略をご紹介します。

 ビアジェ(フランス語で「年金」を意味します)とは、死後に受け渡すマンションの販売を、生前中に行うことができるフランス特有の制度です。高齢者所有のマンションを市場価格より安く買うことが出来ますが、もれなく「おばあちゃん付き」です。売主の高齢者は、生存中はそのマンションに住み続ける権利があるからです。またおばあちゃんにはお小遣いも必要で、毎月契約書で定めた「年金」を支払わなくてはなりません。

 若い夫婦は、市場価格より格段に安くマンションを買えるチャンスだと思い、ビアジェを利用します。フランスの不動産は古くなっても価格が下がらず、ここ数十年間不動産価格が右肩上がりに上昇しているため、低い前金で将来的な含み益も望めます。

 買った物件は当たりクジかはずれクジかは、老人の寿命にかかっています。それは人の寿命を賭けた不動産投資だからです。もちろんいつ亡くなるかは誰にも分かりません。早く物件を手に入れることが出来て得をするかもしれませんし、売主にものすごく長生きをされて損をしてしまうかもしれません。

 そのため、
ビアジェの前は素行調査ならぬ健康調査が行われることも多いのです。多くの場合、買主が近所のパン屋、肉屋、薬屋などにヒアリングに行きます。しかし迎え撃つ年寄りのほうも具合が悪いフリをするのに余念がありません。調査に来そうな数週間前から出歩くのをやめ、背中を丸めてゴホゴホ咳き込みながら「もう長くはなさそう」といった噂を広めてもらいます。もちろん一度契約がまとまってしまえば元気はつらつ、パン屋でのおしゃべりに花が咲きます。

 実際、
ビアジェを組む年寄りは平均寿命より長生きする傾向があるという面白いデータがあります。ビアジェを組む70歳以上の男性の「平均余命」はフランスの国家平均の12.2年を大きく上回り14.2年、女性の場合は平均が15.8年に対して17.1年です。

 年寄りはそもそも
健康に自信があるからこそビアジェを組もうとするわけで、当然と言えば当然です。またビアジェを組むことで「長生きをしなくては損だから頑張る」といった気持ちも働くのかもしれません。生き甲斐が一つ増えるというものです。

 もしも、ビアジェを日本でも活用したらどうなるか。
人の寿命を経済合理性で換算する制度であるために、その無慈悲なまでの徹底した合理主義に抵抗を感じる人もいるかもしれません。特に、日本人ならばなおさらでしょう。ただ、生前に財産を現金化でき、しかも住居に住み続けることができるメリットは大きいことは確かです。

 ただ、こうした
メリット以上にトラブルが起こり得る可能性が、取引を激減させている理由でしょう。フランスではローマ時代からこのビアジェという売買契約が行なわれていますが、最盛期は全不動産取引の10%近くを占めたこともありましたが、現在は約1〜2%、件数にして年間2000件以上の成約件数と減少しており、風前のともしびとなりつつあります。

 以上がYUCASEE mediaの記事の概略です。本文では具体例が記載されていてさらに興味深いのですが、はじめは半信半疑で読んでいた私も、この制度が実は
歴史に根付いたれっきとした契約形態であることを知って勉強になりました。

 驚くのは、
ご老人側もやむにやまれず、というより、これで自分の生活をさらに良くしようと、むしろアグレッシブに契約を求めてきていることです。うまく若者夫婦を出し抜けば、自分の生活は安泰、というコンゲームのようなやり取りは、ユーモラスでさえあります。

 ビアジェを利用する老人が長生きだというのも意味深長です。昔、「サザエさん」の作者の長谷川町子氏が連載した「いじわるばあさん」という一世を風靡した漫画がありましたが、そういうご老人ほど元気で快活です。自ら契約を誘っておきながら、「お前は私が早く死ねばいいと思っているだろう。どっこいそうはいくかい」とは究極の意地の張り方です。
 
 一方、記事でも指摘しているように、
このような契約形態がトラブルの元となるのは想像に難くありません。日本の民法では、かかる契約は公序良俗に反して無効、と判断されるかもしれません。

 しかし、これは、
日本でも行われているリバースモーゲージと似た仕組みなのではないでしょうか。つまり、ご高齢の方が自宅を担保にして金融機関に借金をして、これを毎月年金として受け取るのですが、返せない分は自宅を売却して清算するのです。

 ただし、リバースモーゲージでは、
契約の満期を超えて長生きしたり、返済時に担保割れをしてしまうリスクがあり、この場合は、相続人がその債務を承継しなければなりません。また、資産価値の下落を見越して年金額を設定(通常は担保価値の半分程度)すると、その額は予想以上に小さくなってしまいます。

 これに対し、フランスの
ビアジェは、自分の子孫に迷惑をかけることなく、かつ、十分な年金額を受け取ることも狙って、ご自身の寿命を賭けの材料として、体を張って勝負するのです。賭けに負けても(早く亡くなっても)自分が所有していた不動産がとられるだけですから、後顧の憂いが残るわけではありません。

 上記の記事では「無慈悲なまでの徹底した合理主義」と評していましたが、このように考えてくると、ビアジェはむしろ人間くさい、長年の知恵に支えられた制度に見えてくるから不思議です。そして、むしろリバースモーゲージのほうが「無慈悲な合理主義」と言えるのではないでしょうか。

 もちろん、私は、ビアジェを賛美しているわけではありませんが、
今後わが国にますます重くのしかかってくる高齢化の問題に対し、もう少しやり方を変えれば、「人と人とが支えあう」新たなモデルができるのではないか、そんなかすかなヒントをここに見出したいと思います。

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| ノウハウ・経験談 | 20:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
国土交通省が不動産価格指数を毎月発表!−時系列比較・国際比較に威力を発揮
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★ 本年8月29日付産経新聞によれば、国土交通省は同日、国内の住宅やマンションの不動産取引価格の指標となる「不動産価格指数(速報)」の公表を始めました。買い主へのアンケートによる売買額のデータを基に、2008年度平均を100として指数化しました。毎月公表し、売買タイミングなどの目安に活用してもらいます。2年ほどの試験運用後、本格運用に移行する計画です。

 今回公表した速報値は、集計などに時間がかかるため、
5カ月遅れとなる4月分です。全国の住宅総合指数は前年同月比1.9%減の91.9となりました。このうち土地と建物付き土地は2.7%減の89.0だった一方、マンションは1.9%増の106.8となりました。

 全国分だけでなく、
北海道から沖縄まで10のブロック別の指数と南関東、名古屋、京阪神の3つの都市圏別の指数も別途公表します。現地調査による詳細な情報を加味して作成した確報値は、1年後の発表となります。 

 米国などでは不動産価格や指数などの公表が進み、中古住宅を含めて不動産取引も活発に行われていますが、
日本では開示情報の少なさを指摘する声がありました。今回、指数を公表することで国内外からの投資の活性化につなげたい考えです。

 以上が産経新聞の記事の内容です。不動産価格の推移については、
不動産経済研究所や東京カンテイなど、民間シンクタンクが独自の集計に基づき発表しているものが複数ありますが、言われてみると確かに、政府が公表している指数はありませんでした。

 今回の発表資料『不動産価格指数(住宅)の試験運用の開始について』によれば、今回の指数作成・公表の経緯としては、迅速な金融・マクロ経済政策発動のためには、不動産市場の動向を測るバロメータ−(不動産価格指数)が不可欠であり、これが不動産投資市場の活性化にも寄与すること、2007年からの欧米発金融危機からの反省点として、不動産価格の変動とマクロ経済への影響を的確に把握できず、長期経済停滞を招いたことがあること、の2つが挙げられています。

 これを受けて、国際通貨基金(IMF)等がG20諸国に対し、
共通の国際指針に基づく不動産価格指数の迅速な作成・公表を要請したところ、多数の国際機関が協力して指針を作成し、2011年5月に公表されました。主要国では、2012年夏までに不動産価格指数(住宅)の公表を予定しています。

 我が国において、これにより
期待される効果としては、全国・地域毎の不動産価格の動向が毎月把握できること、不動産市場の過熱や冷え込みの適時・的確な把握により財政・金融政策に寄与できること、I堝飴沙埔譴砲ける透明性向上により国内外の投資家や個人による不動産取引の活性化が図られること、の3点が挙げられています。

 さて、これを前提として、実際の数値を見てみると、埼玉・千葉・東京・神奈川が対象となる
南関東圏の住宅総合指数は、2008年度平均を100として、4月は93.6(対前年同月比 -4.2%)、更地・建物付土地は90.0(対前年同月比 -5.7%)と下がっていますが、マンションは 105.3(対前年同月比 +0.7%)で上昇となりました。

 しかし、マンション指数に関しては若干
首をひねる結果ではあります。基準時となる2008年度平均は不動産プチバブルのさなかにあり、その秋にリーマンショックが勃発してマンションを含む不動産価格が急落、その後不動産プチバブルの影響は脱しましたが、昨年は東日本大震災により再びマンション市場が停滞し、現時点での価格は2008年度価格に比べて安くなる、すなわち不動産価格指数は100を切っているのが常識的な線であろうと思うからです。

 上記の疑問を抱きつつ、南関東圏の不動産価格指数の推移をみると、
マンションの指数は、2008年4月104.7から下降し、リーマンショック後の2008年11月には指数が100を切り、2009年2月が94.4で底となり、これが1年後の2010年2月に再び100を超えて復活、以降直近のピークは東日本大震災勃発月である2011年3月の106.0、その後は今日に至るまで一進一退を繰り返しています。

 トレンドとしての波を見ると、不動産価格指数は、
2009年4月〜10月まで前年指数を下回り、2009年11月から2011年6月までが拡大期、2011年7月から今日に至るまではやや前年指数を下回る形で推移しています。

 したがって、
指数の絶対値としてはやや感覚値とずれがあるものの、トレンドとしては、波の遅行は感じますがそれほど違和感がありません。今後、不動産価格指数が普及していくとすれば、むしろ私たちの感覚の方がこの指数に合わせていくのではないかという気もします。

 このような指数ができる
最も良い点は、数値に高度の信頼性が置けることです。これまでの民間シンクタンクが発表していた数値は、これらのシンクタンクが不動産業界とも密接な関係があるだけに、本当に中立性が担保されているのか確認する手段がないといった点がありました。

 第二に、その
高度に信頼が置ける数値が時系列に追うことができる点です。これは、不動産価格の分析に欠かせない強力なツールとなることでしょう。

 第三に、国際標準にのっとっていますので、
不動産価格指数の国際比較が可能になる点です。実際、国土交通省の資料にも添付されていますが、世界の中ではアイルランドが金融危機の影響もあり、不動産価格が下がり続けています。それ以外の先進諸国は、どれも指数100近辺をうろうろしており、ドングリの背比べのような状態になっていることがわかります。

 いずれにしても、
不動産価格指数は、これから毎月初旬に公表されることとなり、経済紙面をにぎわすことになるでしょう。本ブログでも今後、不動産価格指数を大いに活用していきたいと思います。

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| 最新ニュース | 22:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
新耐震以前のマンションは投資不適格?−土地白書にみる投資家動向と危機感
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★ 国土交通省は本日、「平成23年度土地に関する動向」及び「平成24年度土地に関する基本的施策」(土地白書)を公表しました。このうち、「平成23年度土地に関する動向」の第1部・第2章「不動産の価値向上と市場の整備」に、興味深い分析が掲載されていましたので、以下にご紹介します。

 まず、
我が国の不動産の築年別ストック量をみてみると、住宅については、総務省の「住宅・土地統計調査」によれば、新耐震基準が導入された昭和56年より前に建築された住宅が約32%を占めています。つまり、日本にある住宅の約3分の1は築年数が30年を経過しており、その多くは新耐震基準を満たしていない可能性が高いことになります。

 それでは、
我が国の不動産市場において、築年数はどのように考えられているのか、土地白書では、オフィス市場における投資家の築年数に対する意識について分析を試みています。これによれば、オフィスビルのキャップレート(投資家が期待する不動産投資利回り)に対する主要な価格形成要因の弾力性をみると、平成19〜20年を除いて、「築年数」の弾力性が「駅距離」や「規模」の弾力性に比べ大きく、キャップレートの変動に対して、「駅距離」や「規模」よりも「築年数」の変動が大きな影響を与えていることがわかります。

 つまり、一般的には、
「駅距離」や「規模」よりも、「築年数」を気にする傾向が高いということです。統計データによれば、平成19年・20年の不動産プチバブル期にはなぜか、「規模」を気にする向きが多かったのですが、不動産プチバブル崩壊後は、再び「築年数」がクローズアップされるようになりました。

 また、オフィスビルへの投資にあたって、
どの程度の築年数まで許容するかについて不動産投資家へアンケート調査した結果によれば、約9割の者が築30年までが許容限界であると答えています。この時期は新耐震基準が導入された時期とおおよそ合致するため、土地白書では、投資家が耐震性の観点から築30年以上の物件を敬遠しているものと分析しています。

 この統計データの折れ線グラフは、なかなか興味深いです。
築年数5年までは当然のことながら、投資家の許容度が95%以上と高いのですが、築年数5年経過後から許容度が下がり始め、その傾きは築年数15年までほぼ同じです。そして、築15年〜20年で傾斜はさらに急になり、築20年〜25年でやや緩やかになるものの、築25年〜30年の許容度の落ち方が最もきつくなります。

 しかし、
築30年を経過すると、傾斜は急にフラット化し、築35年〜40年でやや傾きが大きくなるものの、築40年を越えると許容度ゼロに緩やかに向かうことになります。

 これはおそらく、
日本特有の元号との関係があるように思われます。すなわち、築15年超で傾斜がきつくなるのは、元号が平成1ケタ台に入るからで、また、築25年超で最も大きく下落するのは、元号が昭和となってしまうから、と考えると、おおむね符合するのです。

 そして、
築30年経過で緩やかになるのは、土地白書の分析どおり、新耐震基準の適用の有無が影響しているのでしょう。ここまでで、投資家の許容度は10%にまで落ち切っており、築30年超となると、むしろレトロな建築物を好んで嗜好する少数層の存在も考えられるからです。

 築年数に対するこうした投資家の意識は、実際に
投資法人が所有する資産の内容からも裏付けられます。投資法人が所有するオフィス物件の平均築年数の分布をみると、築年数が20年以下である物件が83.3%、30年以下である物件が94.8%を占めており、築浅の物件を選好している状況がみてとれます。

 ここに問題点の一つがあります。上記のとおり、
我が国の住宅は、その32%が築年数30年超となっているのに、投資家の所有物件としては、築30年超は5%程度しかないということですから、この両者の数値に「住宅」と「オフィス」の違いはあるものの、築年数が古いものが極端に供給過多になっているのです。

 これも上記で見たとおり、
日本では、「築年数」が「駅距離」や「規模」よりも投資家動向に大きな影響を及ぼしており、よく言われる「不動産に対する日本人の新築・築浅偏重傾向」がデータ的にも裏付けられた形です。今後、平成バブル期以降に大量供給された物件がますます築古化し、人口減少に伴い需要が先細りしていく中で、問題は一層深刻化していくことが考えられます。

 最近、
国土交通省は、中古住宅市場を活性化するために、あの手この手のさまざまな施策を実施していますが、それも上記に述べた危機感が背景にあるからでしょう。本年の土地白書は、そのような国土交通省の狙いや東日本大震災後の耐震性に対する課題を色濃く反映したものとなりました。

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| 市場動向 | 21:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
ゴールドマンが日本不動産への投資再開!−外人という「荒ぶる神」の功罪
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★ 本年5月26日付の読売新聞によれば、米ゴールドマン・サックスが2008年の金融危機以降、4年ぶりに日本の不動産投資を再開します。今夏に専用のファンドを立ち上げて年金基金などから資金を募り、都心のオフィスビルなどに投資します。投資額は千億円にのぼる見通しです。

 ゴールドマンは日本の不動産に投資してきた海外マネーの代表格で
1997年以来、累計で1兆円超を投資しました。しかし、金融危機で不動産価格が急落して以降、日本での投資を見送ってきました。今回、傘下の運用会社を通じてオフィスビルや商業施設などを購入します。

 米大手ファンドの
TPGキャピタル日本の不動産市場に本格参入します。今春、経営破綻したマンション開発会社のスポンサーに就任しました。今後2〜3年でマンションなどに500億円を投じる模様です。米不動産投資会社のラサール・インベストメントも大阪の複合施設の一部を取得するなど、日本向け投資を増やします。

 海外勢が投資を積極化するのは、
国内不動産市場に底入れ感が出ているためです。英不動産調査会社のDTZによると、2007年以降の都心オフィスビルの賃料下落率は4割弱に達し、企業業績の回復などを背景に「今年後半には底入れする」との見方も出ています。

 地価下落が続いたことで
「世界的に見ても投資利回りなどの点で魅力は高まっている」(米投資会社)として投資拡大に動きます。

 以上が読売新聞の記事の内容です。外国人が日本の不動産に再び興味を向け始めているという、興味深いニュースです。一般に、投資で利益を得るには、
「安く買って高く売る」(キャピタルゲイン)、あるいは「安く買ったものを活用して高い利回りを得る」(インカムゲイン)のいずれかの方法となります。

 キャピタルゲイン狙いでの不動産投資という面では、日本の人口が既に減少傾向にあることを考えれば、中長期的には価格が下落傾向に向かう可能性が高く、リスクは高いと考えられます。一方、インカムゲイン狙いであれば、現在、不動産価格の下落で投資利回りは上昇しており、こちらも空き室率増加のリスクは抱えるものの、キャピタルゲイン狙いに比べればそのリスクは小さいと考えます。

 実際、例えば
新築マンションの1LDKを購入した場合の利回りを計算してみると、表面利回りで6〜7%が可能な物件が結構出てきています。これは、不動産価格の下落に比べて賃料の下落は緩やかであるため、結果として利回りが上昇するという性質によるものです。不動産バブルの頃は投資利回りが2〜3%しか出ず、必然キャピタルゲイン狙いにならざるを得なかったところ、インカムゲイン狙いの投資であれば今の状況は好機であると言うことができます。

 したがって、上記の記事のように、
特に利回りが高い商業用不動産については、投資対象として十分魅力的であるといえます。金額としては、米ゴールドマンサックスが千億円、TPGキャピタルが2〜3年で500億円という規模ですので、従来の投資額に比べれば額が小さく、リスクを抑えながら、各商品への分散投資の一環として、日本の不動産を活用しようという姿勢が見てとれます。

 一方、
外国人による不動産投資については、ネガティブなイメージもついて回ります。不動産バブル崩壊後に破綻あるいは破綻寸前の日本の会社の不動産を買いたたき、大もうけをしたいわゆる「ハゲタカファンド」や、つい最近の不動産プチバブル期でも、都心不動産の価格の急上昇を招いた大きな原因として、海外からの投資資金の大量流入があったことなど、記憶に新しいところです。

 外国人の不動産投資は、
あくまで仮需であることが問題であると考えます。すなわち、儲かると思えば、短期間のうちに大量の資金を流入させ、あぶないと思えば、一斉に資金を引き上げると言うふるまいが、不動産価格の乱高下を招いてしまうという点です。

 これは、
実需としてマンションを購入しようとする一般の個人にとっては迷惑となることが多いと思われます。マンションを買いたいと思うときに高値で買えなくなり、また、高値時点で買ってしまった場合には、その後の価格急落により大きな含み損を抱えて身動きがとれなくなる、といったリスクが、最も立場が弱く、そして最も切実に不動産を求めている一般の人たちに最も如実に表れてしまうからです。

 このことは、
日本のREIT市場にも悪影響を及ぼしました。本来、不動産投資をより身近に行える手段として、ミドルリスク・ミドルリターンを目指したはずの日本のREIT市場が、外国からの巨額の資金流入により、2008年には急激な指数の上昇を招き、リーマンショック後の海外資金の一斉引き上げにより一転して価値は急落、その後も、このハイリスク・ハイリターンのダメージから立ち直れずに未だに市場は低迷しています。

 このREIT市場の価格の乱高下は、
株価とは異なった安定した投資収益をREITに期待した投資家層からの信頼を失わせ、今や日銀の買い支えに期待をかけるような、あまり健全とはいえない市場となっています。その意味でも、海外ファンドの弊害は無視できないものがあると言わなくてはなりません。

 しかし、一方では、
日本の不動産への大量な資金の流入は、やはり不動産市場全般において活気をもたらす効果があります。右肩上がりのトレンドは、その傾向が続く限りにおいて、私たちのような末端の実需者を含めて「WIN-WIN」の効果をもたらします。そこで生まれた富が社会に循環して経済を活性化させれば、日本経済が再び元気になる希望が生まれてくるのです。

 日本の
株式市場は、今や外人抜きでは語れない市場となりました。日本の不動産市場においても、外国人からの投資は、言わば「荒ぶる神」のように、時折席巻しては去っていく、存在感の大きなプレイヤーとなっています。少なくとも、現状停滞している不動産市場に、変化を与えてくれきっかけになるものと前向きにとらえ、これと上手に付き合っていく知恵が私たちに求められているのでしょう。

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| 最新ニュース | 22:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
生活保護受給者大歓迎?−不動産業界における貧困ビジネスとは
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★ 最近、著名芸能人のお母さんが生活保護を受けていた問題を契機として、生活保護に関わる課題がクローズアップされています。簡単に言えば、生活保護が本当に困っている人を助けているのならよいのですが、そうではない人たちまで生活保護を受けているのではないか、といった疑惑にどう対処するか、という課題です。これは、役所における認定の問題や、その支給水準の問題など、さまざまな論点を含んでいます。

 今回はあまり焦点が当たっていませんが、前々から指摘されているのが、
生活保護費支給等をめぐるいわゆる「貧困ビジネス」の問題です。生活保護受給者には、毎月毎月、生活に必要なお金が国から支給されることとなります。これには、不況でリストラされたとか、ご本人が病気で働けなかったとか、個々の事情で収入が上下する心配がなく、「固い収入」と言うことができます。

 本当かどうかわかりませんが、
生活保護費の支給日には、パチンコ屋が繁盛する、という話があり、私もそのようなルポルタージュの記事を読んだことがあります。本来は、人が生きていくうえで最後の砦となるべき生活保護費があえなく遊興費に消えているのだとしたら、こんなにもったいないことはありません。私たちの税金の使い道としても、その方の今後の生活のためにも、悲しむべきことだと思います。

 もちろん、生活保護を受けている方も、
きちんと生活できる住居が必要です。株式会社インフォレントでは、『東京23区の生活保護でも入居相談可能な賃貸マンションを検索できるサイト』を作成しています。このサイトの説明には、「弊社では市町村役場で生活保護支給の相談済の方や市町村役場担当者より電話を頂ける方のみを受付対応させていただいています」とあり、真に困っている方を助ける意味合いから、不動産会社やオーナーのご理解を得て住む場所を提供しているサイトとなっています。

 しかし、私は先日、ある不動産投資家の方とお話しする機会があって、びっくりしたことがあります。この方は、不動産投資を始められて数年が経ち、ワンルームなどのマンションを複数持っておられ、いろいろと苦労はあるものの、まずまず順調に賃貸業を営んでいらっしゃるようでした。


 「私の夢は」と、その方は打ち明けるように言いました。「生活保護者専用のアパートを建てることなんです」

 私は一瞬耳を疑いました。それまで不動産投資でいかに儲けるかを一生懸命語っていた方が、突如方向を180度転換して、今後は社会貢献を目標にするかのような発言をしたのかと思ったからです。

 しかし、よくよく聞くと、その方は困っていらっしゃる方の支援をしたいということよりも、やはり
ご自身の利殖のために「生活保護者専用アパート」を建てたい、と考えておられることがわかりました。

 はっきりとはおっしゃいませんでしたが、
生活保護者専用アパートには、以下のような利点があると思っておられるようでした。

1.生活保護受給者数が急増している

 近年、生活保護受給者数は急激な勢いで増加しています。1951年には204万人だった生活保護者は、日本が豊かになるにつれて減少し、1995年には88万人となりましたが、その後増加に転じ、特に2008年のリーマンショック以降は加速度的に増え、昨年7月には過去最高の205万人に、そして最新のデータである本年2月現在では210万人と過去最高を更新しました。見方を変えれば、日本の人口が減少している中で、生活保護ビジネスは需要が急増している数少ない成長産業と言えます。

2.土地購入やアパート建築の費用が抑えられる

 地主さんならまだしも、今の時代に土地から購入してアパート経営をしようとすると、コスト面からほとんど成り立たないと思われますが、生活保護者対象の場合、駅からの距離等にそれほど拘泥することなく、また、アパート外観などを簡素にするなど建築費用も抑えられ、低コストでアパート経営を始められる可能性があります。

3.メンテナンスや大型改修の費用が抑えられる

 生活保護の方は、物件を選ぶ余地が限られていると推測され、「客寄せ」のために華美な施設改修などをやらなくても、居住するための基本的機能さえ確実に維持していればよいといった利点があるものと思われます。

4.毎月の家賃収入が確実に得られる

 これはやり方によると思いますが、例えば、生活保護費の支給が銀行振込みで可能とすれば、支給日と同日に家賃を引き落とすことによって、確実に家賃収入が得られます。もちろん家賃には上限があり、高い家賃はとれませんが、それはコストパフォーマンスを考えればよいことだと考えられます。

5.賃借が長期にわたる可能性が高い

 生活保護の方は資力に乏しいだけに、転居するだけの資金的余裕がない場合が多く、結果として同じ部屋に長期間住んでいただける可能性が高いと思われます。これが今の大家さんには一番ありがたいことのようで、生活保護の方は、その大家さんの願いにぴったりあてはまるように見えます。
 
 以上、私は口をあんぐり開けながら、その投資家の方のお話を聞いていました。確かに見方を変えて、
生活保護受給者をビジネスの対象としてとらえれば、そこには商売として回る仕組みがあるようにも思います。

 しかし、本来、
生活保護とは、実社会で何らかの理由でドロップアウトせざるを得なかった方が、再起をするために、そのしばらくの間をセーフティネットとして皆で支える仕組みであるはずです。生活保護ビジネスは、悪くすると、そのセーフティネットに群がって、受給者の方々が身動きがとれなくなるまで囲いこもうとすることにもなりかねません。上記の投資家の方はもちろん、そのような意図はないのでしょうが、図らずも生じてしまうリスクには十分気をつけるべきでしょう。

 私がもう一つ感じたのは、
大家さんの賃貸業にかける切ない思いです。日本が高度経済成長のさなかだった頃は、地方から都会へと我も我もと若い人が押し寄せたため、地主さんは急ごしらえの安い木賃宿をつくり、そんな状態でも、貧しかった彼らは文句を言うこともできずにそこに住み、下宿・アパートは常に満杯状態更新時期がくれば当然のように家賃を上げて言わば大家さんが左団扇で賃貸業ができた時代でした。

 ところが
今や東京都区部でも空室率が上昇し、それなのに賃貸マンションは続々と建設され、入居者は新しいマンションへと逃げていき、礼金も更新料もまともにとれず、更新のたびに家賃は下がり「何でもいいからとにかく長く住んでくれ」と、更新時期が来ると祈るような思いになるのが最近の大家さんの状態です。

 そのような苦しい中にあって、
唯一増加の一途をたどる生活保護受給者に対して、かつての高度経済成長期のような賃貸業の再来を夢見たとしても不思議ではありません。いみじくも、上記の不動産投資家の方が「私の夢」と言ったのは、このような大家さんの思いを無意識のうちに代弁したものだったのでしょう。

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| ノウハウ・経験談 | 22:20 | comments(0) | trackbacks(1) |
地価反転の兆し?−再開発・湾岸・タワー物件が再び地価上昇の牽引力に
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★ 国土交通省が今月22日に発表した平成23年第4四半期(10/1〜1/1)の主要都市・高度利用地150地区における地価動向によれば、上昇は16 地区(前回11)、横ばいは70地区(前回61)、下落は64地区(前回78)となり、上昇または横ばいを示す地区が86と全体の57%(前回48%)を占めました。

 上昇または横ばいが過半を占めたのは、平成20年第2四半期(4/1〜7/1)以来3年半ぶりであり、また横ばいが最多の変動率区分となったのも3年半ぶりとなります。

 上昇または横ばいを示す地区が増えたのは、
‥豕都・湾岸部の住宅地で東日本大震災の影響が薄れたこと等により東京圏で上昇または横ばいを示す地区が増えたこと、▲泪鵐轡腑鷦要、駅周辺の大規模商業施設の開業等により地方圏で上昇または横ばいを示す地区が現れたこと等によるものです。

 今回の地価動向は、全体としては緩やかな下落が継続しているものの、
三大都市圏、地方圏とも上昇または横ばいを示す地区が前回より増加し、地価の下落基調からの転換に向けた動きが見られます。一方、円高や世界景気の後退懸念等による先行き不透明感の地価への影響も見られます。

 以上が国土交通省の「主要都市の高度利用地地価動向報告」の調査概要の冒頭の部分です。ようやく
地価の下げ止まりの傾向が見えてきました。平成20年のリーマンショックで不動産プチバブルが崩壊、その後平成22年には地価上昇の兆しが見られたものの、昨年3月11日の東日本大震災の勃発により、その後の地価停滞を余儀なくされました。今回の結果は、東日本大震災のもたらした地価への影響を脱しつつある現状を表したものと言えます。

 東京圏では、
上昇地点が前回の2か所(元住吉、武蔵小杉)に豊洲が加わりました。特に豊洲は3期連続地価が下落していただけに、この反転は明るい材料です。やはり『プラウドタワー東雲キャナルコート』『ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス』の販売が湾岸エリア物件への注目度をあらためて高めたことが大きいと思われます。

 また、東京圏では、
横ばいが32、下落が30となり、3年半ぶりに横ばいが下落を上回りました。前回の下落から今回、横ばいに転じたのは、川口市、佃・月島、芝浦、汐留、池袋東口、蒲田、横浜駅西口、元町の8地点となります。すなわち、再開発がされたところ、又は湾岸エリアという、新興勢力が再び息を吹き返したと言うことができます。

 逆に、
前回横ばいから今回下落に転じたのは、さいたま市新都心、本郷・湯島の2地点です。一般に、伝統的に良好な住宅街は、従前の価格が高いことも相まって、価格変動の波が未だ到達していないようです。

 本報告における地元不動産関係者からは、「
タワーマンションの上層階は、震災直後は苦戦していたが、現状では特段の影響はないように思われる」(佃・月島)、「超高層中古マンションの当期の売出価格は、東日本大震災等の影響が弱まり、EUの金融問題等による株価の低迷等の影響はあるものの、やや上昇傾向に転じている。また、賃貸マンションの空室率が低下し、賃料が横ばい傾向にあることから、当期の地価動向は前期のやや下落から横ばい傾向に転じている」(芝浦)といった声が上がっています。一時期低迷していたタワー人気も再び復活しそうな気配です。

 さらに、この調査時点では
日経平均株価が8,500円近辺をうろうろしていましたが、本日9,500円を突破し、株価1万円を視野に入れるようになってきました。もちろん、株価がこのまま上昇し続けるということは考えにくいのですが、幾度かの調整をはさみながらも上昇トレンドに乗るとすれば、不動産投資の動きも活発になってきます。

 
地価は株価に約半年遅れて同様の軌道を取ると言われています。景気回復の実感は乏しいものの、金融相場の常として、普通のサラリーマンの所得とは関係なく(あるいは所得上昇に先んじて)株価や地価は上がっていきます。こうして、「買えないときにマンション価格は下落」し、「買いたいときには既にマンション価格は上昇」といった現象も見られるのです。

 このような
「先高感」が出てくると、皆我先に物件を奪い合うようになり、それがますます物件価格を高騰させる結果となります。こうやって不動産バブルが生まれ、誰も買えないくらいに高くなるとマーケットは突然崩壊するという、これが不動産市場の波の繰り返しです。

 上記は少し妄想に近い記述になりましたが、今、
マンション価格は結構重要な局面にある気がします。このまま地価が反転していくのか、それともこれは一時の減少で再び沈んでいくのかひとつの勘どころかもしれません。

 マンション購入を真剣に検討されている方は、少なくとも
この半年間の価格水準は現在と同水準にあると思われますので、その後のトレンドも含め注意深く見極める時期だと考えます。あるいはこの3月期の決算や9月の第2四半期の決算をにらんだ値引き物件をターゲットにする戦略も考えられるでしょう。

 ただし、
地震のリスクファクターだけは拭いがたいものがありますので、防災対策の観点からの物件選択は、今後より重要になってくるものと考えます。

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| 市場動向 | 22:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
首都直下地震4年内70%!−マンション市場に与える影響は?
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★ 本日1月23日のフジテレビのニュースによれば、マグニチュード7クラスの首都直下地震が、今後4年以内に、およそ70%の確率で発生するとの試算を東京大学地震研究所がまとめました。これは、地震研の平田 直(なおし)教授らの研究チームがまとめたものです。

 それによると、2011年の東日本大震災以降、
首都圏ではマグニチュード3〜6の地震が、平均で1日あたり1.48回発生し、震災前のおよそ5倍にのぼっていること、また、この地震活動の傾向が、5〜10年続くと考えられることなどをふまえて算出した結果、マグニチュード7クラスの首都直下地震は、今後4年以内に、およそ70%の確率で発生するとの試算をまとめました。

 平田教授は「多くの地域で地震活動は活発化しており、
首都圏だけでなく、東日本を中心に注意が必要」としています。政府が現在出している首都直下地震の確率は、「30年以内におよそ70%」との試算ですが、これは、震災以降の地震活動の影響などは考慮されていません。

 以上がフジテレビのニュースの内容です。本日は各紙・各テレビとも、一斉にこのニュースについて伝えています。「マグニチュード7クラス」「首都直下地震」「今後4年以内」「70%」の確率で起こる、という、一語一語がショッキングな言葉ですが、それが文としてつながると、とんでもない内容になっており、耳を疑いました。

 70%というと、
好調なときのイチローがヒットを期待されながらバッターボックスに入り、残念ながら打ち取られた割合とほぼ同じです。本日の降雨確率が70%だとすれば、普通の人は傘を持って出かけます。ということは、普通の人はこのニュースを聞いて、地震に対する対策を考えなければなりません。

 まず、このニュースが天気予報の降雨確率とほぼ同じくらい確からしいと真剣に考えた場合、最も安全なのは、首都圏から脱出することです。しかし、ほとんどの人は、仕事があったり、学校があったりなどで、首都圏を離れるわけにはいきません。

 そうだとすれば、次に考えられるのは、その人が古いアパートなどに住んでいる場合には、
できるだけ新しく、耐震建築になっているマンション等に引っ越すことです。少なくとも、昭和56年以前の建築基準法改正前の中古アパート・マンション等への需要は減退することが予想されます。

 一方、
分譲マンションの販売に与える影響はどうでしょうか。ライフステージとの関係から、マンション購入を迫られている人は、制震構造・免震構造のマンションを選ぼうとすることでしょう。また、マンション全体としての防災対策がしっかりしている物件を選ぶはずです。

 これらの条件を満たすものは通常、大規模タワーマンションが多いので、この点タワーマンション販売にはプラス材料ですが、一方、今回の大震災で、高層階に住む不便さ・怖さをいやというほど体験したのも事実ですので、これは相変わらずマイナス材料です。

 また、大規模タワーは今後とも湾岸エリアに大量に計画されていますが、
湾岸埋立地のリスクが再びクローズアップされる可能性があります。『プラウドタワー東雲キャナルコート』等の分譲でせっかく盛り上がってきた湾岸タワー需要に水を差しかねません。

 逆に、4月18日の本ブログの記事『東京23区で地震で最も揺れにくい区はどこ?』でご紹介したように、23区では杉並区、練馬区、中野区、世田谷区、板橋区などの西部、できればさらに西の武蔵野台地上の地盤の堅固な市部への人口移動が起きるかもしれません。この場合、不動産価格は必然的に、西高東低のトレンドとなることが予想されます。

 これらのことから、今後は、
城西エリアの高台等の強固な地盤上にある、防災対策が予めきちんと施された、タワーではない大規模免震マンションが人気を博するかもしれません。

 しかしそもそも、
こんな時期にマンションを買うこと自体リスキーだ、という考え方も十分成り立ちます。地震保険をかけるから万全、ではなくて、マンションの構造部に深刻な破損が生じた場合には、専有部の復旧以前にマンションとしての資産価値がゼロ、ともなりかねません。少なくとも、マンション修復までにはかなりの時間と費用(場合によっては自己負担も)がかかる可能性があり、それが築4年のまだぴかぴかのマンションに7割の確率でありうる、と言われたら、誰でも躊躇します。

 マンション価格も上昇傾向とは言えないし、
しばらく様子をみて頭金を貯めて、4年後に(4年経過後に地震リスクはますます高まっているかもしれませんが)さらに良いマンションを買おう、とのスタンスが主流となるかもしれません。

 投資用の不動産購入に与える影響もネガティブです。投資家は、物件への愛着ではなく、トータルとしてのリターンを求めて有利だと思ったら不動産を購入する、という合理的なスタンスをとるものだとすれば、4年以内に自己資産が毀損する可能性が7割だとすると、そんな大きなリスクを背負うのは割が合わず、株や金など他の投資先にさっさと資金を振り向けるはずです。通常、不動産投資はミドルリスクミドルリターン(不動産投資勧誘本ではローリスクミドルリターン)ですが、震災リスクを大だと判断する投資家においては、首都圏における不動産投資はハイリスクミドルリターンとして投資不適格と考えることでしょう。

 より視野を広げれば、今回の大震災で一時的にそうであったように、
首都圏の代替地としての関西の地位が相対的に向上する可能性があります。もともと首都機能のバックアップ機能を真剣に考えるべきなのですが、それ以外でも、民間企業が関西に本拠地を移したり、社員を関西に異動させたりといった動きがあるかもしれません。地震の少ないといわれる関西においては、これはプラスの材料となります。

 しかし、日本人は
「喉元過ぎれば熱さ忘るる」国民ですから、本日話題となった東大地震研の分析も、すぐに記憶のかなたに行ってしまう可能性が大です。一方、今晩も福島地方で震度5弱の地震があったところであり、大地震の可能性はすぐそこまで迫っている、というのも肌身で感じるところです。
 
 果たして今から4年の間にマグニチュード7の首都直下型地震が起きているかどうか−それは、4年後の本ブログで話題にしたいと思います。

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| 地震・防災 | 21:45 | comments(0) | trackbacks(1) |
ミテッツァ千代田三崎町(新築)−割安な価格で千代田区新築マンション投資を実現
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★ JR総武・中央緩行線「水道橋」駅より徒歩5分、都営三田線「水道橋」駅より徒歩8分、東京メトロ半蔵門線・同東西線・都営新宿線「九段下」駅より徒歩6分、東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・都営三田線「神保町」駅より徒歩10分の場所に立地するフリージアハウス分譲・ファーストカルディア施工・地上12階建・総戸数40戸の『ミテッツァ千代田三崎町』です。

 アドレスは千代田区三崎町です。三崎町は、千代田区の北部に位置します。地域北部は神田川に接し、これを境に文京区後楽・本郷にそれぞれに接しています。地域東部は千代田区猿楽町に、地域南部は千代田区西神田に、地域西部は日本橋川に接し、これを境に、千代田区飯田橋にも接しています。

 江戸時代に
徳川家康をはじめとする歴代の将軍が城下町として開発し、大名や旗本の武家屋敷が立ち並ぶ町となりました。 江戸時代を通じて神田小川町と呼ばれ、幕府の講武所が設けられました。 しかし、1866年(慶応2年)11月に講武所は廃止され、陸軍所が吸収し、明治時代になると、陸軍の練兵場として使用されました。 その後、1890年(明治23年)、陸軍練兵場は三菱社に払い下げられ、市街地としての三崎町の開発が始まります。 特に丸の内のオフィス化開発と違い三崎町は市街地として開発されました。

 現在、当地は「水道橋」駅の駅前になり、
商業地域でオフィスビルや商店が多いほか、日本大学法学部などの教育施設も見られる地域です。住居表示実施前の神田三崎町への呼称変更を求める住民運動も起きています。

 さて、
「水道橋」駅から本マンションまでは徒歩5分の道のりです。事業所の中に飲食店などの店舗が点在する通りを南西方面へまっすぐ歩き、首都高速に接する手前で右折すると左手に本マンションが立地します。また、通勤には最も利便性が高いであろう「九段下」駅からは、首都高速を超えた通りをそのまま北上すれば本マンションとなります。ただし、特に「九段下」駅からは、首都高速を左手に見ながらの道のりですので、殺風景と言えば殺風景です。

 本マンションの周辺も、
事業所系のビルが多く、街中にしては若干賑わいには欠けているところがあります。また、本マンション南西側は首都高速が通り、激しい交通音と排気ガスで南西側の窓をあまり開けられないのではないかと感じました。

 一方、
本マンション至近の交差点には住友不動産の高級賃貸マンション『ラ・トゥール千代田』があり、私が現地を訪れたときも、外国人のビジネスマンや富裕層とおぼしき方が『ラ・トゥール千代田』に出入りされていました。また、そこから首都高速を超えた斜め向かいには、知名度のある『東京レジデンス千代田九段下』があるなど、ちょっとしたプレミアムマンションの一角にもなっています。

 本マンションの
外観はホワイトで統一され、高級感というより、機能的な印象を与えます。間取りは1R、1DK、1LDKで専有面積25.21屐40.56ですので、単身者用・投資用またはセカンドハウスとしての用途が主目的のマンションのようです。

 本マンションの販売は、本年1月に開始され、
本年3月10日には竣工して完成売りとなり、販売はまだ続行中です。販売価格は2,520万円〜3,740万円のレンジですが、公式HPによれば、1DK37.95屐販売価格2,980万円(坪単価259万円)の住戸があるようです。

 標準相場をごくおおまかに試算すると、337万円[九段下坪単価]×1.025[駅距離補正]=坪単価345万円となりますので、上記住戸は相当割安ということになります。公式HPでは、本物件を投資用にフルローンで購入した場合でも、現在の変動金利0.875%(35年)が使えるのであれば、管理費・住宅ローンを差し引いても毎月プラス収入が43,444円あるとされています。

 これを年額に換算すると、43,444円×12=521,328円となり、結構な収入額に見えます。一方、上記の計算には
固定資産税や収入にかかる所得税等が算定に入っていませんので、これらを加味して、購入者の年収を1千万円として試算してみると、毎月実質プラス収入が22,112円、年額換算で265,348円と、上記の約半分となりました。

 こうみてくると、
毎月2万円超の収入を得るのに3千万円近い住宅ローンを組むことを是とするか非とするか、の判断になってきます。投資用に賃貸に出すということは、当然空き室の状態がありうることを覚悟しなければならず、修繕積立金や専有部の修繕費用なども後年かかってきます。投資の出口としての売却では、購入時価格からの値下がりがそれまでの収益額を超えない範囲にとどまってくれるか、という心配もあります。

 それでも、本マンションの
表面利回りは上記住戸で5.7%となり、新築マンション投資の中では利回りが高い方です。場所柄、賃借人は、千代田区内にお勤めの収入の割合高い社会人である可能性が高く、いったん借りていただけたら滞納などの心配は少ないと思ってよいでしょう。また、家賃の設定も、周辺相場と比べて割高とはなっていないようです。

 本マンションは、
千代田区という都心で割安な価格を実現することにより、フィージブルな投資を可能にした点が評価されるべきだと思います。もうすぐ販売から1年、個人の不動産投資家がこのメリットをどこまで魅力的に感じて本物件を購入してくれるかどうか、が完売に向けてのカギとなることでしょう。

本マンションを水道橋側から写したものです。白いさわやかな外観です。(以下サムネイルをクリックしてご覧ください)。



本マンションの正面玄関です。赤く塗られたエントランスホールの壁が人目を引きます。



本マンションを九段下側から写したものです。



本マンションの南西側は水路になっています。写真左手が首都高速、写真右手の白い建物が本マンションです。



首都高速を越えた地点から本マンションを写したものです。写真手前から首都高速の橋げた、水路、階段部分が青く塗られた本マンションとなります。



本マンションの最寄りの交差点角は、再開発に伴って千代田区が整備した公園とそれにつながる高級賃貸マンション『ラ・トゥール千代田』があります。




公式ホームページ ⇒ミテッツァ千代田三崎町

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| 新築マンション 千代田区 | 21:14 | comments(0) | trackbacks(1) |
本日の不動産関連ニュース−REITは、ハイリスク・ローリターンの商品へと変貌
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★ 9日付共同通信によれば、証券取引所の不動産投資信託(REIT)市場に上場している米不動産大手が設立母体のニューシティ・レジデンス投資法人(東京)は9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けました。上場REITが破たんするのは初めてで、負債総額は約1,123億円です。

 同社は、不動産市況の悪化や世界的な金融不安を背景に、資金繰りが困難となり、決済資金や借入金の返済ができなくなったと説明しています。

 同投資法人は2004年9月に設立され、12月に東証に上場しました。

 (所感)

 ついに、上場REITの破たんです。「オリックス証券のHP」にもある通り、
REITは、株式と債券の中間の性格を持つミドルリスク・ミドルリターンの商品と言われてきました。

 しかし、平成18年後半から平成19年前半の外資系ファンドの大量参入により危険なハイリスク・ハイリターンの商品へと性格を変貌し、サブプライムローン問題発生による外資系ファンドの一斉引き揚げにより、下落の激しかった東京株式市場を上回る勢いで急落してきました。

 そして今回、ついに運営主体そのものが倒産、ニューシティ・レジデンス投資法人の投資証券のみならず、
本日は全てのREIT商品が9%超下落、REIT指数は前日比14.19%安の715.76と、平成15年4月1日の算出開始以来の安値を連日下回っています。

 この間、日経平均株価については、平成19年2月の18,300.39円から本日の8,115.41円へ下落率55.7%となっているのに対し、REIT指数については、平成19年5月の2,636.23から本日の715.76まで下落率72.8%と、日経平均株価を大きくアンダーパフォームしました。

 株式まで手を出す勇気はなく、かといって今の銀行の金利には飽き足らなかった個人投資家の中には、専門家や証券会社のアドバイスを信じ、手軽な不動産投資のつもりで、REITにより中長期運用を試みた方も多かったのではないかと思います。結果的には、そうした善良な普通の方々が一番、そのささやかな期待を大きく打ち砕かれたこととなり、慙愧に耐えません。

 ニューシティ・レジデンス投資法人のREITはもう投げ売りするしかないのでしょうが、そのほかのREIT商品を保有し、
もはや逃げられなくなった個人投資家の方々の多くは、今後長期間、この証券を塩漬けすることとなるのではないかと思います。

 こうなると、REITは、不動産賃料収入を収益の基礎とするだけに、
株価が今後反転したとしても、今度は不動産市況の悪さや信頼感の極度に低下したREIT法人の経営状況に足を引っ張られて、戻りは限られてくるのではないかと思います。ミドルリスク・ミドルリターンと言われたREIT商品、少なくとも現時点では、ハイリスク・ローリターンの商品と堕してしまったと言えるのではないでしょうか。

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| 最新ニュース | 23:48 | comments(0) | trackbacks(51) |
本日の不動産関連ニュース−リゾート会員権の快楽と恐怖
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★ 1日付西日本新聞によれば、民事再生手続き中の地場大手不動産会社、丸美(福岡市)は30日、主力の分譲マンションと賃貸マンションの管理事業を、準大手ゼネコンの長谷工コーポレーション(東京)のグループ会社に譲渡する方針を決めました。

 丸美代理人弁護士によると譲渡先は、マンション関連サービスを手がける長谷工アネシスと、同社子会社の長谷工コミュニティ(いずれも東京)です。譲渡金額は非公表です。

 譲渡益の一部は丸美の社債や、不動産投資ファンド、リゾート会員権を購入した一般債権者約4,200人への弁済に充てられる見通しです。

 長谷工グループは全国で19万3,000戸の分譲マンション管理と、6万3,000戸の賃貸マンションを管理する国内大手です。

 両社は、丸美が管理する分譲マンション全約380棟(約1万4,700戸)と、賃貸マンション全約4,300戸について管理を引き継ぎます。丸美のマンション管理事業部門の社員や管理人など計300人の雇用も継続します。
賃貸管理物件で、丸美が別の事業資金に使っていた預かり敷金についても補償する意向ということです。

 丸美は、大手信託銀行をファイナンシャルアドバイザーに選定し、譲渡に向け入札を実施しました。譲渡額や、事業実績などを判断し、両社を優先交渉先に選びました。代理人弁護士によると、福岡地裁への譲渡申請手続きなどを経て10月中に正式決定したいとしています。

 (所感)

 丸美リゾートが運営しているロマネスクリゾートクラブは、九州の菊南、霧島、湯布院にリゾートホテルを有しています。例えば
プラチナ会員になり、200万円を預託すると、5年間で100万円相当の無料宿泊ポイント、使わなかった無料宿泊ポイントは買取、退会時に預託金200万円を全額返還となります。

 つまり、200万円を預けるだけで5年後には300万円分の価値を有することとなり、年間利回りは10%となります。また、契約期間中、クラブ無料宿泊ポイントをまったく利用せず、全て買取を行った場合は60万円をキャッシュでもらえることとなり、5年後に260万円を現金で手にするわけですから、年間利回りは6%になります。しかもいずれも元本保証(会社がつぶれなければ)なのです。

 この低金利の時代に、こんなおいしい話はそうそうあるものではありません。2年前にこの広告を見たとき、私は「余裕資金があるなら入るのにな」と本気で思いましたし、実際に私の妻の資産家の友人は、会員権を購入して楽しんでいたようです。

 しかし、今年の春頃でしょうか、TVのニュース番組で、
ある会員制リゾートホテル会社(丸美とは無関係です)の特集をやっていました。そこでは、高い会員権を買っていざ泊まろうとすると、「予約でいっぱいです」と言って泊めさせず、会員でない利用客の利用を優先させて、収入を得ようとしていた実態がレポートされていました。

 その会社の内実は火の車で倒産寸前であることを知りながら、いやむしろ倒産寸前であるからこそ、事実を隠し過大な広告を打って、会員権販売に血道を挙げた末に倒産した悲惨な結末が描かれていました。末期に会員権を購入したお客は、施設をほとんど利用できないままに虎の子の資産を失ったことになります。

 私はこのとき、「ああ、あのとき、ロマネスクリゾートの会員権を買わなくてよかったなあ」と思ったものでした。このTV番組のせいでもないのでしょうが、
ロマネスクリゾートの運営会社である丸美は、「いつでも解約可能」としていたホテル会員権の解約が殺到、預託金返還の資金繰りに行き詰まり、8月5日に民事再生法の適用を申請、九州最大級の企業の経営破たんとなりました。

 「おいしい話には裏がある」「ただほど高いものはない」−私たちはこんなシンプルな人生訓をよく承知していながら、目の前の儲け話につい目がくらんでしまいがちです。丸美は、TVでレポートされたような悪徳リゾート会社とはもちろん一線を画するのでしょうが、その会員権のお話も、なぜこの事業が可能なのかというビジネスモデルをきちんと理解した上で、安全と判断できて初めて加入すべきものだったのでしょう。

 それにしても、
リゾート関連企業は大不況です。例えば、会員制リゾートホテル首位のリゾートトラストの株価は、私がロマネスクリゾートの広告に興味を持った平成18年に4500円の上場来高値となりましたが、現在の株価は1003円、2年前に比べて株価は4分の1以下となっています。

 リゾート産業は、景気に最も敏感な業種であり、
皆が「先行き良くなる」と浮かれるととてつもなく発展しますが、逆に「もうだめだ」と弱気になったら急速に業績が悪化します。生活の中では真っ先に削られる部分である上に、事業の性格上巨額の有利子負債を抱える業種ですので、会員権購入という行為は、実は無意識のうちに大変リスクの高い投資を行っていることになるのです。

 何はともあれ、今回の長谷工グループの救済で、会員となられていた方々に預託金が無事戻ることを願っています。妻に、「会員権を買った××さん、どうしているかなあ」と聞くと、
「あの人にとっては、なくなってもどうってことない金額だから」との答、なるほど、この方にとっては、余裕資金を使った正しい投資だったのかもしれません。

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| 最新ニュース | 06:22 | comments(0) | trackbacks(13) |
本日の不動産関連ニュース−日本郵政とウォーレン・バフェットの共通点
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★ 18日付日経新聞によれば、日本郵政グループが福岡市で分譲マンション開発に着手することが17日、分かりました。同市内で一定の開発実績を持つ企業を対象に共同事業者の募集を始めました。日本郵政グループは10月に民営化から1年を迎えます。一定の需要が見込める福岡市など主要都市を中心に、所有不動産を活用したマンション事業を新たな収益源として育てたい考えです。

 日本郵政がマンション開発事業で共同事業者を募集するのは福岡市が初めてです。今回募る候補企業から事業提案を受け付け、最適な共同事業者を選定します。12月をメドに物件選定や開発の方向性などを含めた具体的な検討を始めます。
建設地の候補には同市中央区で運営してきたホール「メルパルク福岡」の跡地などが浮上しているということです。

 日本郵政が提示した共同事業者の条件は、
福岡市の中央、城南、早良、南の4区で2005-07年に事業主として140戸以上を開発した実績があり、直近の連結決算で売上高が1,000億円以上で最終損益が黒字であることです。同社では、地元の有力企業などの応募を見込んでいます。

 (所感)

 ようやく日本郵政の土地が動き始めました。
郵政事業は、はるか昔から駅前の一等地や市内の中心地など、とにかく全国各地の一番良い場所に土地を所有してきました。郵便という業務からは、一番便利なところに拠点を持ってきたのは当然と言えます。

 郵政事業のおそろしいところは、そんな良い所に土地や建物を持ちながら、利用の高度化などほとんど考えずに、あいかわらず昔ながらの土地使用で郵便事業に専念してきた点です。平成の世に入ってからはさすがに土地の利活用の意識が生まれ、複合施設を設けたりもしましたが、それも全体から見ればほんの一握りです。

 しかし、これはある意味すごいことで、
だからこそ貴重な優良地が今の今までほとんど手つかずで残ってきたのです。その価値は、明治・大正・昭和の取得時から比べると、天文学的な率で上昇しているに違いありません。

 バリュー株投資の名人で「オマハの賢人」と呼ばれる
ウォーレン・バフェット「私の好きな投資期間は永遠だ」という名言を残していますが、郵政事業はまさに、無意識のうちにバフェット流の投資を行っていることになります。

 実は郵政民営化の前から、郵政事業に対しては、民営化を見越して「土地を売ってくれ」というオファーが殺到していました。しかし、郵政事業の側は、民営化の前は
「民営化の準備でそれどころではない」と言い、昨年秋の民営化後は「民営化後の体制整備でそれどころではない」と言い、みすみす平成18年〜19年の不動産投資のピークを逃してしまいました。

 そして今、日本郵政が、市況とはまったく無関係に「内部の準備が整ったのでこれから不動産事業を始める」と宣言したのです。民営化後1年が経ち、そろそろ民間企業としてのマーケット感覚を身につけなければならないと思うのですが、相も変らぬお役所仕事で、これで計画通り株式を上場して大丈夫なのかと溜息が出る思いです。

 いやしかし、
これも実はすごいことなのかもしれません。民間企業はしばしば、市況を読みすぎて失敗します。株式投資も不動産投資も、相場の上昇下落を気にしすぎて損害をこうむるのです。ウォーレン・バフェットも、「本当は、誰もが見向きもしないときに、投資するのがベストです」と言っています。市況を気にせず、自分の好きなときに不動産事業を悠然と始める日本郵政は、やはり日本の不動産事業におけるウォーレン・バフェットなのかもしれません。

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| 最新ニュース | 22:24 | comments(0) | trackbacks(12) |
本日の不動産関連ニュース−分譲マンション駐車場の店舗改築で不当な利益を挙げる業者
JUGEMテーマ:マンション

★ 11日付の読売新聞によれば、大和市のマンション分譲業者「一休商事」が、県内や都内に分譲したマンションに無許可で地下駐車場などを造っていた問題で、平塚市は10日、市内の分譲マンション2棟について、無許可で駐車場や駐輪場のスペースを店舗として増築していた建築基準法違反が見つかったと発表しました。

 同市建築指導課によると、問題のマンションは、同市菫平と御殿のいずれも4階建てマンションです。菫平の物件は、1991年10月、
市の完了検査に合格した後、一休商事が、1階の駐車場と駐輪場のスペース(約48)を無断で店舗として増築、その後、個人に販売しました。この結果、容積率200%を17.47%上回る違法状態となりました。

 御殿の物件でも、1993年11月の完了検査後、1階の駐車場と駐輪場のスペース(22)を店舗に造り替え、容積率や建ぺい率が基準を超えていました。

 同市は、一休商事に対し、適法な状況に是正するよう指示。
同社は「是正する」と文書で回答してきたといいます。だが、違法な改造をだれが指示したかなど詳しい経緯については、「当時の担当者が辞めており、わからない」としています。

 一休商事を巡っては、大和、厚木、川崎、東京・多摩の4市の6棟で建築確認申請にない地下駐車場や立体駐車場を無許可で造っていたことが判明しています。県建築指導課によると、同社が分譲したマンションなどは県内に計54棟あり、その後の調査で、平塚市のほか、横浜市でも3件の違反が見つかっています。

 (所感)

 事故米の流通が世間を騒がせていますが、
不動産業界でもあいかわらず法律違反の偽装事件が後を絶ちません。先週の日曜日のお昼の人気番組「噂の!東京マガジン」でも、本件記事と類似の神奈川県内の事件について詳しくレポートされていました。

 そこでは、
分譲マンションの駐車場スペースを売主が所有できるように専用使用権が登記され、本来マンション管理組合に収入として入るべき駐車場使用料を住民から取り続けていたのです。確かに法律上の形式は整えられているのですが、素人の住民がそのことにあらかじめ気づくなどということは不可能に近いでしょう。住民側との話し合いでは、売主会社の社長は「善処する」などと言いながら、のらりくらりと対応し、いまだに問題は解決していないようです。

 不動産事業は、極端に言えばお金さえ借りてくればいつでも誰でも参入できる敷居のきわめて低い業界です。したがって、裾野では、「儲かりさえすればいい」というクオリティの低い会社が多く、その収奪先になっているのが私たち一般庶民の大切な金融資産なわけですから、不動産の購入には極めて厳重な注意を払わなければなりません。

 私は昨年、ある不動産投資セミナーの会社の事務所を訪ねたことがあります。ある本の裏表紙に載っていた誠実そうな会社代表の笑顔と懇切丁寧に投資方法を説いたその本の内容に惹かれたからですが、待合室の隣のミーティングルームからは、
「投資物件というのはお客に押しつければ後は関わる必要がないんだ」という趣旨の発言が聞こえてきて、私は早々に退散することにしました。

 日本の会社の特徴は、「信頼感と安心感に裏打ちされた技術力の高さ」だと誰もが考えていますし、これこそが、今後世界において日本経済が戦っていける最大の強みなのです。最近、そのような日本人のプライドや自信を根底から揺るがすような企業の不祥事が続出していることをとても悲しく感じます。

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| 最新ニュース | 12:05 | comments(0) | trackbacks(5) |
東証1部上場ゼファーが民事再生手続きに−不動産業界の業の深さをみる
JUGEMテーマ:マンション

★ 東証1部上場のゼファー は昨日、民事再生手続き開始を東京地裁に申請し、受理されたと発表しました。

 同日付けロイターによりますと、ゼファーは、不動産取引が停滞するなか物件の売却が思うように進まなくなり、資金繰りがひっ迫した子会社(近藤産業)が破産、関係会社整理損142億6,400万円を計上したゼファーも自己資本が大きく毀損し、担保価値の低下なども相まって資金繰りに行き詰まったとのことです。

 最終的には今年7月末までに必要な27億円の資金を調達するメドが立たなくなったことが、民事再生手続き開始の引き金を引いた、と報じられています。負債総額は949億円で、
上場企業の民事再生手続き開始の規模としては、2003年10月の森本組(大阪、負債総額2,153億円)以来となります。

 飯岡社長によれば、サブプライムローン問題に関連して今年1月ごろから信用収縮の状況が悪化、昨年末には資材の早期調達などに努めましたが、金融機関の不動産セクターへの融資審査の厳格化や外資ファンドの不動産物件への投資縮小、突然のキャンセルなどもあり、影響が広がっていったということです。飯岡社長は、「金融機関の不動産セクターへの融資姿勢は1、2、3月と、月を追うごとに非常に厳しくなった」と述べています。

 私は、昨年8月1日の記事「2009年にはマンション価格が下落する、というシナリオ」の中で、「地価高騰に乗ろうとして金融機関から金を借りて新規参入してきた中小の不動産業者はたちまち首が回らなくなります。おそらく再来年(2009年)当たりには、いくつかのデベロッパーが物件のダンピングを行い、市場から退場していくのではないでしょうか。」と書きましたが、
その波が予想よりも1年早く来てしまった感があります。

 上記の「シナリオ」の予想では、2008年は、マンション価格はまだ高止まりをしているのが前提でした。昨年、一昨年と、先を争って入手した高額の土地や高騰した物件費を前提に分譲するとすれば、売れ行きがいかに鈍っても、高値をつけざるを得ない、と考えたからです。

 しかし、
予想を上回る売れ行きの鈍化は、その急騰した価格を持ちこたえるだけの財政的な余裕を各社から奪っていきました。そして、いったん値崩れが始まると、逆ザヤは一層拡大し、各デベロッパーの財務内容は急速に悪化していきます。リスクの肥大化した不動産業者に対しては、これまでどんどん融資をしていた金融機関も、手のひらを返したように融資を打ち切り、息の根を止めてしまいます。有利子負債が多いのは不動産会社の宿命ですが、このことが最後は、金融機関によって引導を渡される、という典型的な民事再生のパターンにはまってしまう理由となります。

 昨年12月10日の記事「グレイスが倒産!? 今後のマンション市場動向には一層の注意が必要か」でお伝えした
グレイス株式会社を皮切りに、中小のデベロッパーの経営破たん事例がぽつぽつ見られていましたが、先月24日には、弁護士法違反事件がらみで業績が急速に悪化した東証2部上場のスルガコーポレーションが民事再生を申請、そして今回ついに、東証1部上場の不動産会社の民事再生事案が登場しました。

 ゼファーの株価は、平成17年の年末は455,000円をつけていましたが、民事再生申請がまだ公表されていない昨日の終値は16,700円と、
2年半で約30分の1弱になっています。まことに不動産業界の盛衰は激しく、呆然とする思いです。

 当然これはゼファーだけの問題ではなく、
他にも信用不安を抱える不動産会社があるのではないか、と、投資家の間では疑心暗鬼になっています。これは、そのこと自体がますます各デベロッパーに対する信用収縮を生むという悪循環をも生んでいます。

 今般の不動産価格の高騰について、大手不動産会社のトップをはじめ、不動産業界は異口同音に
「今回は収益還元法に基づいた不動産投資なので、バブルになることはあり得ない」と発言していたはずですが、実態としては、将来収益を甘めに見ればいくらでも「適正価格」は吊り上げられたのです。

 つい1年前まで、各デベロッパーは、金融機関の手厚い融資を背景に、資金力旺盛な海外ファンドとともに、不動産価格を一般の購入検討者の手に届かないところまで持ち上げて、各社創業以来の最高益を得てきました。しかし、海外ファンドがいっせいに引き揚げた今、自ら作り上げた「適正価格」のために、買い手不在となって身動きが取れなくなっているのもまた、同じデベロッパー自身なのです。

 不動産市場は、一体いつになったらこのような愚を繰り返さないようになるのでしょうか。不動産バブル崩壊に伴うこのおなじみの光景を見るたびに、
人間の欲望の業の深さを感じます。 

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| 最新ニュース | 13:33 | comments(0) | trackbacks(8) |
気になる株価の反転・金利の上昇−今後の不動産市況
JUGEMテーマ:マンション

★ 5月15日、不動産経済研究所は、4月の首都圏マンション市場動向を発表しました。

 これによりますと、首都圏で
4月に新規発売されたマンション戸数は、2,875戸でした。この数字は、前年同月比29.7%の減少、また、前月比36.0%減と、8カ月連続の減少となりました。

 不調は供給サイドだけではありません。新規発売戸数に対する契約戸数は1,813戸で、
月間契約率は63.1%(前年同月比11.2%減・前月比2.2%減)と、好不調の分かれ目とされる70%を9カ月連続で下回りました。需要サイドも低調、ということができます。

 1戸当たりの平均価格は5,344万円(前年同月比14.9%アップ・前月比6.9%アップ)、坪単価は233.6万円(前年同月比12.9%アップ・前月比5.5%アップ)です。先月は、1戸平均約1億3千万円の『パークコート赤坂 ザ タワー』の販売があったことが大きく影響していますが、
材料費や人件費は相変わらず高騰を続けていますので、デベロッパーが利幅を薄くするか、地価が反落しない限り、価格の上昇傾向は続く可能性が大きいと言えます。

 マンション販売在庫数は、期末の売り出しのためか前月比293戸減ったものの、10,544戸と、5カ月連続で1万戸を上回っています。目下、売りたい価格ゾーンと買える価格ゾーンが乖離しており、ちょっとした構造不況と言って良いのかもしれません。

 しかし、留意すべき材料もあります。株価が3月17日を底に戻ってきている点で、今年は「彼岸底」のアノマリーを地でいくような軌跡をたどっています。三井不動産の株価は3月17日の底値から昨日の終値で57.4%増、三菱地所は32.0%増、住友不動産に至っては88.5%増と大幅に上げました。

 株価の回復は富裕層を中心に
余裕資金を生じさせ、また、投資マインドを改善させます。国外ファンドは、日本の不動産の「買い時」を狙って、大量の資金を集結させつつある、との情報もあります。高額物件を中心に、不動産投資がじきに息を吹き返す可能性もないとは言えないのです。

 また、
今月に入って金利は急上昇、これから融資実行を控える購入者を慌てさせています。金利の先高観が再び台頭すれば、今まで買いを急がなかった潜在的なマンション購入希望者が、割高感や専有面積の狭さにもかかわらず、購入を決断せざるを得なくなるかもしれません。

 不動産市況は、要は、先行きをどう見るか、で動くものです。先月の統計は、あくまで過去の結果であり、将来を占うものではありません。もちろん、今のところ市況鈍化継続シナリオの方が私の気持ちの中でも優勢なのですが、ひょっとすると、という思いも湧いている今日この頃です。

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| 市場動向 | 22:04 | comments(0) | trackbacks(14) |
REITは本当にミドルリスク・ミドルリターン?−危うさを増すJ-REIT
 J-REIT(日本版不動産信託)の値動きが思わしくありません。J-REIT全体の値動きを示す東証REIT指数は、5月に年初来高値2,636.23をつけた後下落傾向となり、9月に年初来安値1,746.2を記録、最近やや持ち直して2,000台をキープしていましたが、昨日引けにかけて急落、前日比5.4%安の1,946.17で終えました。

 一方、東京株式市場は、主要先進国・新興国の株式市場に比べて戻りの鈍さを指摘されていますが、それでも日経平均は、7月の年初来高値18,261.98円から8月の年初来安値15,273.68円まで急激に振らされた後、17,092.49円まで回復しています。


 REITは、国債(ローリスク・ローリターン)や株式(ハイリスク・ハイリターン)に比べると、ミドルリスク・ミドルリターンの商品であると説明されています。国債では利回りが低すぎるが、株式に手を出すのは恐いという人にオススメ、という触れ込みです。

 ミドルリスク・ミドルリターンの理由は、「国債のように元本を保証されたものではないが、賃料収入が比較的安定しているから」とされ、もちろんREIT株にも値動きがありますが、通常の株式に比べ緩やかなものになっている、とのことです。


 しかし、これまではミドルリスク・ミドルリターンだったかもしれませんが、今年はその説明があてはまらなくなっています。J-REITは昨年末より急激に上昇、その反動もあって上記の通り、今年の変動幅は33.8%、現在価格も年初来高値に比べて26.1%安に沈んでいます。日経平均の変動幅が16.4%、現在株価が年初来高値に比べて6.4%安と、ハイリスク・ハイリターンと言われる株価よりよほど大きな値動きとなっています。

 この直接の原因は、
外国人投資家の存在です。外国人投資家のJ-REITの買いは、昨年2,719億円の買い越しだったところ、今年は1〜4月だけでも3,229億円の大幅買い越しを記録、これがサブプライムショックで一斉に投資資金を引き揚げたことによる急落したわけです。

 しかし、
もっと根本から言えば、J-REITは不動産投資そのものではなく、不動産に仮託した金融商品への投資なのであり、上記のように株式同様、流動性の高い自由な売買が可能である以上、そもそもミドルリスク・ミドルリターンではなかったのです。

 さらに、平成14年12月に全国銀行協会が「J-REITの売買損益などを銀行の業務純益に組み入れて良い」という通達を出したことで、株や債券に替わる代替投資先として地銀など国内金融機関の投資が活発化、平成15年7月には投資信託協会が自主ルールを改定し、J-REITを組み込んだファンド・オブ・ファンズを解禁、平成18年からはいわゆる「バランス型ファンド」がブームになったことで、世界のREITに投資しながらJ-REITを組み込む投信も増加するなど、その性格をより金融商品化してきたことを、多くの個人投資家はほとんど認識していなかったのでした。

 加えて、
昨今の地価上昇、物件価格の上昇、J-REIT価格の上昇、金利の上昇の4つの上昇パンチが、J-REITの魅力の源泉と言われる分配利回りの低下を招き、高配当利回りを出す企業の株式とほとんど変わらないレベルにまで落ちてきています。

 ダヴィンチ・アドバイザーズが取得した丸の内のパシフィックセンチュリープレイスのオフィス部分のCap Rate(期待利回り)は約2.2%ですが、現行賃料約4万5千円/月坪を約6万5千円/月坪と44.4%の大幅増に改定していて、全て新規賃料になればCap Rate3.2%となるようにしています。大手投資法人も同様の動きをしており、取得時Cap Rateより新規賃料時Cap Rateに重きを置く楽観シナリオで物件取得をしており、これらが既にJ-REITに組み込まれているのです。

 確かに足元オフィス市場はタイトで賃料は上昇傾向ですが、例えば丸の内界隈のここ1年の賃料上昇率は7.1%にとどまっています。もちろん賃料上昇率は物件の優劣により大きく異なりますので一概には言えないのですが、
賃料はあるべき不動産の価値から算出されるものであり、あるべき賃料から不動産の価値を算出するような、利回りありきの賃料設定は順序が逆ではないか、と思うのです。

 このようなことから見ると、J-REITは、ミドルリスク・ミドルリターンどころか、かなりアブナイ金融商品に変わりつつあるのではないでしょうか。
流動性は劣るものの、実物としての不動産に投資した方がまだ安全、という気がします。

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| 市場動向 | 08:01 | comments(0) | trackbacks(10) |
都心の一等地の地価上昇率が0%に!−意外にもろかった地価上昇相場?
★ 本日の産経新聞ネット配信が面白い記事『都心地価「上げ止まり」 海外資金が急減、30地点で伸び0%』を出してきました。高騰を続けてきた都心部の地価が住宅地、商業地ともに「頭打ち」の様相をみせ始めている、というのです。9月3日の本HPの記事で、「世田谷区マンションに黄信号?−変調する不動産相場」としましたが、どうやら変調しているのは世田谷区マンションだけではなさそうです。

 野村不動産アーバンネット(東京)が7月、東京23区内の住宅地51地点を抽出してみました。地価動向調査によると、7月1日時点におけるこの1年間の地価の伸び率は21.4%ですが、
直近3カ月の伸び率は3%にまで落ち込んでいる、ということです。

 ここまではさもありなん、と思うのですが、
注目すべきは、「港区赤坂8丁目」「渋谷区神宮前4丁目」など、調査地点の半分以上にあたる30カ所の伸び率が0%になっている、というのです。都心の一等地の地価の伸びが全くない、というのは、確かに大きなニュースです。

 また、商業地においても、港区内に事務所を構える不動産鑑定士は、「昨年から港区や中央区、千代田区など、都内一等地の商業地の地価は頭打ちになっている」と指摘しています。

 その背景として、同記事は、次の2つの要因を挙げています。


1.REIT(不動産投資信託)の配当利回りが落ちたことなどで魅力が薄れ、地価上昇を支えてきた海外から流れ込む不動産投資マネーが減り始めている。

2.米国に端を発した低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題が世界的に広がる中で、投資家の意欲がさらに冷え込む可能性がある。


 結局は、今回の不動産相場の急騰が実需に支えられたものではなく、海外投資家の運用先としての資金流入に過ぎなかったことが露見することになるかもしれません。東京証券取引所が発表しているREIT販売状況によると、平成17年5月から外国人による買い越しが続いてきましたが、今年6月は約375億円、7月には約203億円の売り越しに転じているそうです。これらに加え、サブプライムローン問題が今後の地価に影響すると考えているのが、REITアナリストの見方です。

 こうした見方に対し、不動産業界は否定的です。「サブプライムローンに対する投資は、ジャンクボンド(信用格付けが低く、利回りが高い債券)への投資のようなものだ」と指摘し、我が国の不動産投資はそれに当たらない、と不動産会社のトップはコメントされています。

 しかし、最近の我が国不動産投資が果たして堅実なものであったかどうかは、当時は心配ないとされていたサブプライムローン同様、後年にならないと判断できないものですし、少なくともこの高値の波に乗って過大なローンを組んでしまった個人の返済率は、結構厳しいものがあるのではないでしょうか。もっとも、これら住宅ローンの獲得競争を行ってきた銀行・ノンバンクへの影響や、「フラット35」のように住宅ローン債権を商品化して投資家に販売した影響まで思いをはせるのは、今のところ杞憂に過ぎないのかもしれません。

 この種の記事は、いわば先物買い的な、当たればでかい、当たらなければそれもよしという観測記事ではあります。しかし、私も「2009年にはマンション価格が下落する、というシナリオ」(8月1日記事)に立っているだけに、今回の産経新聞の記事には意を強くしています。今月下旬の基準地価の発表では、前年比で順調な上昇を記録するでしょうが、
今回の記事にある通りの足元の地価動向が単なる小休止なのか下落の兆候なのかは、早ければ来年3月の地価公示の発表、遅くとも来年の今頃の基準地価の発表までにははっきりしてくるのではないでしょうか。

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| 市場動向 | 15:54 | comments(0) | trackbacks(1) |
借り手がいない?不動産投資に赤信号!?
★ 昨日、不動産市況に関する興味深いニュースが2つリリースされました。

 一つは、三井不動産販売が行った
「首都圏の住宅地・中古マンションの価格動向を調査したリハウスプライスリサーチ」です。これによりますと、平成18年度(平成18年4月から平成19年3月)の年間変動率が住宅地はプラス9.7%、中古マンションはプラス6.2%で、ともに調査開始以来、最高の上昇率となったそうです。今後の見通しとしては、全体的な上昇傾向は今後も継続すると予想されますが、新線の開通などで利便性が向上した地域と、そうでない地域との二極化が一層鮮明になっていくと推測されています。

 もう一つは、アットホームの行った
「3月の首都圏賃貸市場動向」です。これによりますと、1戸当たりの成約賃料は、賃貸マンションが9.16万円(前年度月比1.2%下落)で過去最低、賃貸アパートは6.23万円(同0.0%)で、過去最低に並ぶ結果となりました。また、賃貸物件の成約数は21,245件(同2.2%減少)で、6カ月連続で減少となりました。地域別では、東京23区と埼玉県の減少く一方、神奈川県は好調で4カ月連続で増加している状況だそうです。

 この2つのデータを併せて考えてみると、どういうことが言えるでしょうか。素直に読めば、首都圏の住宅地・中古マンションの価格は過去最高の上昇率なのに、首都圏の賃貸市場は、成約数が減少し、成約賃料も過去最低となっているのです。

 これは、不動産投資の観点からすれば、投資家サイドは、賃貸収入及び売却収入を期待して、不動産投資を過熱化させていますが、賃借の需要には当然一定の限界があり、供給過多になりつつある、ということが言えるのではないか、と考えられます。上昇し続ける不動産市況だけを見て、先高観から不動産投資を行うと、実は借り手がいないという初歩的失敗を犯してしまう可能性がある、ということです。

 最近、不動産投資を投資家に積極的に薦めているある会社が、方針を少し軌道修正し、賃料収入より売却益を投資家に薦めるようになってきました。この流れがメインストリームになれば、投資需要が不動産相場を急騰させてきた一面があるだけに、賃料収入が不調となるだけでなく、不動産価格そのものが加速度的に下落していく危険性さえはらんでいます。

 不動産市況は、今が当面の高値天井圏なのか、それとも一休みして今の価格をこなせばまた上昇し続けるのか、目先足踏み状況を続けるマンション・一戸建の販売状況とともに、動向を注意深くウォッチする必要がありそうです。


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| 市場動向 | 22:51 | comments(0) | trackbacks(12) |
その不動産投資は安全か?−不動産投資入門その5(終)
★ 昨日に引き続き、『不動産投資入門』、今回が最終回です。
 
 昨日は,
月10万円の収入を得るためには,750万円を自己資金に,3,375万円の借金をして,満室で379.93万円の年間収入が期待できる4,125万円の物件を購入することにより,ネット収入年間288.75万円を得るとともに,ローンを年間168.75万円返済することにより,キャッシュフロー年間120万円を確保する,という計画になる、との例を提示しました。

 このときの
安全性を確認してみます。第3回の式でお示ししたように、
DCR(ローン返済率)=NOI(ネット収入)/ADS(ローン返済)…1.3以上が目安
でした。この式にあてはめると,DCR=1.71となり,OKです。
また,

BE%(損益分岐点)=〔Opex(運営費)+ADS(ローン返済)〕/GPI(満室・未収なし・相場)…70%以下が目安
でした。この式にあてはめると,BE%=60.4%となり,これもOKです。

なお,この物件の
表面利回りは,
379.93万円÷4,125万円=9.21%となります。

 また,満室で年間収入379.93万円を月単位にすると,月額31.66万円です。このことから,例えば
「1K×5室(家賃各6.4万円)の好立地のアパート1棟を4,125万円で購入すればよい」という具体的なイメージがつかめてきます。

 もちろん,これは計算上のことであって,現実にはさまざまなリスクが存在します。言い換えれば,月10万円の純益を得るのに,大きなレバレッジを効かせて4千万円超の物件を買わなければならないのです。したがって,不動産投資を行う際には,よく勉強し,あせらず,欲張らず,良い大家さんになることをモットーに,無理のない資金計画で,小さな物件から手がけていくことが肝要でしょう。


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| 不動産投資入門 | 20:41 | comments(0) | trackbacks(33) |
わずかな自己資金で毎月純益10万円の家賃収入を得る方法−不動産投資入門その4
★ 昨日(3月14日)の「不動産投資入門」の続きです。

 さて,不動産投資により,あなたが得たい純益としての収入を
「月10万円」としてみましょう。これを実現するためには,いくらを元手に,どれくらい借金をして,どのような物件を買えばいいのでしょうか。

まず,第2回でお示しした
K%(資金調達コスト=5%が適正),FCR(物件のネット利回り=6.5〜7%が適正),CCR(自己資金の利回り=13〜20%が適正)の適正値から逆算してみましょう。

月10万円の収入ですから,
年間収入は10万円×12ヶ月=120万円です。
CF=120万円のとき,CCRを16%と仮定すると,

CCR(自己資金の利回り)=CF(キャッシュフロー)/E(自己資金)
ですから,E(自己資金)は750万円になります。

FCRを7%,K%を5%とすると,
FCR(物件のネット利回り)=NOI(ネット収入)/IB(投資総額),
K%(資金調達コスト)=ADS(ローン返済)/LB(借入)
E(自己資金)+LB(借入)=IB(投資ベース)

ですから,LB(借入)は3,375万円,IB(投資総額)は4,125万円,NOI(ネット収入)は288.75万円,ADS(ローン返済)は168.75万円となります。

このとき,

GPI(満室・未収なし・相場)−空室損(地域・プランで変動 標準GPIの8%)−Opex(運営費 標準GPIの16%)=NOI(ネット収入)
ですから,GPI(満室・未収なし・相場)は379.93万円となります。

 つまり,
月10万円の収入を得るためには,750万円を自己資金に,3,375万円の借金をして,満室で379.93万円の年間収入が期待できる4,125万円の物件を購入することにより,ネット収入年間288.75万円を得るとともに,ローンを年間168.75万円返済することにより,キャッシュフロー年間120万円を確保する,という計画になります。

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| 不動産投資入門 | 20:48 | comments(0) | trackbacks(10) |
計算式をまとめてみると−不動産投資入門その3
★ ずいぶん間が空いてしまいましたが、2月18日(第1回)、2月22日(第2回)に続く「不動産投資入門」の第3回目です。先にお話を進めるために、第1回,第2回でご説明してきたこれまでの不動産投資について,計算式をまとめてみます。

(機法,泙此

物件価格+諸費用=総額

(供法,海里燭瓩了餠發箸靴董
E(自己資金)+LB(借入)=IB(投資ベース)

(掘法.ャッシュフローを導き出す計算式は,次の通りです。
(1) GPI(満室・未収なし・相場)−空室損(地域・プランで変動 標準8%)=EGI(実行総収入)
(2) EGI(実行総収入)−Opex(運営費。。。賃貸管理料・固定資産税・消費税・公共料金・修繕積立金・維持管理費)=NOI(ネット収入)
(3) NOI(ネット収入)−ADS(ローン返済)=CF(キャッシュフロー)
(4) CF(キャッシュフロー)−減価償却−基礎控除(青色申告)=課税所得


(検法ー,法じ率と安全をみる指標です。
[効率]

●FCR(物件のネット利回り)=NOI(ネット収入)/IB(投資総額)
●CCR(自己資金の利回り)=CF(キャッシュフロー)/E(自己資金)
●K%(資金調達コスト)=ADS(ローン返済)/LB(借入)
●レバレッジ判定(+−)
●PB(資金回収期間)=E(自己資金)/CF(キャッシュフロー)

〔安全〕
●DCR(ローン返済率)=NOI(ネット収入)/ADS(ローン返済)…1.3以上が目安
●BE%(損益分岐点)=〔Opex(運営費)+ADS(ローン返済)〕/GPI(満室・未収なし・相場)…70%以下が目安


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| 不動産投資入門 | 00:42 | comments(0) | trackbacks(15) |
個人で行う不動産投資の仕組みとは?−不動産投資入門その2
★ さて、前回(2月18日)は、私募ファンド形式による不動産投資についてご紹介しましたが、今回は、個人で行う不動産投資の考え方です。

 基本は一緒です。不動産投資に興味を持つきみお君は、
1億円の魅力的な投資用賃貸マンションを見つけました。不動産屋さんは、「正味の収入(NOI[Net Operating Income]:営業純利益)、つまり、満室時家賃の総額(GPI[Gross Potential Income])から空室損や未回収損、そして管理費・固定資産税といった運営費(Opex・OE[Operational Expense])を差し引いた額は、年間700万円になりますよ。」と、きみお君にささやきます。

【なお、この「正味の収入」を、「自己資金と借入金の合計額、つまりその物件を購入するのにかかった総額」で割ったものを、「物件自体のネット利回り(FCR[Free and Clear Return])」、と言います。この例の場合、700万円÷1億円=7%となります。】

 しかし、きみお君の貯金は500万円しかありません。「1億円なんて無理ですよ。。。」と帰ろうとするきみお君を、不動産屋さんは引き止めました。「大丈夫ですよ。きみおさんはご自宅をお持ちですから、これを担保にして、残りの9,500万円を調達できるはずです。」半信半疑のまま、きみお君は、不動産屋さんに言われたとおり、○○銀行に行くと、なんと、○○銀行は、
9,500万円を変動金利3%、30年返済で貸してくれると言うのです。

 「こんなに借金できませんよ。」目を白黒させるきみお君に、○○銀行の行員はこう言いました。「返済計画がしっかりしていれば大丈夫ですよ。この条件ですと、年間ローン返済額(ADS[Annual Debt Service])は
約480万円になります。でも、その賃貸マンションからは、正味の収入として年間700万円入るんですよね。ローンを支払っても、700万円(正味の収入)−480万円(銀行への返済)=220万円が毎年、きみおさんのポケットに入る計算になりますよ。」

 信じられない気持ちで不動産屋さんのところに戻ると、不動産屋さんは、にこにこしながら言いました。「ねっ、私の言ったとおりでしょ。きみおさんは、手持ち500万円の投資で年間220万円得られるわけですから、自己資金の利回り(CCR[Cash on Cash Return])は、

220万円÷500万円=44% 

になるんですよ。さらに言えば、年間ローン返済額480万円のうち、元金返済分は200万円ですから、この分はきみおさんの儲けの200万円でローン総額を減らしたのと同じ計算になります。ですから、潜在的なCCRは、

(220万円+200万円)÷500万円=84% 

にもなるんですね。さあ、どれだけお得かおわかりになったら、早速契約に入りましょう。」

。。。と、まるで不動産屋さんと銀行員がぐるになって、きみお君をだましているかのような書きぶりになってしまいましたが、以上は、個人でやる不動産投資の仕組みの一例をわかりやすく書いてみたものです。

 K%(ローンコンスタント[loan constant])という指標があります。年間ローン返済額(ADS[Annual Debt Service])をローン残高(LB[Loan Balance])で割ったもので、きみお君の例の場合、
K%=480万円÷9,500万円=約5%、となります。

 一般に、次の計算式が成り立てば、不動産投資は、当該物件だけで利潤が出て回せる、と言われています。


  K% ≪ FCR ≪ CCR

きみお君の例ですと、

  K%=5% ≪ FCR=7% ≪ CCR=44%

ですから、OKです。目安は、K%が5%、FCRが6.5〜7%、CCRが13〜20%、とすると良いようです。きみお君の場合、変動金利で借りていますので、金利5%ですとCCRは17.6%でOKですが、金利6%になると、年間ローン返済額が683万円となり、CCRは、(700万円−683万円)÷500万円=3.4%と、不動産投資の意味がなくなってしまうことには注意が必要です。

 個人で行う不動産投資は、前回ご紹介した私募ファンド形式と異なり、自分で投資物件を選ぶこととなります。きみお君の賃貸マンションが将来にわたり年間700万円の正味の収入を生むかどうかは、立地その他の諸条件を総合的に勘案して対象物件を選ぶことができる眼力と、その後の維持管理の努力(又は優秀な管理会社を選べる判断力)にかかっています。

 もちろん複数の投資物件を有していた方がリスク分散になります。いずれにしても、「自己決定・自己責任」が貫徹できる、という点では、やはりそれぞれが自分に合った投資物件を自分の目で選んだ方が、どういう結果になっても受け入れられるのではないか、と思います。


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| 不動産投資入門 | 20:30 | comments(2) | trackbacks(6) |
REIT(→私募ファンド?)の仕組みとは?(下記にご指摘、訂正あり)−不動産投資入門その1
★ 不動産投資の説明会に行ってきました。数回に分けて、内容をご紹介していきたいと思います。

 まず、最近よくもてはやされる
REIT(Real-Estate Investment Trust:不動産投資信託証券)。株と同じように売買が可能なので、中身を知らずともキャピタルゲイン(譲渡益)が図れ、現在REIT市場誕生以来の最高値で取引されるなど人気がありますが、本来は、不動産投資としてインカムゲイン(運用益)を得るために設計されたものです。

 10億円の賃貸マンションがあったとしましょう。正味の収入(NOI[Net Operating Income]:営業純利益)、つまり、満室時家賃の総額(GPI[Gross Potential Income])から空室損や未回収損、そして管理費・固定資産税といった運営費(Opex・OE[Operational Expense])を差し引いた額が年間7,000万円であった、とします。

【なお、この「正味の収入」を、「自己資金と借入金の合計額、つまりその物件を購入するのにかかった総額」で割ったものを、「物件自体のネット利回り(FCR[Free and Clear Return])」、と言います。この例の場合、7,000万円÷10億円=7%となります。】

 今度は、費用を計算します。銀行からの借入を、物件価格の7割、つまり
7億円とします。金利3%で借りているとすると、年間ローン返済額(ADS[Annual Debt Service])は2,100万円です。

 次に、物件価格の2割5分、つまり
2億5千万円を証券化して、REITとしてたくさんの投資家に販売します。利回り4%とすると、年間の利払い総額は1,000万円です。

 そして、物件価格の5分、つまり
5千万円だけが、胴元となる会社の出し分です。この会社がこのマンションから得られる年間の利益は、

7,000万円(正味の収入)−2,100万円(銀行への返済)−1,000万円(投資家への利払い)=3,900万円 です。

 5,000万円の投資で年間3,900万円得られるわけですから、自己資金の利回り(CCR[Cash on Cash Return])は、

3,900万円÷5,000万円=78% にもなります。

 これが、他人の資本を使い、テコの原理を応用した
「レバレッジ効果」です。

 さて、胴元の会社は、この
3,900万円をどうするのでしょうか。次の賃貸マンションの投資に回すのです。単純に言えば、1,100万円を継ぎ足して、自己資金5,000万円とすれば、上と同じ仕組みで2棟目の10億円の賃貸マンションが買えるのです。そして、そこから上がる収益で、3棟目のマンションを・・・と循環が続いていきます。各賃貸マンションがそれぞれ毎年3,900万円ずつ産み出すわけですから、このままやり続けると、ねずみ算式に資産及び収益が膨らんでいきます。

 しかし、金利が上昇し、銀行への利払いが2%増えると、
金利3%2,100万円金利5%3,500万円となり、たちまち収益を圧迫します。REIT投資家と胴元の会社の分け前が同じ比率だったとしても、投資家に回る利払いは、1,000万円から700万円へ、利回りにして当初の4%から2.8%に落ちてしまいます。会社側の取り分も3,900万円から2,800万円へ、CCRが78%から56%になり、投資循環がにぶっていくことになります。「金利の上昇がREITに与える悪影響」とは、こういうことを言うわけです。

 もちろん、本質的には、事業系であれ、住居系であれ、投資される賃貸マンション(ビル)の質が問われます。正味の収入が
7,000万円あがることが前提なわけですから、年数が経ち部屋がなかなかうまらなくなる→うまらないから賃料を値下げする→賃料を値下げすれば住人(テナント)の質が落ち、住環境(事業環境)が劣化する→ますます空室が増える、管理が行き届かなくなり修繕費用がかかる→。。。などと悪循環が始まると、加速度的に苦しくなっていきます。しかし、どのような物件をREITに組み入れているかは、投資家にとって大変見えにくいですし、それが優良物件であるかどうかを確かめる術も持ち合わせていないのが通常です。

 さらに、そもそも景気が悪化し、不動産賃貸市況が悪くなると、レバレッジが巨大に効いているだけに、「逆レバレッジ」がはたらき、インカム・ゲイン(運用益)が得られないばかりか、大きなキャピタル・ロス(譲渡損失)が発生するなど、目もあてられない状態になりかねません。株式市場とは異なる値動きをするために、投資のリスク分散としては効果がありますが、長い目でみれば、景気の動向に左右されるという意味で、株価に遅れて同方向の動きとなります。REITもハイリスク・ハイリターンであることを頭に入れておく必要があるでしょう。


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⇒ 上記の記述に対し、たつやさんから、以下のようなご指摘をコメントでいただきました。

「・・・これは私募ファンドの話ですか?J-REITは、資金は投資家と金融機関の借入からで出資額は0、利益は90%以上を分配する代わりに法人税免除のはずですが。上の例なら6,300万以上、普通は7,000万円が投資家に配当金として分配されます。胴元の投資法人の収入は運営報酬として費用計上されるもののみ。まぁ、報酬の取り方は投資法人毎に十人十色ですが。」

 ネットで調べてみたところ、ご指摘の通り、J−REITは、「法人税が免除されており、その代わり利益の90%以上を配当に回すことで高配当が実現できるしくみ」とされておりました。私が説明会で受けた説明は上記の通りだったのですが、おっしゃるとおり、私募ファンドのお話だったのかもしれません。自戒を込めて、ここで訂正させていただきます。たつやさん、どうもありがとうございました。



| 不動産投資入門 | 08:37 | comments(1) | trackbacks(71) |
地価上昇はマンション販売衰退のサインかも?
★ 最近、日経新聞に、住友不動産社長の高島準司氏のコメントが紹介されていました。それによれば、都心部で続く地価上昇の今後については、「不動産投資ファンドの動向がカギを握る」とお考えのようです。すなわち、不動産会社の方は、建物の分譲価格や賃料収入の予測を基に土地の取引価格を算出するのですが、不動産投資ファンドは利回りを基準とするため「金融市場の動向次第で土地の取引価格が跳ね上がることもある」とされています。

 一方で「マンション価格は上限に近づいている」との認識を示されました。首都圏を中心に需要は根強いものの、地価反転後に仕入れた土地で開発した物件では割安感が薄れてきたというのです。言わば、地価上昇は、「不動産会社の業績の衰退要因と表裏一体の関係にある」と発言されています。

 地価上昇を見込んで、マンション販売価格を真っ先に上げてきた住友不動産ですが、そのトップが「マンション価格の頭打ち」に言及したのは意外でした。そういえば、例えば『ステーションフォレストタワー』の好調な販売を受けて価格を引き上げた『パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー』など、第1期販売の戸数が予想を下回る物件が多くなっており、購買層の食いつきの悪さがこのところ目立つようになってきています。

 アダムスミスの『神の見えざる手』ではないですが、需要と供給は、こういった形でバランスを取り、おのずと適正価格が決まっていくのだなあ、と感じました。


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| 市場動向 | 23:17 | comments(0) | trackbacks(3) |
自宅を持ったら次は大家さんを目指す?




★ 本屋に行けば、不動産投資の本は山とあり、私もそのうちのいくつかを読みましたが、不動産コンサルタントの倉橋隆行氏が書かれた『これであなたも大家さん!』は読みやすくて、ためになりました。

 最大の特徴は、ストーリー仕立てになっていることです。だいたい、物語形式になっている本は、ストーリーと伝えたいノウハウ部分が遊離していて、かえって読みにくいものが多いものです。それは、ノウハウ提供者と、物語を仕立てているライターが別人で、ノウハウの内容をライターが十分咀嚼せずに書いているからなのですが、この本は、不動産コンサルタントの倉橋氏自身が、自らの体験に基づいたストーリーをつくっているので、話の流れに無理がありません。

 しかも、不動産投資の一人のサクセスストーリーではなく、さまざまな立場の登場人物がさまざまな不動産投資をするという、その道筋をわかりやすく追ってくれています。読者は、それぞれの登場人物と自分を見比べながら、自分に合った不動産投資のやり方がわかるという、よく練られた物語になっているのです。

 自宅を手に入れた場合、それを「資産」と見るか、「負債」と見るか。確かに目の前には巨額の住宅ローンが残っているわけで、「一生背負っていく借金」のように見えてしまうのですが、これを「資産」と評価することで、実は様々な可能性がその人の前に広がってくるのです。多少のリスクを負って楽な生活を目指すか、リスクを負わずにせっせと借金を返していくか、これはどちらがいいというわけではなく、その人の価値観なのだと思います。

 いずれにせよ、読んで損はない本です。こんな形で不動産投資に入っていくのか、と想像するだけで楽しくなります。「持てる者」と「持たざる者」の分かれ道は、ほんのささいな一歩なのではないか、と確信した次第です。


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| 本の紹介 | 23:31 | comments(0) | trackbacks(6) |
新着中古マンション−グランスティルセタガヤ
★ 千歳烏山駅より徒歩6分、専有面積80崢供築17年で4千万円台前半です。直近4,500万円の値がついていましたが、250万円値下げしたようです。

 間取りは、ほぼ正方形の住戸スペースを4分割したような形状、和室が6畳と4.5畳の2室あります。東向きバルコニーで、南側、西側にも窓があり、通風は良さそうです。1階は店舗、写真を見たところ、本物件の所在する3階部分は、バルコニーの目の前に電線ないし電柱があるかもしれません。
 

 種別:中古マンション
 名称:グランスティルセタガヤ
 価格:4,250万円
 所在:世田谷区粕谷4丁目
 交通:京王電鉄京王線千歳烏山 徒歩6分
 面積:専有 83.12

 ※詳細はこちら(ノムコムより)
グランスティルセタガヤ


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| 中古マンション 世田谷区 | 01:14 | comments(0) | trackbacks(7) |
新築戸建の成約数は減少傾向、成約価格はアップ
★ アットホームの調査による11月の首都圏売物件の市場動向が明らかになりました。

 それによりますと、首都圏の新築戸建の成約数は、1,688件で、前年同月比24.7%の減少、8カ月連続のマイナスとなりました。全エリアで2カ月連続二ケタ減の状況です。アットホームでは、物件の供給減及び需給のズレなどが要因と分析しています。その内訳をみると、3,000万円未満の物件が減少傾向にあり、高額物件は堅調に推移しているようです。

 新築戸建の成約価格は、首都圏平均で1戸当たり3,712万円で、前年同月比5.1%の上昇、5カ月連続のプラスとなりました。東京23区を除き、高額物件が好調で平均を押し上げました。

 中古マンションの首都圏の平均成約価格は、1戸当たり1,880万円で、前年同月比2.0%の下落、2カ月連続の下落となりました。地域別では、千葉県が下げ止まらず、平均価格が1,227万円で、過去最低となりました。


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| 市場動向 | 21:28 | comments(0) | trackbacks(4) |
不振の首都圏賃貸物件成約数
★ アットホームの調査によれば、10月の首都圏の賃貸物件の成約件数は、中古・新築ともに不振で、9,224件(前年同月比マイナス14.3%)となったとのことです。

 1戸当たりの物件成約賃料についても、賃貸マンションが100,700円(同1.9%下落)、賃貸アパートが65,300円(同0.3%下落)と、共に下落となりました。

 ワンルームマンション投資など、不動産投資ブームに乗って、賃貸物件が増加してきましたが、供給過剰になりつつあるのでしょうか。今後の動向に注目です。


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| 市場動向 | 00:27 | comments(0) | trackbacks(4) |
新着新築マンション−パークホームズ三軒茶屋シエル・クール
★ 南西の角地、静かな住環境でありながら
  都市の利便性を享受できる
  『パークホームズ三軒茶屋シエル・クール』

  中庭は「木漏れ日」をテーマとしており、
  住む人の心の安らぎを大事にしているようです。

  中規模物件であまり話題にはなっていませんが、
  一度モデルルームを訪問しておきたいマンションです。


販売予定時期  平成18年12月 上旬 販売予定
間取り  1LDK〜4LDK
専有面積  42.61平米(2戸)〜86.30平米(1戸)
所在地  東京都世田谷区野沢1丁目49他(地番)
交通  東急田園都市線 三軒茶屋駅 徒歩13分
    東急田園都市線 駒沢大学駅 徒歩11分
総戸数  63戸
敷地面積  2707.63平米
竣工時期  平成19年03月中旬竣工予定
入居時期  平成19年03月下旬入居予定
構造・階数  鉄筋コンクリート造地上4階地下1階建


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| 新築マンション 世田谷区 | 18:23 | comments(0) | trackbacks(0) |